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小芝風花、ビジュアルが男性の役に挑戦「性別に捉われすぎず、本質を大事に」 SPドラマ「書類を男にしただけで」インタビュー2020/10/08

小芝風花、ビジュアルが男性の役に挑戦「性別に捉われすぎず、本質を大事に」 SPドラマ「書類を男にしただけで」インタビュー

 10月11日放送のドラマ「書類を男にしただけで」(TBSほか)。主人公は、転職活動中にうっかり“男”として採用試験を突破し、広告業界でエースとして活躍する箕輪祐希(小芝風花)。男性として手にしたチャンスに「男で天下を取ってやる!」と覚悟を決めた祐希ですが、女性の日常にはさまざまな理不尽さや悔しさが散りばめられていて…。そんな主人公を演じる小芝風花さんに、撮影への意気込みやドラマの見どころを伺いました。

男性の役に「私で大丈夫かな?」

小芝風花、ビジュアルが男性の役に挑戦「性別に捉われすぎず、本質を大事に」 SPドラマ「書類を男にしただけで」インタビュー

――主演を務めるにあたって、今はどのようなお気持ちですか?(取材はクランクイン前に実施)

「最初にこの作品のお話を聞いた時は、“男性の役”というのが私で大丈夫かな?と不安でした。でも台本を読んで、“男だから、女だから”ということは関係なく、自分のやりたいことや好きなことに真っすぐ向き合っていく、またそれを受け入れていく世の中になっていけばいいなということを描いている作品だなと感じました。私もビジュアルは男性の役なのですが、あまり性別に捉われすぎず臨めたらと思っています」

――男性の役を演じることに不安があったのですね。

「不安は大きかったです(笑)。でも女性の方は、一度は『男になってみたい』と感じたことがあると思うんです。私も共感できる部分がたくさんあったので、見てくださった方に『その気持ち分かる!!』と感じていただける作品になったらうれしいです」

小芝風花、ビジュアルが男性の役に挑戦「性別に捉われすぎず、本質を大事に」 SPドラマ「書類を男にしただけで」インタビュー

――小芝さんが演じる役は、どのような人物ですか?

「私が演じる祐希という役は、小さい頃から例えば『女の子なのに握力が強い』とか、“女の子”というだけでそういう差別を受けてきた子です。でも、私も『女の子だってラーメン屋さんのカウンターで替え玉注文するよ!』とか、『男の子なら周りの人の目も気にせず、1人焼き肉にもっと行きやすいのかな?』と思うこともあって(笑)。1人でごはん屋さんに入るのも、女性は結構勇気がいることじゃないですか。そういう小さいことでも、性別の違いによって生きづらい部分があるなと思うんです。ドラマは冒頭からセクハラやパワハラに耐えかねた祐希が上司を背負い投げするシーンで始まるんですけど、そこだけでも『この人は、今まで歯を食いしばって頑張ってきたんだろうな』というのが分かると思います」

「本質をちゃんと見てほしい」という熱意が伝わるよう演じたい

小芝風花、ビジュアルが男性の役に挑戦「性別に捉われすぎず、本質を大事に」 SPドラマ「書類を男にしただけで」インタビュー

――見どころのシーンはありますか?

「男として生きる道を選んだ祐希が啖呵を切るところです。男として仕事も人間関係も順調だった祐希が、『男だろうと女だろうと、仕事の仕方は変わってないよ』『私自身は何も変わってないよ』と訴えるのですが、『本質をちゃんと見てほしい』という熱意が伝わるよう演じたいなと思っています」

――撮影に入るにあたって、楽しみなことはありますか?

「同僚の女性から好意を持ってもらえるということなので、楽しみです(笑)。女性に好かれるっていうのはやっぱりうれしいですよね。しっかりとモテる男性になれるよう演じたいですが、心配なことは『男に見えるかな?』って…。そこが一番の不安です。でも、“周りの人がどう見るかで受け取り方がガラッと変わってしまう”というのが伝えたい部分なので、あまり『男性の時はこう、女性の時はこう』と変化をつけるのではなく、本質は何も変わっていないということを大事にして演じたいです」

小芝風花、ビジュアルが男性の役に挑戦「性別に捉われすぎず、本質を大事に」 SPドラマ「書類を男にしただけで」インタビュー

――ここ数年、小芝さんは特撮を愛するOL、ラップでゾンビと戦う女の子、漫才師、妖怪など幅広い役柄を演じられていますが、スーツを着てオフィスで働くような「THE社会人」な役で主演というのは初挑戦でしょうか?

「会社員やOLの役をさせていただいた経験はあるのですが、職場がメインというのはないですね。『仕事で天下を取るぞ!』っていう社会人役は初めてです。同僚や上司との掛け合いも楽しみですし、クライアントさんの社長の役が友近さんだということもとても楽しみ。『あさが来た』(NHK)の時にすごくお世話になったので、また共演できるのが個人的にはすごくうれしいです。友近さんとの商談のシーンもあるので、撮影が楽しみです」

テンションを上げてくれる、大切にしているアイテムは…?

小芝風花、ビジュアルが男性の役に挑戦「性別に捉われすぎず、本質を大事に」 SPドラマ「書類を男にしただけで」インタビュー

――祐希は、入社試験の書類でうっかり「男」にチェックを入れてしまうことから男性として採用されますが、“うっかり”何かをしてしまって…というエピソードはありますか?

「地方での撮影の時に、うっかりチェックアウトをし忘れて、ホテルの鍵を持って来てしまったことがあります…(苦笑)。その時は2泊する予定で、次の宿泊先に鍵を持ってきてしまって、てんやわんやでした。その後、スタッフさんがわざわざ車で返しに行ってくださって、本当に申し訳ないことをしました…」

――本作では、“リップ”がキーアイテムとなり物語が展開していきますが、小芝さんにとってのキーアイテムや、常に持ち歩くようなアイテムはありますか?

「えーっ、なんだろう…。想像していなかった質問です、ありがとうございます!(笑)。(しばらく考えて)そうだ、今はリングとネックレスはずっと同じものを付けていて、ないと不安になっちゃいます。昔は、アクセサリーはいろんな種類が欲しくてリーズナブルなものを集めていたんですけど、最近は量より質を求めて、気に入ったものをずっと身に付けたいなと思うようになりました。ピンクゴールドのネックレスとゴールドのリングなんですけど、お仕事の時以外、お風呂でもずっと付けています。見ているだけでもテンションが上がるので、大事にしたいです!」

――お気に入りを身に付けるというのは、ドラマ本編でも描かれる価値観ですね。

「このドラマは女性はもちろん、男性にも共感していただける部分があると思います。男性も男性で『男なんだからしっかりしなさい』と言われるなど、男性ならではの悩みもあるんじゃないかなと思っていて。また、今の時代、男性がメークをするのも当たり前の時代になっていますよね。性別で何かを決めつけたり、“男なのに、女なのに”と言うような風潮も変わってきていると思うので、一人一人それぞれの個性や好きなことが尊重されますようにという思いを届けられたらと思います」

小芝風花、ビジュアルが男性の役に挑戦「性別に捉われすぎず、本質を大事に」 SPドラマ「書類を男にしただけで」インタビュー
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【プロフィール】

小芝風花(こしば ふうか)
1997年4月16日生まれ。大阪府出身。おひつじ座。A型。主な出演作は、映画「魔女の宅急便」「天使のいる図書館」、ドラマ「GTO」(フジテレビ系)、NHK連続テレビ小説「あさが来た」、「トクサツガガガ」「女子的生活」(ともにNHK)、「ラッパーに噛まれたらラッパーになるドラマ」「べしゃり暮らし」(ともにテレビ朝日系)、「美食探偵 明智五郎」(日本テレビ系)、「妖怪シェアハウス」(テレビ朝日系)など。

【番組情報】

「書類を男にしただけで」
TBSほか
10月11日 午後2:00~2:54

取材・文/宮下毬菜 撮影/蓮尾美智子



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