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「アタック25Next」がBS10へお引越し! 最速出場リポート2025/01/13

「アタック25Next」がBS10へお引越し! 最速出場リポート

 BS Japanextとスターチャンネルが生まれ変わって開局した「BS10」。BS Japanextで放送されていた谷原章介が司会を務める「パネルクイズ アタック25Next」(日曜午後1:25)が1月12日に、昼と夜の2時間スペシャルでBS10開局後、初放送された。お引越しを機にセットがリニューアルされ、新ルールも加わるなど番組もパワーアップ。昼に放送された「総勢20人が激突!新解答席争奪サバイバル10」にトップ賞獲得者の1人として出場した筆者が、パワーアップした「アタック25 Next」について現場で感じたことをリポートする。

“挑戦しやすさ”アップを目指している!?

 地上波時代の「アタック25」、BS Japanext時代の「アタック25Next」の両方を見ていると、地上波時代に比べて明らかに「〜Next」は出場者のクイズの“ストイック度”が上がっていた。クイズサークルなどで日頃から早押しクイズを鍛錬している猛者たちによる大会が多かったのだ。となると、今回集められたトップ賞受賞者たちのレベルはさぞかし高いのか…と思いきや、“決して日頃からクイズをしているわけではない”トップ賞経験者が多かった(※1)。そして、「〜Next」全体では男性の出場者が圧倒的に多かったのだが、今回は予選各グループ男性2人、女性3人で、女性が過半数。つまり、“ストイックすぎない”“女性も参加しやすい”を意識していたように感じた。

 その一因は、BS Japanextに移行後も番組を視聴し続けたのが、クイズを“積極的”に視聴する=クイズ愛好家の割合が高くなったためだと思われる。おそらく一定の視聴率を獲得するにはクイズマニア向けにするほかなかったのであろう。ただ、BS10を誕生させるにあたっての株式会社ジャパネットブロードキャスティング側のコメントに「BSJapanext(BS263ch)はテレビリモコンでザッピングいただける環境にない」ことに「ジレンマを抱えていた」とあった。本来目指したかったのは、地上波時代同様、“なんとなくテレビを見ていたら”目にする番組であり、そういう層が気軽に「出場したい!」とチャレンジできる番組だったのではないか。そのため、BS10への引っ越しを機に“ストイックすぎない”“老若男女誰でも参加しやすい”という印象になるような人選をしたと感じた。(※2)

 この番組は今年で50周年を迎えるが、これだけ長く愛されたのは“なんとなく見ていたお茶の間層”を取り込めたからということは疑うべきところではない。これからも番組を長く続けたいというスタッフ陣の思いも同時に感じられた。

「アタック25Next」がBS10へお引越し! 最速出場リポート

“ポチャッコ”が誤答を帳消しする新ルールが誕生! セットの新機能は使い方に期待

 今大会では新セット&新ルールがお披露目された。主な変更点をまとめた。
《新ルール》
【1】アタックロスト→正解者は自分の色以外の色のボールが入ったボックスから一つを引き、引いたボールの色の中から好きな番号のパネルを消すことができる。
【2】ポチャッコ出題クイズ→正答できればポチャッコを獲得。1回間違えてもポチャッコが守ってくれるので、2問お立ちのペナルティーはなしに(ただし、使用できるのはアタックチャンス前まで)
《新セット》
【1】セットの後ろに観客席ができた
【2】解答者の背後のライトの点灯本数で、ボタンを押した順番が分かる
【3】解答者のネームプレートが紙ではなく電子
【4】解答席のボタンが可動式

《新ルールに関して》
【1】⇒筆者が出場した回ではくじ引きで当たった色のパネルが0だったため、効果が発揮されなかった。今回の特別ルールとのことだったが、正直、既存の「アタックチャンス」と似たルールという印象で、相手のパネルを1枚消せるのは見せ場である「アタックチャンス」1回のみのままでいいと感じた。終盤に1回のみパネルを消すチャンスがあるからこそ「アタック25」は面白いのである。

【2】⇒良い新ルールだと感じた。誤答による2問お立ちというペナルティーを意識して、ボタンを押すのが慎重になる…というのは出場者の多くが経験している。もしポチャッコを獲得して、それが1回なくなるとイチかバチかでもボタンを押しやすくなり、勝負が面白くなるはずだ。ちなみにBS10のポチャッコは非常にかわいい。谷原さんも気に入ったようで、獲得者の解答席にポチャッコを置くのを当初はスタッフがやる段取りだったようだが、谷原さんが自ら置きたいとおっしゃり谷原さんが解答席に持っていくことになった。なお、参加賞に“BS10ポチャッコグッズ”がほしいというのが個人的な意見。ポチャッコチャンスを使わなかったら、ポチャッコを持ち帰れるようにしてほしいという意見も現場では耳にした。

《新セットに関して》
【1】⇒やはり地上波時代の親しみやすさに回帰したいという意図が見てとれた。今回は16人が座ったがスペースは十分で、全員の顔がカメラに映るよう座る位置も調整してくれていた。一般観覧も復活し、随時受け付け中だ。それならば、ぜひ大きなパネルモニターも復活させて…! と思うのはぜいたくだろうか。

【2】⇒番組の方向性と合わせて、生かし方を練っていくべき機能だと感じた。導入の意図としては、「2番目、3番目に押していた人が分かるとトークの幅が広がる」ということのようだ。ただ、こういった“ボタン勝負”にフォーカスするのは、見る側に“ストイック”な印象を与える。現に、他の番組でもいかにハイレベルな争いかを強調する手段として、「コンマ何秒差で2番手が押していた」という解説が入ることがある。現場でも、早押しクイズを普段からたしなんでいる出場者は、好反応だったように思う。一方、今回の現場で感じた「早押しに慣れていない層も取り込みたい」という意図には、あまり合わないように思う。早押しに不慣れな人たちの楽しみが広がるような別の使い方(例えば「1番目に解答権を得た人が間違えた場合、2番目に押した人に解答権が移る」というルールの問題を入れるなど)をすべきように思った。なお今回は、MCの位置からはライトが見づらかったようで、ほとんど生かされることはなかった。下の画像は、MCの立ち位置に近いところから撮影したものだが、確かに見づらそう。現場では、これから改良していくという話がされていた。

【3】⇒出場者からすると、ネームの紙は記念のお土産として持ち帰る人が多いので紙が良かった。ただ、電子の方がエコで、かつ、今回のような予選→本選のような大会に対応しやすいのだろう。しかしこちらもMCの位置からは見づらかったよう。後日収録された夜放送の芸能人大会では紙に戻っていた。

【4】⇒もともと解答席はモニター画面とボタンは左右に二つ備え付けであったが、モニターはなく、ボタンも動かせるものになっていた。映像問題は手元のモニターで見るのではなく、正面にあるテレビサイズのモニターを見ることになるので、出場者が下を見る映像が減りそう。また、芸能人大会ではタブレットに記入するタイプの問題も導入されていた。解答席がすっきりしたことで新しいことがやりやすそうだ。

「アタック25Next」がBS10へお引越し! 最速出場リポート
「アタック25Next」がBS10へお引越し! 最速出場リポート

トークが心配でも応援者いなくても案外どうってことない! とにかく応募してみよう

 最後に。上にも述べたが、「アタック25」がこれからも長く続くためには、番組を見ている人が気軽に出場応募できるというのが不可欠だ。
だが、クイズ力以外にも応募のネックになりがちな要素が二つある。それがトークと応援だ。

 「アタック25Next」になり放送時間が1時間になって、出場者がトークをする機会が増えた。出場者紹介のトーク内容は、事前にスタッフの方と打ち合わせできるが、以後のコメントはその場で機転を利かせる必要がある。しゃべりが苦手な人にとっては一つのハードルだろう。筆者もトークは非常に苦手だ(※3)。

 そこで今回は、クイズ終了後にコメントを求められたら「どんな作戦を立て、それがうまくいったか否か」を話すと決めていた。これならば、作戦はあらかじめ考えておくことができるので、その場で考える必要があるのは「どうだったか」という部分のみ。機転が利かない筆者でもなんとか乗り切れたので、ぜひトークに自信がない方は参考にしてほしい。(ただし、応援席に回って全員に話を振る流れになった時は、準備が間に合わず全然うまくコメントできなかった。準備は必須)

 また、応援席が復活したが、地上波時代に「応援席に呼べる人がいないから応募しづらい」という声を時折耳にした。筆者は実際、地上波時代に出場した時、応援者ゼロだったが、少なくとも応援者がいないことについて周りやネットで揶揄(やゆ)されたことはなかった。平日に遠方での収録となれば、応援を連れて来られないこともあることは世の中にも理解してもらえる。また、アタック25の応援席は「全員で全員を応援する」という方針なので、現場で自分だけ拍手がもらえない、ということには絶対にならない。トークや応援がネックになり応募を尻込みしている方には、その二つは思っている以上にとるに足らないことだ、と伝えたい。

 「アタック25」は基本的には出場者が楽しめることを重視してくれる。今回は特別大会だったため1度も解答できずに終わった方が出てしまったが、基本的には出場者のレベルを合わせ、1人につき1問は得意問題を入れて”解答できずに帰る”ということが無いように配慮してくれている。出場者が楽しんでいることが視聴者が楽しむための重要な要素でもあること、そして出場希望者が長く絶えないための大事な要素であることを分かっているのだろう。50年の経験と実績があるからこそ、変化はしても、押さえるべきツボはしっかり押さえているのだ。だから、もし応募を迷っている方は、番組の豊富な経験とノウハウを信じて、ぜひチャレンジしていみてほしい。「アタック25に出てみたい」。その気持ちさえあれば、ほかの不安要素は何とかなる!

(※1)全員がクイズサークルに所属していない人というわけではなく、実際は半分くらい。具体的なエピソードを出すと、楽屋で「収録後に“フリバ”しに行きませんか?」と言う話が出た際に、半分は“フリバ”が理解できて、半分は何のことだか分からない、という感じだった。
(※2)「アタック25」を“ストイック”と捉えるかは、テレビ番組でしかクイズに触れない層と、クイズを日頃からやっている層で180度異なる。前者にとっては「ストイック」なクイズ番組で、後者にとっては「テレビ的なバラエティー要素の強い」クイズ番組である。ちなみに筆者が2022年の出場時に「テレビクイズが好き」という主旨の話をしたら、谷原さんに「“アタック25”はかなりストイックだと思うけど…?」と返された。だが「〜Next」の出場者は後者も多かったように感じる。
(※3)筆者の22年の「アタック25 Next」出場は、地上波時代に予選を受け、「〜Next」の初回収録に呼んでいただいたので、トーク力を要するということは出場が決まるまで分からなかった。ちなみに13年の初出場時はMCが浦川アナで、かなりサクサクと進行していたので、ほぼトークゼロで済んだ。

【番組情報】
「パネルクイズ アタック25Next」
BS10
日曜 午後1:25~2:25
※1月12日のみ 午後1:25~3:25、午後7:00~8:55

【筆者プロフィール】
デジタルTVガイド編集部所属
番組には13年の20代大会、22年の20代・30代大会、年間チャンピオン大会1stRDに続き、今回の「総勢20人が激突!新解答席争奪サバイバル10」で4度目の出場。



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