「Dr.アシュラ」松本若菜、救命医演じて「撮影が終わる頃にはムキムキになっているかも」2025/03/24

フジテレビ系では、松本若菜さんが主演を務める「Dr.アシュラ」が4月16日からスタート。本作は、こしのりょうさんによる同名漫画を原作とした救命医療ドラマで、命と最前線で向き合う救急科を舞台に、どんな急患も絶対に断らない、そしてどんな手を使ってでも絶対に助けるスゴ腕のスーパー救命医の活躍を描きます。
ここでは、主人公・杏野朱羅を演じる松本さんにインタビュー。救命の現場=“修羅場”で命を助けたいという純粋な思いと、卓越した技術で組織も上司もヤクザですらも黙らせるという強烈キャラで新境地に挑む松本さんに、本作の見どころや役作りのこだわりなどをお伺いしました。
──本作のオファーを受けた時の心境と意気込みをお聞かせください。
「これまでに医者の役を経験したことはありますが、今回は救命医で、本格的な手術を行う役は初めてだったので、しっかりと準備をしなければいけないなと気持ちを奮い立たせました。同時に、人気漫画のドラマ化ということで、どう演じれば原作ファンの方々にも楽しんでいただけるんだろうと思い巡らせました」
──原作とドラマの台本を読んだ印象についてお伺いできますでしょうか。
「原作を読ませていただくと、本当に自分の目の前で治療が行われているような緊迫感やスピード感が絵の力で伝わってきて、どんどん引き込まれました。ドラマの台本は、原作からインスピレーションを受けた場面やエピソードが随所に盛り込まれていて、原作のスピード感はそのままに、さらに登場人物たちの個性が色濃くなっている印象です。私自身も含め、個性豊かなキャラクターたちがどのように実写化されるのか、今からとてもドキドキしていますし楽しみです」
──これまでの医療ドラマとの違い、本作ならではの魅力はどういったところでしょうか?
「これまでの医療ドラマでは、最新の設備が整った現場を描く作品が多かったかもしれませんが、本作は医師や看護師の数も少ない医療現場を描いています。なので、泥くさく人間味あふれるお芝居ができるのではないかなと。最新の機器がない状況でも、がむしゃらに命を救おうとする姿を力強く表現していきたいです」
──医療現場でのシーンを撮影するにあたって、準備されていることがあれば教えてください。
「医療監修の先生に最初に教えていただいたのは、素人とプロの差が出やすいという心臓マッサージのやり方です。あとは、触診や声かけといった基本的なことから、メスで切ったり、針と糸で傷口を縫合したりと専門的な分野まで幅広く指導していただきました。自宅でも、練習用のキットを持ち帰って、日々練習しています。あとは、実際に救命現場を見学させていただく機会もあったので、そこで医師や看護師の方々の動きや、患者さんの搬送から治療までの流れを実際に見て、具体的にイメージを膨らませることができました」

──実際の救命現場を見学されて、どのようなことを感じましたか?
「独特の空気感がありました。救急外来のエリアだけ常に空気が動いていて、誰も立ち止まることがないんです。看護師の方も医師の方も、常に命と向き合っている現場だと強く感じました」
──“独特の空気感”を、どのようにドラマで表現したいですか?
「人が動いて、ずっと何かの音も聞こえている中で、何よりも皆さんの気持ちが常に動いていました。こういった現場の空気感は、きっと映像を通してでも伝わるものがあると思います。緊迫感を常に持ち続けて、視聴者の皆さんにもこの空気感を感じていただけるように演じたいです」
──劇中では医療用語もたくさん出てくるので大変そうですが…。
「専門用語がなかなか頭に入ってこないんですよ(苦笑)。きっと、撮影が進むにつれて慣れていくとは思いますし、実際にセットが完成して共演者の皆さんが役に入り込んでいる空気を感じると、私も自然と身に入っていくんだろうなと。あと、私の趣味がたまたま手芸だったことが、今回の役作りで良かったと思っています」
──手芸が役作りに生かされているのですね。
「多少は生かされているかなと。もちろん手芸とは違いますけど、針を持つ感覚や穴に通すイメージは、教えていただいた時にすっと入ってきたような気がしました。自分の趣味に感謝です(笑)」
──朱羅を演じるにあたって、原作からヒントを得た部分はありますか?
「朱羅はかなり野生的な人物ですが、原作では女性としての魅力も描かれていて、さらに医療技術もピカイチの医者です。原作の朱羅に近づけるように、まずは見た目からできることを考えて、お話をいただいてからずっと髪を伸ばしていました。あと、朱羅は目力が強いので、どのように見せるのが魅力的なのか、メークさんと相談しながらキャラクターを作っています」
──特にこだわった部分について教えてください。
「衣装ですね。衣装合わせを2回行って、全部で3時間以上かかりました。どのようなラインを出せば朱羅らしくなるのか、色味はどうするかなど細かくこだわって、衣装部の皆さんもすごく工夫してくださったので、スクラブ(医療用白衣)は私を含めてみんなの気持ちがこもっています」

──朱羅というキャラクターをどのように捉えていますか?
「本当にいてくれたら頼もしいと思える女性です。言葉遣いは乱暴だけど『私の患者だ』という言葉には、自分が救うと決めた患者さんは決して手放さない、絶対に命を助けたいという強い思いが込められていると思います。せっかくなら、私にしか表現できない朱羅を大切に演じたいです」
──朱羅に共感できる点、ご自身と似ていると感じる部分はありますか?
「朱羅ほどではないですが、私も少し頑固な部分があるので『譲れないところは譲らない!』と強く思える心は共感できますね。あと、研修医の薬師寺保(佐野晶哉/Aぇ! group)に『修羅場は1度だけだから』というセリフがあるのですが、私も“人生は1度きり”だと常に思っています。そういう心持ちで日々過ごしているところも、似ているかもしれません」
──ちなみに、ご自身にとっての“修羅場”とはどのような状況でしょうか?
「家を出る10分前に起きた時ですね(笑)。朱羅のように、目をカッと開けてすごい速さで動いていると思います。きっと独り言も多くて、歯を磨きながら何かをしたり、顔を洗いながら何かをしたり…。この状況が、私にとっての修羅場ですね」
──同時に2人の手術をしたり心臓マッサージをしながら指示を出したり…と、朱羅を演じるにあたっては、かなり体力も必要になりそうですね。
「実際に心臓マッサージの練習をしてみて、大変さを痛感しました。心臓マッサージ30回と、アンビューという人工呼吸器での送気2回を繰り返すのですが、2セット行っただけで息が上がってしまって…。それは私だけではなく実際の先生も同じらしいのですが、朱羅は“スゴ腕”の医者なので、ずっと続けられるんですよね(笑)。撮影を通して自然と体力がついていくと思いますし、終わる頃にはムキムキになっているかもしれないです(笑)」
──最後に、第1話の見どころを教えてください。
「第1話で、見せ場となるような見応えのあるシーンがあります。原作にはない場面なのですが、『どうなっちゃうの⁉』と、私自身も台本を読んでいてハラハラしました。演じる私たちにとっても挑戦的なシーンなので、視聴者の方にも緊迫感が伝わるのではないかと思います」
【プロフィール】
松本若菜(まつもと わかな)
1984年2月25日生まれ。鳥取県出身。A型。2007年、「仮面ライダー電王」(テレビ朝日系)で俳優デビュー。主な出演作は、ドラマ「やんごとなき一族」(22年)、「わたしの宝物」(共にフジテレビ系/24年)、大河ドラマ「どうする家康」(NHK総合ほか/23年)、「西園寺さんは家事をしない」(TBS系/24年)、映画「愚行録」(17年)、「はたらく細胞」(24年)、「室町無頼」(25年)など。
【番組情報】
「Dr.アシュラ」
フジテレビ系
4月16日スタート
水曜 午後10:00~10:54 ※初回は15分拡大
取材・文/Miyata(フジテレビ担当)
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