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二階堂ふみ&伊藤沙莉が衝撃コミックのヒロインに! 「触れてはいけないワードでもなんでもない。ずっと付き添っていくもの」2019/10/30

二階堂ふみ&伊藤沙莉が衝撃コミックのヒロインに! 「触れてはいけないワードでもなんでもない。ずっと付き添っていくもの」

 WEB連載で話題を呼び、手塚治虫文化賞〈短編賞〉を受賞した衝撃の人気コミック「生理ちゃん」が、実写映画化! 本作でヒロインを演じた二階堂ふみ、伊藤沙莉に本作への思いを聞いた。

──「生理ちゃん」が実写映画化されると聞いた感想、オファーされた際に思ったことは?

伊藤 「これまで“生理”を題材にした作品の記憶がなかったので、衝撃でした。周りも、タイトルを言うと“え!?”となる引きの強いワード。それだけに挑戦でもあるな、と。まさか男性が描かれたとは思わなかったので、そこもすごいと驚きました」

二階堂 「私自身は“生理”というワードに驚きはありませんでしたが、やはり作者が男性であること、いろんな方に見ていただく作品として作ることに、かなり時代が柔軟になり、(感覚に)追い付いてきたな、と感じました。“生理”というものに対する男女の温度差がなくなってきたな、と感じていたので」

── 生理ちゃんが原作に近い造形で登場し、現象もアナログで表現されたことに驚きました。

二階堂ふみ&伊藤沙莉が衝撃コミックのヒロインに! 「触れてはいけないワードでもなんでもない。ずっと付き添っていくもの」

二階堂 「脚本ではどう生理ちゃんを描くのか、生理ちゃんがどう動くのか分かりませんでしたが、まさか背負うとは思ってはいなかったです(笑)。かなり重く、大変な撮影でした」

伊藤 「私も、まさか“おんぶする”ことになるとは、と(笑)」

二階堂 「でも段々、生理ちゃんと絆が生まれてくるんだよね」

伊藤 「そう、生理ちゃんはずっと同じ顔なのに、すごく表情豊かで、心の声が聞こえてきて。こっちが勝手に拾い読みしているだけですが、りほが“もう来なくていい~!!”と叫んだ時の切なそうな表情と言ったら」

二階堂 「私も最後、生理ちゃんを抱きしめたくなった(笑)。全編を通して生理ちゃんが目に見える“実体・実物”として存在し、その重さや圧迫感があるからこそ、どんどん寄り添っていき、最終的に生理ちゃんと“いいバディ感”まで醸していて。私自身、生理ちゃんが居てくれる安心感を覚えました。世の女性の、生理に対する感じ方も表現できているんじゃないかな」

── さらに“性欲くん”という憎めないキャラも登場しますね。

伊藤 「性欲くんも大好き(笑)。ずっと卑猥な言葉を繰り返して」

二階堂 「大体、童貞くんといるんですよね(笑)」

伊藤 「そこ2人が寄り添っていますから(笑)。本作には、シュールな笑いと、シュールな感動が詰まっています!!」

二階堂 「男 VS 女という構図ではなく、自分とは違う誰かをどれだけ理解できるのかが大事なのかなと。映画でもそれを表現できたら、面白くなると確信していました」

── その一方、色々なエピソードの中に、女性が“あるある”と思うことも満載ですよね。

伊藤 「りほに関しては、意外と生理の現象の描写が少なく、眠くなる程度だったんです。ただ私個人は、小さい生理ちゃんと大きい生理ちゃんが居るように、現象には個人差があり、同じ女同士でも伝わらないときがあることに“あるある”と思いました。じっと動けないようなとき、“薬飲めばすぐでしょ”と言われ、違うぞ、という経験があったので」

二階堂 「私は、初潮ちゃんが訪れた(青子の恋人の娘)かりんちゃんが凹んでいる姿を見て、何か分かるなぁ、と。いつかは(生理が)来ると分かっていても、実感として持っていなかった未知なるものが急に来たときのショックの大きさとか。だから、青子さんの寄り添い方がすごくいいな、と思いました」

伊藤 「今や“生理”って、触れてはいけないワードでもなんでもない。ただの生理現象ですが、ずっと付き添っていくものであり、だからといって当然のように来るわけでもない。シュールな感動とともに、そういうことも幅広く伝わる映画だと思います」

二階堂ふみ&伊藤沙莉が衝撃コミックのヒロインに! 「触れてはいけないワードでもなんでもない。ずっと付き添っていくもの」

【OUR MOVIE~WOMAN】

二階堂 「ふと思い浮かんだのは、映画『アンネ・フランク』(’01)。ホロコーストを描いた実話ですが、彼女があの隠れ家に居た約2年間は、少女から女性に変わりゆく変化の時期で。初潮が来て、トイレで泣くシーンがあるんです。というのも、一緒に隠れていた男の子と屋根裏で会う小さな楽しみも禁じられてしまうから。恋することもできなかった、と。自分と同じような1人の女の子が、そこで生き、いろんなことを感じていたんだな、とすごく実感できました」

伊藤 「生理より初潮の方が衝撃的だから、映画になりやすいのかな。私もフランス映画『エール!』(’15)で、すごく歌がうまいヒロインがいい感じの男の子と居る時、初潮が来たシーンを思い出しました。家族は皆耳が聞こえないんだけど、“初潮が来た”と男の子の前で混乱しちゃって、ヒロインがブチ切れる(笑)。でも彼女が目を背けると、家族の会話が成り立たない。その距離感にいら立って…。本人より家族が大騒ぎする感じが、分かるなと」

二階堂ふみ&伊藤沙莉が衝撃コミックのヒロインに! 「触れてはいけないワードでもなんでもない。ずっと付き添っていくもの」

【プロフィール】

二階堂ふみ(にかいどう ふみ)

1994年9月21日沖縄県生まれ。乙女座。O型。映画「ガマの油」(2009年)でスクリーンデビュー。現在、映画「人間失格~」が公開中。20年のNHK連続テレビ小説「エール」のヒロインを務める。

伊藤沙莉(いとう さいり)

1994年5月4日千葉県出身。牡牛座。A型。近年の出演作に「パンとバスと2度目のハツコイ」、「榎田貿易堂」、「寝ても覚めても」(全て2018年)、「ブルーアワーにぶっ飛ばす」(公開中)など。主演作「タイトル、拒絶」が第32回東京国際映画祭で上映。

【作品情報】

二階堂ふみ&伊藤沙莉が衝撃コミックのヒロインに! 「触れてはいけないワードでもなんでもない。ずっと付き添っていくもの」

「生理ちゃん」
11月8日公開
原作/小山健 監督/品田俊介 脚本/赤松新 
出演/二階堂ふみ 伊藤沙莉 松風理咲 須藤蓮 岡田義徳ほか

クリスマスデートもキャンセルし、仕事に走る青子(二階堂)の前に生理ちゃんが現れる。翌日、生理中でボーッとする青子の横を、清掃スタッフのりほ(伊藤)が通り過ぎる。小山健の同名コミックを、品田俊介が衝撃の実写映画化。

取材・文/折田千鶴子 撮影/增田勝行(SIGNO) 
ヘア&メーク/TORI(二階堂)、岡澤愛子(伊藤) 
スタイリング/大島陸(二階堂)、吉田あかね(伊藤)



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