Feature 特集

小泉今日子&小林聡美、50代の幼なじみ2人の日常をユーモラスに描いた友情物語「団地のふたり」2024/09/05

小泉今日子&小林聡美、50代の幼なじみ2人の日常をユーモラスに描いた友情物語「団地のふたり」

 藤野千夜氏の同名小説を基に、2人の50代女性による温かくユーモラスな友情物語をドラマ化した、プレミアムドラマ「団地のふたり」(NHK BSプレミアム 4K・NHK BS)に出演中の小泉今日子さんと小林聡美さん。

 大学非常勤講師の太田野枝(小泉)とイラストレーターの桜井奈津子(小林)。団地で生まれた2人は、保育園からの幼なじみ。若い頃はいろいろあったけれど、50代独身の2人は、実家のある昭和な団地に戻って来た。ノスタルジックな雰囲気が漂う中、現代人が抱えるリアルな問題を、切なくも温かく、リアルに描いている。舞台となった団地の魅力や作品の見どころ、そして、10代の頃から共演を重ねてきた小泉さんと小林さんの関係性など、さまざまな話を聞いた。

――“ノエチ”と“なっちゃん”は、団地に愛着があってこの暮らしを楽しんでいますが、実際に団地でロケをしていかがでしたか。

小林 「ロケをさせていただいた団地は、住んでいる皆さんが丁寧に手入れをしていてとてもいい雰囲気でした。団地が建てられた当初からある木の幹が太くて、大切にされているんだなと思いましたし、花壇も遊具もきちんと手入れされているし、気持ちよかったです」

小泉 「住んでみたいと思いました。家の周りに植物があれば、昆虫や小鳥がよってきて、その鳴き声が聞こえて癒やされるし、夏には子どもたちがプール場みたいなところで水浴びをしていて賑やかだし」

小林 「一つの世界が出来上がっているみたい」

小泉 「商店街が各方面にあって便利だし、お団子屋さんがおいしいんですよ」

小林 「そう、1本50円の串団子! 過疎になっている団地もあるみたいですが、ああいうふうにみんなで奇麗に整えると付加価値がついて住みやすくなるなと思いました」

小泉 「地に興味を持った若い人たちが集まって、コミュニティーができて、団地が活性化していったらいいよね」

小泉今日子&小林聡美、50代の幼なじみ2人の日常をユーモラスに描いた友情物語「団地のふたり」

――人間関係が希薄になってきたと言われがちな現代ですが、団地に住んでいると人との関わり方もうまくなりそうですね。

小泉 「団地に限らず、最近はさまざまなところで小さなコミュニティーみたいな活動が盛んになっているような気がします。団地もその一つなのかもしれないので、このドラマを見て影響があったらすてきだなと思います」

小林 「自分から、何かに関わろうと思って行動することが大切だと思うし、おせっかいかなと思うようなことでも躊躇(ちゅうちょ)しないで関わっていけたらいいのかも」

小泉 「そうですよね。困っている人がいたら『大丈夫ですか』と言える人が増えたらいいね」

小林 「そういうことをしてみたら自然とコミュニティーになっていた、みたいなのが理想なのかな。人と関わるのが怖いと思っている人も多いかもしれないですけど、私たち世代は図々しく人と関われるので、これからも図々しくやっていきたいなと思います」

――この作品に携わって感じた団地の問題点だったり、心に残ったことはありますか。

小泉 「原作では描ききれなかった団地というコミュニティーを通して見えてくる社会みたいなものは、ドラマでフォローできているような気がして、台本が上がってくるのが楽しみでした。毎話、いろいろな問題が起こるのですが、印象に残っているのは、親の介護問題です。自分も経験をしているので切実だなと思って撮影していました」

小林 「ちょうど私たち世代は親の高齢と向き合う世代でもあるし、実際、団地でロケをしてみたら、1人で買い物に行ったりする高齢の方がいて心配になりました。あと、ベランダを見れば暮らしぶりが分かったりするのですが、この部屋はだれも住んでいないのかなと、気になったりして。現実ではヘビーなテーマでもあるのですが、このドラマはハートウオーミングなテイストで届けられているのではと思います」

――ノエチとなっちゃん、演じてみて2人の生き方をどう感じましたか。

小泉 「実際になっちゃんみたいな友達がいるんです。その方は自由業で、親が残した家に住んでいるんだけど…」

小林 「私の周りは、結婚して自分の家庭を築いている方の方が多いかも」

小泉 「結婚したけど、ノエチみたいに出戻って実家で暮らしている友達もいるな。そんな環境でも自然に受け入れて、特殊な感じはしないですね。だから、ノエチとなっちゃんの生活も、同じ気持ちで見ている感じです。しょうがないよねという感じかな」

小林 「ノエチとなっちゃんみたいに、気の置けない友達がいるのはすごく安心すると思う」

――50代で独身で実家暮らしとなると現実世界では周囲からあれこれ言われてしまうようなシチュエーションもありそうですが、そういったプレッシャーはどうやってはねのければいいと思いますか。

小泉 「はねのける必要なんてないと思って生きているのが、ノエチとなっちゃんなのかな。幼い時から同じ団地に住んでいて、みんな知っている。ノエチが離婚して出戻ったという事実は、一度、その時に団地中に広まって、その洗礼は受けているんです。その洗礼を受けてから、もう20年以上経っているから、今は静かな海って感じ。その凪に至るまでのザワザワは経験済みなんです」

小林 「なっちゃんは結婚はしてないけどね…」

小泉 「なっちゃんは『あの人、何の仕事をしているんだろうね。スーツを着ているの見たことないよ』みたいに言われているんだよ」

小林 「そう言われていても、自分がそれでいいと思っていたら気にならない。言ってるなみたいな、あなたには分からないでしょみたいな」

小泉 「受け入れちゃえばいいんじゃない?」

小林 「受け入れちゃうの?」

小泉 「ノエチは大学教授じゃなくて非常勤講師なんだけど、団地のおばちゃんたちからは大学教授、大学教授と言われて、何度も『非常勤講師なんですよ』と説明しても直らないから、しょうがないなという感じで受け入れちゃう。そういうシーンが結構あるんですけど、人に何かを言われる以上に、自分が楽しいことだとか、持っている信念があれば、それでいいのかなと達観している55歳の2人って感じで描かれています」

小林 「それですね! 自分が楽しいと思えることがあれば、周りの人にどう言われてもいいのではないでしょうか」

小泉 「きっと、若い頃の方が大変だよね。50代は静かな海ですよ」

小泉今日子&小林聡美、50代の幼なじみ2人の日常をユーモラスに描いた友情物語「団地のふたり」

――お二人は何度か共演経験があると思いますが、今回は幼なじみという役どころでしたね。

小泉 「以前共演したドラマで、聡美さんが私のお兄さんと結婚して親戚になるみたいな設定はあったよね。幼なじみではないけど」

小林 「あった! もう、友達関係以外考えられないね。今作は幼なじみということで、大人ならではの無意識に気配りしちゃったりとか、そういうことをしなくても本当に楽な関係性でいられる大人同士で気が楽でした」

小泉 「私と聡美さん、実年齢も同じ学年なんですよ。だから予備知識がなくても、曲名とかが出た時に打ち合わせをしなくてもパッと話が合わせられるみたいな。幼なじみ感は元々持っているかもしれない。それは役を作っていく過程とか台本をどう面白くしようかなという上でストレスなくできました。実際に出会ったのは16~17歳だったんです。それから40年くらいのお付き合いなので幼なじみに近い関係かもしれないです」

小林 「10年置きぐらいに共演してきたよね」

小泉 「初めての作品が10代で、その後、20代、30代、40代、50代とちょっとずつ共演する作品が増えてきたね」

――だからでしょうか。お二人のやりとりがすごく自然で、本当に仲良さそうな関係性がにじみ出ていました。

小泉 「でも、私たちも知り合いではあるけれど、しょっちゅう会ったり、普段からメールや電話をしたりとかはないです。お仕事をしている時は楽しいけれど、役は役だから。お互いのプライベートは知らないことが多いです」

小林 「同世代というのもあるから息があったのかも」

小泉 「子どもの頃に見ていた世界とか経験してきたことが同じでも、共有できる人とできない人がいるけれど、聡美さんとは共有できてラッキーだった」

小林 「好きなことや嫌いなこと、これはちょっと恥ずかしいぞということ、あと、趣味だったりも、多分、合っていたんだと思います。これがバカっぽくて面白いとか、それを面白がる人間とか、そういうところのセンスが近いから演じていて息が合っていたなと思います」

――10代で出会って、実際にお付き合いしていく中で、お互いがどういう存在になっていったのかを教えてください。

小泉 「出会ってから、ゆっくり慎重に関係を進めてきたという感じです。仲良くなって電話番号を教え合うみたいな瞬間は一度もないです。すごく慎重だったから、今ここに来て確固たるものになってきているという印象ですね」

小林 「仕事場で接するうちに、小泉さんの生きざまみたいなものに触れてきたので、いい加減な気持ちで接することができないのです」

小泉 「私も同じ気持ちです」

小林 「そんなことに気付けるのも、長い間かけて少しずついっしょに仕事に取り組んできた中から感じられることであって、本当に小泉さんと仕事ができるなんて誇らしいですよ。小泉さんから生でいろいろなことがもらえるんですよ!」

小泉 「聡美さんは、いつもどんな時も私を肯定してくれるんです。否定をしない人という印象です。それがどんなにうれしいことか、本当にありがたいと思います」

小林 「小泉さんは、『大丈夫だよ』と言って、私の足りないところを大きな懐で支えてくれる。だから私も『これでいいな』と思える。そういう安心感があります」

小泉 「私も安心感があります。私は無頓着に生きているのですが、聡美さんはきちんとされているのですごく助けてくれるんです」

――今作では、ノエチの両親役の橋爪功さんと丘みつ子さん、ご近所役の由紀さおりさんや名取裕子さんらベテラン勢とも共演されましたが、現場の雰囲気はいかがでしたか?

小林 「最近どの現場に行っても最年長だったので、今回は久しぶりに後輩気分を楽しめました」

小泉 「ノエチのお兄ちゃん役の杉本哲太さんと同級生役の仲村トオルさんとは、実年齢が同じで実際に同級生だったので、同窓会的な気分で4人で話しているとき、ちょっと胸がキュンとしましたね」

小林 「同じ年同士で集まっちゃったねと、感動しました」

小泉 「橋爪さんたち先輩方は、皆さん元気ですてきなんですよ。オシャレだし。丘さん、由紀さんともさまざまな話を撮影の合間にしたりして、本当に幸せでした。名取さんもそうですが、やっぱり先輩方の話を聞ける機会があるのはうれしいですね」

小林 「本当に、楽しかったです」

小泉今日子&小林聡美、50代の幼なじみ2人の日常をユーモラスに描いた友情物語「団地のふたり」
小泉今日子&小林聡美、50代の幼なじみ2人の日常をユーモラスに描いた友情物語「団地のふたり」

――ドラマの中で印象に残ったセリフやシーンはありますか?

小泉 「全部です!」

小林 「ノエチが、自分が書いた本が売れないからネットのフリマサイトで販売しようとするシーンで、安価で購入されたとしても、1人でも自分の本を読みたいと思ってくれてた人がいるのはうれしいみたいなセリフがあるんですけど、その言葉がポジティブで救いになることがあるなと思いました」

小泉 「誰か1人でも欲しい人がいるということを気付けるなんて、ネットのフリマサイトはいいシステムだよねってノエチが言うんだよね。あと、本当に団地が美しくて、あそこの団地から見える夕日とか、その周りの自然とか、“団地時間”みたいなものが切り取られていて、そういう世界観も好きでした」

――食事のシーンも多いですが、印象に残っている料理があればお伺いしたいです。

小林 「何をいただいてもおいしいんですよ。フードスタイリストさんが、手の込んだ野菜の精進料理みたいなものを作ってくださるのですがどれもおいしい。年越しそばは、シンプルなのにおだしが格別でした。カットがかかると新しいおだしに交換してくださるんですが、そのたびに初めて食べたみたいな感覚になって感動しちゃいました」

小泉 「お豆腐のステーキもおいしかったです。お豆腐はよく買うけれれど焼くという発想がなかったから、これは家でも作ろうと思いました」

小林 「そういうヒントになる食事がいっぱいなんですよね」

小泉 「かき氷もおいしかったね」

小泉・小林 「全部おいしいです!」

小泉今日子&小林聡美、50代の幼なじみ2人の日常をユーモラスに描いた友情物語「団地のふたり」

――ところで、今回はノエチ役が小泉さんでなっちゃんを小林さんが演じると決まった時、どう思われましたか?

小泉 「出演が決まって原作をいただいて読んだ段階で、『どっちがどっちの役だと思う?』と、2人で話したのですが、2人とも『どっちもありだよね』と言っていたんです」

小林 「ね、どっちもありかなって」

小泉 「私がなっちゃんで、聡美さんがノエチ役でもおかしくない。だから、2人を混ぜて出来上がった、一つのキャラクターというか…」

小林 「そんな一つのキャラクターを分けて2人にした、そんな感じがしています。どっちがどの役になっても違和感なくできたのではないかな、というぐらいどちらも近しいテイストがある役ですね」

――撮影をされていく中で見えてきた、ご自身が演じる役の人物像があれば教えてください。

小林 「私は途中で分からなくなってきました」

小泉 「そうなんですよ。私も途中から分からなくなったので、目の前に起こっていることに反応することに集中しようという気分になっていました。最初は模索しながら演じていたのですが、そこに2人のやりとりや、団地の住人たちとの絡みとかが加わってくると、なんだか分からなくなってきて、この中で生まれるノエチを楽しもうと思いました」

小林 「導入部分で、なっちゃんはこういう人だなって視聴者の方に伝われば、多少のブレは多めに見ていただけたら…」

小泉 「中盤から後半にかけて、2人がけんかをするシーンがあるのですが、そこで初めて2人の深い性格が分かったりね」

小林 「こういうところでイラッとしていたんだ、とか、そういうところで人物像が改めて分かるということが途中でありました」

小泉今日子&小林聡美、50代の幼なじみ2人の日常をユーモラスに描いた友情物語「団地のふたり」

――衣装やインテリアの打ち合わせでアイデアを出されたりしたのでしょうか?

小泉 「セットに関しては、プロデューサーの八木康夫さんがこだわりがあるそうでお任せしました。同じ間取りでも住む人によっていろいろな生活があるというのが団地ならではで、それをドラマの中でお伝えできるのがすごく面白いなと思いました。ノエチとなっちゃんの家以外にも、ものすごくおしゃれなお部屋だったり、引っ越してきたばっかりで物がないお部屋だったり、同じ間取りでも色々なパターンにできるという楽しみがあります。衣装に関しては、みんなで話し合いながら衣装合わせをして、できあがったという感覚です」

小林 「なっちゃんの衣装は大丈夫かな? ああいう50代いますか?」

小泉 「そんなことないよ」

小林 「ジャージにワンピースとか、私はすごくかわいくて好きなファッションなんですけど」

小泉 「高円寺とか、イラストレーターの人とかクリエイティブな人が多いし」

小林 「なっちゃんイラストレーターだもんね。すごくかわいいし、今日はどんなのを着せてもらえるんだろうと思って私は楽しかったです」

小泉  「なっちゃんは自由業だからああいう感じのスタイルで、ノエチは大学に行ってるからきちんとしたスーツ姿。団地の中では“座敷わらし”と呼ばれているノエチをどう表現するかとなった時、なっちゃんが割とガーリーだったので、ノエチはボーイッシュにカレッジ系のTシャツにしようとか、みんなで話し合いながら決まっていきました」

小林  「楽しかったです。何を着ていいか分からない世代ですが、自由でいいんだと、なっちゃんから教わりました」

小泉  「自由でいいと思います!」

小泉今日子&小林聡美、50代の幼なじみ2人の日常をユーモラスに描いた友情物語「団地のふたり」

――ノエチとなっちゃんは、自由でシンプルな暮らしをしているイメージですが、お二人は憧れの暮らしがあったりしますか。

小泉 「私は、土をいじったり土の上を歩くとか、自然の中で生活したいです。ノエチとなっちゃんは55歳なんですけど、実際の私たちはもうまもなく60歳なので、これからどんな暮らしをしようかなというのを、ちょうど頭の中で計画中というか考えていまして、やっぱり自然があるところとかに住むのがいいなと感じています」

小林 「丘さんが実際にそういうところにお住まいになられてるのでお話を聞いたのですが、1人だと体力的に難しいという現実もあったりして、その辺をどうするかというところが今の問題です。自然の中で暮らしたいけど1人の力ではね…」

小泉 「私は実家の方に帰れば必然的に自然と暮らすことになるから、そうすると知り合いや親戚もたくさんいるからいいんじゃないかと考えています」

――小泉さんが「少しだけの幸せの循環」とコメントされていましたが、お二人が考える幸せはどういったもので、その幸せの循環を可能にするには何が大切だと思われましたか。

小泉 「ノエチとなっちゃんは、団地の中ではまだ中堅みたいな場所にいて、ある人から見たら若手と言われて、それで先輩方の何かを手伝ってあげたり手助けできる世代。さらに、若い人が入ってきた時にはその若い人とその先輩方をつなげる役割もできる。ノエチとなっちゃんは独身で子どもがいないし、自分たちは世の中で役に立つことが少ないと思っている中で、少しお手伝いができたり架け橋になれたりすることが、自分たちにとっても幸せに感じるし、された人たちもちょっと幸せになれる。そういうことがこの物語の中で循環してるなと思いました。私自身が幸せだなと感じるのもノエチと同じで、この世界の中に生きていて、自分ができることを見つけられるというのが自分にとっての幸せだなと思います」

小林 「私もそうです。自分にとっての幸せや、幸せの循環というのは、自分が優しくしてもらってうれしかったことを、人にも同じように少し優しくしてあげて、それが循環していくのがいい流れなのかなと。本当に小さなことだと思いますが、何よりも心身ともに健康でいられると自分に余裕もでるし、余裕ができると人のことももっと考えられてあげられるし、そういうところから幸せが少しずつ広がっていくのではないかなと思います」

小泉 「その循環がどんどん大きくなって地球自体が円になったら、本当に幸せな社会になるのかなと思えたりしますよね」

小泉今日子&小林聡美、50代の幼なじみ2人の日常をユーモラスに描いた友情物語「団地のふたり」

――この作品ならではの注目ポイントや楽しみ方がを教えてください。

小泉 「やっぱり、同じ間取りなのに住む人や家具でインテリアがこんなに違うんだというのは毎回楽しみですね。プラス、その部屋にどんな人が住んでいるのか。これから登場するさまざまなキャストさんにも注目してほしいです」

小林 「ある世代の人には刺さる歌謡曲が出てきたり、あの時代にあれあったよねみたいな懐かしさとか、その世代の人が分かるようなキーワードみたいなものを拾いながら見ていただけたら面白いかも。若い人には分からないかもしれないですけど、ある世代には響くみたいな“あるある”を楽しんでください」

――最後に、若い世代の方へ向けた注目ポイントと、視聴者へ向けてコメントをお願いします。

小林 「ノエチとなっちゃんにも、20代、30代とか、その時代ごとにそれなりに大変なことがあって、もがいたり悩んだりしたと思うんですけど、いつの間にか50代になったらこんなに楽になっていったよ、みたいなことが待っているかもしれないですよと伝えたいです」

小泉 「今の若い方の中には、昭和の頃の文化に興味を持ってくださっている人たちもいる。インターネット上でタイムトラベルをしているような方たちにはグッとくるアイテムもいっぱい出てきます。懐メロとか、花柄の家電とかね」

小林 「原作の雰囲気をうまくドラマに仕上げてくださっています。ごく普通の日常を切り取って、余白の部分が多い物語です。団地という環境の中でいろいろな人が暮らしていて、その人たちの周囲との関わり合い方が温かいので、今の時代にみんなが求めているような、ホッとできるような関係性が描かれているところが、本作の魅力の一つなのではないかなと思います」

【番組情報】
プレミアムドラマ「団地のふたり」 
NHK BS/BSプレミアム4K
毎週日曜 午後10:00~午後10:49

取材・文/松下光恵



この記事をシェアする


Copyright © TV Guide. All rights reserved.