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「あのコの夢を見たんです。」倉地雄大プロデューサーが明かす思い――「この作品で、嫌なこと から逃げてもいいんですと伝えたい」2020/10/02

「あのコの夢を見たんです。」倉地雄大プロデューサーが明かす思い――「この作品で、嫌なこと から逃げてもいいんですと伝えたい」

 10月2日からスタートする仲野太賀さん主演のドラマ24 第60弾特別企画「あのコの夢を見たんです。」(テレビ東京ほか)。お笑い芸人の南海キャンディーズ・山里亮太さんが、実在する人気女優のイメージから描いた妄想オムニバス小説を原作にしたドラマです。

 出演する女優陣が、中条あやみさん、芳根京子さん、森七菜さん、飯豊まりえさん、大原櫻子さん、山本舞香さん、大友花恋さん、白石聖さん、鞘師里保さん、池田エライザさんと、“とにかく豪華すぎる!!”と話題の本作。ここでは倉地雄大プロデューサーに、作品の見どころはもちろん、キャスティングの苦労エピソードや、視聴者の皆さんに見ていただくための工夫、そしてご自身の仕事に対する熱い思いなどをたっぷりとお伺いしてきました。

——今回は人気お笑い芸人である山里さんが書き下ろした小説が原作となっていますが、ドラマ化への思いを聞かせてください。

「自由度の高い原作を映像化できるということが、すごくありがたいなと思います。原作を書かれた山里さんのクリエーティブ性が飛び抜けていて素晴らしいし、『何をやってもいいですよ』と言われているような気がしました」

——映像化の期待値が高まります。ちなみに今回のドラマ化で、どういった点が一番苦労されたのでしょうか?

「通常の作品だと脚本を作り、監督などのスタッフを決めた作業の後に出演者をキャスティングしていきます。しかし、今回は先に女優の方々を固めないと始まらない作品だったので、最初の1人が決まるまでがすごく大変でした。脚本が完成されていない状態でのキャスティングが一番大変だったなと思います」

——通常と違うキャスティングの流れだったわけですね。山里さん役を演じられる仲野さんのキャスティングはどのように決まったのでしょうか?

「山里さんに『どの方に山里さん役を演じてもらいましょうか?』とご相談しました。さまざまな種類の役を演じてもらうため、演技力がないといけないというのがまずベースにありました。そしてご相談していく中で、山里さんの持つ独特な感性が映像からにじみ出てくる方がいいなという話になり、山里さんと僕ら制作サイドの候補の中に太賀さんの名前が挙がりました。そして互いの思いが合致して、太賀さんに率直にご相談しました」

——貴重な裏話をありがとうございます! 現在絶賛撮影中とのことで、現場はどんな雰囲気ですか?

「出演する女優の皆さんは忙しい方ばかりなので、限られた時間の中で撮り切らなければいけない状況で大変ですね(笑)。また、毎回違う役を演じる太賀さんも負担が大きいとは思うんですけど、『次回はどんな役なのかな』と楽しんでもらっている感じがしました」

——タイトなスケジュールの中でも、仲野さんは楽しんで役を演じられていたんですね。撮影中に印象に残っているエピソードはありますか?

「毎話、ありますね! 中条さんが出演する第1話でいうと、枝優花監督が中条さんに『そんなにコメディー感を振りすぎないように』と常々言われていましたね。中条さんの役柄的に“外見よりも中身”というものが裏テーマとしてあり、それを太賀さんとのシーンでちゃんと色濃く出るように枝監督が作り上げていたことが印象深かったです。もちろん、中条さんのポップでかわいいところもちゃんと捉えて撮られてました」

——中条さんが自らフラれていくという役柄は、女性目線で見るとうらやましく感じる方も少なくない気がします。

「そうですね。意識していたのが、山里さんの妄想が原作ということで、男性は楽しんで見てくれると思っていたのですが、女性の視聴者の皆さんにも見ていただきたいという思いが強かったんです。女性から見て共感できる部分を毎話において、各監督と結構深く話していました。もちろん、ベースは山里さんが妄想するヒロインという立場なんですけどね。中条さんの例で言うと、女性から見て鼻につかないヒロインにするためには、どんなふうに撮っていこうかを気を付けながら撮影していましたね」

——ぜひ女性の皆さんにも見ていただきたいですね。話を変えて、倉地プロデューサーご自身のことについてもお伺いできればと思います。今までも「電影少女」シリーズや「死役所」など数多くの人気作品をプロデュースされていますが、そもそも、ドラマプロデューサーを目指したきっかけはどういったものだったのでしょうか?

「昔からドラマが大好きだったからです。僕は今32歳ですが、小学生の時に『踊る大捜査線』と『やまとなでしこ』(ともにフジテレビ系)が好きで繰り返し見るようになって、単純にこの仕事に憧れを持ちました。中学3年生の時には、 “〇年後の自分へ”という手紙に『ドラマのプロデューサーになれていますか?』と書いたくらい(笑)。そうやって好きなことをいつか仕事にしたいなと思っていましたし、大好きなドラマや映画のストーリーからあらゆることを学んだ経験もあり、将来はそんな作品を作ってみたいと思ったのがきっかけですね」

——好きなことを仕事にし続けていく中で、難しいかもしれないと感じたことはありますか?

「僕は、やりたいことをずっと『やりたい』と言い続けていれば、やれる気がします。就職活動をしている時に一番感じたことは『人生は折り合いをつけていかないといけない』ということ。だけど、案外折り合いをつける前に『やりたい』と言い続けていれば、やれるとも感じるんですよね。もちろん、皆さんはいろいろな考えを持って仕事をしていると思いますけど、僕はどうせ働くなら自分が好きなことをやり続けたいと思っているので、それが達成できるまでは努力をしたいです」

——倉地プロデューサーの熱い思いが伝わってきました! あらためて、最後に視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。

「山里さんも話していたんですけど、このドラマの根底にあるのは『嫌なことから逃げてもいいんです』というメッセージなんだなと。このドラマを見てくださった方々に『こうやって逃げてもいいんだ』という思いが届けばいいなと。もちろん、豪華な女優さんが集まり、太賀さんも面白く演技をしてくださっています。山里さんの発想はすごく自由だし、見どころはたくさんありますけれど…。その中で、実は大事なメッセージがちょこっと入っているので、そこが響くとうれしいですね」

——たくさんの人に倉地プロデューサーの思いが届いてほしいですね。

「『とにかく気軽に見てください』とお伝えしたいです。本作はある意味、すごくチャレンジした作品でもあります! 気軽にチャンネルを合わせてもらえれば、『絶対にいいものが見れた』と思っていただけるような作品になっていますので、何より第1話を見てほしいですね」

——ありがとうございました!

【番組情報】

ドラマ24 第60弾特別企画「あのコの夢を見たんです。」
テレビ東京ほか 
金曜 深夜0:12~0:52
※地域によって放送日時が異なる。

テレビ東京担当 M・M



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