「おむすび」妃海風が冷静沈着なベテラン看護師役に「患者さんを診るような気持ちで」2025/02/11 08:15

　NHK総合ほかにて放送中の連続テレビ小説「おむすび」。食と人情の街・福岡、神戸、大阪を舞台に、日本の朝に元気と笑顔を届ける“朝ドラ”第111作だ。平成時代のギャル・米田結（橋本環奈）が人々の健康を支える栄養士となり、現代人が抱える問題を、食の知識とコミュニケーション能力で解決しながら、目には見えない大切なものを次々と結んでいく“平成青春グラフィティ”を描く。

　今回は、ベテラン看護師でNSTを立ち上げた一人、桑原美和役を演じる妃海風が、桑原の役柄や自身とのさまざまな共通点について語った。

――まず、朝ドラ出演が決まった時のお気持ちを教えてください。

「今は舞台を中心に活動しているのですが、ロンドンに行かせていただいた経験もあって、お芝居に関する興味・関心がより増していたタイミングでした。テレビドラマで、さらに『朝ドラ』でお芝居の勉強ができるんだと本当にうれしく思います。舞台はお客さまの状況や共演する相手の意識によってお芝居や空気感が変わることがあるんです。でもドラマの撮影では、自分の中で相手に投げられるお芝居をしっかり作っていった上で、現場では力を抜くという対応力と瞬発力が必要だなと感じています。私は、平成元年生まれで、主人公の結ちゃんと同じ歳なんです。大阪出身ということで、阪神・淡路大震災に関しても身近に感じています。また、35歳になって体の変化を感じ、何よりも食が大事だと考え、食の改善をしていたタイミングで今回のお話をいただきました。勉強にもなるし、主人公に寄り添いながら見ることができる作品だと思っています」

――演じる桑原をどのような人物だと捉えていますか？

「台本を最初に読んだ時に、ベテランの看護師でうわさが好きな友達がピンと浮かんできたんです。桑原とその友達に共通している良さは何かと考え、浮かんだのが『コミュニケーション能力』だったんですよね。うわさがたくさん入ってくる人って、思わず話したくなっちゃう人。そして、聞き出すのもうまい！　良い距離を保って、ちょうどいいくらいの情報を与えてくれて、守るべき秘密は守ってくれる。もし私が新人看護師だったら、こういう人が上司にいたらいいなと思いました。私服がヒョウ柄なところも、友達と同じです（笑）。朝ドラの撮影現場には、看護師として出勤し、今から患者さんを診るような気持ちで来ています。患者さんとの日常のやりとりなどをインプットするため、片っ端から看護師さんのYouTubeを見ました。日常のふとしたしぐさとかをちょっと取り入れて、本当の看護師さんに『あ、めっちゃリアル！』と思ってもらえたらうれしいです」

――ヒロイン・結を演じる橋本さんとのエピソードはありますか？

「橋本さんとは考えていることが時々リンクすることもあって、すごく居心地がいい。もちろんお仕事の仲間なんですけれど、それ以上に、一緒にいて落ち着いて休みの日も会いたくなる、高校生や中学生時代の友達みたいな存在です。今回の現場にいてくれて、とても安心します。ありがたいです。橋本さんはどこでも『橋本環奈』なんです。それがすごいなと思いました。私が出会ったのは舞台の現場ですが、その現場でも、一緒に遊びに行くときでも、常に『橋本環奈』だったんですよね。気さくで、コミュニケーション能力も高くて、明るくて。舞台も、ドラマも、プライベートも全て、フルでエネルギーを使うことができる橋本環奈という存在の華やかさが、いろんな人を巻き込んで、これだけ人気になるんだなと感じています」

――他に、ご共演者とのエピソードはありますか？

「NSTメンバーの永野宗典（松崎瑛人役）さんのお芝居は、間とかタイミングとかが面白いな、心地いいなと思います。永野さんが、ガーッと寄ってきて『僕？』と言うお芝居があったんですけれど、私も現場で見ていたのに、映像で見たらもっと濃いお芝居に見えたんですよ。これまでドラマをやってきて、そういう表情の作り方も考えてこられて、生のお客さまに見せるだけでなくて、映像に映って見せる方法もあるんだと、永野さんから勉強させてもらっています」

――最後に、視聴者へのメッセージと今後の見どころをお願いします。

「桑原は一緒にいて落ち着ける人だと思っています。大阪新淀川記念病院には、本当に個性的なキャラクターばかりで、私が演じる桑原も個性は強いですが、やはりベテランということもあり、ちゃんといいところで場を和ますための話やアドバイスができる人。常に空気を読んでいると思います。『おむすび』を見ている視聴者の方にも、『この人が出てきたら、結ちゃんが安心できるよね』と思ってもらえるような存在になればいいなと思っています」