「渡辺篤史の建もの探訪」35周年！続けてこられた秘訣（ひけつ）は「無事これ名馬」2025/01/02

　テレビ朝日系で放送中の「渡辺篤史の建もの探訪」は1989年にスタート、今年で35周年を迎えました。学校や市庁舎などの公共建築から始まり、個人の住宅建設を専門に紹介する番組へと移り変わり、住宅紹介番組のパイオニアとして長きにわたり愛され続け1800件を超える建築物を紹介しています。

　そんな同番組の35周年を記念し、「渡辺篤史の建もの探訪　祝！35周年　新春スペシャル」が1月4日（午前6：00）に放送。それに先駆けて取材会が開催され、新春スペシャルの収録を終えたばかりの渡辺さんが取材会に登壇しました。

　今や日本有数の長寿番組となった「渡辺篤史の建もの探訪」。渡部さんは「渡辺篤史です、新人です（笑）。何を聞かれても答えますので、よろしくお願いいたします！」と場を和ませ取材会がスタート。先月喜寿（77歳）を迎えた渡辺さんは、番組スタート当時41歳。35周年を迎えた心境を「番組に対する思いはスタート当時から変わっていません。ここまで続けて来られて、人生でこれほどうれしいことはないです。ただ私一人の力だけで35周年を迎えられたわけではありません。番組に関わる全ての方が盛り上げてくださったからこそ、迎えられた35周年なのだと思います。本当にありがたいです」と、番組への思いと感謝を述べました。

　また、渡辺は番組に起用された当時を振り返り、「建築が大好きだったんです。20代の頃から建築雑誌を集めて、読んでいました。だからお話をいただいた時はうれしかったですね。スタート当初は公共施設を中心に全国の名建築を訪ねる番組でしたが、私が当時のプロデューサーに、『建築家が設計している普通の家を紹介させていただけませんか』とお願いして、番組は個人住宅を紹介する今の形になったんです」とここだけの裏話を明かす一幕も。

　フランク・ロイド・ライト、隈研吾といった著名建築家が設計した建物から、若手建築家による建物までさまざまな探訪を行ってきた渡辺さん。番組をいつも見ている友人から「毎回建物をほめているけれど、本当にいつもすごいのか？」と聞かれた話も飛び出します。すると、渡辺さんは「建物には建築家と住人の『思い』や『夢』が詰まっている。建物には必ずいいところがある！」と胸を張って答えたそうです。

　「35年続けてこられた秘訣（ひけつ）は？」という質問には、「無事これ名馬」と答える。「目の前のことを一生懸命に追うことを大事にしてきた結果」とこれまでをしみじみ振り返りつつ、「とにかく家が好きだから35年続いたのだと思います」と語りました。

　35年間で印象に残っている建築について聞かれると、収録を終えたばかりの「森にこもる立体迷路の家」と回答。「久々に『やられた…！』と思った革命的な建築なので、ぜひ、放送で見ていただきたい！」と35年間建物を探訪し続けてきた渡辺さんも驚き、目を輝かせて力説しました。

　今回のスペシャル番組では、35年間の秘蔵映像と「街」と「森」で夫婦こだわりのライフスタイルを実現した2軒の住宅を探訪。そして、ゲストは自他共に認める「建もの探訪」ファンのずん・飯尾和樹さんと建築家の父を持ち建築を目当てに旅に出るほどの建築好き・宇賀なつみさん。そんな2人の印象について聞かれた渡辺さんは、「飯尾さんの番組『飯尾和樹のずん喫茶』（BSテレ東）をよく見ているんです。毎回番組の最後にコーヒーカップに字を書くんですが、その字が飯尾さんらしくて…。私、飯尾さんが大好きだなと思っていました。宇賀さんは表現力があって、人間としての美しさを感じていました。お二人と会うのをすごく楽しみにしていました」と、笑顔を見せました。