「3000万」安達祐実も驚き! 青木崇高が一緒に入浴するほど愛していたものとは…?2024/10/05
NHK総合にて、10月5日にスタートした土曜ドラマ「3000万」。2022年にNHKが立ち上げた脚本開発特化チーム「WDRプロジェクト」から生まれたクライムサスペンスだ。コールセンターの派遣社員として働く佐々木祐子(安達祐実)と夫の義光(青木崇高)、息子の純一(味元耀大)の日々の生活はギリギリ。そんな中、佐々木家をある不幸が襲い…。この時、ちょっとした出来心から選択を誤ったことで、その後の生活は一変。祐子たちの目の前に次々に現れるくせ者たちが、平穏な日常を狂わせていく。
今回は、そんな夫婦を演じる安達さん&青木さんへのインタビューを敢行した。
――まずは、撮影に参加された感想を教えてください!
安達 「最初に企画を頂いた時から、すごく面白いなと思いました。ドラマの中の出来事は非日常ですが、私が演じている祐子は普通の主婦で。こういう役を演じたことが少なかったので、すごくうれしかったです。NHKでドラマの主演をやらせていただけるのはこれが最初で最後かもしれない、という意気込みで撮影をさせていただきました。楽しみながらみんなで作ったのですが、自信を持って皆さんに薦められるものができました」
青木 「僕のキャリアの半分以上はNHKだと思うのですが、NHKらしいドラマでないどころか、日本のドラマらしくもない挑戦的で挑発的な作品だなと思いました。こういう仕事をやっている以上、野心的なチームで取り組めたことが本当に幸せでした。全力を注いだつもりです。皆さんにも面白いと思っていただけたら、それ以上の幸せはないですね」
――どの辺りが挑戦的、挑発的と感じられたのでしょうか?
青木 「倫理的にも危ういドラマをNHKが作っているのがすごいですよね。すんなり企画は通ったんですかね(笑)。物語はどんどんといろんな展開をしていくのですが、こんな展開は日本のドラマでもあまり見たことがないと感じました。海外ドラマにも決して負けない、とにかく良質さを追いかけているドラマだなと。(台本の)読者としてもすごくワクワクしましたし、これを実際に映像にするということにおいて、『さらに面白い映像にしないといけない』といいプレッシャーを頂きました」
――お二人がもし“3000万”を手にしたらどうしますか?
安達 「私はとりあえず全部貯金しておきます」
――1万円だけ使ったり、貯金があるからといって気が緩んでしまうこともなさそうですか?
安達 「やっぱり(子どもの)学費とかそっちの方に頭がいってしまうので、取っておこうと思ってしまいますね」
――青木さんはいかがですか?
青木 「どっかに家を買っちゃうとか。東京じゃなくて、北海道とかゆったりできる遠いところに。もしくは、全部を旅行に使い切るって決めて、無理にでもいろんなところに行くとか」
安達 「一個一個の旅行は別に贅を凝らしたものじゃなくてもいいんですか?」
青木 「そうそう、いっぱい行きたいなって。3000万円あったら、相当いろんな旅に行けるし」
――どんなところに行きたいですか?
青木 「世界一周したいですよね」
――居酒屋に貼ってある、世界一周のクルーズ船のポスターのような…。
青木 「あれでは使い切れないですよね。(笑)。途中下船したりとか、気球に乗ったりとか、いろんな選択肢がありそうですよね」
――今作、本当にリアルだなと感じる描写が多かったのですが、お金のにおいを嗅ぐシーンは共感できなくて…。お金のにおいを嗅いだことはありますか?
安達 「ないです(笑)」
青木 「僕はあります。中学生の時にお小遣いをもらって、100円玉の手触りがたまらなく好き過ぎて、ずっと触っていたら、気付いたらお風呂に一緒に入っていました。ちょっとヤバいでしょ?(笑) 100円玉という物体に対する愛情がお金の価値を超えてしまうというか。100円玉のデザインがすごく好きだったんです」
安達 「100円玉のルックスが好きだったんですか?」
青木 「そうそう。縦の模様とか、桜の感じがずっと触っていられる。気付いたらお風呂も一緒に入っていました(笑)」
安達 「初めて出会った人だ(笑)」
――お金のにおいを嗅ぐシーンは共感しながら演じていたんですね!
青木 「嗅ぐというか、擦り当てたい、直接的に感じたいっていうのは共感できますね。お金って不思議ですよね。換金して初めて価値が生まれるのに、その手前にある権利だけで幸せな気分になるっていう」
安達 「使わないと意味ないのにね」
青木 「そう。なのに、これさえあれば安心って思って。顔に擦り当てたくなる感じはすごく分かります。放したくないって」
――安達さんがリアルだなと共感したシーンはありますか?
安達 「子どもとの場面や夫婦の場面は、日常の延長みたいな部分もあって、リアルな感情になることが多かったですね」
青木 「『人に言えないけど、夫婦をやっているとこういうことってあるよな~』が台本にあるので、『他の家でもあるんだ』って思いました。実際演じて、スタッフの方から『あれリアルだったわ』と言われると、手応えを感じつつ、もやもやしてしてしまうという(笑)」
――今回、夫婦役として共演された感想を教えてください。
青木 「言葉が適切かどうか分かりませんが、とてもやりやすかったです。ビジュアル的にも、背が大きい小さいで面白いなと思いましたし…。微妙なやりとりや互いのキャラクターの認識も早かったように思いますし、この距離感で接するのにチューニングも必要なかった感じで、とても楽しかったです」
安達 「夫婦間で、ドラマの中で言い争ったり、ぶつかり合ったり、けんかをする場面がちょこちょこ出てくるんですけど、そういう撮影の後は2人ともちょっともんもんとして、男女って違うよね、夫婦ってこういうことあるよねとお話ししていたんですけど。私は話している時に論点をずらされるのがすごく嫌なのですが、(青木演じる)義光がそういう役で。青木さんは芝居がすごく上手なので、絶妙にイライラさせてくるんです(笑)」
青木 「役柄として共感できる部分が多かったですね。結局、男と女は違うんだな、ということが僕たちの間で唯一一致した意見でした」
安達 「撮影としてはすごくいい場面が撮れたのに、スッキリしない状態で帰るっていう(笑)」
青木 「いや楽しかったです。本当に!」
――撮影で大変だったシーンがあればお伺いしたいです。
青木 「僕は見ていないんですけど、祐子は意外にアクションシーンがあって。だんだんと激しくなっていくよね」
安達 「いろいろありましたね」
青木 「撮影の都合上、家のセットのシーンが連日続いて。第1話の口論と第2話の口論のシーンを1日で撮影することもあって、精神的に疲労することもありましたね。本当に緻密な台本なので、今、自分の精神状態がどの段階にあるか、彼女の優先している価値観は何なのかをチェックしながらのけんかが続くと、調節が難しかったです。特に祐子に関しては、本当にいろんな要素が関わっているのでより大変だったと思います」
安達 「めちゃくちゃ難しいなと思いながらやっていました。やっているとその時の感情に左右されてしまうところが結構大きいのですが、その場で抱いた感情と、表現するべきことが必ずしも一致しているわけではないので、あまり自分の感情に頼り過ぎないように気を付けています」
――最後に、今作の見どころを教えてください!
安達 「この作品では急に90度角度が変わるような展開になったり、あたふたしながらもその場で決断していかなきゃいけないことがたくさん起こるのですが、人間ってみんなそういうことの繰り返しだよねと。ドキドキハラハラだけでなく、共感しながら見ていただけると思います。ワンシーンも気を抜かないで作った作品なので、見ている方も気の抜けないドラマになっていますし、飽きさせない自信もあります」
青木 「今回の刺激的な脚本の面白さというのは、演者だけではなく、スタッフも関係者もみんな感じています。そんな脚本のおかげでコミュニケーションも自然と多くなって。現場では表方も裏方も結束して、ドラマ作りに向き合っていたと感じました。僕、最初の顔合わせの時に『このドラマはきっと伝説のドラマになる』と宣言したのですが、本当に伝説のドラマになると思います。最後の8話までしっかり見ていただければと思います」
――ありがとうございました!
【取材後記】
取材直前に「たけのこの里」を召し上がっていた青木さん。安達さんの「たけのこ派なんですか?」で会話が盛り上がりました。青木さんは長年たけのこ派で、最近「きのこの山」のおいしさに気付き今は両方お好きだそう。過去には「すぎのこ村」という商品があったという豆知識まで教えてくださいました! ちなみに、安達さんはきのこ派だそうです。
【プロフィール】
安達祐実(あだち ゆみ)
1981年9月14日生まれ。東京都出身。幼少期よりCM、テレビドラマなどに出演し才能を発揮。1994年、12歳で主演した「家なき子」(日本テレビ系)が大ヒットし社会現象となる。翌年の劇場版では、第18回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。CM、ドラマを中心に活躍中。10月17日からは、出演作「ザ・トラベルナース」(テレビ朝日系)が放送開始する。11月28日には「推しの子」(Amazon Prime Video)が配信予定。25年放送の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(NHK総合ほか)に、吉原の女郎屋「大黒屋」の女将・りつ役で出演する。
青木崇高(あおき むねたか)
1980年3月14日生まれ。大阪府出身。2007年、連続テレビ小説「ちりとてちん」(NHK総合ほか)で注目を集め、「龍馬伝」(10年)、「平清盛」(12年)、「西郷どん」(18年)、「鎌倉殿の13人」(22年)など、大河ドラマに多数出演。近年の映画出演作には「ゴジラ-1.0」(23年)、韓国映画「犯罪都市NO WAY OUT」、「ミッシング」「蛇の道」「龍が如く」(24年)など。2025年には大阪・関西万博のスペシャルサポーターを務める。
【番組情報】
土曜ドラマ「3000万」
NHK総合
毎週土曜 午後10:00~10:49
NHK BSプレミアム4K
毎週土曜 午前9:25~10:14
※NHKプラスにて、放送後1週間配信
NHK担当/Kizuka
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