「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン」ノーマン・リーダス【今月のSPOTLIGHT】2024/10/19
大ヒットドラマのシリーズ屈指の人気キャラクター
ゾンビが徘徊する終末世界でのサバイバルを描き、世界中で大ヒットを記録した「ウォーキング・デッド」。その中心人物と言えるダリル・ディクソン役で、日本にも大勢のファンを持つのがノーマン・リーダスだ。シリーズ開始当初こそ、浅はかな差別主義の荒くれ者として描かれたダリルだが、ノーマンは彼を不完全だが憎めず、共感を呼ぶキャラクターへと成長させることに成功。11シーズン続いたシリーズ終了時のダリルは、屈指の人気キャラクターとなっていた。
そんなダリルを主人公にしたスピンオフドラマが、その名も「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン」。昨年の9月、シーズン1がお目見えした本作では、「ウォーキング・デッド」の舞台だったアメリカを離れ、フランスに漂流したダリルが新たな脅威に立ち向かうことに。ただし、“新たな脅威”とは言ったものの、フランスを悩ませているのもアメリカと同じくゾンビ。ダリルは現地で出会った人々の事情に関わり、争いに巻き込まれ、時に命の危険にさらされる状況に陥りながらも、ゾンビの群れをかいくぐっていくことになる。
シーズン1で印象的だったのは、ひょんなことから運命を共にすることになる少年・ローランとダリルの関係。ダリルと幼いキャラクターたちの交流にほっこりする場面は「ウォーキング・デッド」にもあったが、ダリルとローランのやりとりはまさに心くすぐられるもの。ある思惑と事情により、ローランをさまざまな危機から守っていく役目を負うダリルを、ノーマンが魅力的に演じている。これまで通りぶっきらぼうで、そっけなくもあるが、どこか優しく、結局は味方になってくれるのが、ノーマンの作り上げたダリルという人。体の大きなダリルと小さなローランのビジュアル的コンビネーションにもにっこりさせられる。ちなみに、ノーマン自身は25歳の息子と5歳の娘を持つ父親。今は幼い娘と遊ぶ時間を何より楽しんでいて、一緒に東京ディズニーランドへ行ったり、ハムスターを育てたりもしているそうだ。
シーズン1から続く「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン シーズン2 -キャロルの書-」には、「ウォーキング・デッド」を経て、固い絆を結んだ盟友・キャロルが登場。現在は離れ離れになっているダリルとキャロル、それぞれの旅路にスポットが当たる。2人が再会するか否かにより、物語も大きく変わっていくだろう。フランスの少年と不器用に交流するダリルの姿も、もう少し見ていたいのだけど…。今後の展開が楽しみだ。
【プロフィール】
ノーマン・リーダス(Norman Reedus)
1969年1月6日生まれ。米・フロリダ州出身。「処刑人」(99年)とその続編「処刑人II」(2009年)のマーフィー・マクマナス役で映画ファンに人気。そのほかの出演作に「ブレイド2」(02年)、「トリプル9 裏切りのコード」(15年)など。オースティン・バトラーらと共演した「ザ・バイクライダーズ」(23年)が11月29日に日本公開される。
文/渡邉ひかる
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