「ディアマイベイビー」松下由樹、狂気的なマネジャー演じるも「私自身は怖さを感じていない」2025/04/03

テレ東×アミューズクリエイティブスタジオが共同製作した完全オリジナル漫画を実写化した「ディアマイベイビー~私があなたを支配するまで~」(テレ東系)。本作の主人公である芸能事務所のベテランマネジャー・吉川恵子は、新人俳優・森山拓人に異常なまでの愛を注ぐが、やがてその執着は狂気へと変貌して…。そんな鬼気迫る“狂愛サスペンス”を、4月4日から連続ドラマで送る。
そんな本作で強烈なキャラクターで主人公の恵子を演じるのが、トレンディードラマの女王・松下由樹さん。「誰も参考にした人はいない」と語る恵子の役作りにおける裏話や印象的なシーン、本作に感じる魅力などを聞いた。
――まず、最初に脚本を読んだ時の印象は?
「衝撃的でした。恵子のセリフにはパワーワードがたくさん登場しますし、展開も激しく、とにかく強烈だなと。この物語をどう演じたらいいのだろう…というのが最初の印象でした。私自身、狂気的な怖さだけを見せるドラマにはしたくなかったですし、皆さんもそういう作品を目指しているわけではないのだろうなと感じつつ、脚本を読んだだけではどうしてもそう捉えてしまう部分があって」
――クランクイン前に、何度もスタッフの皆さんと話し合いをされたそうですね。
「演じる上で迷いを持ったまま撮影に入ることはしたくなかったので、作品やキャラクターについて、スタッフの方と何度もお話をさせていただきました。そこで、お互いに擦り合わせをしながら恵子を作り上げていって。最初に感じた“強烈さ”を何周も巡り、今はフラットに恵子というキャラクターを演じられています」

――そんな恵子の愛を一身に受ける拓人役を演じる野村康太さんとは、本作が初共演になります。印象はいかがでしょうか。
「初めてお会いした日に、まず身長の高さにびっくりしました。拓人は設定上の身長が184cmなのですが、野村くんはスタイルの良さもあり、実際にお会いすると2m近くあるように見えたんです。なので、身長をお聞きして拓人と同じ184cmということを知った時はさらに驚きました。野村くんご自身はおとなしい方なので、役を通していろいろな表情を見られることを楽しみにしています」
――もし、松下さんのマネジャーが恵子のような人物だったら…?
「愛情を持って育てようという思いはとてもうれしいですし、ありがたいです。ただ、恵子のように度が越えてしまっているのは…どなたもいいとは言わないと思います(笑)。お互いに『この人なら』と思える関係が理想的ではないでしょうか」
――過去に松下さんをご担当されたマネジャーの方、周囲の方など、恵子を演じる上で参考にされた方はいらっしゃいますか?
「全くいないです(笑)。今回はリアルな世界において誰かを参考にするのではなく、『ディアマイベイビー』というドラマの世界の中で恵子を作り上げることを大切にしています。そして、演じている時は恵子となりその思いを表現しているので、私自身は怖さを感じていないんです。なので、視聴者の方を怖がらせたいという意図もなくて。そこが面白さにつながるのではと思っています」
――演じられる中で、恵子に共感できる部分はありましたか?
「私はあまり共感できず…。なので、恵子が今に至るまでの気持ちや過去を作り上げ、整えていくことを意識しています。一見あり得ないと思うことも、『私自身にもそんなことが起きていたら…』と想像すると少しですが分かることもあり、そういうふうに作っていけたらいいのかなと。視聴者の皆さんも、この『ディアマイベイビー』というドラマの世界観に没入して見ていただくと、きっと共感できる部分が生まれると思います」

――恵子を表現するにあたり、意識的にやっているしぐさなどがあれば教えてください。
「恵子は感情の起伏が激しい部分があるのですが、気持ちが抑え切れない時にやる“癖”のようなものを作ったらどうかと監督が提案してくださって。“自分の体をポンポンとたたく”という動きを行っています。感情の助走といいますか、だんだん恵子がアッパーになっていく、その前兆のようなニュアンスも持たせられるのかなと。恵子がその動作をすることで、視聴者の方の心を揺さぶり、『何か起こるかも』とドキドキしていただけたらうれしいですね。恵子というキャラクターを表現すべく、これは一つ意識的に行っています」
――恵子が発する数あるパワーワードの中から、特に印象に残っているセリフを挙げていただくと…?
「まず、恵子は拓人のことを『バブちゃん』と呼ぶんです。それで先日、恵子が『バブちゃ~ん!』と大声で叫びながら拓人を探すシーンを撮影したのですが、野村くんは待ち時間で、現場で眠っていたんです。なのに、私はそのすぐそばで『バブちゃ~ん!』と何度も何度も叫んでいて…。でも、野村くんは微動だにせず、起きることもなく、すごい方だなと思いました(笑)。印象的なセリフはたくさんあり過ぎるのですが、今パッと出てくるのは『バブちゃん』ですね」
――恵子はこれまで拝見してきた松下さんのイメージとは正反対の人物です。演じる上で難しさは感じますか? もしくは違うからこそ楽しさが大きいのでしょうか。
「私は、どの役も自分と似ている、似ていないというのはあまり考えないんです。ただ、恵子は事前準備をして何の迷いもなく演じられているので、そういう意味では楽しいですね。私が強烈なシーンを演じた後の現場のみんなのリアクションも面白くて、『これが視聴者の皆さんの反応でもあるのかな?』とワクワクしながら撮影しています」
――恵子の魅力や強みをどのような部分に感じますか?
「恵子はただ怖いだけの人ではなく、本来マネジャーとして仕事ができ、頭も回る人なんです。そして、自分が見つけた“原石”である拓人にかける愛情、そこまで思える強さというのも彼女の魅力だと思います。ただ、自分で自分をコントロールできず、それが“怖い”という結果に行き着くのですが…(笑)」

――恵子は拓人のどのような部分にひかれたのだと思いますか?
「もう全てですよね、きっと。出会った瞬間に夢中になってしまうというのは、風貌のみならず全てが輝いて見えたのだと思います。なんたって、恵子いわく“いるだけで価値がある”人ですから。例えできない、分からないことがあっても自分が教え込めばいいという考えですし、生まれてくれてありがとう、生きていてくれてありがとうと感謝していると思います」
――もし松下さんご自身がマネジャーをやるなら、どんなジャンルの方をマネジメントしてみたいですか?
「自分も役者をやっているので同業の方はもちろん、ジャンル関係なくいろいろな方をマネジメントしてみたいです。特にアーティストの方にはずっと憧れがあって、たくさん刺激をいただけそうですし、面白そうだなと思います」
――それでは、松下さんご自身が“愛”しているものは?
「いろいろあるのですが、子猫や子犬が好きで、一時期ひたすら動画を見ていました。癒やされますし、こんなにもかわいい存在がいるのだなと。そして、食べ物で言うならソフトクリーム。特にバニラが好きで、ストップをかけないと何個でも食べてしまいます(笑)」
――最後に、ドラマの見どころを教えてください。
「恵子がゆがんでいくさまは本当に目が離せないと思います。中盤まで来たら、あとはもう見るしかないです(笑)。拓人にキスシーンの練習をしようと持ち掛けたり、しまいには監禁してしまったり…。とにかく強烈な展開が待ち受けていますし、きっと皆さんが見たことのないドラマが展開しますので、ぜひご覧ください」

【プロフィール】
松下由樹(まつした ゆき)
1968年7月9日生まれ。愛知県出身。15歳で映画「アイコ十六歳」のオーディションに合格し、女優デビュー。以後、数々のドラマや映画、舞台などで活躍の場を広げる。近作はドラマ「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」(フジテレビ系=東海テレビ制作/24年)、「恋する警護24時」(テレビ朝日系/24年)など。7月4日公開の映画「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」に出演。
【番組情報】
ドラマ24「ディアマイベイビー~私があなたを支配するまで~」
テレ東系
4月4日スタート
毎週金曜 深夜0:12~0:42
取材・文/片岡聡恵
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