伊藤健太郎、愛希れいか、弓木奈於が語る“未恋”――共感と成長が詰まった新ドラマ2025/01/08 08:00
1月9日から、カンテレ・フジテレビの木曜深夜に、カンテレ×FODドラマ枠が新設される。その第1弾として、主演・伊藤健太郎、共演・愛希れいか、弓木奈於(乃木坂46)の出演による「未恋~かくれぼっちたち~」を放送される。本作は、夢を諦め、自分の気持ちと向き合うことから逃げてきた主人公が、性格が真逆の2人の女性と向き合い、前向きに成長していく群像劇だ。
主人公の高坂健斗(伊藤)は中堅出版社の編集者で、イマドキ珍しい仕事ができる男でその上にイケメン。しかし、それは“暇な時間”ができてしまうことが怖いからだった…。かつて小説家を志して挫折した健斗は「小説を書きたい」という思いを心に秘めながら、本当の気持ちに向き合うことを避け続けている。そんな中、アイドル漫画家・深田ゆず(弓木)を担当することになり、彼女が抱える苦悩や孤独と本気で向き合うことに。さらに、健斗が大学生の頃に参加した、小説家を目指すワークショップで出会った年上の女性・鈴木みなみ(愛希)が、健斗が働く出版社に勤務することになり――。
このたび、高坂健斗を演じる伊藤、鈴木みなみを務める愛希、深田ゆず役を担う弓木から、役への思いや見どころを聞いた。
――台本を読んだ感想をお願いします。
伊藤 「コミカルな感じが多いかと思えば、哲学的な部分とシリアスな部分もあって、物語は全体的にテンポよく話が進んでいくので、読んでいて飽きることないなと感じたのが最初の印象です。すごく大きな事件や出来事があるわけではないですが、登場人物それぞれの感情の微妙な動きが、『人間って割とそうだよな…』と納得できる部分もある。普通に生きていたら、隠したい部分や内緒にしたいことなど、そういう部分も描かれているので面白いです」
弓木 「いろいろ考えてしまって話をしたくても言えないこととか、反省とか悩み事とかを一人で抱え込んでしまう人もすごく多いと思いますし、私自身も抱え込んでしまうことが多いです。そんな悩みを持っている人がこの作品を見た時に少しでも気が楽になって一歩を踏み出してみたいなとか、周りにいる人は味方なんじゃないかなと思ってもらえるような作品なのだと思いました」
愛希 「コミカルでポップな中にも刺さるセリフが多い印象です。私は今、33歳なんですけど、私の世代だけでなく、もっと若いZ世代の子たちにもすごく刺さるんだろうなと。木村(淳)監督が、今の若い子の方が、好きなものややりたいことに対しての熱量がすごいとおっしゃっていました。関西テレビの社内で実際に、やりたいことがある若手のスタッフの熱量がすごくて、その方にやる機会を与えたら賞を取ったということがあったそうです。それが今回の物語のベースになってるそうです。その話を聞いて、行動には移せないけど、やりたいことを強く思うことはすごいなと感じました。多分、視聴者の方もまだ行動に移せていない人もいると思うのですが、どんな年代であっても好きなことを追求することで力になることもあるので、この物語も刺さるんじゃないでしょうか」
――実際にクランクインしていかがですか?
伊藤 「正直、全く未知数ではありますが、バラバラに撮っているということもあって、こことあれはどうつながっていくんだろうというのがすごく楽しみです。それぞれのシーンを撮影している時は、もちろんそのシーンに対しての感情の動きや思いをしっかり作っていますが、これが全部つながった時にどういう見え方になるんだろうなと考えると、怖さもありつつ楽しみな部分もあるので、早く見たいです」
弓木 「私は人見知りな部分があるのですが、撮影現場でたくさんの方とお話ししてみて、アウトドアって楽しいなと思いました。横浜に行くシーンがあったのですが、すごく楽しくて、『外の世界ってすごい楽しいじゃん!』って(笑)」
伊藤 「えっ、ラプンツェル?」
弓木 「外の世界って楽しいなと思い、一歩踏み出してランチに行ってみました。それもすごく楽しかったですし、日常に彩りをもたらしてくれてよかったなと思いました。あと、酔っ払うシーンがあったのですが、すごく難しかったです。周りにお酒を飲まれる方も多いので、酔った時はどうなるんだろうとお話を聞いてみました」
伊藤 「なんかそのシーンの撮影が始まる前、『酔った時ってどうなるんですか』と聞かれて、分かりやすく見た目で言うと、千鳥足というかフラフラになるんじゃないみたいな話をしました。でも、そのシーンで、ゆずは酔っ払っているんですけど、どこか冷静な部分もあって、自分の思いをお酒の力を借りてバッーと出すみたいなシーンでもあったので、本当はベロベロに酔っ払っているわけではなかったのかなと。経験したことがあれば自然に出せたかもしれませんが、そういうバランスを保って演じるのはすごく難しいだろうなと思ったし、フィジカル的な部分でもふらついたりするのも割と難しい。でも、すごくナチュラルに酔っ払っている感じはしましたよ」
弓木 「実は誰にも言っていないのですが、家でお酒を飲んでみたりしました」
伊藤 「そうなの? 今回初めて?」
弓木 「はい。スーパーで買って1人で飲んでみたのですが、あまり変わらなくて、ほっぺが赤くなるだけでした」
――愛希さんは、シングルマザーの役で子役との共演もありましたがいかがでしたか?
愛希 「自分もいつか母親になりたいという思いは強いですし、子どもが大好きなので楽しかったです。とてもかわいくて撮影中はすごく仲良くさせてもらいましたが、やはり子育ては大変なんだろうなと感じました。今は自分のためだけに動いているけど、自分のために頑張り続けるのは私の年齢になると意外としんどくなったりします。それが悩みでもあるし、かといって自分より大切なものができて、その人のためにやることの大変さもあるので、バランスを取るのがすごく難しいんだろうなと。自分自身も実際に子どもがいるわけではないし、子育ての経験をしていないけれど、みなみのセリフから、葛藤を感じて今の自分にすごく刺さりました」
――最後に、見どころをお願いします。
伊藤 「健斗は、編集者の中で“ミスターリスク回避”と呼ばれている人間ですが、女性に対してはちょっと不器用な部分があったり、余計な一言が多かったりします。女性2人と健斗の構図やバランスも興味深くて、会社にみなみが入ってくることで、プライベートと仕事にブリッジがかかったような部分も、話が進むにつれてどんどん面白くなっていきます。劇的に何かが動いたり、感情が思いっきり揺さぶられたりするというよりは、ほのぼのとしたストーリーで、何も考えずに見られるような30分間だと思います。日々の疲れの癒やしの時間に、この作品がなってくれたらうれしいです」
弓木 「このドラマは、誰もが『こういうことあるよな』と思えるような感情が細かく散りばめられた作品になっています。私自身、前に進んでみようかなとか、ちょっと勇気を出して誰かと話してみようかなと思うきっかけになったので、皆さんも前向きな気持ちになったり、一緒に寄り添えるようなドラマになったらいいなと思います」
愛希 「『未恋』というタイトルの中に“恋”という字が入っているので、恋愛ものに見えるかもしれませんが、それだけではなく、それぞれが抱える葛藤や人間ドラマがしっかりと描かれています。私が演じるみなみは、シングルマザーなので、特にお子さんがいらっしゃる方にも刺さると思います。幅広い年代の方に見ていただける面白い作品なので、ぜひ、リラックスした気持ちで見ていただきたいです」
【プロフィール】
伊藤健太郎(いとう けんたろう)
1997年6月30日生まれ。東京都出身。2014年、ドラマ「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」(フジテレビ系)で役者デビュー。24年、大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合ほか)での双寿丸役が記憶に新しい。
愛希れいか(まなき れいか)
1991年8月21日生まれ。福井県出身。2009年、宝塚歌劇団に入団。18年の退団後は、女優としてさまざまな作品で活躍。25年1月5日スタートの大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(NHK総合ほか)に出演する。
弓木奈於(ゆみき なお)
1992年2月3日生まれ。京都府出身。20年、乃木坂46の4期生として活動を開始。
【番組情報】
「未恋~かくれぼっちたち~」
1月9日スタート
フジテレビ 毎週木曜 深夜2:25~2:55(1月9日は深夜2:40~)
カンテレ 毎週木曜 深夜0:25~0:55(1月9日は深夜0:40~)
取材・文/松下光恵
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