松下洸平が明かす理想の恋愛観「大切なことは、スピードが一緒かどうか」——「#リモラブ」出演者インタビュー2020/12/02
波瑠さん演じる久しく恋愛をさぼってきた“おひとり様”の産業医・大桜美々が、オンラインゲームで知り合った顔も名前も分からない相手に恋をする恋愛弱者ラブコメディー「#リモラブ~普通の恋は邪道~」(日本テレビ系)。11月18日に放送された第6話では、ついに“生草モチ”と“生檸檬”がご対面。2人は晴れて付き合うことになり、今後の展開も気になるところです。
今夜(12月2日)放送の第7話を前に、“檸檬”こと青林風一を演じる松下洸平さんを直撃。ドラマの見どころや松下さんの恋愛観についてお伺いしたほか、とうとう残り1カ月となった2020年を振り返っていただきました!
――はじめに、青林を演じてみての印象や感想を聞かせてください。
「青林はとてもおおらかで、優しいですよね。ただその一方で、彼はちょっと頑固な部分があって。自分の中で正しいと思ったことを、なかなか曲げられない性格というか。そこがやっていて面白いなと思いますし、同時に難しい部分でもあります。今まで本編で出てきた中で言うと、(川栄李奈さん演じる)我孫子(沙織)ちゃんに去年のバレンタインにチョコをもらって、1年後のホワイトデーに返事をするっていう(笑)。僕自身が彼を理解してあげたいなとは思いながらも、普通ではありえない彼のこのスパンでの考え方や、恋愛に対してだったり、人との接し方はすごく独特だなと思います」
――確かに。かなりの時間をかけて決断していますよね。
「はたから見てると『長っ』って思うんですけど、彼にとってはそれくらい大切な一つ一つで。お付き合いをしていても、上司やいろんな人にごあいさつをするまで手もつなげない。いい言い方をすると、とってもピュアなんですけど、変な言い方をすると、めっちゃ面倒くさい(笑)。それを見て『あおちゃんめんどくさ~』と思うんだけど、『まあ、あおちゃんだからな』という説得力を持たせるためにどうすればいいんだろうと、日々演じながら考えています」
――そんな青林の“頑固さ”と似たものは、ご自身にもありますか?
「俳優は頑固な人が多いですからね(笑)。種類や考え方、一つ一つの出来事は違えど、僕自身も曲げられない部分はありますし。信念を持ってこの仕事をさせていただいているので、絶対に曲げられない部分はあります。そういう意味では、その頑固さは大事だなと思います」
――ちなみに、本作には個性的な役がたくさん登場しますが、“恋の容疑者”の5人の中で、松下さんが魅力的だと感じるキャラクターはいますか?
「ごもちゃん(間宮祥太朗さん演じる五文字順太郎)はいいですよね。優しくて、うそのない。最初、美々先生とくっつくためにうそをついたりはしていましたけど(笑)。でも、そこからちゃんと本当のことを話して、そこにあおちゃんが入ってきても、静かに美々先生とあおちゃんの恋をちゃんと見守ってくれる。そんなごもちゃんの懐の大きさに、僕もオンエアを見ながら胸をキュンキュンさせています」
――“あおちゃん&ごもちゃん”はSNSでも話題になっていますね。
「間宮くんと一緒にお芝居をしていて、彼との波長がとても気持ち良くて。彼はすごく…何だろう、独特な包容力がある人だなと思うんですよね」
――“包容力”ですか?
「優しいんですよね、間宮くん。ものすごく。普段もあんな感じでしゃべりますしね」
――松下さんから見て、間宮さんはどんな役者さんですか?
「僕よりも年齢は若いですし、いい意味でギラギラした俳優なのかなと思っていたら、すごくソフトで。温かい人でしたね。チクっとしないっていうか、刺されてもチクっとしない鋭さ。間宮祥太朗という俳優が演じると、ごもちゃんはああいう感じになるんだと思って。ごもちゃんのしゃべり方とか間合い、テンポにもすごく影響を受けてあの2人のシーンが出来上がるので。一緒にやっていて、とても楽しいです」
――今回はSNSでの出会いをきっかけに始まる恋が描かれていますが、松下さんはどんな恋愛の始まり方が理想ですか?
「理想ですか…何でしょうね。でも、出会い方に正解はないと思っているので。SNSだろうが、もともと友達で恋愛に発展するでもいいですし、一目ぼれでもいいし。いずれにせよ、最終的に2人が幸せならどれでもいいと思ってて。出会い方よりも、相手に対する最初の印象の方が重要かなと」
――どういった点がポイントになりますか?
「やっぱり、自分自身のことをちゃんと理解してもらえそうかどうか。僕はちょっとのんびりした部分があるので、まずそこを苦に思わないかどうか…ですね。一緒にいてうまくいくか否かの大切なポイントは、スピードが一緒かどうかがすごく重要なんじゃないかなと僕は思っていて」
――“スピード”ですか?
「考えるスピードや、物事を進めていく時のスピード。これが必ずしも一緒というのはすごく難しいと思うんですけど、相手のスピードにイライラしないかどうか。これって第一印象では分からなそうだけど、僕は結構分かると思ってて。初めてお話した時の会話のペースや、今回の『#リモラブ』で言えばSNSの返信のスピードとか。多分、それに普段の自分の体内スピードが出ると思うんですよ。そこはすごく大切にしたいなと思ってますね」
――確かにそれってすごく重要ですね。
「常に二手、三手先を考えながら行動しないと気が済まない方っているじゃないですか。これをやっている間に次、これをやっている間にその次を考えて…っていう。僕は普段、ここ(今)しかできないので(笑)。なので、なるべく同じスピードで一緒にいられる人がいいのかなとは思います」
――話は変わりますが、お仕事を含め、今年はどんな1年でしたか?
「3月に朝ドラが終わって、すぐに次のドラマの撮影に入ったんです。そこから2本くらい撮ったんですけど、自粛が始まって、その作品がオンエアされるか分からない状況になってしまったんです。4月とか5月はすごく不安でした。そこから自粛期間が明けて、6月に撮影が始まって。無事にその2作が放送された時はホッとしました。今年は、そういう不安と闘いながらの1年だったなと思います」
――舞台にも出演されていましたね。
「そうですね。本当に毎日、明日できるのかどうか、千秋楽の前日までビクビクしていました。稽古の時からそうでしたけれども、本当に千秋楽を迎えられるのかどうか。今日の夜、コロナにかかってしまったら…という不安を抱きながらでしたね。でも、その中で大切にしなきゃいけないことも見つかりました」
――具体的にはどんなことですか?
「自分自身の仕事、この俳優業というものが自分にとって、とても尊いものに感じられた1年だったと思います。あとは、こういうピンチを経験したからこそ、人に感謝するようになりましたね。感染対策とか、僕らだけではできない目に見えない部分や手の届かない部分をスタッフの皆さんがやってくださったりとか。そういったところでも本当に感謝しています。今日も仕事ができるということにとても感謝していますし、そういった思いが強くなった1年だったなと思います」
――すてきな気付きですね。来年はツアーも控えていらっしゃいますが、どんな1年にしたいですか?
「まずはツアーができることを本当に祈っています。また、来年は舞台もあり、新しいキャストの皆さんとたくさんご一緒する1年になると思うんですけど、日々いろんな人に感謝しながら、いただいたお仕事を全うするだけかなと思います。あとは、自分自身が今まで以上に責任感が強くなったと思うので、できる限りいただいたお仕事を満足のいく形で終われるように一生懸命やるだけですね」
――では最後に、ずばり「#リモラブ」の魅力を教えてください。
「『#リモラブ』は、新しい恋のあり方を示すとっても斬新なドラマです。けれども、最終的には、とってもシンプルなところに返っていくはずです」
――シンプル?
「はい。美々先生とあおちゃんの恋愛がこれから始まっていって…SNSだけではなくて、今度は生身のお付き合いが始まって。恋愛の原点に返る展開になっていくと思うんです。その時に、生身の恋愛はやっぱり大変だっていう(笑)。けれども、その大変さの中に生身の人間同士にしか味わえない幸福や幸せがたくさん詰まっているドラマになると思います。きっと、恋をしたくなる最終話が待っていると思うので、楽しみにしていてください」
――楽しみにしています。ありがとうございました!
「ありがとうございました!」
終始、笑顔でインタビューに応じてくださった松下さん。よく人を太陽に例えて言いますが、松下さんは、中でも春の陽気のように温かく、柔らかくて優しい人柄の方でした。ついに“リアル”で始まった美々先生とあおちゃんの恋愛模様。今夜放送の第7話もお見逃しなく!
【プロフィール】
松下洸平(まつした こうへい)
1987年3月6日。東京都出身。2008年に歌手としてCDデビュー。09 年からTVや舞台など、活動の幅を広げる。19年から放送されたNHK連続テレビ小説「スカーレット」で十代田八郎を演じ、注目を集める。最近の出演作は、ドラマ「MIU404」(TBS系)、「東京タラレバ娘2020」(日本テレビ系)など。21年1月スタートの「知ってるワイフ」(フジテレビ系)への出演が決定。
【番組情報】
「#リモラブ~普通の恋は邪道~」
日本テレビ系
水曜 午後10:00~11:00
取材・文/佐藤佳奈恵(日本テレビ担当)
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