政治家もチェックしている!? 「ブラマヨ弾話室」が日本を変える!【激推し!“爆笑サンデー”<第4回>】2020/11/06
2020年秋、BSフジの日曜が生まれ変わる──。「BSフジ爆笑サンデー」と題した新枠では、午後10:00~深夜0:30にわたり、日本のお笑い界を牽引する人気芸人たちによる“色とりどりのバラエティー5番組”が集結。休日の終わり…ちょっぴり憂鬱な日曜の夜を、ポジティブに彩っていく。TVガイドwebでは、そんな「BSフジ爆笑サンデー」に参戦する出演者たちに独占インタビューを敢行し、全5回の連載でお届け!
第4回となる今回は、2014年4月にスタートした「ブラマヨ弾話室~ニッポン、どうかしてるぜ!~」の収録現場を訪問。団塊ジュニア世代のブラックマヨネーズ(小杉竜一、吉田敬)が政治家や学者など専門家を招いて、心配のタネとなり得る「今起きている問題」を独自の目線から考察。“心配ズ”と称する心配事の多い芸人たちも交えたトークから、今後の日本を考えていく“雑談系アカデミックバラエティー”だ。場を共有しての掛け合いが生命線となる収録を見学したのち、ブラマヨのお二人と番組の企画・編成を担当する、BSフジ編成部・谷口大二氏に、番組のこれまでと今、そしてこれからについて聞いてみた。
──番組がスタートしてから6年半以上が経ちますが、心配事は尽きないですね…。
小杉 「まさか、昨年の時点ではコロナ(ウイルス)で大変なことになるとは思っていなかったですからねぇ…。ほかにもいろいろなことが起こっているんですけど、覚えてへんくらいコロナに振り回されてしまったのが、2020年だったなぁという印象です」
吉田 「生活から何から何まで変わったんでね…どうしても2020年ということで考えていくと、コロナが最初に挙がりますよね」
小杉 「『必要最低限のことしか、したらアカン』みたいな空気が濃かった時期は、この仕事をしていると“必要最低限の存在じゃない感”が伝わってきましたから」
吉田 「ただ…僕は結構、家にいるのが好きなんで、自粛期間中は酒ばっかり飲んでましたけどね(笑)」
小杉 「最初は僕も『家で過ごしてください』言われたから、『なら、何もせんでええか』と思っていたんですよ。でも、何カ月も経つと、やっぱり何か分からん不安を感じるわけです。それでも(吉田は)『まだまだイケる(=おうち時間を過ごせる)』言うてましたからね(笑)」
吉田 「一応、自分の中では夕方の5時までは(酒に)手ェ出さへんって決めてたんですよ、さすがに。で、いつも朝10時くらいに起きるようにしていて。まあ、起きたら5時までずっと時計見て待ってるんですけどね」
小杉 「いやいや、気付いたら5時であってくれよ、そこは!(笑)」
──起きた瞬間からカウントダウンが始まるわけですね(笑)。
吉田 「そうそう(笑)」
小杉 「5時まで我慢していたと言えるんかいな、それは…。でも、本当に自粛期間中は今までに味わったことのない感情を抱きましたね。コンビを結成してから20数年、仕事がない時期もありましたけど、それでも不安ってそんなになかったんですよね。でも、コロナで自宅にいた時期の後半は、何かよう分からん…モヤモヤする感じになりましたよ」
──4~6月頃のテレビは全般的にリモートでの収録が多くて、あの分割画面が新しいスタンダードになっていくのかなと思ったこともありました。
小杉 「急きょリモートで出演することになったのはいいんですけど、家には家族もいるわけで。そんな中で一番静かなのが自分の部屋だったんですよ。だけど、そろそろリモートじゃなくても大丈夫かなという時期になって、僕の部屋はWi-Fiが飛んでへんことが分かりまして。なんで俺ばっか『小杉さん、フリーズしてます』って言われるのかと思っていたんですけど、下準備をしてなかったから、Wi-Fiの環境を分かっていなくて。一番、劣悪な環境でリモートに参加していたんです。だから、『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)のリモート収録の時とか、大変なことになってましたね、僕は」
吉田 「だから、リモートでバラエティーは難しいなと思いました」
小杉 「収録をやればやるほど、リモートはしんどいなっていう思いが強なっていったからね。ただ、対面で収録できるようになった今も、アクリル板を立てるやないですか。これがまた相手の声が聞こえへんしな?」
吉田 「うん。まあ、収録の時はスタジオのスピーカーがオンになるから、マイクの音量を上げてもらえば聞こえるけど、『バイキング』(フジテレビ系)で僕の横に小杉、その横にミッツ(・マングローブ)さんがいて、ミッツさんが僕に何かしゃべってきてるのは分かるけど、何を言ってるかまでは聞こえないんで、全部小杉にまかせていて(笑)」
小杉 「そうそう。そんなふうにコロナでテレビもいろいろと変わりましたよね。『なんでアクリル板とか、こんなにせなアカンねん』なんて思ってるのに、何年か前に東京ドームでライブが行われている映像を見て、『うわ、人がビッチリ集まってるやん』って反射的に思っている自分もいて。そんなふうに『密集してるな』と感じる自分も嫌なんですよね」
吉田 「うん。で、いいんですか、こんな世間話みたいな感じで?」
──はい、ここまではイントロでして…(笑)、はからずもコロナ禍という転機が、多くの人々の心配事を政治や社会とダイレクトに結びつけたところがあったのではないかということを、お二方も『~弾話室』を通じて感じていらっしゃったりもするのでしょうか?
吉田「いや…そこに関してはコロナとは関係ないんと違うかな、と思っていて。何かしら賢い人に聞かんとわからへんことって、いつだってありますし、番組をずっとやってきた中でその時々の心配事を掘り下げることができていたという実感もあるんですよ。だから、『いい番組だな』と思いながら、今もやらせてもらっているという感じですね」
小杉 「この番組をやらせてもらって、世間で起こっていることに気持ちを向けて考えなアカンなというきっかけをもらいましたし。今は政治家の方が収録に来られないですけど、来てはる時は皆さん、『こんなにゆっくり、じっくり話せる番組はないので、出られてよかった』ということを言ってはったと聞いて、普通の番組とは違う形でやれていることに意味があるんやなと感じられたのは、僕の中でも大きな手応えとしてあるんですよね」
──いわゆる政治家の方々だけで討論する番組との色分けができている、というわけですね。
吉田 「それと…たまにネットの番組でも文化人の方々がいろいろとお話されてますけど、興味のあるテーマでも15分ぐらい見ているとしんどくなってくるんですよ、僕の場合。そういう時、“『~弾話室』やったら、ここでこうするのにな”と思っていたりして。結構、真剣に思っているんですけど、時代が『~弾話室』に追いついてきたな、と。視聴者の方もただ見て笑っているだけでは物足りなくて、何か…見終わった後で何か一つ『そういうことやったんか』という学びが付加価値としてある方がいいと思っていましたし、『~弾話室』はそれが昔からできていた番組だったんで、ようやく陽の目を浴びだしたんか──どうかは分からないですけど(笑)。でも、見てくれているという人は明らかに増えてますね。口伝えでは確実に見ている人が増えてます」
小杉 「僕もいろいろな人から『あの番組、見たよ』と言ってもらえることが増えましたね、確かに」
──すなわち、それは視聴者側の意識が変わってきているということでもあるんでしょうね。
吉田 「そうだろうと思います。政治や社会のことを知りたいという人が、増えているんでしょうね。番組で取り上げる心配事について知識があったとしても、『~弾話室』は別の楽しみがあるんですよ。たとえば、コロナのことにしても、『そういえば、これは忘れてたわ』といった側面から取り上げますし、『小杉、何言ってんねん、バカ!』とか思うところがあったり…」
小杉 「なんで、俺だけやねん! 何なん、それ!」
吉田 「そういう笑いがありながら、なので知っているテーマであっても楽しめるんですよ。実際、収録の現場にいた僕が『~弾話室』を見ていて、ホンマに他人の番組を見るかのように見ていますから」
小杉 「番組に出ている“心配ズ”のメンバーも、普段地上波の番組にあんまり出ていないリアルに心配ズな芸人たちですからね。ガチな大人たちの心配事ですから、そのへんもリアリティーがあるんと違うかなと」
吉田 「政治家の方がゲストでいらした時、すーなか(怪獣)っていうヤツが『もっと国にこうしてほしい』って言ったんですけど、僕はわがままに感じたから『だまれ、シロアリ!』って言ったんですよ。そしたら、その政治家の方も横で笑ってました。なかなか、そんなん見られないじゃないですか。『あ、すーなかをシロアリと思ったんやな』って」
小杉 「笑ってはったなぁ(笑)」
──つまり、同意して笑いをこぼしたのだと(笑)。
吉田 「僕はそう解釈したんですけどね」
小杉 「まあ、普通は人のことを“シロアリ”呼ばわりしないですからね(笑)」
吉田 「まあ、すーなかがいるから、そういう例えも出るわけですけど」
谷口 「コロナ禍の前はいろいろな政治家の方々に出ていただいていて。菅内閣で官房長官になられた加藤(勝信)さん、蓮舫さんもいらっしゃったり。もちろん、議論するテーマは社会問題なんですけど、ブラマヨの2人がうまくゲストの素を引き出してくれるんです」
小杉 「そうか、加藤さんって官房長官になられたんやなぁ。そんな人が来てはったんや」
谷口 「政治家の方々の素の一面や発言をブラマヨが引き出すからこそ、同じ社会問題の話でも視聴者の皆さんが聞きやすいんじゃないかなと思っていて。そこはわれわれ、番組制作側も楽しみにしている部分です」
小杉 「長時間しゃべっていると、『あ、こんな感じの人なんや』っていうのが、何となく分かってくるよな?」
吉田 「うん。『話、長いな』というのも分かってくるしな」
小杉 「分かりやすく話す人や、というのも分かってくるしな」
吉田 「政党別に何となく違いがあったり」
小杉 「自然と見えてくるよな、不思議と」
谷口 「結構、そうそうたる方々に来ていただいていますから。ちなみに、2014年1月放送のパイロット版のゲストは萩生田(光一/現・文部科学大臣、現・教育再生担当大臣)さんでした」
吉田 「大臣になった方が何人も来てはるんや」
小杉 「林(芳正/元・農林水産大臣、元・文部科学大臣)さんも来てなかったかな?」
谷口 「はい。与党だけじゃなくて、小沢一郎さんもいらっしゃいましたね」
──そういった政治家の方々から垣間見える人間味に、ブラマヨのお二方も感じ入るものがあったり…?
小杉 「やっぱり、多かれ少なかれ魅力を感じますよね」
吉田 「ある県知事さんは、思っていた以上にノリがよかったりして」
小杉 「こっちのノリに乗っかってくれるのはうれしいんですけど、イメージを損なわないか心配になったりもしますけどね(笑)」
──それこそ“心配事”だという(笑)。最後に、2020年も残りわずかとなってきましたが、お二人が年内に解消しておきたい心配事についてお聞きして、インタビューを締めようと思います!
小杉 「これはどうしてもコロナになっちゃいますよね…。個人的には、きっと大丈夫な方へ向かっていると思い込んでいたりもするんですけど、コロナ禍に付随する経済の冷え込みがどうなるのかな、という心配は尽きないです。ご近所レベルでもお店がどんどん閉まっていくのを実感していますし…これがまだ序の口だとしたら、お先まっ暗やな、と。なので、早いことどうにかしてほしいですね」
吉田 「ただ、この番組で言ったことが結構、現実になっていたりもするんですよ。何やったっけ? ほら、月曜日の…」
小杉 「ああ、“シャイニングマンデー”な。『~弾話室』では“だるだるマンデー”やったけど(笑)」
吉田 「そういう似たようなことが、あとから法案として国会で審議されたりもしているので、議員さんもこの番組を見ているんやろな、参考にしているんやろなと思うんですよね」
小杉 「プレミアムフライデーからの流れで、月曜日をもっとゆっくり始めさせてくれたらええのに、というのを“だるだるマンデー”なんて笑いながら言っていたんですけど、ホンマになったから、『ええ~っ!?』って」
吉田 「というように、『~弾話室』は法案の先を行く番組なので、皆さん、これからも見てください、と」
──「これからも時代の先を行く」という意識で番組に臨まれると?
小杉 「僕らにそういう意識は全くないんですけど(笑)、なぜか時代を先取りしているような形になっているのがありがたいですね」
吉田 「だから、また政治家の皆さんに来ていただけるような状況になってほしいんですよ」
小杉 「ホンマに以前のように政治家の方々にも番組に来ていただいて、またお話ができるような環境になってほしいですね。2021年がそういうふうになるよう、心から願っています」
【プロフィール】
ブラックマヨネーズ
小杉竜一(こすぎ りゅういち) 1973年7月5日京都府出身。
吉田敬(よしだ たかし) 1973年6月27日京都府出身。
94年に大阪NSC13期生の同期として出会い、互いに別のコンビを組んでいたが解散後、98年にブラックマヨネーズを結成。2003年の「第32回上方お笑い大賞」最優秀新人賞などを受賞し、05年「第5回M-1グランプリ」で王者となる。現在、「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ系)、「ウラマヨ!」「村上マヨネーズのツッコませて頂きます!」(関西テレビ)、「ニンゲン観察バラエティ モニタリング」(TBS系)、「バイキングmore」(フジテレビ系・火曜MC)などに出演中。
谷口大二(たにぐち だいじ)
1999年にフジテレビジョン入社。編成制作局では「笑う犬の冒険」「森田一義アワー 笑っていいとも!」「ライオンのごきげんよう」「めちゃ2イケてるッ!」などを担当。その後、ネットワーク局を経て、現在、BSフジ編成局編成部企画担当部長。「東北魂TV」「クイズ!脳ベルSHOW」をはじめとした数々の人気番組の企画・編成を担当。
【番組情報】
「ブラマヨ弾話室~ニッポン、どうかしてるぜ!~」
BSフジ
日曜 午後11:30~深夜0:00
※BSフジ動画ライブラリ、FODでも全編無料見逃し配信中。
取材・文/平田真人 撮影/蓮尾美智子
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