山本彩スペシャルインタビュー「2025年も音楽漬けの1年にしたいです!」2025/01/10 00:00
TVアニメ「シンカリオン チェンジ ザ ワールド」のエンディング主題歌「Seagull」を歌う山本彩が、昨年12月25日、同曲を収録したEP「U TA CARTE」をリリースした。西九州新幹線「かもめ」をモチーフに、渡り鳥の自由さと力強さをテーマに歌ったミディアムバラード「Seagull」をはじめ、アッパーのロックナンバー「木天蓼」、シンプルなコードで歌った「カフェモカ」、爽やかなロックチューン「KIRAKUモンスター」、そして「あいまって。(Acoustic ver.)」が収録された、まさしく“アラカルト”な1枚。各楽曲に込めた彼女の思いや、昨年ハマった趣味などについて聞いた。
――「U TA CARTE」(ウタカルト)というタイトルは、フランス料理で一品料理を意味する“アラカルト”になぞらえて付けたそうですね。
「はい。1曲でも多く新曲を皆さんにお届けしたいという思いでEPという形態を取ったのですが、結果的に多彩な楽曲ができたので、1曲1曲を一品料理として楽しんでもらえたらと思い、どの曲もメイン料理という気持ちで『U TA CARTE』と、付けさせていただきました。ジャケット写真も“アラカルト”にちなんでキッチンで撮影しました。食材の代わりにカセットテープやレコード、ギターのピックなど、音楽に関連したものを置いてあるところがポイントです。ファンクラブ限定盤はお皿に自分の顔を乗せていて、“私を召し上がれ!”みたいな(笑)」
――TVアニメ「シンカリオン チェンジ ザ ワールド」のエンディング主題歌「Seagull」も収録されています。美しいピアノから始まるミディアムバラードの楽曲で、かもめが海上を飛んでいるように爽快なサビが印象的です。
「ありがとうございます。最初は少しマイナーな雰囲気で、サビで明るい印象に変わる曲にしたいと思って作りました。曲名の『Seagull』は鳥のかもめのことで、西九州新幹線の名前とも掛けています。かもめは自由を象徴する渡り鳥で、何万kmもの距離を移動するのですが、その力強さや生命力は、見ているだけでこちらも力が湧いてきます。それは『シンカリオン』に出てくるキャラクターそれぞれのストーリーともリンクすると思って、そういうところにも意識を配りながら制作しました」
――聴いた人には、この曲からどんなことが伝わってほしいですか?
「子どもだけじゃなく大人もたくさん見ている作品なので、大人の方が童心に返って、子どものころの気持ちを思い出してくれたらうれしいです。大人になってもできることはまだたくさんあるし、踏み出してほしいという気持ちを込めました。子どもたちに向けては、小学生くらいではまだ理解できないかもしれないけど、大人になって聴き返した時に、“こんなことを歌っていたんだ”“昔は自分もああだった”など回顧しながら聴いてもらって、時間がたって、またその人の力になれたらうれしいです」
――「U TA CARTE」の収録曲についても聞かせてください。
「私は犬を飼っているのですが、『木天蓼』は猫をイメージしています。仕事でお留守番させて帰宅すると、犬はストレートに喜びを表してくれて、お留守番をさせてしまった申し訳なさがこみ上げてきます。猫を飼っていらっしゃる方も、きっとそうなのではないでしょうか。お留守番中、犬や猫はどういう気持ちなのか、『嫉妬しているのかな?』など、想像しながら書きました。また『カフェモカ』は、恋愛をカフェモカに例えて、どっちつかずの感情を歌にしました。私は、コーヒーはブラック派なのでカフェモカは飲まないのですが(笑)、苦みにちょっと甘さをプラスしたくなる時もあるんです!」
――「KIRAKUモンスター」は、タイトル解禁時からSNSで「楽しそう」「想像力が膨らむ」との声が上がっていましたね
「バンドらしいライブ感がありながらキラキラした部分も取り入れた、爽やかなロックチューンです。“KIRAKU”は“お気楽”のことで、普段は真面目な人が、自分の中で“KIRAKUモンスター”を育てて、もっと気楽な気持ちでやっていこうと歌っています。普段の私は“MAJIMEモンスター”で、ミスを引きずったり、人の言葉をすごく気にしたりしてしまうので、そんな自分に対しても歌っています」
――そしてBonus Trackには、2021年にリリースした「あいまって。」のアコースティックバージョンが収録されています
「昨年9月に開催した『Sayaka Yamamoto Acoustic Tour 2024「Organic」』は、自分にとって挑戦でした。アコースティックアレンジによって様変わりした曲がたくさんあって、その中でも『あいまって。』はとても好評でした。また、『あいまって。』はリリース当初の音源とライブでは歌い方がだいぶ変わっているので、今の最新バージョンとして残したいと思って収録しました。まさにライブのような感じで、頭から最後まで通して歌って収録したので、ちょっとしたピッチのズレとかもあるんですけど、それもあえて残すことで、アコースティックツアーで得たものが出せたのではないかと思います」
――山本さんは野球やゲームなど多趣味で知られていますが、最近一番ハマった趣味を教えてください。
「ドライブです。運転免許はグループを卒業してすぐに取ったのですが、ほぼペーパードライバーだったので、昨年ペーパードライバー講習を受けて乗るようになりました。一番の理由は、犬をホテルに預ける時の送り迎え、犬と一緒にいろんなところに行きたいと思ったからです。実際に車に乗るようになって感じたのは、普段歩いている時には気付かなかったところに、目が向くようになったこと。『ここにこんなお店があったのか!』と発見があったり、信号で止まっている時は街を歩いている人を観察して、その人の生活を想像したり。そうした経験が、そのうち楽曲制作にも生きてくるんじゃないかと思います。今年も、犬や友達といろんなところに行っていろんな経験を積みたいです。あと、腸活にいいと聞いてバナナスムージーにハマって、毎朝家で作って飲んでいます」
――では最後に、25年の展望をお願いします。
「1月31日から全国ツアー『SAYAKA YAMAMOTO NO MAKE TOUR 2025』の開催が決まっています。たくさんライブをやって、たくさん新曲をお届けしたい。いろんなアーティストの方ともコラボして、音楽漬けの1年にしたいです!」
【プロフィール】
山本彩(やまもと さやか)
1993年7月14日生まれ。大阪府出身。B型。NMB48の1期生として活動後、2019年よりソロシンガーとして本格始動。これまでに4枚のアルバムと6枚のシングルをリリースしている。1月31日の埼玉公演を皮切りに、全国10都市11公演を回るツアーを開催。
【INFORMATION】
1st EP「U TA CARTE」
発売中
自身初のEPはTVアニメ「シンカリオン チェンジ ザ ワールド」エンディング主題歌の「Seagull」を含む、新曲3曲とボーナストラック1曲の計5曲を収録。タイトルの「U TA CARTE(ウタカルト)」はフランス語の「アラカルト」(自由に選んで注文できる一品料理)にかけて、多様な音楽性が集まった本作を表す造語。
取材・文/榑林史章 撮影/牛島康介 ヘアメーク/chim スタイリング/柏木作夢
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