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「彼女がそれも愛と呼ぶなら」栗山千明、伊藤健太郎が考える“複数恋愛”とは?2025/04/10

「彼女がそれも愛と呼ぶなら」栗山千明、伊藤健太郎が考える“複数恋愛”とは?

 栗山千明さんが主演を務め、伊藤健太郎さんが共演するドラマ「彼女がそれも愛と呼ぶなら」(読売テレビ制作)が日本テレビ系で4月3日に放送スタート。一木けいさんによる同名小説を原作にした、“複数恋愛”がテーマのラブストーリーです。全員の合意のもとで誠実に愛を紡ぐ水野伊麻を栗山さん、伊麻と恋に落ちる一回り以上年下の大学院生・小森氷雨を伊藤さんが演じています。さらに、すでに伊麻と付き合い、共同生活をしている空久保亜夫役で千賀健永Kis-My-Ft2)さん、風間到役で丸山智己さんが登場するのも見どころです。

 女性1人と、恋人3人によるラブストーリーの幕が明けた今、主演の栗山さんと伊藤さんへのインタビューを敢行。本作への思いや、共演者の皆さんとのエピソードなどを伺いました。

――まず、本作への出演が決まった時のお気持ちをお聞かせください。

栗山 「私は“複数恋愛”という意外性のあるテーマがドラマで描かれることに驚きました。そんな中で、すごく魅力的な伊麻という役をいただけてうれしかったです」

伊藤 「僕はストーリー自体もそうですし、氷雨というキャラクターもすごく難しいテーマだと思いました。お話いただいた時から、今もまだ悩みながら演じています」

――ドラマのテーマになっている複数恋愛(ポリアモリー)を私は初めて知ったのですが、お二人はどう感じられましたか?

栗山 「私も本作を通して初めて知ったのと、もちろん経験もないので、伊麻はどういう気持ちなのだろうと想像するしかないなと。私自身にはない要素かなと思います。ただ、当事者の方もいらっしゃいますし、恋愛に正解・不正解はないので、こういう形の恋愛も存在するのだなと新たな気付きを得た感覚です」

伊藤 「僕も言葉自体知らなかったですし、栗山さん同様に自分にはない要素過ぎて…。パートナーそれぞれに対して“一番”という感覚がどういうことなのかな、と考えてしまいますね。少なからず順番が出てきそうだけど…と個人的には思ってしまうのですが、それだと成立しないでしょうし、僕自身とはかけ離れたドラマだなと感じます」

「彼女がそれも愛と呼ぶなら」栗山千明、伊藤健太郎が考える“複数恋愛”とは?

――劇中で氷雨は複数恋愛を理解しようとしますが、それは共感できますか?

伊藤 「多分それは好きだから受け入れざるを得ないといいますか…。伊麻さんはそういう人なので、そこを含めて理解をしないと一緒にいられない。無理やり自分で理解する方向に持っていかなきゃいけないんです。まだ最終話まで台本をいただいていないのでどうなっていくか分からないですが、そこは今後も難しいポイントの一つなのかなと思っています」

――役を演じるにあたり、ご自身と似ている部分、もしくは似ていないなと感じる部分があれば教えてください。

伊藤 「僕は違うところばっかりです(笑)。ただ、氷雨ほどではないですが、好きになった人にそれまで知らなかった部分が出てきたら、それをなるべく受け入れようとする努力はするかなと思います」

栗山 「私も全然違うのですが、伊麻の複数恋愛という生活スタイルはうらやましいな、とも思います。共感とは違うのですが、そういう恋愛の仕方をすれば嫉妬心や束縛も生まれないでしょうし、負の感情が起きにくいと思うので。心穏やかに過ごせそうですよね」

――伊麻とパートナーたちは仲がいいですよね。

栗山 「そうですね。変にバトルになることもなく、みんな仲がいいので、これはこれで幸せなんじゃないかなって思います。私から見ると、共同生活の中でぶつかったりせず、日々うまく過ごせているのを不思議に感じることもありますが…。それぞれが頼れる存在で、違う魅力がありますし、これからどんなシーンが描かれていくのか楽しみです」

――今回、それぞれ役作りはどのようにされましたか?

栗山 「まずは自分の中で想像を膨らませ、監督やプロデューサーさんとお話しし、自分が思い描く伊麻が皆さんの中の伊麻とリンクしているのか確認しながら進めています。そして、私が緊張しいということもあり力が入りがちなので、力を抜いてナチュラルに臨むことを心がけています。伊麻は本当に素直で、ある意味少女のようなところがあるので、それを表現するにあたって自然体でいることも大事なのかなって。憎めないみんなの愛すべき伊麻を作り上げていきたいです」

伊藤 「僕は普段、あまり役作りをガチガチにしていくことはしないんです。そんな中、今回お話をいただいた時は『複数恋愛をきちんと理解した方がいいのかな』と思ったのですが、氷雨のことを考えれば考えるほど『理解しない方がやれるかも』と考えて。というのも、氷雨も最初は理解できていないんですよね。話が進むにつれて理解が深まっていくのか、はたまたそうじゃないのか…というのを体現していけたらと思います」

「彼女がそれも愛と呼ぶなら」栗山千明、伊藤健太郎が考える“複数恋愛”とは?

――お二人から見て、恋人役の皆さんの印象はいかがですか?

栗山 「まず丸山さんは何度か共演させていただいているので、今回もご一緒できてうれしいなって。場を盛り上げてくださる、頼れる存在なのでありがたさを感じます。伊藤さんとは今回初めてお会いしたのですが、私の言葉足らずなところもくんでくださって、すごく優しい方。千賀さんは美容や健康の知識が豊富で、まさしく亜夫だなって思いました」

伊藤 「さっきも有機野菜のお話をされていましたよね」

栗山 「そうそう、あまり聞きなれない野菜の名前が出てきて…。亜夫役にピッタリですよね」

伊藤 「僕は、丸山さんは10年前にご一緒させていただいた以来なのですが、当時と変わらず場の雰囲気を作ってくださる方で。千賀さんは今回が初めましてだったのですが、独特な間を持たれていて面白い方だなと思いました。栗山さんはすごく気さくですし、まるで少女のような方で助かっています(笑)」

栗山 「良かった! ありがとうございます」

――今後の撮影で楽しみにしていることがありましたらお聞かせください。

栗山 「みんなとのお家のシーンがどうなるのか気になります。やってみたいと分からないので。難しいのだろうなとは思っていますが…」

――ちなみに、伊麻の家では娘の千夏(小宮山莉渚)も一緒に生活しているんですよね。

栗山 「そうなんです! そこも謎な部分といいますか、お家でのシーンではさまざまなことが浮き彫りになる気がします」

伊藤 「僕が気になっているのは、共同生活のシーンで台本に『赤いボクサーパンツ』というワードが出てくるんですが、それがどれくらい赤いのだろうということ(笑)。パンツだけではなく、こういう複数恋愛をするお家だからこそのルールがいっぱいあるんですよ。それをどういうふうに撮影していくんだろうというのも楽しみですね」

――栗山さんは高校生の娘がいる役というのはいかかですか?

栗山 「多感な時期の子どもを持つ役は今回が初めてなんです。ただ監督方とお話しして、伊麻は型にはまらない女性ですし、おそらく『母親らしくしなきゃ』という感覚もないので、あまり母親らしさは意識していないです。むしろ母娘関係に見えない方が伊麻らしいのではと思っています」

「彼女がそれも愛と呼ぶなら」栗山千明、伊藤健太郎が考える“複数恋愛”とは?

――劇中で、「氷雨はハシビロコウに似ている」という伊麻のセリフがありますが、ご自身が似てると言われる動物やキャラクターはいますか?

栗山 「私も鳥系が多いです。特に、鼻はよく“くちばし”のようだと言われます」

伊藤 「僕は自分が飼っている犬ですね。友達が僕の犬のことを『健太郎』と呼ぶくらい似ています(笑)」

――1話では、伊麻が氷雨のことで仕事が手につかないくらい落ち込むシーンがありましたが、お二人は落ち込んだ時にどう対処しますか?

栗山 「飲んで食べて、寝る!(笑) 落ち込むといいますか、『もうちょっとうまくできたんじゃないかな、あのシーンこうすれば良かったな』と悔いることがあっても、家に帰っておいしいものを食べたら『よし頑張ろう』と切り替えられます。基本的には引きずらないタイプです」

伊藤 「僕もあまり落ち込まないですね。栗山さんと同じく、何かあったら飲んで食べて、寝ます。落ち込んでいると疲れてしまうので…」

――タイトルにちなんで、今一番“愛”しているものを教えてください。

栗山 「家のガジュマルかな。こういうお仕事をさせていただいているので、生活リズムが日ごとにバラバラなことも多く、これまであまり植物をきちんと育てられたことがなくて…。それが、いま初めて成功しているんです。大事にしたいなって思っています」

伊藤 「僕は、家で飼っているメダカです。すごくかわいくて、家にいる時はずっと見ています」

――最後に、視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。

栗山 「このドラマで描かれるのは複数恋愛という一般的になじみがない愛の形なのですが、そんな恋愛もあるのだと知っていただけると思います。世間の言う“普通”や“常識”が本当に正しいものなのか、幸せになれるのか…など、いろいろ考えていただけるようなお話になっていると思いますので、ぜひ楽しんで見ていただきたいです。そして、ポリアモリーの当事者の方が、のびのびと恋愛できるような世の中になっていったらうれしいなと思います」

伊藤 「物語が進んでいくにつれて、(登場人物の)誰の視点で描かれていくのかというのも変わっていきますし、飽きずに見続けられるドラマになっていると思います。複数恋愛に触れたことがない人も多いと思うので、『こういう愛の形もあるんだな』とぜひ深夜に楽しんでいただきたいです」

「彼女がそれも愛と呼ぶなら」栗山千明、伊藤健太郎が考える“複数恋愛”とは?

【第2話あらすじ】
氷雨は伊麻と恋に落ちるも、彼女から告げられた「他にも恋人がいる」という事実に戸惑いを隠せずにいた。しかし、伊麻の愛を理解しようと決意し、彼女とその2人の恋人たちである亜夫や到と一緒に暮らし始めることに。そんなある日、氷雨は伊麻の部屋で男性物の赤いボクサーパンツを発見し、彼女に自分以外のパートナーがいるということの生々しい現実に直面する。伊麻の愛と自分の愛が釣り合っていないのではないか、と、亜夫や到に悩みを打ち明けるが、亜夫は「愛にはいろんな形がある」と言い、到も「たとえ相手が1人だとしても恋愛感情が比例するとは限らない」と言い切る。氷雨はその言葉に納得しきれないまま、自分だけを見てほしいという思いと、伊麻を理解したいという気持ちの間で揺れ動く。そんな中、伊麻は高校時代の同級生・絹香(徳永えり)との再会を果たす。あっけらかんと恋人の存在を明かす伊麻に対して、自身の冷め切った夫婦関係を重ねて複雑な気持ちになる絹香だったが、伊麻との出会い、そしてもう1人の“ある人物”との出会いをきっかけに、そんな絹香の人生も動き始める。

【番組情報】
「彼女がそれも愛と呼ぶなら」
読売テレビ・日本テレビ系

木曜 午後11:59~深夜0:54

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