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全国放送「裏切り飯」&朝ドラ「あんぱん」で躍進の志田彩良、役作りのこだわりと愛犬愛を告白2025/03/18 18:00

全国放送「裏切り飯」&朝ドラ「あんぱん」で躍進の志田彩良、役作りのこだわりと愛犬愛を告白

 地域放送から全国放送へとスケールアップした日本テレビ系のドラマ「こんなところで裏切り飯~嵐を呼ぶ七人の役員~」(木曜深夜0:29=中京テレビ制作)で主人公・小野寺真理子役を演じる志田彩良

 食をテーマにしながら、ユーモアと人間関係のドラマを交えた本作で、一見クールな秘書だが、食べ物の話になると饒舌(じょうぜつ)になるキャラクターを演じ、多くの視聴者をひきつけている。

 さらに、彼女はNHK総合ほかで3月31日スタートする連続テレビ小説「あんぱん」(月~土曜午前8:00ほか)にも出演。主人公・のぶ(今田美桜)の同級生であり幼なじみの小川うさ子を演じる。泣き虫だった少女が成長していく姿をどう演じるのか。そして、俳優としてのキャリアが10周年を迎えた今、彼女が見据える未来とは? 作品のことから溺愛する愛犬のことなどたっぷりと語ってくれた。

――今回の「裏切り飯」は全国放送ということで、より多くの視聴者に届いていると思います。反響はいかがですか?

「前作もたくさんの反響をいただきましたが、そのおかげで今回は全国版として放送されることになりました。今回も多くの声をいただいていて、前作から見てくださっている方もいれば、今回が初めてという方もいて、より幅広い方々に作品が届いていることを実感しています。『全国版を見たことで、前回の「裏切り飯」も見たい』と言ってくださる方もいて、作品の広がりを感じられてうれしいです。

――視聴者からはどのような声が多かったですか?

「『おいしそうに食べますね』と言っていただくことが多く、真理子にとって食べるシーンは大きな見せ場なので、そこを褒めていただけるのは本当にうれしいです。また、今回は前作になかったお店の説明も加わり、お店の歴史にも触れられるようになったことで、より深く楽しんでいただけるようになっています」

全国放送「裏切り飯」&朝ドラ「あんぱん」で躍進の志田彩良、役作りのこだわりと愛犬愛を告白

――やはり食事シーンが印象的ですが、演じる上で特に工夫されていることはありますか?

「食べるシーンがメインになるドラマは、前作が初めてだったので、どうすればおいしそうに見えるかを研究しました。食レポ番組を見たり、ドラマの食事シーンに注目したり、鏡の前で練習したりしていました。今回もその経験を生かしつつ、よりおいしそうに、楽しそうに食べることを意識しています。特に、大きめに口を開けて食べるようにしています。頬張っている方がおいしそうに見えるかなと思って。もともと普段から大きな口で食べるほうなので、それも生かしつつ(笑)。セリフがあるシーンでは難しいこともありますが、あえて大きめに頬張りつつ、カメラ映りなども気を付けています。でも、劇中の料理が本当においしいので、自然とおいしそうに食べられるというのもありますね」

――そんな中で、特に印象に残った料理はありますか?

「第8話に登場する三重県松阪の鶏焼き肉ですね。すごくおいしく、お肉自体が柔らかくて、タレが濃厚で絶品でした。若鶏と親鳥があり、それぞれの食感が全然違っていて、親鳥は弾力があり、若鶏は柔らかい。それぞれの違いを楽しめたのも印象的でした」

――再び小野寺真理子を演じるにあたり、前作と比べて意識したことはありますか?

「前作では、真理子自身が榊原社長(伊武雅刀)との出会いを通して人間性を見せる場面が多かったので、今回も社長との関係性を大切にしたいと思いました。社長が入院するシーンでは、以前の真理子だったらそこまで心配しなかったかもしれませんが、これまでの関係があるからこそ『いなくなってほしくない』という気持ちを大事にしました」

全国放送「裏切り飯」&朝ドラ「あんぱん」で躍進の志田彩良、役作りのこだわりと愛犬愛を告白

――伊武雅刀さんとは再共演となりますが、現場での雰囲気はいかがでしたか?

「伊武さんはとても気さくな方で、前作の時から現場を和やかな雰囲気にしてくださっていました。今回も安心して臨めましたし、新しく加わった前田拳太郎さんも伊武さんのおかげもありすぐになじんでいて、『前からいたっけ?』と思うくらい自然でした」

――撮影現場の雰囲気も、やはり良かったですか?

「とても良い雰囲気でした。その空気感がそのまま映像にも表れていると思います。スタッフの皆さんが誰一人として声を荒らげることもなく、シーンごとに話し合いながら作り上げていく姿が印象的で、まるで家族のような温かい現場でした。また、ゲストの方々は大御所の方が多く、最初は緊張しましたが、皆さんが気さくに接してくださったので和やかに過ごせました」

全国放送「裏切り飯」&朝ドラ「あんぱん」で躍進の志田彩良、役作りのこだわりと愛犬愛を告白

――物語はいよいよ最終回を迎えますが、台本を読まれた時の感想は?

「読み進めるうちに『どうなってしまうんだろう?』とドキドキが増していきました。もちろんグルメドラマではありますが、それぞれの関係性や人間ドラマが終盤に向けてより際立っているので、注目していただけると思います。最後の終わり方も『この会社で働く真理子は幸せだな』と思えるラストになっています」

初出演となる朝ドラ「あんぱん」への思い

全国放送「裏切り飯」&朝ドラ「あんぱん」で躍進の志田彩良、役作りのこだわりと愛犬愛を告白

――続いて、朝ドラ「あんぱん」についてお聞きします。出演が決まった時の心境はいかがでしたか?

「最初は実感が湧きませんでした。朝ドラのオーディションでは何度も悔しい思いをしてきたので、『本当に?』という気持ちが一番大きかったです。衣装合わせの時に『小川うさ子役の志田彩良さん』と言われた時に、『本当に朝ドラに出演できるんだ』と実感し、感動しました」

――実際に撮影が始まって、朝ドラならではの現場の雰囲気はいかがでしたか?

「撮影のスピード感に驚きました。テンポが速く、時代劇ということもあり、セットや衣装からも朝ドラ独特の雰囲気を感じました。主演の今田美桜さんが発表された時は、いち視聴者として見ていたので、まさか自分がその隣に立つとは思っていませんでした。不思議な感覚でしたが、すごくうれしかったです」

――役作りはどのように進めていきましたか?

「私が出演するシーンはあまりリハーサルがなかったため、事前に監督と細かく打ち合わせをするというよりは、現場で作り上げていく形でした。ただ、なぎなたの稽古があった際には、監督と『うさ子はこういうふうに戦いそうだよね』とか、『この感情の流れなら、こういう動きのほうがいいんじゃないかな』と話しながら、キャラクターを作っていきました。撮影が進むにつれて、監督から『もう少し感情を出したほうがいいかも』とか、『ここは抑えたほうが』といったアドバイスをいただきながら演じていきました」

――うさ子を演じる上で、一番の挑戦は何でしたか?

「やはり、なぎなたですね。最初は本当に下手で、監督やプロデューサーの方々も『大丈夫かな?』と心配されているのを感じました。家でも傘を使って練習したり、稽古が終わってからも『もう少しここを教えてください』とお願いして、時間が許す限り稽古を延長していただいたこともありました。おかげで監督からも『すごく良かったよ』と言っていただけて、うさ子としても、私自身としても、なぎなたを通して成長できたのかなと感じています。どのように映っているのか、すごく楽しみです」

――それでは、キャラクターを演じる上で特に意識した点は?

「成長の過程をしっかり表現することを意識しました。最初は泣き虫で、すぐにホームシックになってしまうような、少し弱い女の子。ですが、のぶちゃんや周囲の影響を受けながら、少しずつ強くなっていきます。その心境の変化を丁寧に演じたいと思い意識して取り組みました。特に『自分と戦う姿』を大事に役作りしていきました」

――共演した今田美桜さんの印象はいかがでしたか?

「本当にすてきな方でした。今田さんは本番直前まで普通にお話ししていても、カメラが回ると一瞬で役に入るんです。その姿が印象的でのぶちゃんとしても、今田さんご自身にも、毎日尊敬の気持ちでいっぱいで、私自身たくさん勉強させていただきました。さらに、現場での立ち居振る舞いも座長として、スタッフの方々とも積極的にコミュニケーションをとられていて。もともと人見知りだと聞いていたのですが、そのことを感じさせないくらいに自ら関わっていく姿を見て、『こういう立ち居振る舞いができる女優さんになりたい』とも思いました」

全国放送「裏切り飯」&朝ドラ「あんぱん」で躍進の志田彩良、役作りのこだわりと愛犬愛を告白

――志田さんご自身も主演作が増える中で、現場で心掛けていることはありますか?

「主演の時も、そうでない時も、そこまで変わらないかもしれません。ただ、お芝居はもちろん大切ですが、スタッフさんや共演者の方とのコミュニケーションもすごく大事だと考えています。せっかくご一緒したからには、『またこの人と仕事をしたい』と思ってもらえるようにしたいし、私自身も、周りの方々と楽しく作品を作りたい。そのために、チームとして楽しむ雰囲気を作ることを大切にしています」

――「あんぱん」は、やなせたかし先生とその妻・暢さんをモデルにした作品ですが、「アンパンマン」はご覧になっていましたか?

「はい、もちろん!  小さい頃はもちろんですが、中学生くらいの頃にも、近所の2~3歳の子どもたちと遊んでいて、一緒に見ていました。親戚の子どもとアンパンマンミュージアムに行ったこともあります。好きなキャラクターはやっぱりアンパンマンですね。自分を犠牲にして人を助ける姿がカッコいいですよね。誰からも愛される存在で、みんなが必ず通る道、というのもすごいなと思います」

志田彩良の素顔に迫る

――ここからは作品を離れて、志田さんのプライベートや俳優業についてお聞かせください。「裏切り飯」の真理子のように、話し出すと止まらなくなることはありますか?

「愛犬の話ですね。ワンちゃんを2匹飼っていて、犬を飼っている方と現場で話すと、会話が止まらなくなります。『裏切り飯』の撮影現場でも、ベルソン直樹役のマイケル富岡さんが私と同じようにトイプードルを飼っていらっしゃるので、その話で盛り上がりました。ワンちゃんの存在は本当に癒やしです。仕事もワンちゃんたちのために頑張ると言っても過言ではないですし、家に帰ったら全力で遊びます。玄関までお迎えに来てくれる姿を想像すると、『あとちょっと頑張ろう!』と励みになります。旅行も犬と一緒に行ける場所を選ぶことが多く、完全に“犬ファースト”の生活ですね(笑)」

――好きなグルメドラマはありますか?

「自分が出演した作品になってしまいますが、『ゆるキャン△』(2020年/テレ東系)ですね。毎回登場するキャンプ飯が本当においしそうで、見ているだけでおなかがすきます。私はあまりキャンプに行く役ではなかったのですが、出てこないシーンの料理も全部おいしそうで、大好きでした。ドラマに登場したトマトすき焼きを、友達とキャンプに行った時に再現して作ってみたんですが、すごくおいしくできました。みんなでワイワイ食べると、より一層おいしく感じられて楽しかったですね」

――では、小さい頃に好きだったテレビ番組はありますか?

「バラエティー番組が好きで、特に『めちゃ×2イケてるッ!』(1996年/フジテレビ系)が大好きでした。ツインテールでラップをする“ラップ娘”がツボにはまって、よく家でまねしていましたね(笑)。それから、『ピラメキーノ』(09年/テレ東系)もよく見ていて、小学生の時に友達と『ピラメキ体操』を番組に応募したことがあります。番組内で視聴者が踊るコーナーがあったのですが、そこで採用され、実際に放送されたんです。それが人生初のテレビ出演でした。『テレビに出られた!』とうれしかったのを覚えています」

――志田さんは雑誌モデルを経て、14年に俳優デビューし、昨年で10周年を迎えられました。この節目を迎えて、どのような思いがありますか?

「実はこれまで何かを長く続けられたことはありませんでした。好奇心が旺盛なので、習い事を挑戦してきましたが、数カ月でやめてしまうことが多くて。でも、俳優という仕事だけは10年間ずっと楽しく続けられています。だからこそ、この仕事は自分に合っているのかなと思います」

――俳優業を続ける中で、「この仕事をやっていてよかった」と思う瞬間はありますか?

「作品を通じて、誰かの心に響いた時ですね。『この作品を見て元気になりました』とか、『こういうふうになりたいと思いました』と言っていただけると、本当にうれしくなります。ファンの方からのメッセージやお手紙を読むと、『もっと頑張ろう』と思えますし、家族が喜んでくれる姿を見た時も、『こういうふうに誰かを喜ばせることができるのは幸せだな』と実感します。好きなことで誰かを幸せにできる仕事って、本当にすてきだと思います」

――ご家族も応援してくださっているんですね。

「はい。祖父母は最初、芸能の道に進むことを少し心配していましたが、今ではドラマを楽しみにしてくれています。『あれ見たよ』と連絡をくれるようになりましたし、特に朝ドラは、祖父母が本当に喜んでくれていて、それを聞くとすごくうれしいですね」

――俳優として、具体的に「ここを伸ばしたい」と思う部分はありますか?

「俳優としては、引き出しの多さが大切だと感じています。さまざまな作品を見る中で、幅広い表現ができる俳優ほど、多くの人の心に響く演技ができるんだろうなと。特に、同世代の俳優が集まる現場では『負けていられない』と思いますし、負けず嫌いな性格もあって、常に刺激を受けています。最近出演した映画『遺書、公開。』でも、共演者の演技を間近で見て、改めて『もっと成長しなきゃ』と思いました。そこから、より意識的に作品を見るようになり、鏡の前で表情の練習をしたり、表情筋が固まらないように毎日顔のマッサージをするようになりました」

全国放送「裏切り飯」&朝ドラ「あんぱん」で躍進の志田彩良、役作りのこだわりと愛犬愛を告白

――いよいよ「あんぱん」の放送も近づいてきましたが、視聴者に「ここを見てほしい!」というポイントはありますか?

「うさ子は、最初は泣き虫で少し弱い女の子ですが、周りの影響を受けながら成長していく姿が魅力のキャラクターです。視聴者の皆さんにも共感してもらえる部分があると思いますし、『応援したいな』と思ってもらえる存在になればうれしいです。うさ子の思いが、たくさんの人に届くといいなと思っています」

――朝ドラの親友ポジションのキャラクターは、物語の中でも注目される存在ですよね。これから、たくさんの反響が届くのが楽しみですね。

「本当に、これまでの朝ドラでも親友役を演じられた先輩方が活躍されているので、私もそうなれるように頑張りたいです。『あんぱん』はもちろん、これからの活動でも成長を続けて、『うさ子役に選んでよかった』と思ってもらえるよう、一つ一つのお仕事にしっかりと向き合っていきたいと思います」

【プロフィール】
志田彩良(しだ さら)
1999年7月28日生まれ。神奈川県出身。主な出演作に、日曜劇場「ドラゴン桜」(TBS系)、「大奥 Season2」(NHK総合)などがある。24年の1月期は「消せない『私』―復讐の連鎖-」(日本テレビ系)と「こんなところで裏切り飯」(中京テレビ)で、初となる連続ドラマの主演を同時期に2作品務めた。3月31日スタートの連続テレビ小説「あんぱん」(NHK総合ほか)では、ヒロインの幼なじみ・小川うさ子を演じる。

【番組情報】
水曜プラチナイト「こんなところで裏切り飯~嵐を呼ぶ七人の役員~」

全国放送「裏切り飯」&朝ドラ「あんぱん」で躍進の志田彩良、役作りのこだわりと愛犬愛を告白


中京テレビ・日本テレビ系 全国ネット
水曜 深夜0:29~0:54


連続テレビ小説「あんぱん」

全国放送「裏切り飯」&朝ドラ「あんぱん」で躍進の志田彩良、役作りのこだわりと愛犬愛を告白

NHK総合
3月31日スタート
月~土曜 午前8:00~8:15ほか ※土曜は1週間の振り返り
NHK BS・NHK BSプレミアム4K
月~金曜 午前7:30~7:45ほか 

【プレゼント】

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【締め切り】2025年4月15日(火)正午

取材・文/斉藤和美



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