「おカネの切れ目が恋のはじまり」ついにスタート! 東仲恵吾P「出てくるキャラクターは“ほころび”だらけ」2020/09/15
TBS系で9月15日からスタートする連続ドラマ「おカネの切れ目が恋のはじまり」(火曜午後10:00)は、人気脚本家・大島里美さんが手掛ける完全オリジナル“じれキュン”ラブコメディー。1円まで清く正しく美しく、物や恋にいちずで、すべて計算通りの“清貧女子”九鬼玲子(松岡茉優)と、欲しいものには一直線でお金を使うことになんの迷いもなく、予定は未定な“浪費男子”猿渡慶太(三浦春馬)という、金銭感覚が両極端な2人が出会い、ひょんなことから玲子の実家に慶太が住み込むことに。そんな2人の“おカネ修行”を通して、ひと夏の恋物語が描かれます。
金銭感覚と恋愛感覚、一見相容れない二つの感覚ですが、お金の使い方は恋の仕方そのものかも…。本作には、玲子と慶太をはじめとし、自分に投資しすぎ女子、ドケチ節約男子など、お金の使い方や人としても“ほころび”だらけの男女が登場し、価値観の違う相手に傷つき、傷つけながら、恋愛模様を繰り広げます。今回は、東仲恵吾プロデューサーに作品の見どころやこだわりのキャラクター像について伺いました。
――今作はオリジナル作品ということですが、脚本を担当されている大島里美さんは「凪のお暇」(同系)を手掛けられていましたね。大島さんの脚本にはどんな印象をお持ちですか?
「『凪のお暇』でもそうだったのですが、キャラクターをすごく丁寧に描く人だと思います。こういう人いるよなぁと共感できる人物を描くのがうまいです。今作に出てくるキャラクターは欠点だらけなのですが、そこがむしろかわいらしく見えますし、前向きになれるようなセリフをたくさん書いてくださいました」
――玲子と慶太のキャラクターを作り上げる上で、こだわった点はどこでしょうか?
「玲子は、過去のある出来事によって清貧という価値観を持つようになりました。少し変わった人に見えるのですが、すごく心(しん)が通っていて、良い悪いの基準がしっかりしています。そして、玲子が働く経理部の仕事は自分がやれることを着実にこなしていったら評価される部署だと思います。今の世の中ではコミュニケーション能力が強く求められていると思いますが、そんな中でそういう職業に就いている設定は面白いかなと」
「そして、今はみんなどこか“浪費したい”という思いが強い世の中だと思っています。それを体現するキャラクターとして慶太を描きました。彼はいろいろな物を買うけれど、そこに愛があふれている人です。次から次へと目移りする分、多くの物に愛着を持っていて周りのことをよく見ています。皆さんの周りにも、人が何を考えているのか先入観なくパッと感じとってくれる人がいるのではないでしょうか。そういう人ってやっぱり愛されるので、慶太もそんなキャラクターにしたいなと。慶太のような人だったら、周りから変わり者だと思われている玲子にも先入観なく近づいてくれると思いました」
――お金と恋、そして玲子と慶太という正反対の要素を描こうと思ったのはどうしてでしょう?
「お金と恋は正反対なようで持ちつ持たれつのような部分があるなと、以前から感じていました。それを今作でどう表現しようと考えた時に、お金に関しては玲子が慶太を助け、恋に至っては慶太が玲子を助けるという関係性にしようと考えつきました」
――三浦翔平さん演じる早乙女健と、北村匠海さん演じる板垣純という2人の存在も、玲子と慶太の成長に大きく関わりそうですよね。2人のキャラクターを作る上で大事にしたことはありますか?
「早乙女は玲子の初恋相手なのですが、この役、とても難しいんです。ある意味玲子にうそをついていますし、15年間も玲子が思い続けているという部分で、最初演じる時の加減が大変だったと思います。詐欺師みたいにはなっちゃいけないし、主人公が思いを寄せる人だからすてきな人であってほしかったので。そういう部分は監督と翔平さんと話し合いながらバランスを取りました」
「純は現代人が一番理解できるキャラクターだと思います。それでいて、玲子の価値観に共感するという主人公に近い役柄でもあるのです。こちらも一筋縄ではいかない役どころですが、北村くんはうまいので、ちゃんとそのへんも分かって演じてくださいました。昔から松岡さんとも仲がいいみたいなので、お互いに温度感も合わせながら演じていましたね」
――作品を通してキュンとするラブストーリーはもちろんのこと、その中にクスっと笑える要素もあって、そのバランスがとても心地よいなと感じました。
「コミカルとラブのバランスって難しいんですよね。大島さんが描く脚本には登場人物一人一人の繊細な感情が物語を通してずっと存在しているので、キャストの皆さんにはまずセリフ一言一言を大事にしながら演じてもらいました。ちょっとぶっ飛んでいるコミカルな部分はどれくらいの加減でやっていくか議論して撮影していました」
――現場はどのような雰囲気でしたか?
「今作はオリジナル作品ということもあって、キャラクターと皆さんの素がかなり近かったと思います。カットがかかった後の様子も松岡さんは玲子っぽかったし、春馬くんは慶太っぽかったし、ほかの皆さんも役柄のままという感じで。カメラが回っていない時の様子を撮っても、そのままドラマにできそうなくらいでした」
――アドリブ合戦などもあったりしたのでしょうか?
「この手のドラマって実はアドリブしづらいのですが、皆さんがセリフの行間やリアクションを含めて演じていらっしゃって、“こういうふうに演じるか! 面白い!”と思うことがものすごく多かったです。文字として指示が出ていない部分はかなりアドリブだったのかなと思います」
――では、最後に見どころをお願いします!
「正反対の価値観を持つ2人が、お互いひかれ合って恋愛に発展していく様子は面白いと思います。慶太は恋愛に奥手というわけではないのに、玲子との恋愛に関しては少しずつ育む形になってしまうなど、ある意味、いまどきの恋愛らしくないかわいらしさがあります。そして、2人が簡単に距離を縮められないのは早乙女と純の存在が大きいです。ドロドロのストーリーではないですが、慶太の元カノ・聖徳まりあ(星蘭ひとみ)も含めた5人が絡んで動いていく恋愛模様は必見です」
【第1話・あらすじ】
中堅おもちゃメーカーの経理部で働く玲⼦は、過去のある出来事が原因で、「清貧」という価値観で生きるアラサー⼥⼦。そんな折、めったに物を買わない玲子が買い物をする、「お迎えの日」がやってきた。古道具屋で⼀⽬ぼれした1680円の豆⽫を1年間、何日も店に通い、じっくり考えて、やっと買う決意をしたのだ。部屋を奇麗にし、豆皿を置くスペースを作り、お⾦をちょうどの⾦額に準備して古道具屋に向かう。いとしい恋⼈とようやく結ばれるかのごとく店に⼊ろうとした玲子だが、⼥性を連れた派⼿な装いの若い男性が、バーベキュー用にとその豆皿を雑に購入していく姿を目の当たりにする。彼は、なんと玲⼦が勤める会社の御曹司・慶太だった。数日後、玲子の働く経理部に、自分から豆皿を奪った慶太がやって来た。慶太のひどい浪費ぶりに社長である父が激怒し、お金の勉強のため経理部に異動になったという。玲子は不本意にも慶太の指導係に任命され、慶太に対する玲子の“おカネ修行”が始まる。
【番組情報】
「おカネの切れ目が恋のはじまり」
9月15日スタート
TBS系
火曜 午後10:00~11:12(レギュラー放送は、午後10:00~10:57)
TBS担当 A・M
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