「あなたを奪ったその日から」北川景子のリアルな演技は「最初に読んだ時の素直な気持ち」を表現2025/04/19 08:00

　北川景子さんが主演を務める「あなたを奪ったその日から」（フジテレビ系＝カンテレ制作）が4月21日よりスタートします。

　本作では、食品事故で子どもを失った母親・中越紘海（北川）が、事故を起こした惣菜店の社長・結城旭（大森南朋）を恨むなか、図らずも旭の次女・萌子（倉田瑛茉）を誘拐してしまう。結城に同じ苦しみを味わわせることで復讐（ふくしゅう）を果たそうとする紘海だったが、その誘拐には大きな誤算が…。紘海は自分の犯した罪に苦しみ、葛藤し、周囲を巻き込みながらも強く生きていく、ただの復讐劇ではない、サスペンスフルな親子の愛の物語です。

　主人公の紘海を演じる北川さんに役を演じるにあたって、気を付けている部分や見どころなどを語っていただきました。

――オファーを受けた時の心境をお聞かせください。

「1年以上前に企画をいただき、紘海の娘・灯（石原朱馬）や萌子ちゃんが私の娘と年格好が近く、もしこんな事故で娘が亡くなってしまったらと想像したら、どんなに“良い人”でも、紘海のように復讐心を持つことでしか生きるモチベーションが沸かなかったりするのではないかと、母親としてすごく共感し挑戦してみようと思いました」

――演出・松木創さんとどんなお話をされましたか。

「母親が子どもを失ったという感情の部分は特にリアルに演じたいと思っているので、『サスペンスや脅威に満ちた話ではなく、誰にでも起こり得る話で、ドラマだけどもドキュメンタリーを撮っているような、それくらいうそのない演技がしたいです』ということを伝えました。松木さんも『時には生々しく、見ている人がつらいと思うシーンがあるかもしれないけれど、きれいごとじゃない作品を描きたいね』ということを話してくださいました」

――リアルに演じる部分で1番気を付けているところを教えてください。

「朝は“紘海の娘が元気に生きている幸せなシーン”なのに対して、夜は“復讐をしに包丁片手に向かう”という時系列がワンシーンごとに違う撮影をしているので、自分の感情が混乱しないように計算をして、切り替えるようにしています。全話の台本を渡されているのですが、読み込みすぎてしまうと表現が複雑になってしまうので、最初に読んだ時の素直な気持ちを大事に演じています」

――子役の皆さんとどう接していますか

「紘海は自分の娘を失った時から人間的にとても変わってしまって、子どもに対して優しく接する時もあれば、怖いかなと思われるような表情の時もあるので、トラウマにならないように親御さん含め『このシーンではこのような芝居をします』と事前にお伝えしています（笑）」

――紘海のキャラクターをどう捉えて、視聴者の方にどこを注目して見てほしいでしょうか。

「娘を亡くして生きる気力がなくなっていた時に、たまたま見た謝罪会見の結城の言葉や態度を見て、間違った形だけれども復讐のためにもう一度生きようと決心します。復讐のために結城に近づく紘海ですが、親としての価値観や感情が意外と、鏡合わせみたいに似ているところがあるのではないかと思っています。物語の後半にかけて、紘海の結城に対する気持ちの変化にも注目して、ぜひ作品を楽しんでいただきたいです」

――ありがとうございました。

【プロフィール】
北川景子（きたがわけいこ）
1986年8月22日生まれ。兵庫県出身。ドラマ「美少女戦士セーラームーン」（TBS系）で俳優デビュー。「太陽と海の教室」「ブザー・ビート～崖っぷちのヒーロー～」「謎解きはディナーのあとで」「HERO」（すべてフジテレビ系）、「家売るオンナ」（日本テレビ系）、NHK大河ドラマ「西郷どん」、「リコカツ」（TBS系）、映画「パラダイス・キス」「君の膵臓をたべたい」「スマホを落としただけなのに」「約束のネバーランド」など、さまざまな作品に出演。

【番組情報】
「あなたを奪ったその日から」
カンテレ・フジテレビ系
4月21日スタート
月曜　午後10:00～10:54

取材・文/五條亜唯（フジテレビ・カンテレ担当）