松下洸平「信頼し合えるかどうかはすごく大切」ドラマ「放課後カルテ」インタビュー②2024/11/16 08:00
松下洸平が主演を務める「放課後カルテ」(日本テレビ系)から目が離せない。小学校の保健室を舞台に、ぶっきらぼうな小児科医の牧野(松下)が、その観察眼で子どもたちの「見えないSOS」を見抜き救っている。
10月19日に放送された第2話では、実際に生徒の1人がAED(自動体外式除細動器)を操作して救命活動を行う姿がノーカットで放送され、緊迫シーンが反響を呼んだ。「子どもも大人も抱える悩みは同じ。家族や友人、周りの支えがあってこそ、僕たちは立っていられるんだ」というメッセージをドラマを通して届けたいと語る松下に、中盤以降の見どころや、「モノ作り」に対する考え方をインタビューした連載の第2回目を届ける。
――8月のクランクイン前にお話を伺った時、「柔らかくて優しい光が差し込むようなあったかい作品にしたい」とお話しされていましたが、放送が始まり周囲からどんな感想が届きましたか。
「『すごくリアルなストーリーで、とても面白い』と声を掛けてくださる方が多いです。それはプロデューサーや監督、脚本家をはじめとする多くのスタッフさんたちが、子どもの置かれている立場や抱える問題、病気の症例なども含めて、丁寧にリアルに作り上げているからだと思います。あと、子どもたちのお芝居がとてもすてきなので、そこも、この作品のリアリティーが見ている方に伝わっている大切な誘因だろうなと思いました。第2話で出てきたAEDを使いながら電話をするシーンは、鈴木(勇馬)監督のこだわりで、BGMも一切入れずに、実際に周りに人がいない場合、どれくらいの時間、胸骨圧迫やAEDを使い続けないといけないのかを、すごく長い尺を使って表現しているんです。そこに気付いて熱心に見てくださる視聴者の方も多くいらっしゃって、非常にうれしい気持ちになりました」
――TVガイドの読者からは、ドラマを見て「泣いた」という反響が多かったのですが、その感想を聞いていかがですか。
「本当にありがたいし、うれしいです。子どもたちや牧野の真っすぐなところに心が動かされて涙してくださっている方が多いというのは、日々撮影していく中での支えになります」
――制作発表の際、「子どもたちのお芝居だけではなく、大人たちの成長もたくさん詰まっている」とおっしゃっていました。牧野先生は回を追うごとに、子どもたちと向き合われているように思いますが、何が牧野先生を変えているのだと思いますか。
「(過去に)小児科にいた時よりも子どもたちと接する時間が圧倒的に長いので、牧野自身も少しずつ変わっていくんだと思います。保健室に訪れるさまざまな子どもたちと接していく中で、彼らから教わることや感じることが多いんでしょうね。あとは、小学校の先生たちとの関わり合いも、牧野が気付きを得る場所の一つですね。特に篠谷先生(森川葵)が一生懸命子どもたちと向き合おうとするあまり、追い詰められたり、空回りしてしまう姿を見て、牧野自身も自分では気付かないうちに心動かされ、成長しているんだと思います。今日はまさに牧野が篠谷先生を診察しようとするシーンの撮影(第6話/11月16日放送)でした。病気を診ようとする牧野に対し、篠谷先生が“今”欲しているのは病気の治療というよりは内面的なケアだったり。でも、牧野は性格上、心のケアまではできず(笑)、どうしたらいいか分からないんです。そういうことと向き合うことで、周りから見たら分からないかもしれないけれど、彼にとっては少しの変化が生まれ始めているのかもしれません。保健室での経験から、ちょっとだけでも何かを吸収してくれたらうれしいなと思って演じています」
――牧野先生は子どもたちと寄り添い、向き合おうとしています。松下さんは人と関わる上で、何が大切だと思いますか。
「信頼し合えるかどうかはすごく大切だなと思います。僕自身も信頼してもらいたいと思いながら仕事をしています。僕は、セリフを覚えてお芝居をすることはできますが、企画を立てたり、脚本を書いたり、撮影をしたり、編集をしたり…お芝居以外のことはできません。それぞれにプロフェッショナルな方たちが集まって一つの作品を作っていく中で、大切なのは、僕を信頼して委ねてもらえるか、そして、僕自身も周りを信頼して委ねることができるかどうかだと思っています。作品を作る時や人との関わりで、そこは大事にしています」
――これまでで印象に残っているセリフはありますか。
「いっぱいありますけど、そうですね…。第2話で牧野が子どもに対して伝えた『命は大切に扱わないといけない』というセリフですね。シンプルですが、牧野だからこそ言えるセリフだなと思っていて。牧野が言うことで、できるだけ多くの方に伝わればいいなと思って言いました。だからこのセリフはすごく好きですし、大切にしています」
――制作発表で白衣と眼鏡、ヘアスタイルがないと牧野は成り立たないとおっしゃっていましたが、牧野を意識して猫背にもされていますよね?
「やっぱり撮影の合間に眼鏡を外すと牧野でもないし、松下洸平でもない、誰なんだろうという不思議な感覚になります。猫背は、わざとやっています(笑)。原作を読んだ時、牧野が割といつも白衣のポケットに手を突っ込んで、気だるそうに歩いているようなイメージだったので、それを意識しています。多分、ああいう歩き方は、牧野の持って生まれたものなのではないかと思っています」
――牧野先生とご自身との切り替えは、どのタイミングでされていますか?
「カットかかった瞬間、牧野から松下洸平になります。そういう意味では、オンオフが割と分かりやすいほうです。牧野は基本的に前髪を下ろしているので、目の表情が見ている人に分かりずらいんです。なので、なるべく眉間にしわを寄せることで気持ちを表現するようにしています。でも最近、普段もちょっと眉間にしわが寄るようになってしまって…。無意識のうちにそこは(役を)引きずっているかもしれないです(笑)」
――普段どういうテンションで台本を読まれていますか。
「基本的にはまっさらな気持ちで読むようにしています。台本を俯瞰(ふかん)で見た時に、自分自身がどう感じるのか、なるべく難しいことは考えずに、このドラマの一ファンとして読んでいます」
――台本を読んで“ウルウル”きちゃうことはありますか。
「はい。『放課後カルテ』は特に毎話毎話、グッとくるものがあります。やっぱりその時に感じる感情は大切にしたいので、1回目に台本を読み終わった時に、自分がどこでグッときたのか、どこで感動したのかを忘れないようにしています」
――ありがとうございました。この先も、TVガイドWebは松下さんを追いかけます。信頼=相手に委ねるという松下さんの言葉が深く心に残りました。
【洸平’s カルテ #2】松下さーん、もう少し見どころを教えてください!!
6話は篠谷先生の回になります。「働く」ということ、「健康でいる」ということについて取り上げています。今までは子どものけがや家族の話、病気や命などがテーマでしたが、今回は、篠谷先生が働くことを優先するが故に、心身ともに追い詰められてしまいます。働くことと健康でいることを両立できる人ってなかなかいないし、これは多分、何かを一生懸命やる人たちにとって、すごく共感性の高い話だなと思っていて…。今日、(撮影で)篠谷先生の姿を見ながら、全ての働く人に見てほしいなと思いました。一生懸命になればなるほど健康のことを忘れがちですが、どう向き合って上手に両立していくのかをあらためて考えるきっかけになったらうれしいです。
【プロフィール】
松下洸平(まつした こうへい)
1987年3月6日生まれ。東京都出身。魚座。A型。趣味は料理。俳優、アーティストとしても活動中。
【番組情報】
「放課後カルテ」
日本テレビ系
毎週土曜 午後9:00~9:54
【プレゼント】
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【締切】2024年12月14日(土)正午
【注意事項】
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取材・文/Mayu.O(「放課後カルテ」連載担当) 撮影/蓮尾美智子 ヘアメーク/増澤拓也(スタジオまむ) 衣装/加藤美紀
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