「あのコの夢を見たんです。」瀬田なつき監督が明かした仲野太賀への思いとは? 「何事も器用にこなす太賀さんだったから、信頼して作品が作れた」2020/10/30
仲野太賀さんが南海キャンディーズ・山里亮太さんに扮(ふん)するドラマ「あのコの夢を見たんです。」(テレビ東京ほか)。原作は、山里さんが実在する人気女優・アイドル・モデルのイメージから創作した同名短編小説です。今夜(10月30日)放送の第5話では、ヒロインに大原櫻子さんが本人役として登場。そんな5話と、山本舞香さんが出演する11月6日放送の第6話の監督を務めた瀬田なつきさんを直撃! 作品の見どころや撮影秘話、そしてご自身の仕事に対するモチベーションなどについてたっぷり伺いしました!
――本作の監督を務めた感想を教えていただけますか?
「人が実在する人に対して妄想したストーリーを実写化するというのは、なかなかない体験でした。作品の撮影に入る前は、“妄想”というものについて深く考えたことがなかったので、『“妄想”ってなんだろう』とあらためて感じました。今回は“山里さんの妄想”なので、そのバランスを見て『どういう角度でやっていくのが面白いのかな』と考えながら、現場でスタッフ・キャストの皆さんと模索しました。今回のドラマを制作するにあたり、思った以上にいろんなことに悩みながら考える時間がとても多かったなと思います」
――試行錯誤されながら作品に臨まれていたんですね。最初に台本を読んだ時の感想はいかがでしたか?
「正直、悩みました(笑)。山本さんが出演される第6話に関しては、脚本を早めに頂いていたので、脚本家の(マンボウ)やしろさんと一緒に相談しながら直したりしました。結果的に、どちらの話も山里という若者が、1人の女性と出会ってどう変わり、展開していくのかというストーリーになった気がします」
――撮影前から準備をされていたんですね。他に準備されたことはありますか?
「そうですね。第6話では闘うシーンがたくさんあったため、撮影前にアクション監督やキャストの3人と結構相談しました。私自身、あまりちゃんとしたアクションシーンを撮ったことがなかったので、挑戦できてとても楽しかったです。ただ、実際の撮影では、数行のアクションシーンに半日ぐらい掛かりましたが(笑)」
――大変さが伝わってきます(笑)。今回は仲野さんが主演を務められましたが、役作りについてどんなお話をされたのでしょうか?
「実際の山里さんとは年齢も体格も全く違うため、太賀さんにどういうふうに山里役を演じてもらうのがよいのか相談しました。他にも『モノマネみたいに見られるのは、何かちょっと違うね』と話をしたり、“山里”という人間をどう作っていくのか模索しながらも、それを楽しみながら撮影を進めていきました。太賀さんは、とてもいいバランスで、チャーミングでどこか憎めない、“妄想の山里”を作ってくれたと思います」
――役作りについて仲野さんとしっかりお話されていたんですね。
「一緒に撮影した期間は1話につき2、3日でしたが、仲野さんはさまざまなタイプの山里さんを演じていたため、本当にすごいと思いました。いろんな役を演じていて混乱しないのかなと(笑)。物語ごとに役柄をつかみ、何事にも真摯(しんし)に器用に演じていく仲野さんだったから、信頼して一緒に作品が作れたなと思います。それに、仲野さんとは以前にも何度か作品でご一緒していて、安心感がありました」
――第5話に出演された大原さん、第6話に出演された山本さんとはどんな話をされたのでしょうか?
「まず大原さんは、風船ガムを常にかんで膨らませていく設定の役柄だったのですが、ものすごく膨らますのが上手でした。大原さんから『この丸ガム、6個だとすごい膨らみます』と、研究してくださったりと。第5話では、大原さんのかわいらしさと不思議な世界観が表現できたと思います。山本さんとは、特にアクションシーンの話をしました。アクション以外にも、役柄的に山里から一目ぼれされる設定だったため、かわいさだけでなく、思わずひかれてしまうような魅力を表情で演じてくださいました。山本さん自身、裏表のない方なので、演じる役とシンクロしていく感じが良かったです」
――大原さんのかわいさと、山本さんの人柄の良さがドラマに詰まっているのですね。撮影で印象に残っていることはありますか?
「山本さんの回なのですが、すごく暑い中、アクションシーンを2日間掛けて河原で撮影していたんです。その状況で、山本さんと仲野さんたちは、長袖の制服の中にアクションパッドを入れて激しく動いての撮影で、とても申し訳ない気持ちもありつつ、つらい表情も見せずに演じてくれて、役者ってすごいなと、「ありがとうございます」と感謝しながら見ていたのは印象に残っています」
――アクションシーンでは皆さん本当に奮闘されていたんですね。瀬田監督ご自身のお話もお伺いできればと思います。これまで映画「PARKS パークス」や「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」など数多くの作品で監督を務めるのみならず、脚本や編集にも携わられているかと思うのですが、そのようにさまざまな立場から作品に携わるモチベーションはどういった部分からくるのでしょうか?
「これまで監督として携わってきた作品については、自分が『こういうふうにしたい』という思いを脚本家、編集の方たちと相談しながら、その思いを描いて作品を作ってきました。逆に、脚本や編集も自分でやる場合は、全体像をイメージしながら、それぞれをリンクして考えたり、自分で手を動かして試したりできるので、また別の視点で作れるような気がします。それが私にとって、モチベーションになっているのではないかなと思います」
――貴重なお話をありがとうございました! では、最後にあらためて視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。
「どんな方が見ても楽しめる作品となっています。山里さんの妄想に乗っかって見ていただいたり、それぞれの見方で楽しんでもらえるのではないかなと。なかなかない設定でもあるので、山里さんの幅広い妄想を楽しみながら見ていただけたらなと思います」
【番組情報】
ドラマ 24 第 60 弾特別企画 「あのコの夢を見たんです。」
テレビ東京ほか
金曜深夜0:12~0:52
※地域によって放送日時が異なります。
テレビ東京班 M・M
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