【詳細リポート/後編】宇野昌磨選手登場「コラントッテ」新商品発売記念イベントの質問コーナー&囲み取材を紹介!2019/05/10
Q:一番のお気に入りのプログラムは何ですか?
宇野 「こういう質問には『特にない』といつも答えるのですが…(考え込む)競技用のプログラムでは正直、本当にないです。そのプログラムごとに、自分の成長とか、いい結果を残したとか、色々な思い出があるので。エキシビションナンバーに関しても、僕的には最初は『See You Again』が好きだな、と思っていたのですが、今滑っている『Time After Time』や『Great Spirit』も最初は苦手意識がありましたが、滑っていくうちに新しい自分というか、こういうこともやってみたらできるんだと思ったりしたので、“何が一番好き”というのは本当になくて。だからこれから先、『何がやりたい』というのも特にないのですが、そのプログラム一つ一つにいろんな思い出があって、いろんな成長があるので、どのプログラムもあって良かったと思っています」
司会者 「これからも、また違ったジャンルに挑戦したりと、そういう可能性を期待できるということですよね」
宇野 「数年前だと、自分の苦手とする動き、苦手とするプログラムというのに嫌悪感が強くて、やらないことが多かったのですが、最近だと『あ、こういうのもできたりするんだ』という思いの方が強いです。今年もシェイ=リーン・ボーンさんにエキシビションナンバーを一つだけ作っていただきます。まだ曲も決まっていませんが、楽しみにしています」
続いて、イベント終了後に行われた囲み取材の模様を紹介します。
── 今回は、約2400人の観覧客が集まったそうです。
「本当に毎年思っているのが、トークショーというすごく短い時間のためにわざわざ集まってくださって、一番下(のフロアのイベント優先エリア)以外にも、あんなにたくさんの人がわざわざ見に来てくれて、すごく本当に、ありがたいなという気持ちでいっぱいでした」
── これだけ人が集まるということを、どう感じていますか?
「昨年(2018-2019シーズン)は、自分にとって“何かを成し遂げた”ということがなかった。(2018年平昌冬季)オリンピックがあって、その前はわりといい成績を残し続けることができたというのがありましたが、そんなにすごい“この成績を残した”っていうのがない中で、毎年人数が増えているっていうことが…うれしかったです」
──「令和」という新たな時代を迎えましたが、「平成」を振り返ってみてどんな時代でしたか?
「僕が『平成』を語れるほど長く生きていないので、『平成』を語るわけではないですが、自分は20~21年間、スケート中心の生き方をずっとしてきて、それ以外は知らない。ただ、いずれスケート以外のことを中心に生きていく時間の方が長くなると思うんです。『平成』はずっとスケートだった。『令和』はたぶんいつかスケートから離れて、それ以外の時間が多くなると思うのですが、僕は残された時間を有意義に使って、“スケートで生きていく人生”に悔いを残さないようにしていきたいと思っています」
──「令和」では、どんな自分の姿をファンに見せていきたいですか?
「まだ21(歳)なので、もっともっと力強く成長していく自分を見せたいと思っています」
── トークショーで「プリンスアイスワールド2019」の話がありましたが、公演後に出演者たちとどんなことをしたのですか?
「特に何か、というわけではないのですが、集まってゲームしたり、話したり、ご飯に行ったり…そういう感じです」
── 2019-2020シーズンに向けて、今考えていることを教えてください。
「ジャンプを重点的にやっていきたいと思っています。まだ取り組みにも入っていないので、『やりたい』『こうできたらいい』という願望しかないですが、もう少ししたら合宿も始まってくるので、本当にどうなるか分からないですが、その成果を皆さんに見せられたらと思っています」
── 宇野選手から発案することが多くなってきているように感じますが、そんな成長を宇野選手はどう捉えていますか?
「(海外合宿は)僕が『どこに行きたい』と言ったわけではないんですが…。ただ、自分で“行く”と決めたのは初めてでした。成長ではなく、覚悟を決めたというか。僕は、海外がそこまで好きではない。日本で、今までずっと自分でやってきた。それを変えるというのは、大きく変わることでもありますし、日本ではないということでちょっとつらいところもあるかもしれないけれど、残りのスケート人生に覚悟を持って練習していこうと思ったので。まだ行先(合宿地)は公表されていないので言うことはできませんが、まぁ…これ以上言わない方がいいな(笑)。頑張ってきます」
── そう思えたきっかけはなんでしょうか?
「世界選手権が終わって、すぐでした。たくさんいろんなことを考えて。本当に僕は僕なりに練習してきたつもりでした。中京大学ってすごく環境がいいんです。ただ、同じくらいのレベルで一緒に練習する相手がほしいと思いました。やはり、そういう高め合う人がいると刺激し合って、“自分が意識してなくても自然とやる”ということがあると思うんです。1人でやっていると、まず自分で自分に厳しくいなきゃいけない。(これまで)なるべく厳しくやったつもりではいましたけど、それがもし同じレベルで戦っている人がいたら、その(なるべく厳しくやろうと思いながらの)練習は何も考えなくてもできたんじゃないのか、って。自分に厳しくやることは、難しいことでもあり、大変なことでもありましたので、わざわざ(そんな)大変な課程を踏むことがもったいないかな、と」
── それが覚悟なんですね。
「そうですね。僕にとっては大きな覚悟でした。僕は『覚悟を決める』という言葉があまり好きではないというか、もっと大きな言葉だと思っていて、あまり使わないようにしていたんですけど、そんな僕が本当に『覚悟を決めた』と言える決断をしたのかな、と。今シーズン(2019-2020シーズン)は合宿が始まったら真剣にスケートに向き合う、それまではけがしない程度にちゃんとシーズンオフを過ごして、そこから切り替えていこうかなと思っています」
── 合宿はいつ行って、いつ帰ってくるのですか?
「正式な日程があまり分からないんですけど…。6月の中旬か下旬か、それぐらいに1カ月ちょっと行って、アイスショーに(出演するために)帰ってきます。そして、その後もまた行く。シーズンオフ中は合宿の期間の方が長いかもしれないです」
── 長期間日本を離れるにあたって、一番不安なことは?
「日本にいるのは楽ですし、快適ですけど、僕は元々外に出るタイプではないので、そんなに不安はないです。たくさん周りの方がサポートしてくれますし。あと、練習に関してはちょっと楽しみにしているところがあります」
── コーチはもう決まっていますか? コーチに期待はありますか?
「そうですね…。どちらかというと“環境”が楽しみです。うまい選手がいる環境にいくことに、ワクワクしています」
── トークショーでも話に上りましたが、お酒など“大人としての嗜み”などについて、どう考えていますか?
「『ほどほどにします』というか、そもそもそんなにお酒が好きではないので、そこに関しては自分に厳しくしてるつもりもありません。人によってはそれが“大事なもの”という人もいると思いますが、僕にとっては“人生の楽しみ”というわけではないので。ただ年齢が21になって、世界選手権が終わるまでは僕はもっともっと長くスケート人生をやるつもりでずっとやってきたんですけど、そうではなくて、“長く続ける”というのを捨てて(これから)練習していこう、と思いました」
── 表現面での変化はありますか?
「ここ1、2年でそこは大きく変わったかな、と。特にそう感じるのは『Time After Time』を滑っていて、なんか表現の仕方が変わったというか。僕はあまり表情を出して表現する方ではなかったんですけど、アイスショーだからというのもあって、そういうことを少し意識したり。昔よりは大人っぽさが出せているんじゃないかな、という実感があります」
世界選手権2019での悔しさを自らの成長の糧とし、さらなる高みを目指してオフシーズンは海外合宿を慣行する宇野選手。大きな覚悟を持って2019-2020シーズンへと進む宇野選手を、これからも全力で応援しましょう!
【放送情報】
【プリンスアイスワールド2019 横浜公演】
BSテレ東 5月19日(日) 午後2:00~4:30
出演:宇野昌磨、本田真凜ほか 解説:町田樹
【「KISS&CRY」とは?】
「KISS&CRY」シリーズは、日本のフィギュアスケーターのみなさんをフィーチャーし、その「戦う」姿、「演じる」姿を合計50ページ超のグラビアでお届けしています。つま先から指先・その表情まで、彼らの魅力を存分に伝えます。また、関連番組テレビオンエアスケジュールも掲載。テレビの前で、そして現地で応援するフィギュアスケートファン必携のビジュアルブックです。
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