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中尾明慶、自分の信念を貫き通す「島耕作」実写ドラマを演じての思い2024/11/22 12:00

中尾明慶、自分の信念を貫き通す「島耕作」実写ドラマを演じての思い

 現在、YouTubeなどで配信中のスマホ特化型ショートドラマ「課長 島耕作のつぶやき」。弘兼憲史氏による人気漫画「課長 島耕作」から始まり、現在も「社外取締役 島耕作」として連載中の同シリーズを原作に、主演・中尾明慶で実写化。高度経済成長期の激動の時代を誰にも流されず、自分の信念を貫き通す島の姿を描いた作品です。

 SNSでも話題の本作で、主人公・島役を演じる中尾さんに出演の感想や撮影の裏話などをお聞きしました。

中尾明慶、自分の信念を貫き通す「島耕作」実写ドラマを演じての思い

――出演が決まった時の感想を教えてください。

「皆さんがよく知っている作品なので、主演をやらせていただくことに対して多少プレッシャーみたいなものは感じていましたが、縦型のショートドラマのお仕事をしたことがなく、未知の世界だったのでそこはどんな感じで撮るのだろうとすごく興味がありました」

――縦型の撮影で大変だったことはありますか?

「映画やテレビドラマと違って、引きで撮る映像がほぼないので、1対1で会話をするシーンでも、映画ではじんわりと見せることができますが、縦型ではそうはいかずパッパと切り替わっていくんです。そういう縦型のショートドラマならではの撮影方法は、初めは戸惑ったかもしれません」

――逆に感心したことはありましたか。

「撮影スタッフの技術さんたちは、見ていてやはりすごかったですね。カメラマンの方も普段とは違うと思いますし、録音部さんも近くに入れず、なかなか音を録るのを難しそうにしていましたが、いろいろと工夫してくださって。照明の方にも特別な調整をしていただけたので、芝居を最優先に、僕たちはそれだけを考えることができたのはありがたかったです」

中尾明慶、自分の信念を貫き通す「島耕作」実写ドラマを演じての思い

――原作を読んだ時の感想を教えてください。

「こんなに攻めた漫画あったんだ、と驚いてマネジャーさんにも思わず言ってしまいました(笑)。でも、読み進めていくと徐々に落ち着いて、人間模様みたいなものも見えてきて、人と人の言葉にできない関係性を描き出すためのシーンという感じで、演じていても面白かったです」

――島という人物の印象はいかがでしたか?

「僕らもサラリーマンの方々も、どんなに納得がいかないことでも『はい』と言わなければいけない瞬間があると思います。そんな中で、『違うと思います』と言えるカッコ良さと、そんな性格だからこそ遠回りしてしまうもったいなさを感じる、現代にあまりいないタイプの人だと感じました。娘や奥さんとはうまくいかなかったり、完璧ではないからこその人間味があるなと思ったので、そこをうまく見せていきたいです」

――高度経済成長の時代を描いたドラマですが、ギャップを感じた部分はありましたか?

「原作を読んでいても、今の時代とは全く違い、日本にとても活気があふれる中、将来を夢見て『やってやるぞ』と熱量の高い人たちが多い時代という印象です。今はインターネットなど便利なものが出てきて、夢より先に現実を知ることが増え、夢を見づらくなったのかなという気がしました。そこが現代との一番の違いじゃないですかね」

中尾明慶、自分の信念を貫き通す「島耕作」実写ドラマを演じての思い

――衣装に関してはいかがでしょうか

「電話に『しもしも』と出る世界で、服に肩パットが入っていたり、女性も髪形を上下に分ける…。そんな時代って本当にあったんだなと驚きました。島のスーツ一つに関しても、サイズ感が現代のスタイルと違っているなと強く思いました」

――劇中でお気に入りのエピソードを教えてください。

渡辺いっけいさん演じる中沢(喜一)部長とのシーンが印象に残っています。いろいろな方とお芝居させていただいた中でも、中沢部長との関係が好きで。他の人には『派閥に入らない』『何言っているんだ』と思う島が、中沢部長のことは心の底から好きだと感じているのが分かって、演じていてとても楽しかったです」

――撮影の裏話を教えてください。

「日々撮影時間が伸びて終わらないという状況で、大変な部分もありましたが、出演者同士の仲はとても良かったです。水崎(綾女)さんとは何度か共演させていただいていますし、樋口(日奈)さんも明るく盛り上げてくださって、雰囲気のいい撮影現場でした」

中尾明慶、自分の信念を貫き通す「島耕作」実写ドラマを演じての思い

――中尾さんご自身が島と同じように貫き通していることはありますか?

「昔、1シーンだけでしたが、長渕剛さんと共演させていただいたことがあって、その時にいただいた手紙に『仕事は楽しく頑張れよ』と書いてあり、その言葉を大事にしながら、手紙も額縁に入れて実家に飾っています。つらい瞬間ももちろんありますが、自分が好きで始めたお芝居という仕事なので、最後には楽しまなきゃと思って臨んでいます」

――島耕作シリーズに登場する役職で演じてみたいのは?

「実は今回ドラマでひと通りやらせていただいたので、やっていないことを想像するなら、みんなが言いたいことを言って手を合わせに来る『墓地・島耕作』ですかね(笑)。でも、島と同じように会社員として働くなら、一番楽しそうなのはどの役職なんですかね。僕は社長になって『最高だ』と言っている人をあまり見たことがないので、結局現場でブイブイ言わせながら上を目指しているのが一番楽しいのかもと思います」

中尾明慶、自分の信念を貫き通す「島耕作」実写ドラマを演じての思い

――ドラマ全体の見どころはどんなところにありますか?

「皆さん、出世や会社の人との人間関係などいろいろなことがあって、日々葛藤していると思います。もちろん、僕自身も役者をやっていく上でいろいろな葛藤があります。そんな中、島耕作という真っすぐに生きている人間を見ると、現実はうまくいかないけれど頑張っていて、自分も頑張るかと鼓舞されますし、そんな作品になってくれたらいいなと思います」

――最後に視聴者へメッセージをお願いいたします。

「いま海外で縦型のドラマが伸びてきていますが、日本ではまだそんなに多くの皆さんに浸透していないと思いますし、なじみのない世代の方々にこそ見ていただけたらうれしいです。島耕作は皆さんご存じの作品ですし、ぜひ一度見て楽しんでいただけたらと思います」

中尾明慶、自分の信念を貫き通す「島耕作」実写ドラマを演じての思い

【プロフィール】
中尾明慶(なかお あきよし)
1988年6月30日生まれ。東京都出身。2001年、ドラマ「3年B組金八先生」(TBS系)で注目を集める。近年では、ドラマ「六本木クラス」(テレビ朝日系)や「監察医 朝顔」「PICU 小児集中治療室」「ばらかもん」(全てフジテレビ系)などに出演。「プチブランチ」(TBS)でMCを務める。

【配信情報】
「課長 島耕作のつぶやき」
TikTok、Instagram、YouTube、Xで配信中
毎週月~木曜 午前7:00に本編投稿
毎週月~木曜 正午にショート動画を2本投稿
毎週金曜 当週分の総集編を投稿
※下記「関連リンク」からアクセス可能

取材・文/S・A



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