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藤木直人、音楽デビュー25周年! 初の武道館と全国ツアー 感動の瞬間とファンへの思い2024/10/04 06:00

藤木直人

 ホームドラマチャンネルでは、藤木直人の音楽デビュー25周年を記念して、初の武道館公演などを含めた節目となる5公演を5カ月にわたり放送します。さらに、自身の52歳の誕生日の7月19日に東京・豊洲PITで行われた全国ライブツアー「Naohito Fujiki Live Tour ver14.0 BE FREEの模様やスペシャルインタビューも届けます。

 俳優業と並行し音楽にも情熱を注いできた藤木さんに、今年のライブツアーや音楽への思いを聞きました!

――音楽デビュー25周年、おめでとうございます。どのようなお気持ちですか?

「僕は俳優活動が主軸なので、胸を張って25年間音楽をやってきたと言える人間ではないし、25年という数字にはあまり重きを置いていないです。数字よりも、25年という時間をどう過ごしてきたかが大切な気がしていて。俳優業をスタートさせて、ファンの方にはずっと『音楽をやりたい』と話していたので、デビューが決まった時は『約束を果たせた』とほっとした気持ちを抱いていました。そこからずっと無我夢中で走り続けてきた、という感じです。でも、音楽と出合っていなければ、僕はこの世界にも入っていなかったかもしれないし、こんなふうに音楽活動をしていなかったかもしれない。そう思うと、なんだか感慨深いです。この前、20周年を祝ったばかりなのに、もう25周年なんて、時の流れは早いですね(笑)」

藤木直人

――藤木さんの音楽との出合いを教えてください。

「家にピアノがあったり、小学校の高学年では金管バンドに入っていたので、楽器は生活の身近にあるものでした。高校に入った頃、双子の兄が友達から『“GIGS” CASE OF BOØWY』というライブビデオを借りてきて、それを見て“なんだこれは!?”という衝撃を受けたんです。これまで歌謡曲しか目にしたことがなかったので、これが僕にとって初めて触れたロックであり、バンドでした。それからはBOØWYに夢中になって、当時の僕は軟式テニス部だったので、テニスラケットを持って“布袋ごっこ”をしたりもしていて(笑)。ギターを初めて弾いた時の感動も、いまだに覚えています。そんな憧れの布袋(寅泰)さんに、新曲の『BE FREE』という曲を書いていただけたことは、ここまで頑張ってきたご褒美かもしれませんね。高校時代の僕に言っても絶対に信じないだろうけど(笑)」

――今年7月のツアー「Naohito Fujiki Live Tour ver14.0~BE FREE~」のタイトル曲でもある『BE FREE』の制作秘話を教えてください。

「今回のツアーは原点回帰という思いがあり、僕にとっての原点と言えばBOØWYであり布袋さん。そこで新曲はサビにキャッチ―なワードがきてギターのビートサウンドが響く、そんな“BOØWYっぽい楽曲を作りたい”と思っていたんです。そこでディレクターから、『せっかくなら布袋さんにお願いしてみたらどうか』という提案があり、『無理だろうな』と思いながらお願いしたところOKをいただけて! 今までなかなかタイミングが合わなかったので、すごくうれしかったです」

藤木直人

――これまでコンスタントにライブを開催されていますが、ライブの演出を手掛けられるようになったのはいつ頃からですか?

「2004年の『Naohito Fujiki Live Tour ver6.0 ~まっしろいカンバス~』あたりからですね。本当に何も知らずに飛び込んだので、『自分が動かないと何も始まらないんだ』ということに気付くところからのスタートでした(笑)。そこからはより能動的に動くようになった気がしています」

藤木直人

――演出で心掛けていることは?

「もちろんライブは“生もの”なので、何もかも忘れて楽しめるかと言われると、そうではない。常に全体の流れを考えているし、自分のコンディションも含めて不安はつきもの。でも、(お客さんが)来てくださるからには思いっきり“楽しい”を提供したいと思っています。だからこそ、ファンのみんなが求めているものは意識しているポイントです。でもそれだけではなく、どこかにアレンジを加えたり、サプライズを入れることが必要だと感じていて。“僕が踊ったらみんな驚いてくれるかな?”とダンスをしてみたり、弾いたことがないピアノを弾いてみたり、そうしたいろいろな驚きを用意するようにしています。でもそれらをマストにしてしまうと驚きがなくなってしまうので、その期待をどう裏切るかを大切にしています。とは言え、これだけやっていると驚きを生み出すのも難しいんです(笑)。なので、ツアーが終わるとすぐに『次はどうしようかな』と探していますね」

――セットリストで意識しているポイントは?

「時間を長く感じてほしくないんですよ。だから、ダラダラしないことかな(笑)。本当は、音楽だけで成立するならMCなしでコンパクトなライブにしたいくらい。もともとしゃべりたい人間じゃないですから。でも僕は音楽だけでシーンを作れないと思っているから、あらゆる手段でカバーする。もしくは、『おしゃれイズム』(日本テレビ系/05~21年)などのトーク番組を見て僕を好きになってくれたファンの方にそういう自分を提供したいと思うから、頑張って話しています。でも曲間など音楽で詰められるところは、シビアに詰めるように決めています」

藤木直人

――「Naohito Fujiki Live Tour ver14.0〜BE FREE〜」は、7年ぶりにバンドだけのシンプルなライブ構成に。

「今回のライブはギターソロが多いし、少し飽きてしまうかなという懸念もありました。でもこれが僕のやりたかったことだし、“楽しい”を提供するには、まず僕自身が楽しむことが大切だとも感じていて。ファンのみんなに甘えて、存分に楽しませていただきました(笑)。僕自身もバンドメンバーも本当に楽しいライブツアーになりました。今回のセットリストのポイントは、布袋さんからの『BE FREE』はもちろん、ライブで披露した『JUSTY』。僕が『BOØWY Tribute』というアルバムに参加させていただいた時の1曲なのですが、なかなか自分のライブで演奏する機会がなく、やるならこのタイミングしかない、と。僕が高校生の頃、夢中になった楽曲を、35年経ってステージで披露できているなんて、改めてすごいことですよね」

――「楽しい」という思いが存分に伝わる公演でした。

「役を演じて作品に入る俳優活動とは違い、音楽活動は自分により近い所で楽しんでいるような気がしています。だって、プロのミュージシャンと一緒に音が出せるなんて本当にぜいたくなことだから。それに加えて、僕の音楽を求めてくれて、ライブを楽しみにしてくれる人がいるなんて本当に幸せなことだと感じています。そう思ってくれる人がいるなら、僕はライブを続けていきたいんです。あと、今回のライブで感じたことと言えば…ギターがうまくなったかもしれない(笑)。当然、もっと上手な方はたくさんいるけど、つたないなりに練習を続けてきて、ライブでずっとギターを弾いてきたからその成果が出たんじゃないかなと思っています」

――客席が声を出して歌った「パーフェクトワールド」。コロナ禍を経て、あそこまでの声出しは初めてでした。

「『声を出していい』と許可が下りるまで、あの曲はずっと取っておいたんです。ファンの方にとっても思い入れのある曲だと思うから、ようやく一緒に歌うことができて安心しました。あそこで感極まって涙を流してくださる方もいたし、そういったシーンを作れたことはすごくよかったです」

藤木直人

――客席の盛り上がりは、25年続けてきた賜物かもしれませんね。

「ありがたいことに『ファンの方の盛り上がりがすごい』と褒められることも多いので、僕としてもすごくうれしいし、誇らしいです。ファンのみんなが『この曲はこういうふうに盛り上がろう』と考えてくれて、それが浸透していった結果ですよね。ライブはリアクションがリアルに分かる場所なので、それも僕の励みになっています」

――12月には初武道館公演「NAO-HIT TV Live Tour ver7.0~KNOCKIN’ON SEVENTH DOOR FINAL IN 日本武道館~」も放送されます。

「NAO-HIT TV Live Tour ver7.0〜KNOCKIN’ON SEVENTH DOOR〜FINAL IN 日本武道館」藤木直人

「僕はバンドスコアを買って、家でコピーしているようなタイプだったので、ライブにほとんど行ったことがなかったんです。だから僕自身の武道館への思い入れはそれほどなくて(笑)。でもライブ構成を任されるようになって、武道館の重みを感じたし、『このステージに立てるんだ』という驚きもありました。人生の中で、武道館という場所でライブができたという経験をさせていただいて、本当にありがたかったです。でもあの場所を『ライブハウス』と言い切れるのは、氷室(京介)さんだけでしょう!(笑)」

――俳優とミュージシャンの二足の草鞋(わらじ)を履いて活動されていますが、そのうえで何か気付きはありましたか?

「僕は俳優業を頑張らないと、ライブはできないというふうに考えていて。音楽デビューをすると聞いた時は、すごく簡単に『売れちゃったりするのかな!?』なんて考えていたのですが(笑)、結局は必要とされるかそうでないかで判断される世界。そのためには『藤木直人』としての価値をどう構築するかだと思い、それには俳優業の頑張りが必要だなと感じました。それに音楽業は、より才能が必要な場所な気がしていて。作品のピースとして俳優が存在するのに対し、音楽の責任は僕自身に降りかかってくる。もちろん仕事として真剣に取り組んでいますが、今は僕の中では音楽活動は肩の力を抜いて、リラックスして楽しむ場所。だからこそ、思い切り皆さんと楽しみたいという気持ちが強いのかもしれません」

藤木直人

――そんな藤木さんのもう一つの顔が楽しめる、ライブ放送が楽しみですね!

「試行錯誤してきた痕跡でもあるので、ライブをご覧になっていただき、僕の新しい一面を知ってもらえたらうれしいですね。ただ、自分としては昔のライブ映像を見るのは好きではないんですけど…。つたない部分もあるし、若くて無知だからこそ輝いていた部分も今の僕にはまぶしすぎるから(笑)。各ツアーごとにチャレンジはしてきたつもりなので、そこも含めて楽しんでいただきたいです」

藤木直人

【プロフィール】

藤木直人

藤木直人(ふじき なおひと)

1972年7月19日生まれ。千葉県出身。1995年に映画「花より男子」でデビューし、以降は「ホタルノヒカリ」(日本テレビ系/07、10年)、「ラスト♡シンデレラ」(フジテレビ系/13年)、連続テレビ小説「なつぞら」(NHK総合ほか/19年)、「アンチヒーロー」(TBS系/24年)など話題作に出演。10月18日スタートのドラマ「D&D~医者と刑事の捜査線~」(テレ東系)では主演を務める。役者業と並行し、音楽活動を開始し、99年「世界の果て~the end of world~」でCDデビュー。06、07年には、2年連続での武道館単独ライブを敢行。今年6月19日には「BE FREE」をリリース。

【番組情報】
<音楽デビュー25周年記念 藤木直人LIVEセレクション

「Naohito Fujiki Live Tour ver 14.0 BE FREE」藤木直人

「Naohito Fujiki Live Tour ver14.0 BE FREE」<2024年7月19日/豊洲PIT>
10月6日 午後6:30~7:45


「音楽デビュー25周年藤木直人スペシャルインタビュー」藤木直人

「音楽デビュー25周年藤木直人スペシャルインタビュー」
10月6日 午後7:45~8:00 ほか


「〜NAO-HIT TV Live Tour ver5.1〜夏歌冬泣」藤木直人

「~NAO-HIT TV Live Tour ver5.1~夏歌冬泣」
11月24日 午後8:00~10:15


「NAO-HIT TV Live Tour ver7.0〜KNOCKIN’ON SEVENTH DOOR〜FINAL IN 日本武道館」藤木直人

「NAO-HIT TV Live Tour ver7.0~KNOCKIN’ON SEVENTH DOOR~FINAL IN 日本武道館」
12月放送予定


「NAO-HIT TV Live Tour ver9.0〜10 COUNT TOUR〜」藤木直人

「NAO-HIT TV Live Tour ver9.0~10 COUNT TOUR~」
25年1月放送予定


「NAO-HIT TV Live Tour ver13.0〜L-fifty-〜」藤木直人

「NAO-HIT TV Live Tour ver13.0~L-fifty-~」
25年2月放送予定

取材/TVガイドWeb編集部・小林揚 文/小林揚 撮影/藤木裕之
ヘアメーク/大渡八千代 スタイリング/古田ひろひこ(chelsea films)



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