【関東選手権大会2020リポート】さらなる高みを目指して! 鍵山優真選手と佐藤駿選手がシニアデビュー!!2020/10/08
10月2~4日、茨城県ひたちなか市の山新スイミングアリーナで「関東選手権大会2020」が開催されました。シニア男子シングルは、冬季ユースオリンピック2020で金メダルに輝いた鍵山優真選手と、ジュニアグランプリファイナル2019を制した佐藤駿選手の一騎打ちに。共にシニアデビュー戦となった2人の演技をリポートします。
【鍵山優真選手】
ショート「Vocussion」では、冒頭の4回転サルコウ-3回転トウループのコンビネーションを鮮やかに決めるとそのまま勢いに乗り、ほぼノーミスの演技で98.46点を獲得。試合後のインタビューで感想を聞かれた鍵山選手は「まだ完全に滑り込めてはいなかったので、演技構成点が出ないかなと思っていたのですが、100点間近まで出たのは正直びっくりしました。あと2点で100点でしたので、試合を重ねるごとに点数を徐々に上げていけたらいいなと思います」とコメント。そして、「昨年より構成も上がってしんどいとは思うんですけれど、最後まで諦めずに頑張りたいです」とフリーへの意気込みを話しました。
翌日のフリー「ミュージカル『ロード・オブ・ザ・リング』より」でも4回転サルコウ-3回転トウループのコンビネーション、4回転トウループ、4回転サルコウの単独ジャンプをすべて3点以上の加点が付く出来映えで着氷。トリプルアクセルなど後半にミスがありましたが、デビュー戦とは思えない圧巻の演技で188.75点を獲得し、合計287.21点で優勝を果たしました。
以下、フリー後のインタビューの模様を紹介します。
――合計287.21点という高い得点が出ました。
「フリーは点数の目標というのはあまりなくて、『ドリーム・オン・アイス2020』でミスが多かったので『今日こそはいい演技をしよう』という気持ちで臨みました」
――演技後にうなずいていましたが、どのような心境だったのですか?
「『初戦にしては動けた方なんじゃないかな』と思って、うなずきました。また、同時に『もうちょっとやれたかな』という感じもあります」
――どういったところが「まだやれた」と思っていますか?
「ジャンプに関しては、最後の(トリプル)アクセルのステップアウト以外は言うこともなくて、そこ(ジャンプ)は大丈夫です。でも、体力をもたせるために動きが小さくなってしまいました。バランスがジャンプの方に偏っちゃったかな、と思います(苦笑)」
――「ドリーム・オン・アイス2020」からジャンプの構成を変えた理由は何ですか?
「後半の(4回転)サルコウが練習でも跳べなくて。(演技の後半は)疲れや焦りがあるので、『落ち着いている前半に4回転を全部組み込んで安定させよう』ということで構成を変えました」
――衣装のコンセプトを教えてください。
「前(ドリーム・オン・アイス2020)の衣装はストーリーに合わせて作っていたのですが、今回は曲に合わせて作りました。あとはショートと同じくスタイルがよく見えるように、少し“シュッ”とした感じで作ってもらいました」
――3回転ルッツの連続ジャンプについて、セカンドジャンプがトリプルループに変更になった理由は何ですか?
「ルッツ-ループは練習で遊び感覚でやっていたのですが、ある日、調子がよくなって。(セカンドジャンプを)ダブルトウループからトリプルループにした方が点数が伸びると思ったので、今シーズンはダブル(2回転)なしで、全部(のジャンプを)3回転以上の構成にしたいと思いました。今のところルッツ-ループは賭けみたいなところがありますが、今回降りることができて自信につながりました。これから安定させていきたいです」
――北京冬季オリンピック2020に向けて、今シーズンどう戦っていこうと思いますか?
「本来であれば海外試合もあったと思うのですが、今シーズンはそれがなくて試合も限られてくると思います。一試合一試合を大切にしながら、プログラムもジャンプもすべてが完璧といわれるくらいの演技がしたいと思っています。あと試合では入れないと思いますが、4回転を1、2種類増やさないと勝てないと思うので、そこも頑張っていきたいなと思っています」
――シニアデビュー戦を終えた感想をあらためてお願いします。
「ショートもフリーもジャンプだけではなくて、演技の部分でも課題が出てしまったので、そこを東日本(選手権大会)までにブラッシュアップして、次はノーミスできたらいいなと思います」
【佐藤駿選手】
ショート「映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』より」では、冒頭の4回転トウループ-3回転トウループの高難度コンビネーションを鮮やかに決め、18.45点を獲得。その後のジャンプでミスが出ましたが、77.90点と高い得点となりました。試合後、佐藤選手は「最初のジャンプを奇麗に決められた」と笑顔に。その上で「ジャンプのミスもあったんですけど、そのほかスピンなどのミスが目立ったかなと思います。シニア初めての試合ということで緊張もありましたが、ここから徐々に上げていけたらと思います」と前を見据えました。
翌日のフリー「Battle of the Kings」では、ショートで回避した4回転ルッツに挑戦。惜しくも決まりませんでしたが、4回転サルコウ、4回転トウループを美しく成功させ、フリーは120.52点、合計198.42点で2位となりました。
以下、フリー後のインタビューの模様を紹介します。
――フリーの演技の感想をお願いします。
「体力面は大丈夫だったんですけど、(4回転)ルッツで狙いすぎて、(転倒して)思いっきり(リンクに足を)打ってしまって…。(左)股関節あたりが痛くて、その後の演技が思うようにいかなかったです」
――負傷したのは、どのジャンプででしょうか?
「4本目のルッツです。(4回転)サルコウと、(4回転)トウ(ループ)が降りられて、この調子ならいけるんじゃないか、と思って…。最近ちょっとルッツの調子が悪くて、全然降りられなかったので、もう1回チャレンジしようと(2回目の)4回転ルッツをやったんですけど、その気持ちが強すぎて、前から転んでしまいました」
――試合全体の感想はいかがでしたか?
「ここからかなと思っているので、徐々にこのプログラムに(体を)慣らしていきたいと思います」
――鍵山選手との一騎打ちの感想をお願いします。
「優真も練習から見ていて調子がよさそうで、僕も頑張ろうと思ったんですけど、その気持ちがちょっと強すぎたかなと思います」
――例年と違うオフシーズンでしたが、影響を感じることはありますか?
「滑れない時期もあって最初はちょっと心配もありましたが、2カ月ぶりに滑ってみたら3週間くらいで調子も戻ってきて大丈夫でした」
――けがの状態はいかがですか?
「打った直後に結構痛くて、次のジャンプにも影響が出ました。今もちょっとは痛いんですけど、治していきます」
シニア本格デビューを果たし、これからの成長がますます楽しみな鍵山選手と佐藤選手。次戦の「東日本選手権大会2020」(11月5日~8日)も要チェックです!
【放送情報】
「フィギュアスケートブロック大会 関東選手権」
フジテレビONE
10月17日 午後1:00〜4:10
【雑誌情報】
「KISS&CRY 氷上の美しき勇者たち2019-2020シーズン総括&2020-2021シーズン展望号」
(表紙・巻頭特集:羽生結弦選手/KISS&CRYシリーズVol.34)
発売中
https://honto.jp/netstore/pd-book_30358103.html
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