比江島慎「特別な試合」を勝利で飾る。男子バスケの新たな船出2024/11/28 12:00
トム・ホーバスヘッドコーチ(HC)の下、新しい一歩を踏み出したバスケットボール男子日本代表。来年8月に開催される「FIBA アジアカップ 2025」の予選として、日本代表は11月21日にモンゴルと、11月24日にグアムと対戦。勝利という結果はもちろん、新戦力がどれだけチームにフィットするかが試される2試合だった。
まずは、モンゴル戦。スターターは、富樫勇樹選手、比江島慎選手、西田優大選手、アレックス・カーク選手、吉井裕鷹選手の5人。カーク選手以外は日本代表の中でも経験豊富な選手たちで、ホーバスHCのバスケットスタイルも熟知。比江島選手の3ポイントシュートを皮切りに、安定した戦いを続ける。しかし、ベンチプレーヤーがコートに立つと、流れが変わる。徐々に点差を詰められて、結局、第1クオーターは22-22の同点。FIBAランク108位のモンゴル相手に同21位の日本は、苦しいスタートとなった。
それでも、第2クオーター以降は、代表経験者組とカーク選手を中心に安定感を取り戻す。さらには、西田選手の3ポイントシュートなどで突き放し、最終的には93-75で日本の勝利。
パリ五輪以来の代表戦を白星で飾ったホーバスHCは「勝ったのは良かった。経験のある選手は落ち着いていた。若い(新しく代表に加わった)選手たちは、(うまくやれなかった)この経験が必要。合宿の練習の時は、すごくいいプレーをしているので、次はできます」と、新戦力の選手たちにも期待を寄せていた。
先発ポイントガードとしてチームをけん引した富樫選手も「トムさん(ホーバスHC)のバスケが初めての選手はまだシステムに慣れていない部分もありましたが、僕らも(ホーバスジャパンとして)初めて戦った、仙台での中国戦ではまさにあんな感じでした。だから、これから若い選手たちが成長していく姿を見られると思うので、今日は大きな一歩だったと思います」と、新しいメンバーの今後を楽しみにしていた。
さらに、自身の代表への思いについて問われると「代表のユニフォームを着てプレーすることは特別。次の五輪に出られる保証は全くない中で、それでも自分で機会を手放すよりはチャレンジしたいという気持ちです。でも、今までよりも少し気楽な部分はあります。次の大会(五輪)に絶対出たいという気持ちよりは、一つ下がって、若い選手に負けないように4年後まで、プレーを見せられたらいい」と、現在の心境を率直に語ってくれた。
キャプテンに任命され、この2連戦限りで代表から離れることを示唆している比江島選手は、18得点、5リバウンド、3アシスト、3スティールとエースぶりを発揮。「(試合会場の宇都宮は)僕にとっては特別な場所ですし、ブレックスのファンの方も多く駆け付けてくれてると思いますので、それを力に変えて、いいプレーができました。慣れ親しんだアリーナで国を背負ってプレーできていることが、選手として本当に幸せでした」と、所属する宇都宮ブレックスのホームで代表戦を戦えたことを喜び、「いろんな意味合いがこの1試合にはありました。もしかしたら国内最後になるかもしれないという状況もあるし、もちろんキャプテンとしての責任を感じながら、いろんな感情があった中での試合でした。その中で、キャプテンとして、しっかり勝ち切ったことが僕の中で大きい」と、自身にとって特別な試合を振り返った。
ホーバスHCも「マコ(比江島選手)がホームのファンの前であれだけのプレーができて本当にうれしい。彼はスーパースターですから。今日は出だしからすごく良かった。最高! ありがとうございます、キャプテン!」と惜しみない称賛を送った。
モンゴル戦の勝利から3日後に行われたグアム戦は、敵地での国際試合の難しさをあらためて思い知らされる展開となる。
前半は、モンゴル戦から好調を維持している西田選手をはじめ、吉井選手、比江島選手、渡邉飛勇選手など、バランスよく得点を重ねていく。48-31と、日本が17点リードで後半へ突入。しかしグアムも、この日、30得点をマークしたアーネスト・ロス選手を中心にしぶとく食らい付く。日本は最大で20点あったリードを守れず、第4クオーターの残り3分11秒で71-71の同点に追いつかれてしまう。会場のグアム大学アリーナは大盛り上がり。そんな苦境の中でも日本は、ジョシュ・ホーキンソン選手のバスケットカウントの3点プレー、さらには比江島選手の勝負を決めるフリースローで逃げ切り。83-78の5点差で辛くも勝利を収めた。
11本中6本の3ポイントシュートを決め、21得点の活躍を見せた西田選手は「シュートは水ものだし、入る時もあれば入らない時もあるんで…」と、謙虚に語りながらも「夏に準備してきたことが出せたので、準備してきてよかった」と激戦を振り返った。
この日、チーム最長の35分50秒プレーし、持ち前のフィジカルの強さを発揮した吉井選手は「グアムのことはリスペクトしていますし、スカウティングもしました。そんな中で、今日のような試合をしてはいけないと思います。20点差に開いた時に、30点、40点と開けないと」と、自身は17得点を挙げる活躍を見せつつも、反省を口にした。
さらに、「(渡邉)伶音も出場させてあげられませんでしたし、悔しい部分が残る試合でした。アウェーの雰囲気を作らせてしまったのも、僕たち(の責任)だったと思います。得点差を広げられていれば、あの雰囲気にもならなかったと思います」と、悔しさをにじませた。
これでおそらく代表戦ラストマッチとなるかもしれない比江島キャプテンは「途中からは控えのメンバーも良かったと思うし、自分たちがやりたいバスケができたんですけど…。最後はちょっとバタバタして反省点はありますが、しっかり勝ち切れたのは良かったと思います。アジアカップ出場を決められたことが、何よりホッとしています」と振り返った。
モンゴル戦とグアム戦に勝利を収めたことで、日本は来年8月に開催される「FIBA アジアカップ 2025」の本戦出場を決めた。アジアカップの先にはワールドカップがあり、その先には2028年のロス五輪へとつながっている。“ホーバスジャパン”の第2章は始まったばかり。11月30日からはBリーグも再開。代表での経験を糧に、さらなる成長を遂げる選手たちの姿を見守っていきたい。
【放送・配信情報】
「りそなグループB.LEAGUE 2024-25」
●放送
NHK総合(全国)
第22節 三河vs千葉J
2025年3月2日 後1:55(試合開始)
NHK BS(全国)
第17節 A東京vs名古屋D
2025年1月11日 後1:05(試合開始)
第20節 北海道vs SR渋谷
2025年2月1日 後1:05(試合開始)
第25節 群馬vs千葉J
2025年3月19日 後7:05(試合開始)
第27節 川崎vs琉球
2025年3月26日 後7:05(試合開始)
●配信
バスケットLIVEでB1、B2、B3の全試合をライブ配信。
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J SPORTSオンデマンドでB1公式戦を配信。
https://www.jsports.co.jp/basketball/bleague
U-NEXTでB1の全試合をライブ配信。
https://www.video.unext.jp/po2/bleague
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