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新発見! 歴史・文化で巡る韓国・光州&木浦の旅2025/03/03 17:00

新発見! 歴史・文化で巡る韓国・光州&木浦の旅

 K-POPやドラマの人気に加え、アクセスの良さも相まって、韓国旅行の人気はますます高まっています。今回は、韓国南西部に位置する魅力あふれる光州広域市・全羅南道(チョンラナムド)を紹介します。BTSのJ-HOPEの出身地として有名な光州広域市や、全羅南道には、レトロな街並みで、ドラマ「椿の花咲く頃」(2019年)、「二十五、二十一」(22年)のロケ地にもなった木浦があります。豊かな大地が育んだ農産物や、青く澄んだ海からの水産物に恵まれた美食の宝庫として知られる全羅南道。その味は韓国一とも称されるほどで、訪れる人々は「おいしい」を存分に堪能することができます。ソウルや釜山とはまた違った、韓国のローカルな魅力を感じられるスポットが満載の全羅南道で、「見る、学ぶ、食す!」を満喫してみませんか?

光州広域市 J-HOPEやノーベル賞作家ハン・ガンを輩出した街で、歴史&アートを学んでみんな大好き! カルビを食べる

 BTSのメンバー・J-HOPEの母校「国際高等学校」や彼が通ったダンススタジオなどがあることから、韓国エンタメの聖地としても注目されている光州広域市。毎年開催される光州K-POPフェスティバルは、国内外から多くの観光客が訪れる人気のイベントです。また、歴史を感じるスポットやレトロな街並みが、ドラマや映画のシーンをより印象的なものにする光州は、ドラマ「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」(16年)や「青春の記録」(20年)のロケ地にもなっています。そして、44年前に起こった「光州事件」の舞台となったのがこの地になります。

見る! パク・ボゴム主演の「青春の記録」のロケ地「ペンギン村」を探索!

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 パク・ボゴム主演の「青春の記録」のロケ地になった「ペンギン村」の入り口には、かわいいペンギンのオブジェが飾られています。J-HOPEの壁画を探して、記念撮影も忘れずに!

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「ペンギン村」は村全体がアートスポット。狭い路地には廃材を使用したアートが展示されています。

[ペンギン村]光州広域市南区オギウォンギル20-13

学ぶ! 「全日ビル245」で「5・18民主化運動(光州事件)」について学ぶ

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壁には銃弾の痕が!

 光州広域市で1980年5月18日から27日かけて、後に大統領となる全斗煥が主導する軍部が「戒厳令」を布告し、民主化を求める市民や学生らを武力で制圧。200人超の犠牲者を出した5・18民主化運動(光州事件)。その象徴的な建物が「全日ビル245」です。

 5月18日、新聞社やテレビ局など報道機関が入っていたこのビルに、民主化運動に参加している市民がかくまわれていると、軍がヘリコプターでビルを襲撃したのです。

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射撃された弾痕の数が245…。その時の痕跡が外観・内観と生々しく残っていて一目見ただけで歴史の重さに圧倒されます。

 1階にはノーベル文学賞を受賞した、光州出身の小説家ハン・ガンの作品が展示されていました。著作「少年が来る」は5・18民主化運動(光州事件)の犠牲者へのレクイエムとして高く評価された作品。このビルを訪れた人たちからの作品への感想や、事件への追悼のメッセージが付箋で貼られていました。

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新発見! 歴史・文化で巡る韓国・光州&木浦の旅
現在は「全日ビル245」とリニューアルされ、5・18民主化運動(光州事件)について展示するメモリアルホールや資料館として、観光客に開放されています。

[全日ビル]光州広域市東区錦南路245

見る&学ぶ! アジア文化の発信基地「国立アジア文化殿堂」

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 歴史を風化させないための象徴が「全日ビル245」ならば、「国立アジア文化殿堂」は、新しい歴史を生み出す象徴の場所になります。全日ビル245から徒歩5分の場所に位置するこちらは、「平和を芸術的に昇華させる」を掲げて建設されました。アジアの文化交流と、文化資源収集・研究、コンテンツの創作・製作、展示、公演、アーカイブ、流通が一カ所ですべて行われる世界的な複合文化芸術空間です。

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光州のテーマ「光と森」を象徴した建築様式。15年に開館、「民主平和交流院」「子ども文化院」「文化情報院」「文化想像院」「芸術劇場」と五つの建物で構成されています。

[国立アジア文化殿堂]www.acc.go.kr/jp/index.do

食べる! 平日でもお昼時は行列ができるテジ(豚)カルビの人気店「マハンジ」

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 「全日ビル245」「国立アジア文化堂」で韓国の歴史や文化に触れた後は、徒歩5分圏内にあるテジ(豚)カルビの人気店「マハンジ」へ。食べやすい大きさにはさみで切って食べます。甘辛いたれに漬け込まれたテジカルビはホロホロと口の中で溶けていき、ひと切れ目は肉だけで、ふた切れ目はサンチュに包んで…とお箸が止まりません! テンジャンチゲやキムチなどのおかずの数々もおいしく、お米が進みます。

[マハンジ]www.instagram.com/mhjmsc_official/

木浦 アジア最大級のケーブルカーで絶景を堪能したら、海鮮と発酵の町を食べつくす!

 レトロな駅舎が映えスポットの「木浦駅」はナム・ジュヒョク&キム・テリ主演の青春ドラマ「二十五、二十一」に登場。また、同じくキム・テリ主演、韓国で大ヒットした「ジョンニョン:スター誕生」(24年)でも、木浦で撮影が行われています。50年代、港町で魚売りをしていた女性が天性の美声で国劇俳優になるまでを描いたサクセスストーリーですが、このドラマの影響で、あらためて木浦に注目が集まったそうです。

 そして、木浦は韓国屈指のグルメの街。新鮮な魚介類はもちろんですが、木浦牛を使ったカルビやコムタンスープのほか、木浦が発祥と言われる発酵ガンギエイの刺し身ホンオフェなどのご当地グルメが楽しめます。

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ドラマのロケ地として使われることも多い木浦駅。

見る・遊ぶ! 「木浦海上ケーブルカー」で絶景に感激! 40分間の空中散歩を堪能

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 韓国国内最長の全長約3.23km、片道約20分(往復で40分)と、たっぷりと木浦の街や島々を空中から楽しめるケーブルカー。ドラマ「私たちのブルース」(22年)でもウニ(イ・ジョンウン)とチェ・ハンス(チャ・スンウォン)が、このケーブルカーに乗っています!

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 夕方は、海に沈んでいく真っ赤な夕日を見ることができる絶景スポット。また、日が落ちるとライトアップされたケーブルカーが、幻想的な雰囲気を醸し出します。

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韓国ではロープウエーのことをケーブルカーと呼ぶそうです。

[木浦海上ケーブルカー]アクセス:www.mmcablecar.com/utilize/location.html

営業時間:月曜日~金曜日 午前9:30~午後8:00
土曜日・祝日 午前9:00~午後9:00
日曜日 午前9:00~午後8:00

休業日:強風の日など、不定休
利用料:一般キャビン 24,000ウォン(往復) クリスタルキャビン(床がガラス張り) 29,000ウォン(往復)

見る! ロマンあふれる港町木浦の象徴的スポット「木浦平和広場」

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 1.2kmに及ぶ海岸線に広がる公園は、地元の人々にとってのオアシスのような場所。公園の中心にある「踊る海の噴水」は、サンライズを楽しむのに最適です。ここでは、朝焼けだけでなく、夜景や港の美しい景色も堪能できます。

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ハートが幾重にも重なった映えスポットの「Love Gate」は、「踊る海の噴水」からすぐ。
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愛のランウエーが広がるというストーリーを作った愛の扉「Love Gate」は、愛の門をくぐって海を背景にしたハート型の認証ショットを撮ると、永遠の愛がかなうのだとか。

【木浦平和広場】www.mokpo.go.kr/tour/attraction/island?mode=view&idx=7477

食べる! 「Theラクシク香950 木浦本店」で海鮮カルビチムと、木浦発祥の発酵ガンギエイのお刺し身を食す

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 木浦のグルメを味わうのにぴったりなお店「Theラクシク香950 木浦本店」を訪れました。巨大なタコが目をひく海鮮カルビチムは、高級食材のアワビや牛カルビを新鮮な魚介と共に煮込んだお鍋です。アワビやエビなど海鮮と一緒に、ゴロンと存在感を示すのが牛カルビ。しっかりと煮込まれたカルビはお箸でも簡単に切れるほど、柔らかい! 海鮮だしの効いたコクのあるスープは辛めで、食べていると汗が出てきます。

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 新鮮なタコははさみでカット。鍋がひと煮立ちしたらすぐにタコからいただきます。タコはぐつぐつ煮込むよりも、さっと火を通したくらいの方が、ぷりぷりの食感が楽しめるのでオススメです。

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 スープの辛さを緩和するのにぴったりなのが、ポッサム。スープの辛味が、より豚肉の甘味を際立たせてくれます。そして、木浦の名物といえば「ホンオフェ」。生のガンギエイを発酵させた刺し身で、世界で2番目に臭い食べ物らしいのですが…、全羅南道の方たちにとってはまさに、ソウルフード。ポッサムを食べるならホンオフェもセットが定番だとか。木浦に行ったらぜひ味わってみて!

[Theラクシク香950 木浦本店]www.instagram.com/the__950/

「HAENAM STORY」発酵の達人が作る五色ビビンバに舌鼓

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 みそやコチュジャンなど、発酵食品の達人と呼ばれるイ・スンヒさんのお店「HAENAM STORY」では、併設する畑で収穫した食材や、スンヒさんが作ったしょうゆやみそ、そしてコチュジャンを使った「五色ビビンバ」を提供してくれます。季節によっては、みそ作りや豆腐、キムチ、ピクルスやジャムなどを作る体験教室も実施されています。また、これらの商品も購入することが可能です。試しに買ってみたコチュジャンが本当においしくて、もっと買ってくれば良かったと後悔するほどでした。

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 ビビンバといえば、ご飯と具材をスプーンでしっかりと混ぜるイメージですが、こちらのビビンバでは「スプーンだと米を潰してしまうので、お箸で混ぜてください」と案内されます。ご飯と具材は別々のお皿で用意されます。

 味の決め手はなんといっても、達人が作ったコチュジャンです。大豆の食感も残っていて、例えるなら麦みそのような感じ。甘味の後にコクのある辛味が口の中に広がります。機会があればぜひ訪れてほしいお店です。

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 発酵食品の達人と呼ばれるイ・スンヒさん。後ろにあるのは、大豆を擦り潰して固めたもの。これらがおいしいみそやしょうゆ、コチュジャンに生まれ変わります。

[HAENAM STORY]www.haenamstory.net

「羅州コムタン ハヤンジプ」100年以上続く老舗店のコムタンスープ

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 光州から車で約1時間の羅州はコムタンスープ発祥の地として有名なスポット。競合店も多数ある中で、平日昼間でも行列ができる人気店が「羅州コムタン ハヤンジプ」です。こちらのお店のメニューはコムタンスープと、スープでゆでたお肉のみ。さらっとしているのに、どっしりとだしが効いたスープは少しだけ白く濁っています。たっぷりのお肉が入っているので、地元の人が「こんなにお肉が入っている店は他にはないよ」と大絶賛するのも納得です。

[羅州コムタン ハヤンジプ]全羅南道羅州市クムソングァンギル6-1

取材・文/haru*hana編集部 取材協力/韓国観光公社

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