12周年を迎える「LIFE!」、内村光良とムロツヨシの対談が実現!2024/09/09
今年9月で放送開始から12周年を迎えるコント番組「LIFE!」(NHK総合)。記念特番「LIFE!12周年SP」を9月16日と23日の2日間にわたって放送することが決定。12周年SPの放送に向けて、座長の内村光良と創成期メンバーのムロツヨシの対談が実現! 公私共に深い仲のお二人に、「LIFE!」について熱く語っていただきました。
――まず、お二人が考える「LIFE!」とほかのコント番組の違いはどういったところでしょうか?
内村 「各テレビ局による違いを感じますね。フジテレビでもコントをやることが多かったですが、NHKの方が細かいです。いい意味でフジテレビは、1発撮りで押し切っちゃうみたいなところがよくありました。「LIFE!」の方が慎重派といいますか、コツコツと構築していく感じがあります」
ムロ 「僕はスタジオコントに参加させていただいたのは「LIFE!」が初めてですが、内村さんたちから聞いたのは、セットですね。朝ドラや大河のセットをそのまま借りている時もあって、すごいことだなと思いました。あと、僕は畑が役者で、ドラマや映画の共演者の方たちに『僕もいつか「LIFE!」に参加してみたい!』と言われることがよくあって。役者にとっても興味がある世界なんだろうなって。1本長回しで撮影するので、ドラマや映画とは撮影形式も違っていて、(『LIFE!』のゲストとして参加した)役者も最初はみんな緊張していますね」
――スタジオコントの魅力はどんなところだと思いますか?
内村 「暗くて、ほこりまみれの汚いところで作っていることです(笑)。暗いところで、笑いを作っていくのが自分は性に合っているんですよね。昔から、この世界観が好きで、同じことを進化もなく好きでずっとやっているんです」
ムロ 「“みんな楽しけりゃいいじゃん”というのはまた違っていて。言語化するのが非常に難しいんですけど、独特な緊張感があるんです。最初は、その緊張感に負けていましたけど、経験を重ねて、その緊張感の中で自分が何ができるかっていうのを考えるのがやっぱり好きです。内村さんの映画の作品にも参加させていただいたこともありますが、コントは映画やドラマとは違った雰囲気があります」
――お二人がコントの絡みで印象に残っているものはありますか?
内村 「意外にも今までムロくんとのコンビ物がなかったんです。別に僕がNG出していたわけじゃないんですけど(笑)。『オモえもん』のように、星野(源)くんとムロくんのコンビのシリーズが多くて。だから、(僕と)ムロくんとのコンビがないのが不思議だったんですけど、今も覚えているのは、DJブースで向かい合って、ムロくんがボロボロと涙を流していて。『ああ、この人は役者さんなんだ』と認識した記憶があります」
ムロ 「すみません。僕も感想言いたかったんですけど思い出せなくて…。僕は、エレベーターの中でカップ焼きそばをメガネで食べるというコントが印象に残っていますね。エレベーターのセットの中で、密室だったので、すごく記憶に残っています。楽しかったです。僕にとって内村さんはずっとテレビの前で見てきた人間だったので。僕はテレビの向こう側に行ける人間ではなくて、内村さんがレギュラー番組やっているときに僕は、東京・お台場のフジテレビの真ん中の球体スペースで迷路を作る大道具のバイトをしていたんです。昔はテレビ局の中にも入れなかったんですけど、エレベーターの中で2人きりで撮影している時に、『内村さんとコントをやってる!』と感動しました」
――お二人はプライベートでも飲みに行くほど仲が良いと伺いましたが、内村さんから見て俳優・ムロツヨシの魅力を教えてください!
内村 「仲良くなったのはここ数年ですね、コロナ禍が明けてから共通の知り合いを通して。ムロくんは、『(売れて)いっちゃったな』って。寂しかったですよ。俺と、ココリコ・田中(直樹)と、ドランクドラゴン・塚地(武雅)の3人だけは卒業しないけど、あとはみんな売れていっちゃうんですよ。でも、ムロくんみたいに活躍して、こうやって帰ってきてくれるのが、うれしいですね。はたしていつまで続けられるのか分かりませんが、もうちょっと(俺の)体が動くうちは参加してもらいたいです」
ムロ 「僕も『LIFE!』での経験がなければ(2023年大河ドラマ『どうする家康』で)豊臣秀吉になっていなかったでしょうから。座長もそうですけど、いろんなことを経験して、またその経験値を持って参加させていただけて、暴れたり、皆さんを支えられる人間になれたらいいなと思って過ごしています」
――ムロさんから見て、内村さんの魅力はどう感じていますか?
ムロ 「やっぱり変わらないですよね。柔らかくて、怒ることや声を上げることは一切ないので。その中でも、ずっとこの番組が続いて、緊張感やクオリティーが変わっていかないところは、内村さんが見せる背中の大きさだと思います。今回、3年ぶりに参加させていただいて、継続の素晴らしさを再確認しました。ずっとやってきた経験で、みんなに無言で伝えてくれてるところもあるんだろうなと思います。言葉ではないからこそ伝わっているものがあるんだろうなと思います」
――コント番組が少なくなっている中で、「LIFE!」が続いている理由をどう考えていますか?
内村 「一時期、毎週やっていた時期は、危なかったですね。質が落ちていって、シリーズものばっかりで。これは疲弊していって危ないと思ったんで。やっぱり、約2カ月に1回ぐらいのペースにしてから質が維持されるようになったのかなと。大変なんですよ、ネタを作り続けて生み出していくっていう作業。ごめんなさいね、真面目な話ばっかりで。でもこのペースが、続けられている理由ですかね」
ムロ 「生み出すことの難しさは嫌というほど分かっていますので作家さんも含めての準備力といいますか。台本、演出、アイデアを準備してくださったり、毎回しっかりと見てくれる方に新しいチャレンジや面白いものを届けたいという意思を持ってスタッフさんが準備してくれているからだろうなと思います」
――これまで本当にいろんなチャレンジを続けていますが、今後の「LIFE!」で挑戦したいコントを教えてください!
ムロ 「『オモえもん』はまだ続いても良かったんじゃないかという思いもあって、またやりたいですけどね。今回は内村さんとコンビもできましたが、もっと内村さんとも新しいシリーズができるように頑張りたいです」
内村 「やっぱり今までと変わらず。ムロくんとこの間撮ったコンビでのコント『最強コンビ』は、数年後に評価されると思います。1回見ただけでは分からない面白さがあるので。数年後に火が付くと思います(笑)」
ムロ 「びっくりしましたよ。後ろで急に小声で、『ムロくん、これは数年後評価されるよ』とささやかれて(笑)。僕は”今”頑張っているのに」
内村 「畳屋のコントが最近、私のシリーズ化になっているんですけど、人気投票で、フラフープの西田尚美に僅差で負けたんです。悔しくてしょうがなくて。畳屋を超えるようなコントができたらなと!」
――最後に、今後の「LIFE!」に期待することを教えてください!
ムロ 「この世界で継続がどれほど難しいことか、怖いぐらい分かっているんです。面白いというものの変化が激流のように変わっていく時代の中で、それでもアンテナを立ててコントというものを作っていくことはとても大事だと思います。時代の変化は怖いですが、怖さを知りながら、見て見ぬふりする部分も、受け入れる部分も両方とも持っていってコントを作っていただけたら。僕も参加させてもらう時は、そんな怖がりを持ちながらやっていきたいなと思います。『LIFE!』にはそんな場所を期待しています」
内村 「少しのことでたたかれてしまう時代ですけど、ギリギリを攻めて行く姿勢は恐れずにやっていけたらなと。加減が非常に難しいかと思いますけど、あまりひるまずにやっていけたら意味があるのかなと。あと、私の体力がいつまで持つのか。健康であり続けなきゃいけないですね。もうちょっとは体力が大丈夫だろうと思うので、続けられるように頑張っていきたいです」
ムロ 「座長には頑張ってもうちょっと続けていただきたいですね。これからも水泳に通っていただいて、一緒にご飯を食べて体力維持しながら頑張ってください。応援しています!」
――ありがとうございました!
【番組情報】
「LIFE!12周年SP 第一夜」
NHK総合
9月16日 月曜 午後9:30~10:15
「LIFE!12周年SP 第二夜」
NHK総合
9月23日 月曜 午後10:00~11:14
取材・文・撮影/Kizuka
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