濱田岳が「釣りバカ日誌」への愛を語る! 最新作の舞台は香川県!! 結婚式でてんやわんや2019/01/02
2015年の10月クール、17年4月クールにテレビ東京系で連続ドラマが放送された後、17年正月にドラマスペシャルが放送され好評を博した「釣りバカ日誌」シリーズの最新作「釣りバカ日誌 新米社員 浜崎伝助 瀬戸内海で大漁!結婚式大パニック編」が間もなく放送! 連ドラ「~Season2」の最終回で四国の関連子会社に出向したハマちゃんこと浜崎伝助(濱田岳)が、妻・みち子(広瀬アリス)との結婚式に向けて準備を始めるが、そこにスーさんこと鈴木一之助(西田敏行)と佐々木課長(吹越満)が乱入して…と、毎度おなじみてんやわんやの大騒動の結末は? 主演の濱田にドラマの見どころ、そして自身も大ファンである「釣りバカ日誌」のシリーズの魅力を聞いた。
──「釣りバカ日誌 新米社員 浜崎伝助 瀬戸内海で大漁!結婚式大パニック編」が間もなく放送。今回も安定の面白さで、笑いあり、涙あり、感動もありの、大満足の2時間となっています。
「ありがとうございます! 僕自身、いち『釣りバカ』ファンとして、まだまだ見たかったり、まだまだ出たいという思いがあったので、こうしてシリーズとなって続いていることが何よりもうれしいですし、自分があの浜崎伝助として西田さんと一緒にお芝居をやれていることが、いまでも夢のようです。本当に幸せに思います。また、シリーズを重なるなか、“自分たちなりの『釣りバカ』をやれている”という自信、“よりよいものにしたい!”という、(主演俳優としての)自覚も芽生えてきたので『今回も面白かったよ』という声は励みになります」
── ファンはSeason2(全8話)のラストから続く第9話としても見られますし、初めて見る方も大いに楽しめる1本だと思います。
「そうですね。映画『釣りバカ日誌』の第1弾の少し前を描くという意味では、映画のファンも楽しんでいただけると思いますし。物語としては、伝助とみち子さんは果たして結婚式を挙げられるのか…決して一筋縄ではいかない、アクシデントが発生するのが『釣りバカ日誌』ですので、そのあたりを楽しみに。あと『鈴木建設』の面々をはじめ、浜崎家、小林家両家の両親まで『釣りバカ』メンバーが総出演しますので、そちらも…画的(えてき)にめちゃくちゃ濃いですが、楽しみにお待ちください」
── メインゲストは、故・三國連太郎さん、西田さんコンビで22作のシリーズが大ヒットした映画にも出演された小澤征悦さん(2002年公開「釣りバカ日誌13 ハマちゃん危機一髪!」)。マドンナは貫地谷しほりさん。ほか、映画でハマちゃんの妻・みち子を演じた浅田美代子さんが、ドラマではみち子の母親役で登場するなど、“これぞシリーズものの醍醐味!”という、ファンならば思わずニヤリとする仕掛けもありますね。
「小澤さん、そして浅田さん、OG・OBではないですが、二つ返事で出てくださる『釣りバカ』ファミリーと呼べる皆さんが大勢いらっしゃるなか、(台本の)先頭に名前が載っていることは本当にありがたいことだと思いますし、感謝したいですし。その分、身も引き締まる思いでした。とはいえ、僕は『釣りバカ』ファンでもあるので、西田さんと浅田さんが並んで座ってらっしゃるだけで『ハマちゃんとみち子さんが目の前に!』って舞い上がっちゃって(笑)。あと、今回は映画『釣りバカ日誌』の第1弾と同じ四国・高松ロケで。映画では西田さんが演じられた伝助が原付バイクで登場するところから始まるんですけど、今回は僕も原付に乗せていただきまして。映画のファンとして、大変うれしい思いをさせてもらいました(笑)」
── 映画「釣りバカ日誌」シリーズ第1作公開から30周年。濱田さんは、偶然にもシリーズがスタートした1988年の生まれ。いろんな縁、歴史を感じるかと思います。
「そうなんですよ、偶然。もちろん途中からですが、普通に映画館で見ていて。『合体』とかありますけど(笑)、それを見て僕がグレたとか、人の道を踏み外したとかは全然ないですし。むしろ、わけも分からないのに、ハートマークが割れるとガッカリしてましたからね(笑)。そういう意味でも、誰もが見ることができる、明るく楽しい作品、長く続けられるドラマ作りを目指したいなと、改めて思います」
── シーズンを通して印象深い出来事、ゲストなどいらっしゃいますか?
「僕が10代の時に出演した『3年B組金八先生」(TBS系)からご縁のある武田鉄矢さんがSeason1の記念すべき第1話にゲスト出演してくださいましたし。第2話には、映画(1996年公開『釣りバカ日誌8』)で、「ハカセ」という強烈なキャラクターを演じられた柄本明さんが。ほかにも鶴田忍さん(第2話)や小野武彦さん(第7話)をはじめとする映画の『鈴建(鈴木建設)』の皆さん…。たくさんありすぎて、挙げればキリがないです。全話分語れます(笑)』
── スタートから3年経った今、ドラマSeason1、Season2を振り返っての感想はいかがですか?
「Season1は、西田さんですら『僕も三國さんの後(でスーさんを演じること)は緊張します』とおっしゃっていたように、みんながみんな国民的映画シリーズを引き継ぐことで、ちょっと肩に力が入っていたと言いますか…普段はひょうひょうとされている吹越さんも『谷啓さんが映画シリーズを通じて演じられた佐々木課長をやるのは緊張する』とおっしゃっていましたし。僕もまたしかりで。でも、そういうプレッシャーを跳ねのけて。スタッフと出演者が一丸となって真摯に臨んだシーズンだったかと思います。それで、Season2は、少しずつ自分のオリジナリティを出していく── いい意味で自分に“かせ”をはめて、リスペクトを持って戦う。緊張も尻込みもまだまだありつつ、前に向かって行った結果がいまにつながっていると思います」
── では、コンビを組まれている西田さんのすごさとは?
「うーん…何なんでしょうね? 映画が『銀幕』と呼ばれていた頃から活躍されている大先輩なので、僕なんかが語るのはおこがましいですし、うまく説明できないのですが…“存在そのもの”なんですかね。例えば、そばでお芝居を拝見していて、一歩も動いていないのに、ものすごく動いているように感じたり。あれは、もはや特殊能力というか、僕なんかは到底まねできない、1歩、いや2歩も3歩も先の境地にいる方なんじゃないかと思います。(「ワンピース」のように)覇気が使えるのか、それとも(「ジョジョの奇妙な冒険」のように)スタンドと対峙しているのか分からないですけど(笑)、それくらいの“すごみ”がありますね。人に圧を与えるすごみではなくて、丸く温かいすごみが」
── 西田さんといえば、アドリブ上手というイメージがあります。
「よくもまあ、こんなつらつらと嘘をつけるなって思いますね(笑)。それは冗談として、すごいのが、台本と全然違うことを言っているのに、セリフの意味は合っているんですよね。決して話の腰を折るのではなく、全然違う言葉でその意味を表現してくる。しかも、テストから(ドライ、リハーサル、本番と)1回も同じことを言わない。僕は勝手に師匠と弟子だと思っているんですけど、そのすてきな西田さんが紡いだ言葉を、どう返すのか。受け手の僕が選んだ言葉や表現で西田さんもNGになっちゃうのは是が非でも避けなければいけませんから、すごく鍛えられますし。逆に、明後日の方向から飛んできた球を取れた時はうれしいし、楽しいです。僕も真面目にやっていけばああいう存在になれるのかな…って憧れます」
── 西田さんがハマちゃんをやり始めた年が41歳。あと10年ほど余裕が…。
「いやー、10年では無理でしょう(笑)。でも、好きすぎるあまり、ただの猿まねにならないようにしようと思ってやってはきましたので。西田さんという希代の名優が20年もかけて育てた役なので、そこと勝負するのではなく、僕なりの伝助を作っていきたいですね」
── 伝助とみち子が結婚したことで、新しい段階に入る予感もするドラマ「釣りバカ」ですが、広瀬さんとはいかがでしょう?
「西田さんもおっしゃっていたんですけど、うれしいのは日本の俳優界にちゃんとしたコメディエンヌが生まれたことで。ただ、面白くてひょうきんであればそれでいいってわけじゃなく、第一条件は美人でなければいけないっていうことなんです。あれだけ容姿端麗の誰もが見ほれるアリスちゃんがコメディーに徹して、しかも面白い。“面白風”ではない、ちゃんと名乗れるコメディエンヌを『釣りバカ』が発掘したことをうれしく思います」
── 連ドラ2シーズンと特番2本を終えた今思う「釣りバカ日誌」の魅力とは?
「毎回いろんなアクシデントやハプニングが起きるのですが、当人たちが全然、大変そうに見えないところが僕は大好きです(笑)。不幸を感じさせない。誰も傷つけない。スーさんをはじめとする、あの世界に住んでいる住人の魅力が「釣りバカ」の魅力だと思います。あとはイタズラ心。映画から数えると30年間の財産があるからこその遊びも楽しくて。何より今の時代、おじいさんおばあさんからお父さんお母さん、お子さんたち3世代がそろって見られる貴重な作品であるところが最大の魅力なんじゃないでしょうか。ドラマもそうですし、きっと映画もそうだったんだろうなと思うんですけど、みんながみんな真剣にふざけて、撮影を楽しんでる。一人一人がキャラクターを大事にしているからこそ、和気あいあいとした雰囲気が画面にも映るんでしょうね」
【プロフィール】
濱田岳(はまだ がく)
1988年6月28日生まれ、東京都出身。ドラマ「ひとりぼっちの君に」(TBS系)で俳優デビュー。NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」、「HERO」(フジテレビ系)など、これまで数多くの話題作に出演し、2015年には「釣りバカ日誌 新入社員 浜崎伝助」(テレビ東京系)で主人公の浜崎伝助役に抜てきされた。19年は、土曜ドラマスペシャル「ベトナムのひかり~ボクが無償医療を始めた理由~」(NHK総合・1月12日午後9:00)、ドラマ24「フルーツ宅配便」(テレビ東京系・1月11日スタート 金曜深夜0:12)で主演を務める。
【番組情報】
新春ドラマスペシャル
「釣りバカ日誌 新米社員 浜崎伝助 瀬戸内海で大漁!結婚式大パニック編」
テレビ東京系
2019年1月4日 午後9:00~11:18
濱田岳と西田敏行が“釣りバカ”コンビを演じ、連続ドラマやスペシャルドラマが放送された「釣りバカ日誌 新米社員 浜崎伝助」の最新作。本作では香川県を舞台に、原作漫画や映画でも描かれていない結婚式エピソードを描く。香川にある鈴木建設の関連子会社「浦島建設」に出向したハマちゃんこと浜崎伝助(濱田)。急な転勤でみち子(広瀬アリス)と新婚生活を始めたなか、結婚式の準備を開始するが…。
出演/濱田岳 広瀬アリス 吹越満 小澤征悦 貫地谷しほり 浅田美代子 西田敏行ほか。
取材・文/橋本達典 撮影/蓮尾美智子
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