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所ジョージ「いつも何らかの刺激を受けて楽しいです」――「所さんの目がテン!」2024/10/02

所ジョージ「いつも何らかの刺激を受けて楽しいです」――「所さんの目がテン!」

 身近なテーマに対して、科学の視点からアプローチする教育番組として1989年10月1日に放送を開始した「所さんの目がテン!」(日本テレビ系)が、10月の放送で35周年を迎える。現在まで放送回数1700回以上を数える同番組に出演する所ジョージに、長寿番組を続ける秘訣(ひけつ)を聞いた。

――35周年を迎えた今の気持ちをお聞かせください。

「長いこと日本テレビで仕事をしているなぁと思います(笑)。実は、目がテンの前にも番組をやっていて。『世界まる見え!テレビ特捜部』とか、一時期あんまり日テレばかりで仕事をしていたから、『それって日テレ』(※かつて同局で使用されたキャッチコピー)にかけて、『俺って日テレ』と言っている時がありました(笑)。だって、新社屋が建つ前からですよ。まだ日本テレビに鉄塔が立っている時から仕事をしていたので、長く仕事をしているなと思います。こういう(周年記念的な)ものがあると振り返るけど、自分のことってあまり振り返らないタイプなんです。1日1日、一生懸命暮らすのがやっとですよ。『今日、なんか面白いことがあるんじゃないかな?』とか、楽しいことに飢えているから、あんまり振り返らないんです。だって動き過ぎでしょう! 時間を感じていたら、今頃、僕は死んでいると思います(笑)」

――10年の歴史のある「かがくの里」や、新企画の「目指せ!いきものの森」など、精力的に取り組まれていますが、今後の「目がテン!」に期待することをお聞かせください。

「『かがくの里』に、いろんな虫や動物が来たらいいなとか、そういう気持ちは全くなくて。秋の収穫祭の時に、おいしい物が食べられたらいいな、とかとかそんなことぐらいしか考えていません。たまたまいろんなことをしていたら、あの場所がだんだん循環していって良くなったというだけですよ。最初から僕らは計画を立てていた訳ではないですし。一つ一つやっていった結果、今がありますが、都合の悪いことは放送していませんからね(笑)。以前里山に行った時、柿が食べられると言われたけど、『あの柿は渋柿だから食べられないよ』って散々口を酸っぱくして言ったのに、番組で柿をむいて『どうですか』って聞くんですよ。だから『渋い!』って言っているのに、3回も食べて。でも、柿の話は放送しなかった! だから言うことを聞け! ってことなんですよ(笑)。長く生きているんだから、渋柿だって見て分かってるんだから、止めろってことですよね(笑)」

所ジョージ「いつも何らかの刺激を受けて楽しいです」――「所さんの目がテン!」

――「かがくの里」はこれまでたくさんの方々に支えられてきましたね。

「支えてくださったというか、あの方たちが全てやってくれています(笑)。本当ですよ。畑って毎日見ないと駄目だし、田んぼに水が減ったら、井戸水を加えたりとか。周りに住んでいる方たちの協力がないと成り立たないですから。今後、建築家の隈研吾さんが設計したかやぶき屋根の家が建つでしょう。そうしたら、全国から隈さんの作品をみんなが見に来たいと思ってあの場所がバレちゃうかもしれない。セキュリティーとかどうするんだ! ってことにもなる。ということは、あの地域に住んでいる方たちが目を光らせてくれないと保全できないと思います。いろんな人たちが見学に来るようになって、かやぶき屋根の家が最悪、ひどく荒れることになったら、僕が黙って自分の土地に移築します(笑)。隈さんの建築物はなくなりません(笑)。半分くらい駄目になって荒れてきたら、見切りをつけて僕のものにします。当たり前でしょう! 僕はね、責任感がありますから。決して欲じゃないですから! 隈さんの建築物がほしい訳じゃありませんよ!(笑)」

「決められたことを言うのは自分じゃないと思っている」

――長きにわたり番組が愛されてきた理由は何だと思いますか?

「朝7時というまだ皆さんの目がボーっとしている時間帯の放送というのはあります。これがゴールデン(※午後7:00~10:00の時間帯の俗称)だったら、多少私も身構えるでしょう(笑)。朝ご飯を作っていて、水道の音にテレビの音が消されている感じがちょうどいいのだと思います。そんな気を張らずに聞かなくてもいい時間帯だし、かといって、ちょっと耳に入ってくる情報は間違いなくいい情報として残る。そこが皆さんのレギュラーになっているんだと思います。あと、僕はテレビ番組ってスタンダードが基本だと考えていて。その時のニュース性のあるものにしがみついちゃうと、そのニュースと一緒に終わっていっちゃうこともあるから、これからもスタンダードな疑問が続くといいなと。そして、僕が収録の時にカンペ(※カンニングペーパー)を見ないのは、作家が書いたものに従いたくないから(笑)。借りを作るのが嫌っていうか、流れや進行とか大筋は台本を見るけど、決められたことを言うのは自分じゃないと思っているので、つまらなくなっちゃう。大体のところで流れていけばいいなと。他の番組でもそうだけど、それは35年前からずっと同じです。だから最初に言いますよ、カンペいらないからって(笑)。だって、1時間や2時間は世間話できますからね、僕は。24時間しゃべっていろって言われたらずーっとしゃべっていられますよ。だから、台本はなくても、テーマだけ頂ければいいです。世田谷ベース(※こだわりが詰まった所が建てた仕事場兼遊び場)での収録の時も、カメラマンはその日に何をやるか分からない状態で『ただ来ればいいから』って言って来てもらいます。思いつきですよね(笑)」

所ジョージ「いつも何らかの刺激を受けて楽しいです」――「所さんの目がテン!」

――35年前、番組のオファーが来た時のことを覚えていますか?

「面白い話だと思いましたよ。これまで深夜とかゴールデンの時間帯はやっていたけど、朝はやったことがなかったので。この時間帯でやることに興味はありましたね。あとは、教育番組だから僕も勉強になりますし。スタッフの皆さんと打ち合わせをするじゃないですか。私もくどいから(笑)、そこでテレビを見ている人に(内容が)分かりづらいとか、実験を撮るにしてもこちら側に都合のいい実験だから、『こうしないといけない』とか。そういう話し合いが楽しかったですね。今もありますよ。『こうだったら(視聴者に)伝わらないよね』とか。でもスタッフも慣れたもので、僕が何か言っても聞いていないから(笑)。また言っている! みたいな感じですよ」

――これまでの企画の中で印象深いものは?

「時々、小中高生をスタジオに呼んで実験をする機会があるんですが、子どもたちの表情や反応が見られる回がたまにあるのはいいですね。毎週だと、やつらも慣れてくるのでうるさいですから(笑)。でも、子どもたちの実験に驚かされることもあって、そうなるんだ! ってワクワクします。初めの頃は里山に行くのも面倒くさいと思っていましたが、今は行きたい! って思います。ワクワクが増してくるというか、ある程度整備されると、この男(所自身)はその気になるみたいね(笑)。初めの頃、先が見えない時は面倒くさかったけれど、あれ、いい展開になってるんじゃないの? って感じになると、さもずーっとやってきたようにノってきました(笑)。印象に残っていることは、この番組って必ず最後にスタッフが考えた料理を用意するんですが、全部まずいんですよ。絶望的にまずいんです(笑)。余計なことをするなよと思うんですが、スタッフは懲りずにチャレンジするからすごいなと思います(笑)。だけど、里山で獲れたものだけで作った納豆は本当においしかった! ああいうのがいいんですよ。手が加わっていないそのまんまを出してほしいです」

――この番組を機に、影響を受けたものはありますか?

「僕が普段気になっていることって、テレビ受けしないんですよ。だから、自分が気になっていることは、なかなかこの番組では扱われないです。逆に僕は、いつも何らかの刺激を受けています。だから楽しいです。テレビ局に来るのが楽しくて好きなんですよ。逆に、一番緊張するのは家ですかね(笑)。娘の目線とか、親としての立場を考えると緊張しちゃいます(笑)」

――所さんにとって「目がテン!」とは?

「レギュラー番組なので収録日も同じじゃないですか。僕は自分でスタジオまで運転して来るのだけど、来る道も同じだし、帰る時間もだいたい同じで、もう生活に組み込まれています。この先は…自分が元気で笑えている内は、(番組を)やるつもりです。だってそうでしょう。さすがに調子が悪くなったら辞めますよ。息絶え絶えでやりたくないし、周りに心配されてまではやりたくないですからね!(笑)」

――ありがとうございました。

【プロフィール】
所 ジョージ(ところ じょーじ)

1955年1月26日生まれ。埼玉県出身。水瓶座。「世界まる見え!テレビ特捜部」「1億人の大質問!?笑ってコラえて!」(ともに日本テレビ系)など出演多数。また、シンガー・ソングライターとしての活動や、“遊びの天才”の所が毎日を楽しくするヒントを教えるYouTubeを配信するなど、多岐にわたり活躍中。

【番組情報】
「所さんの目がテン!」
日本テレビ系
毎週日曜 午前7:00~7:30

【プレゼント】

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【締切】2024年11月2日(土)正午

取材・文/Mayu.O(日本テレビ担当)



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