小芝風花「谷崎警部(北村有起哉)がかわいいんです」――「事件は、その周りで起きている」 2024/10/02
普段コント番組を制作している「LIFE!」スタッフが手掛けたコメディードラマ「事件は、その周りで起きている」(NHK総合)のシリーズ2が、9月30日から4夜連続で放送されることが決定。刑事モノですが、事件を一切解決しない斬新なドラマです!
舞台となる、ある地方の小さな警察署・新月署に勤務するのは、人に頼ることが苦手な若手刑事・真野一花(小芝風花)と効率重視のバディ・宇田川和人(笠松将)、謎多き元科捜研のエース・向田舞(倉科カナ)、白バイ隊員に憧れ、真野に片思い中の交通課警察官・徳大寺玲央(蛙亭・中野周平)、そして、真野と宇田川の上司・谷崎誠(北村有起哉)。彼らの周辺で毎回さまざまな“小事件”がぼっ発します。
TVガイドWebでは、4回にわたって小芝さんのインタビューをお届けしてきましたが、今回はついに最終回! 各話の見どころや、小芝さんが真野に共感できるところなどをたくさん伺いました。
――第3話はガサ入れで評価を気にする谷崎のエピソードですが、撮影はいかがでしたか?
「第3話は、ただただ谷崎警部がかわいいんですよ(笑)。谷崎警部はいつも周りの目を気にしていて、年上の人や強い人には弱くなる。しかも、部下の真野に対しても気を使って、散々振り回されてやつれてしまう。有起哉さんの表現する谷崎警部の出し抜きの加減がすごく絶妙で、その絶妙な感じがふんだんに詰まっている回でした」
――倉科カナさん演じる向田さんのこだわりの強さにも注目してほしいですね。
「向田さんの前で科捜研のことを“鑑定室”と言ったら怒られるんです(笑)。捜査への探求心やプライドがすごくて、事件が解決していてもなお『何かがあるはず』と疑っていろいろ調べるんです。その調べは無駄に見えて実は無駄ではなく、伏線になっていることが多く、きちんとつながっているのもすごく面白いですよね」
――倉科さんと久しぶりに共演されていかがでしたか。
「倉科さんとは21歳の時にご一緒させていただいたことがありますが、変わらず明るくて奇麗で面白い方です」
――第4話の、物が捨てられない真野のエピソードも印象的でした。
「第4話は真野と宇田川の性格がはっきりと出る回だと思います。物を思い出、財産と捉える真野と物をゴミと捉える宇田川のやりとりは、感情型の真野と理論型の宇田川そのものですごく面白いですし、演じていて楽しかったです。笠松さんは楽しい“間”をメリハリよく表現してくださるので、それに対して気持ちよく突っ込んだり、否定したり、怒ったりしようと思いながら演じました」
――真野は物が捨てられない人なのですが、小芝さんはいかがですか?
「私は捨てられる物と捨てられない物がはっきりしていて、断捨離は好きなのですが、台本だけは捨てられないんです。今まで出演したドラマの台本を全部取っているのですが、台本は意外と場所を取るので、何回も『もう処分しよう』と思ったことがあります。一旦段ボールに詰めてはまた戻すという…。何十年後かにテレビや雑誌で『デビューした作品の台本はお持ちですか?』と聞かれたらどうしようと思って、いい加減処分しなきゃと思いつつ真野と同じようなことをしています(笑)」
――逆に、真野に共感できないところはありますか?
「ルイボスティーを出す回(第1話)もそうですし、第2話の親しくない人の結婚式用のビデオメッセージを送るシーンもそうですが、うそがつけないところです。たとえば、優しいうそと、人をおとしめるうそがあるじゃないですか。真野は“優しいうそでも悪いうそでもうそはうそだから”と融通が効かないんです。でも、私は楽しくていい雰囲気が好きなので、親しくない人でも親しい感じで『おめでとうございます!』と言っちゃいます(笑)。でも、真野のような、真っすぐで何事も曲げない人は、最近あまりいないのかなと思いますし、すごく変わっているのに“自分は至って普通で正しい”と揺るがないところが愛らしくて好きです」
――もし、シリーズ3が決まったらやってみたいことはありますか?
「ずっとこのままで続けたいです。よくシリーズものになると『さらにパワーアップして帰ってきました』と言いますが、今までと何も変わらず、このゆるい感じでずっとやっていきたいです(笑)」
――ありがとうございました!
【番組情報】
夜ドラ「事件は、その周りで起きている シリーズ2」
NHK総合
9月30日~10月3日 午後10:45~11:00
【プロフィール】
小芝風花(こしば ふうか)
1997年生まれ。大阪府出身。2011年に「ガールズオーディション2011」でグランプリを獲得して芸能界入り。 12年にドラマ「息もできない夏」で女優デビュー。主な主演作に、「トクサツガガガ」(19年/NHK総合)、「妖怪シェアハウス」(20年/テレビ朝日系)、「彼女はキレイだった」(21年/フジテレビ系)、「大奥」(24年/フジテレビ系)など。12月27日公開のアニメ映画「ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い」で主人公の王女ヘラ役の日本語吹き替え版を担当。25年の「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(NHK総合ほか)で大河ドラマ初出演予定。
取材・文/Kizuka 撮影/尾崎篤志
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