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Vシネクスト「仮面ライダーガッチャード」本島純政&藤林泰也が“卒業”迎えての思い語る2025/02/14 12:00

Vシネクスト「仮面ライダーガッチャード」本島純政&藤林泰也が“卒業”迎えての思い語る

 昨年8月に最終話を迎えた「仮面ライダーガッチャード」(テレビ朝日系)のその後を描く、Vシネクスト「仮面ライダーガッチャード GRADUATIONS/ホッパー1のはるやすみ」。主人公・一ノ瀬宝太郎は高校の卒業式を迎えるも、突然繰り返し同じ時間が流れ、一同はそのループから抜け出せなくなってしまう。さらに、なぜかその状況を認識しているのは黒鋼スパナただ一人で…。

 そんな本作の上映に先駆け、一ノ瀬宝太郎/仮面ライダーガッチャード役の本島純政さん、黒鋼スパナ/仮面ライダーヴァルバラド役の藤林泰也さんにインタビュー。本作のお気に入りシーンや見どころ、シリーズ“卒業”を迎えた今の心境などを語ってもらった。

Vシネクスト「仮面ライダーガッチャード」本島純政&藤林泰也が“卒業”迎えての思い語る

――まずはテレビシリーズ、ファイナルステージと駆け抜けてきた今の心境を教えてください。

本島 「あらためて、このメンバーでガッチャードを約1年間やれて良かったなという思いでいっぱいです。クランクアップ後に他のドラマに出演させていただいた時も、みんなから教えてもらったことが役立つ瞬間がたくさんあって…。一ノ瀬宝太郎としてガッチャードに携わることができたことを本当にうれしく思っています」

藤林 「僕は率直に言うとロスです(笑)。朝早く起きる習慣がついていたので、何もない日でも5~6時に起きてしまって…。そういう習慣がなくなってしまったのも寂しいですね。そして、僕もガッチャードで培った経験を他の作品で生かせる喜びを感じつつ、もうみんなとの思い出は増えないんだなと思うとすごく悲しくて…。でも、先日あるキャストとオーディションで一緒になったのもそうですが、他の現場で頑張っているみんなの姿を見ると僕まで鼓舞されるんです。これまでそういう存在があまりいなかったので、それも含めてガッチャードに出合えて良かったなと思います」

――お二人はクランクアップ後も交流があったのでしょうか。

藤林 「ないですね。純政が冷たくなって…」

本島 「えっ? ファイナルステージツアーの時に遊んだじゃん!(笑) 地方に行った時にみんなでご飯に行ったり…」

藤林 「うん(笑)。砕けた雰囲気で良かったよね。普段は仕事関係の方とご飯に行くと気を張ってしまうこともあるのですが、ガッチャードはスタッフさんも含めて約1年ずっと一緒にやっていたので、もう全員家族みたいな感覚なんです。いろいろな姿を見られているので今更繕う必要もないし、自然体でいられるので純粋にすごく楽しかったですね。遠足みたいな…いや、卒業旅行か(笑)」

本島 「そうだね。ファイナルステージツアーは『卒業旅行』をテーマにやっていたのですが、僕たち自身も卒業旅行している感覚を味わえました!」

Vシネクスト「仮面ライダーガッチャード」本島純政&藤林泰也が“卒業”迎えての思い語る

――そんな中、Vシネクストのお話を最初に聞いた時の印象はいかがでしたか?

本島 「毎年この時期にVシネクストをやっていることは知っていたので、ガッチャードもとうとうこのタイミングが来てしまったかと正直寂しさが強かったです。もうガッチャードも集大成なんだな…と。ただ、この作品のテーマにも『永遠』とあるように、みんなとの思い出やみんなからもらった言葉は今後もずっと僕の中に残り続けていくもの。なので、劇中のみんなの姿が今の僕自身ともすごくリンクしているなと思いました」

藤林 「僕は、今回スパナの視点から物語が描かれると聞いて、『スパナがメインのお話なのかな…?』と思っていたのですが、いい意味でそうではなく、みんなそれぞれの卒業が描かれていたのがうれしかったです。というのも、スパナは背負い込み過ぎるところがあるので、また一人で戦うのかな、みんなに会いたいな…という気持ちがあって。なので、台本を読んでホッとした部分もあります。もちろんスパナ視点のお話を作っていただけたのはうれしかったのですが、一人ではなくみんなと一緒に終われる、それが幸せでした」

本島 「うん。それこそスパナが最後に戦うシーンでは、みんなの力があるから戦えるんだ、後ろにみんながいるんだっていうのが見えて…。あそこ、すごくいいシーンだよね」

藤林 「ワァ!(喜) あっ、帰国子女のワァが出ちゃった。ごめんな」

本島 「…やっぱり早く離れたくなってきた!(笑)」

Vシネクスト「仮面ライダーガッチャード」本島純政&藤林泰也が“卒業”迎えての思い語る

――予告映像では、宝太郎らの卒業式のみならず、ミナト(熊木陸斗)と枝見鏡花(福田沙紀)のウエディングシーンが描かれていることも話題を呼びました。

本島 「僕も、一つ新たなテーマが登場したなと驚きました。でも、(演じる)熊木さんと福田さんが同い年というのもあり意気投合していて、そのやりとりで現場が和んでいたんです。それもあって、ミナト先生と鏡花さんが結婚となっても特に違和感はなく、自然に受け入れることができました」

藤林 「そうだね。僕も自然に受け入れられたのですが、スパナの思いはどうなのか…というのはぜひ本編で見ていただきたいです」

――いよいよ2月21日より上映されますが、それぞれ思い入れの強いシーンを挙げていただくと?

本島 「僕は宝太郎と九堂(りんね/松本麗世)のラストシーンです。そこで九堂があることを宝太郎に伝えるのですが、個人的には今までの2人の関係値とはまた違う、新たな歯車が動き出したような気がしていて。『今後、宝太郎と九堂はどうなるの?』と皆さんに想像していただけるシーンにもなっていると思います」

藤林 「ちょうどそのシーンのアフレコをやっていた時に永田聖一朗くん(鳳桜・カグヤ・クォーツ/仮面ライダーレジェンド役)とその様子を見ていたのですが、終わった瞬間に思わず彼と目が合って(笑)。青春が凝縮されているようなシーンで、今の2人だからこそ出せた雰囲気だと思っています」

Vシネクスト「仮面ライダーガッチャード」本島純政&藤林泰也が“卒業”迎えての思い語る

――本作では“卒業を前に時間がループしてしまう”展開が繰り広げられますが、お二人もこのまま時間が止まればいいな…と思ったことはありますか?

藤林 「今まさにそれを感じています。Vシネクストを見るとガッチャードが終わってしまう気がして、実はまだ試写を見られていないんです。(※取材時点)でも、この作品に込められたメッセージこそ今の僕に必要なものだと感じているので、覚悟を決めて近いうちに見に行きたいです」

本島 「僕も、ファイナルステージツアーの時はずっと終わらなければいいなと思っていました。ガッチャードを通してみんなと出会えたこともそうですが、何より宝太郎というキャラクターが大好きなので、宝太郎とも一旦お別れという形になってしまうのがすごく寂しくて…。また10周年など節目のタイミングで何かやれたらいいな、なんて思っています」

藤林 「いいね。でも、その頃にはもう僕ヨボヨボじゃないかな。セリフ入らないかも…」

本島 「ぜひ、その時は長ゼリフを用意してください(笑)」

――もし本当に10周年などで再び撮影できる機会があったら、どのような物語をやってみたいですか?

藤林 「僕は学生をやりたいです。宝太郎も実は10年留年していて…とか」

本島 「10年後に学生役はキツいって!(笑) でも、宝太郎ならありえる…」

藤林 「宝太郎は実技がどれだけできても筆記が駄目だからね(笑)。まだ指輪が青色のままかもしれない」

本島 「僕は新地球がどんなふうに発展したかとか、10年後のみんながどうなっているかが気になるかな。あとは、スパナが錬金連合のトップになって上層部をどう変えたのか、人とケミーが共存できる未来になっているのか…とか。そういうところにフォーカスを当てた物語も見てみたいです」

藤林 「僕は少年なので、みんなの恋愛模様も気になりますね。(銀杏)蓮華(安倍乙)と(鶴原)錆丸(富園力也)は何かあるんじゃないのかな、とずっと思っているので(笑)。あとはやはりそれぞれがどう成長したのか、その姿を見たいです」

Vシネクスト「仮面ライダーガッチャード」本島純政&藤林泰也が“卒業”迎えての思い語る

――全ての撮影を終えて、この「仮面ライダーガッチャード」シリーズの良さをどういうところに感じていますか?

本島 「絆の強さや仲間の大切さが真っすぐに描かれているのが、ガッチャードの良さだと思います。ファイナルステージツアーに出演者がほぼ全員集結するくらい、リアルで全員の仲が良いのもこのシリーズならではかなと。それが物語の中でもそれぞれのキャラクターに深みを出していますし、僕らの関係値が反映されている作品です。さらには、全50話の中でそれぞれの過去や個性が深いところまで描かれて、見てくださった方が誰かしら推しを見つけられた作品でもあると思っています」

藤林 「その通り、僕もガッチャードはみんなの仲の良さがそのまま反映されている作品だと感じていて。宝太郎たちの日常を描くような場面では、その関係性が自然と画面に表れていたんじゃないかな。それにただ明るいだけではなく、時にシリアスなシーンもあって、何事も諦めないことの大切さなど、作品を通して本当にさまざまなことを感じ取っていただけたのではないかなと思っています」

――あらためて、それぞれが演じたキャラクターの魅力に感じる部分は?

本島 「たくさんありますが、一番は諦めが悪いところ。そして、宝太郎は(母の)珠美さん(南野陽子)や錬金アカデミーのみんな、周りからすごく愛されているのを感じていて。それこそ宝太郎が魅力的な人物である証ですよね。みんなを支え、時には支えてもらう、そういう人間らしいところもすてきだなと思います」

藤林 「スパナは強くクールな人物ですが、その根元には優しさが垣間見える、それが一番の魅力だと思っていますし、演じていても楽しかったです。自分より弱い存在を守ろうとする正義心もありますし。当初は仮面ライダーになれなかったことにコンプレックスを抱いていた彼がどんどん成長していく姿もそうですが、優しさを元々持っている人なんだよ、というのはぜひ皆さんに知っていただきたいなと。それに、子どもの頃のスパナは『犬も猫もダンゴムシも、生きているもの全部が幸せな世の中を錬成する』という夢を抱いていて、宝太郎とリンクする部分もあるキャラクターだと思っています」

Vシネクスト「仮面ライダーガッチャード」本島純政&藤林泰也が“卒業”迎えての思い語る

――まるで兄弟のような本島さんと藤林さんですが、お互いすてきだなと思う部分は? また当初と印象が変わった部分があれば教えてください。

藤林 「皆さんからすると、おそらく純政は宝太郎のイメージが強いと思うのですが、実は大人な部分を持っている子なんです。僕はそういう姿もよく知っているので、宝太郎を演じている時は振り幅がすごいなと感心していました。あとは、宝太郎という大役を演じ切った、その忍耐力ですよね。仮面ライダーという人気シリーズで座長をやるというのはそれなりにプレッシャーもあったと思うので、それに耐えて約1年間やり切ったっていうのはもう尊敬しかないなって」

本島 「ヤス(藤林)と最初にしっかり話したのは、確か本読みの時だったよね? その時からヤスは積極的に『ここはこうした方がいいですか?』みたいなことを監督に聞いていて、お芝居に対しての熱量がすごいなと思って。変身ポーズもそうですが、目線や手の動かし方一つとっても、全部きちんと考えているんです。お芝居のことで相談した時もアドバイスをたくさんしてくれて…。それを踏まえてあらためてヤスのお芝居を見ると本当にすごい俳優さんだなと思いますし、尊敬しています」

藤林 「ありがとう。純政とはオーディションも一緒の日だったのですが、当時からいい意味で距離感がバグっていて(笑)、もう顔と顔がぶつかってしまうくらいの距離でお芝居をしかけてきたんです。そういうガッツは今もそのまま、そこに俳優としてしっかりと軸が通ったように思います」

――すてきなお話をありがとうございました。最後に、本作の物語にちなんでご自身が“卒業”したいことを教えてください。

本島 「焦った時に、ワーっとパニックになってしまいがちなところ。やらなきゃいけないことが同時にたくさん降りかかってくるとパンクしてしまうので、一つ一つ頭の中で整理して、冷静沈着にこなせる人になりたいです」

藤林 「僕は面倒くさがることを止めたいです。飽き性なので、何かを継続してやることが苦手で。それを克服したくて今は筋トレを毎日やっているのですが、他にも続けられることを見つけていきたいです。脱・三日坊主!」

Vシネクスト「仮面ライダーガッチャード」本島純政&藤林泰也が“卒業”迎えての思い語る

【プロフィール】
本島純政(もとじま じゅんせい)
2005年1月5日生まれ。東京都出身。A型。「仮面ライダーガッチャード」(テレビ朝日系/24年)をはじめ、ドラマ「未成年~未熟な俺たちは不器用に進行中~」(読売テレビ/24年)で上村謙信ONE N’ ONLY)とダブル主演を務めた。

Vシネクスト「仮面ライダーガッチャード」本島純政&藤林泰也が“卒業”迎えての思い語る

藤林泰也(ふじばやし やすなり)
1999年2月20日生まれ。京都府出身。B型。近作は「仮面ライダーガッチャード」(テレビ朝日系/24年)、劇団「ハイキュー!!」(23年)など。ファースト写真集「Through the lens Through the eyes(仮)」を2月20日に発売。

Vシネクスト「仮面ライダーガッチャード」本島純政&藤林泰也が“卒業”迎えての思い語る

【作品情報】
Vシネクスト「仮面ライダーガッチャード GRADUATIONS/ホッパー1のはるやすみ」
2025年2月21日より期間限定上映

原作:石ノ森章太郎
脚本:大西雄仁
監修:内田裕基
音楽:高木洋
アクション監督:福沢博文
監督:山口恭平
主題歌:「GRADUATIONS」BACK-ON(avex trax)

出演:本島純政、松本麗世、藤林泰也
安倍乙、富園力也、熊木陸斗、福田沙紀、加部亜門
天羽尚吾、松澤可苑、鈴木浩文、タカハシシンノスケ
声の出演:福圓美里、檜山修之、岡本信彦、高橋李依、杉田智和、阿澄佳奈、高岡香、小西克幸

取材・文/片岡聡恵 撮影/尾崎篤志 スタイリスト(本島)/津野真吾(impiger) 衣装協力(本島)/ジャケット¥17,600(オーシャン パシフィック/ハンドイントゥリー)、パーカー¥19,800(MAGLIA/Comodo-due)、パンツ¥4,950(neez./アンティローザ)、シューズ¥37,400(アンビシャス/タキヒヨー)

【プレゼント】

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