「ハルとアオのお弁当箱」吉谷彩子の思い出のお弁当――「愛が詰まっているんだと実感しますね」2020/10/19

　吉谷彩子さんと井之脇海さんがダブル主演を務める「ハルとアオのお弁当箱」（BSテレ東）。オタク女子のハル（木野春葉／吉谷）とジェンダーレス男子のアオ（佐藤蒼／井之脇）の2人が、ひょんなことから突如同居することになり、 “お互いのお弁当を作り合う”というルールを設けた生活をおくる、心が温かくなる“お弁当ドラマ”です。毎週登場するお弁当がとてもおいしそうな本作ですが、今回は、劇中でお弁当作りに奮闘しているハルを演じる吉谷さんを直撃！　役に対する思いやすてきなお弁当にまつわるエピソードなど、たっぷりお伺いしてきました。

――今回演じられたハルは、とてもピュアな印象を受けました。吉谷さんから見てハルはどんな女性でしょうか？

「原作を読んだ時、ズボラなところもありつつも、すごく明るいなと。周りから愛され、温かみがある女の子だなという印象がありました」

――そういった印象を受けられて、共感できる部分やご自身と似ていると感じる部分はありますか？

「今までいろいろな役を演じさせていただいたのですが、ハルちゃんが一番自分に似ているなと思いました。ちょっとズボラなところとか（笑）。私自身、素直に生きることを心掛けているので、そういう部分がハルちゃんと近いのかなと感じますね」

――ご自身と近い役どころとのことで、演じられていて素が出たりしませんでしたか？

「一応、ハルちゃんは自分とは分けて演じているつもりですが、たまに“吉谷彩子”が出てしまいます。そんな時は、『出ちゃったな』って（笑）。実は井之脇さんもアオを演じていて、よく素が出ているみたいで。アオさんはトランスジェンダーの役ではあるんですけど、結構アドリブも多いので、たまに“井之脇海”が出てくるんですよ」

――ドラマでは、お二人の素が垣間見えるんですね！　ちなみに井之脇さんとは撮影現場でお話されましたか？

「よくお話させていただきましたね。たわいもない話なんですけどね。話していると、スタッフさんからよく『そんな緩い会話ある？』って言われてます」

――楽しい雰囲気で撮影されているのが伝わってきます！　ドラマの内容にちなみ、お弁当についてもお伺いしたいのですが、吉谷さんにとって忘れられないお弁当はありますか？

「母が作るお弁当ですね。どのお弁当がということではないのですが、母のお弁当はずっと忘れられないです。私の母は本当に料理が上手で、学生時代に作ってもらっていたお弁当は毎回楽しみでしたね。『今日は何が入っているのかな』と思ったりして。母は栄養バランスも考えて、たまに私が苦手なものを入れてくる時もありました。でも、おいしくて一度も残したことはないんです。今となっては、これまで母が作ってくれたお弁当には全部“愛”が詰まっているんだなと実感しますね」

――とてもすてきなお弁当ですね。具体的に思い出の味はありますか？

「それこそ本作にも登場してくるんですが、サケと大葉の混ぜご飯です。これは母がよく作ってくれていたお弁当の一つで。あとは、玉子焼きですかね。お弁当にはだし巻きと甘い卵焼きの2種類が入っていて、すごくおいしいんですよ」

――お母さんが作られていた料理を、吉谷さんご自身も作られたことはありますか？

「ありますね。実は、私が作った母の料理レシピノートがあって。私が大学で1人暮らしを始める時、母の料理が食べられなくなるのは寂しいなと思い、書き始めたんです。母の味が大好きなので、一緒に料理している時にメモしたりして。ただ、完璧に再現するのは無理なんですけどね（笑）」

――すてきなエピソード、ありがとうございました！　ちなみに今回、作中ではオタク女子を演じられますが、吉谷さんご自身は“何女子”になると思いますか？

「ラーメン女子かな（笑）。私は家系ラーメンに、にんにくを入れて食べるのが大好きなんです。ラーメンなら毎日食べられますね。でも毎日食べるとむくんでしまうので、自分にご褒美をあげたい時や、次の日がお休みの時に食べたりしてます」

――意外な一面が明かされました！（笑）。では、最後に視聴者の皆さんへ向けてメッセージをお願いします。

　「いろんなグルメドラマがありますが、お弁当を中心としたドラマはあまりないのかなと思います。本作を通して、私自身もお弁当には温かさがあり、作った人の気持ちも表れているのだなと感じました。ハルちゃんのセリフの中に『お弁当って2回うれしい』というものがあるんですけど、それは作っている時とお弁当箱が戻ってきた時なんですね。今思えば、母もそんな気持ちでお弁当を作ってくれていたのかなと思います。いろんなことが起きて、気が滅入ってしまう今だからこそ、このドラマで皆さんが少しでも温かい気持ちになっていただけたらなと。今も撮影をしながらみんなで作品を作り上げているので、そんな気持ちで皆さんにお届けしていきたいです」