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「1万人の第九」で初MC! 松岡茉優が語る「BIG LOVE」を感じた出来事とは?2024/11/22 18:30

「1万人の第九」で初MC! 松岡茉優が語る「BIG LOVE」を感じた出来事とは?

 12月1日に大阪城ホールで開催される「サントリー1万人の第九」で司会を務める松岡茉優が、総監督・指揮の佐渡裕氏と共に取材会に参加。本公演に参加するMBSの三ツ廣政輝アナウンサーも交え、それぞれの思いを語った。この公演の模様は、TBS系で12月14日午後4:00より放送される。

 「1万人の第九」は、1983年にスタートし、今回で42回目となる、1万人がベートーベンの「第九」を合唱するコンサート。総監督・指揮は、今回で26回目となる世界的指揮者・佐渡氏が担当。司会を松岡が務め、“朗読”に田中圭、第1部で楽曲を披露するゲストとして絢香、ピアニストの亀井聖矢も参加する。

 今年は「BIG LOVE ともに響きあう~What a Wonderful Symphony~」をテーマに、日本全国47都道府県から集結した1万人の合唱団を大阪城ホールに迎え、力強い歌声とハーモニーを届ける。絢香は、佐渡総監督の指揮とオーケストラとの演奏で共演し、1万人の合唱団と一緒に歌うスペシャルバージョンの楽曲も披露する予定だ。

――まず、佐渡さんが総監督として長く指揮をされる中で、毎年どのような思いで公演に臨まれているのかをお聞かせください。

佐渡 「音楽を作っていく点では毎年同じことをやっているのですが、やはり自分たちの周りで起こる出来事によって、僕自身の受け止め方が変わることがあります。今年もさまざまなことがありました。能登の地震や戦争がなかなか終わらない中で、オリンピックで花の都パリがすてきな場所として再び脚光を浴びるなど、世界全体が動いていると感じます。それと同時に、私自身のプライベートでもいろいろなことがありました。同じように、1万人の合唱団もそれぞれの人生や出来事を抱えています。皆それぞれ異なる思いを持ちながら、共通する部分もある。そのバラバラな思いを一つにまとめて音楽を作るというのは非常に意味のあることだと思います」

――続いて、今年のテーマ「BIG LOVE」に込めた思いと、それを通じて伝えたいメッセージをお願いします。

佐渡 「特に今年のテーマである『BIG LOVE』は、認め合いや理解し合うということを象徴しています。もちろん、それが100%実現するのは難しいかもしれません。しかし、今の時代においてとても必要なことだと感じています。2024年という年は、ベートーベンがこの曲を作った時代から200年。ベートーベンは世の中におこる出来事を予測していたのではないか? 当時もさまざまな困難がありましたが、だからこそ彼はこの曲を残してくれたのだと思います。そしてこの曲を通じて、『人間って素晴らしいんだよ』ということを伝えたいと考えています」

「1万人の第九」で初MC! 松岡茉優が語る「BIG LOVE」を感じた出来事とは?

――松岡さんはこれまで特別番組でベートーベンについて学ぶロケやナレーションを担当されてきましたが、今回、大阪城ホールでの司会に初挑戦されます。この公演に臨むにあたっての意気込みをお聞かせください。

松岡 「先ほど佐渡さんとお話しする機会があったのですが、1万人の方が毎年同じ歌を歌うという条件は変わらない中でも、その内容や雰囲気は毎年変わるのだということを教えていただきました。1万人というと多いなと感じる数字ですが、毎年違う方がそれぞれの人生や思いを抱えて、みんなが大阪城ホールで同じ歌を歌うというのはとても特別なことだと感じます。今年のテーマが『BIG LOVE』ということで、今回の公演は一度きりのものです。その魅力を現地からしっかり伝えられるよう、全力で頑張りたいと思っています」

――「佐渡練」(本番前に合唱参加者が受ける佐渡氏による直接指導)も体験されたそうですが、いかがでしたか?

松岡 「きっと実際に参加された皆さんは、最初は皆さんドキドキしながら、『佐渡さんに会える』『どんな指導があるんだろう』と期待と緊張を抱えて参加されるのではないでしょうか。私は座学だけでしたが、同じよう気持ちでした。始まってみると、自分自身もどんどん童心に返っていくような感覚がありました。まるで学校で先生に質問するような気持ちで、『これはこういうことなんですか?』と尋ねたくなるような場面も多かったです。1万人の方がこうしたプロセスを経て、第九の音楽をさらに深く理解し、自分なりの解釈を持って参加する。その姿を少し垣間見られたようで、とても豊かな体験でした」

三ツ廣 「私も実際に体験させていただいて感じたのは、今どきの言葉で言うと、まるでミュージックビデオを見ているかのような感覚でした。それまで平坦に感じていた音楽が、佐渡さんの指導を通じてストーリー性を持ち、立体的に感じられるようになったのです。この体験を経て、次に自分が歌う時には全く違った歌い方になるだろうと感じました。『ここはどういう意味を込めた方が良いのか』『どんな感情で歌うべきなのか』と深く考えるようになると思います」

――佐渡さんは、発表から200年を迎える「第九」について、この公演が持つ意味や役割の変化をどのように感じていらっしゃいますか?

佐渡 「最初にこの公演を引き受けた頃は、1万人という規模に圧倒されるばかりで、どうすれば皆をそろえられるのか、手探り状態でした。しかし、続けていくうちに、人の力を合わせることの面白さや、その可能性の大きさに気付きました。毎年大きな出来事があって、大変な暮らしをされている方もたくさんいらっしゃる。現在も戦争や災害など、世界的に困難な状況が続いています。そんな中で、この1万人の第九という公演は、音楽を通じて祈りや希望を共有する場になっていると思います。日本の第九の在り方としていいものとなっている。それと同時にこのプロジェクトは世界に誇れる存在だと思います。今はネット動画などで世界に配信されている。そして英語で配信されているものは再生回数も多く、世界中の人たちが見てくれている。世界に誇れるものができていることをうれしく思います」

――松岡さんにとって、「第九」という楽曲にはどのようなイメージがありますか? 今回の公演に関わる中で、新たに感じたことや思いも教えてください。

松岡 「第九というと、私にとっては『聞いたことがある』という印象が強いですね。学校の授業やドラマ、映画など、いろいろな場面で耳にする機会があったので、どこか身近な存在ではありますが、実際に深く理解しているわけではないと思います。今回『佐渡練』を通じて、音楽そのものが持つストーリーや背景を少し知ることができたことで、改めて第九という楽曲が人々に与える力の大きさを感じました。これからもっと理解を深めたいですし、それを司会という形で伝えられたらと思います」

「1万人の第九」で初MC! 松岡茉優が語る「BIG LOVE」を感じた出来事とは?

――「佐渡練」で第九の背景やストーリーに触れたことで、松岡さん自身、どのような新たな発見がありましたか?

松岡 「『佐渡練』を通じて、第九の第1楽章からお話をうかがい、『なぜこの音が選ばれたのか』『どういう背景があるのか』といったことを知ることができました。そのおかげで、名曲というだけでなく、ストーリー性や深い意味を持つ楽曲だと感じました。第九は娯楽が限られていた時代に、音楽が一つの物語を紡ぎ、人々に希望を届ける力を持つ作品として作られたのだと理解しました。私自身もそうでしたが、この公演を通じて、テレビの前で見ている方々や会場に足を運ぶ方々にも、1万人が奏でる『BIG LOVE』を受け取っていただきたいなと思いますし、第九の新たな魅力を受け取ってほしいと思います。そして、来年、再来年と興味を持っていただけたらうれしいですし、第九を歌える人が増えるのはすてきだなと思います」

――松岡さん、三ツ廣アナウンサーは、学生時代の合唱体験などで印象に残っていることはありますか?

松岡 「実は合唱祭での指揮もピアノも経験があります。ピアノを習っていたので、小学生の時は、『翼をください』を弾かせてもらいました。当時は、全校生徒が歌う中で、ピアノを弾ける生徒が何人かで割り振られていて、子ども心に、『私がリズムを間違えたら歌っているみんなに迷惑がかかるかも?』と、プレッシャーを感じながら弾いていました(笑)。でも、そうやってみんなで一つの音楽を作り上げることの楽しさを感じたことは今でも覚えています」

三ツ廣 「学生時代、合唱祭にはよく参加していました。学級委員を務めることが多かったので、歌の練習をクラスでまとめる役割も担っていました。ただ、音楽に関しては全くの素人だったので、指導というよりは『みんなで頑張ろう』という声掛けをしていた記憶がありますね。指揮も2度ほど経験がありますが、本当に見よう見まねでやっていたという感じです。イベントには前のめりに参加するタイプでした(笑)」

――今年のテーマ「BIG LOVE」について、具体的にどのような思いを込めて選ばれたのでしょうか?

佐渡 「『BIG LOVE』には、家族や大切な友人への愛情、音楽に対する情熱など、多くの意味を込めています。私自身、兵庫や東京、ウィーンなどで活動し、多くの人々と関わる中で支えられてきました。その感謝の気持ちや、音楽を通じて感じる愛情がこのテーマに繋がっています。音楽は頭や心だけでなく体全体で表現するものです。特に1万人の合唱では、一人一人がそれぞれの思いを声にして歌い上げます。その声は、大変な思いをしている人への応援であり、祈りでもあります。そうしたすべての思いが一つになり、まさに『BIG LOVE』というテーマにふさわしいと考えています」

――松岡さん、三ツ廣さんにとって、「BIG LOVE」を感じたエピソードを教えていただけますか?

松岡 「過去に、大切な友人への思いが『BIG LOVE』だと感じた出来事があります。その友人を中心に、彼女の親しい友達を集めたサプライズパーティーを開いたことがありました。彼女を軸に、会ったことのない友達同士が集まる中、一緒に飾り付けをしたり、食べ物を準備したりしながら『これが好きだよね』『これは絶対こう言うよね』と考えて準備しました。それぞれが親しいわけではなかったのですが、友達への思いがその場にいた全員に伝わったことで、愛情に満ちた時間となり、結果的に大成功でした。その瞬間、『これがまさにBIG LOVEだな』と実感しました」

三ツ廣 「『BIG LOVE』とは少し違うかもしれませんが、私には幼稚園からの幼なじみがいます。その幼なじみのお兄さんがサントリーで働いていて、『1万人の第九』について『社内でも話題になっているよ。頑張ってね』とメッセージをくれたんです。その言葉をもらった時、大きな愛情を感じ、とてもうれしかったです。また、本番の日には私の母親も会場に来る予定です。こうした多くの方々からいただく愛情を力に変えて、この公演に全力で臨みたいと思っています」

「1万人の第九」で初MC! 松岡茉優が語る「BIG LOVE」を感じた出来事とは?

【番組情報】
「サントリー1万人の第九~今伝えたい BIGLOVE~」
MBS・TBS系
12月14日 午後4:00~4:54

取材・撮影/S・Y(TBS・MBS担当)文/斉藤和美



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