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松下洸平「柔らかく光が差し込むような作品に」ドラマ「放課後カルテ」インタビュー①2024/10/01

松下洸平「柔らかく光が差し込むような作品に」ドラマ「放課後カルテ」インタビュー①

 小学校を舞台に、松下洸平が超偏屈な学校医を演じる新ドラマ「放課後カルテ」(土曜午後9:00)が、10月12日から日本テレビ系で放送される。原作は日生マユの同名漫画。学校医として赴任してきた小児科医の牧野(松下)が、子どもたちの「見えないSOS」を鋭い観察眼で見抜き救っていく。「柔らかくて優しい光が差し込むようなあったかい作品にしたい」と語る、地上波ドラマ単独初主演の松下を、TVガイドWebでは3回にわたり取材。ドラマの紹介はもちろん、俳優・松下洸平の魅力をクローズアップする第1回目を届ける。

――座長としての心構えなどがあれば、お聞かせください。

「作品はみんなで作るものなので、座長として僕にできることはあまりないと思っています。大前提として、子どもたちも含めてみんなで作りたいです。だからこそ、そこに縛られない現場のあり方を心掛けていきたいです。やっぱり、いい評判も悪い評判もあって然るべきだと思うので、そこを一手に担う重圧はあると思いますが、そこばかりを気にして、楽しく『モノ作り』ができないのは嫌なので。現場では、子どもたちともスタッフの皆さんとも常に同じ目線で対等でいたいです。僕が皆さんから意見を頂くこともあると思いますし、子どもたちから教えてもらうことも多いと思いますが、あまり難しく考えずに、自分のキャパオーバーのことをしないように自然体で現場にいたいなと思います。これまで仕事をしてきて、主演をされている方は、良い意味で“主演然”としていなくて、すてきだなと思っていました。僕にも僕なりの“主演としての在り方”がきっとあると思うので、そこを見つけてやっていきたいと思います」

――医師役ですが、どんなイメージを持たれましたか。

「すごく難しいセリフにあふれた役だろうなと思っていましたが、牧野はあまり口数が多くないので、そこは助かっています(笑)。ときどき難しい医療用語も出てきますが、今回の作品はそこがメインではないと思っています。病気と向き合うことで分かる事、牧野の成長の物語ではあるけれど、命の尊さや大切さを届けられたらいいなとは思いつつ、あまり難しく捉えすぎるのではなく、身近に感じて柔らかくて優しい光が差し込むような作品にしたいです」

――学校医役を演じるにあたって、事前に準備したことはありましたか?

「原作の漫画を読んだ時、何となく学校が嫌とか授業がつまらないとかではない、何か別の理由で保健室に通う子どもたちがたくさんいるんだと知りました。なので、僕の周りにいる現役の小学生や中学生のお子さんを持つ方々に、話を聞いてみました。わんぱくな子はやっぱり毎日のようにケガをして、保健室で処置をしてもらっているということや、自分の教室に入りずらいお子さんが保健室に通っているというという話も聞くことができました。保健室はとても大切な場所なんだなという印象を受けたので、実際に聞いた話を参考にさせてもらおうと思っています」 

松下洸平「柔らかく光が差し込むような作品に」ドラマ「放課後カルテ」インタビュー①

――牧野先生の魅力は?

「うそをつかないところだと思います。うそがないが故にオブラートに包むことも知らないので(笑)、誤解を生むことも多々ありますし、人からやっかまれることはある。病院で働いていた頃は、それが原因で多くのトラブルを起こしてしまったことも。でも彼にとっては、それが正義であり信念なんですよね。社会生活を送る上では少し足りない部分もあったりするのですが、それが彼の性格であり、個性だったりもするのかなぁとか。でも、そこを魅力的に演じたいし、楽しみにしています。どれだけ振り切って演じることができるのか。嫌われる可能性もありますが(笑)、俳優として楽しいところだと思ったりもするので、思いっきり演じたいです」

――篠谷先生役の森川葵さんとの共演はいかがですか?

「とても潔いお芝居をされている方だと思っています。強い役も弱い役も全身全霊で体当たりで演じられている印象です。篠谷先生は、牧野がこんな感じなので、『多くの人はこう考えているよ』というように視聴者を代表するような目線を持つ方だと思うんです。すごく難しいと思いますが、そういう部分を森川さんがどう演じてくださるのかすごく楽しみです。時に思い切りの良さがある方だと僕は勝手に思っていますが、牧野と篠谷先生は結構口げんかをするんですよ。そのバチバチ感は、特に思い切りやりたいと思います(笑)」

大人になった時に思い出す先生だと思います

松下洸平「柔らかく光が差し込むような作品に」ドラマ「放課後カルテ」インタビュー①

――牧野先生は類いまれなる「観察眼」を持っていますが、松下さんご自身の、これだけはほかの人に負けない「観察眼」はありますか?

「体内時計にはかなり自信があります。現場内で、押しているのか巻いているのか(※スケジュールが遅れているのか、早まっているのか)、すぐ気付きます(笑)。みんな気づいていなかったりするんですが、『めちゃくちゃ押しているぞ』っていうのは、特に誰よりも早く気づけます。そこはすごく自信があります。『今日(※取材日当日)も巻いているぞ!』っていうのも、もちろん気づきました(笑)。別に早めようとしている訳ではないのですが、丁寧にやった結果、巻くっていうのは理想ですよね。やっぱり時間って大事だと思うんです。長くなればなる程、ちょっとずつ皆さん疲れてきちゃいますし。限られた時間の中で、丁寧にやりながら1分でも早く帰るというのを大切にしています(笑)」

――昔と今の小学生って、松下さんはどこが違うと思いますか?

「僕が子どもの頃は、今みたいに携帯電話もなかったし、テレビゲームはあったけど、今ほどネットワークでつながった環境ではなかったので、それと比べると今の子どもたちは自分の居場所が学校以外のところにたくさんあるなと思いました。SNSをやっている子どもや、スマートフォンを持っている子どももいて。いろんな場所があるから、もう一人の自分を抱えて生きている子どもたちがたくさんいるような気がします。僕が子どもの頃は、本当に学校と家しかなかったので、そこで一生懸命生きるしかなかった。でも、今の子どもたちはネットワークの中でも生きられるし、それに伴って関わる人間も多いはずなので、その分、大人たちと同じように人間関係で悩む子も多いのかなと思います」

――学生時代、松下さんにとっていい先生とはどんな先生でしたか?

「『許してくれる先生』というのが、思い返すと学生時代に何人かいたんです。例えば、自分が授業中に寝てしまったことを許してくれた先生や、放課後に遅くまで残って遊んだり、勉強したり、学校の校舎に残って友達としゃべったりすることを、時に許してくれた先生がいました。その先生たちに出会えたことは、僕にとってはとてもいいことだったと思います。『今日はいいよ、頑張ったから』というように、毎回許してくれるわけではなくて、特別な時に許してくれたような気がします。ある時、許すことの裏側を考えたら、初めて『大人ってすごいな』と思えたんです。いつだって怒っている訳ではなく、子どもではなく、一人の人間として僕を見てくれて接してくれていたんだなって。大人になって気づいた時に、その先生たちに対する感謝の気持ちでいっぱいになりました。あの時、1回だけ許してくれたから、今の自分があるのかもしれないと思うこともあって。そういう先生には今でも感謝していますし、自分も特別な時に『今日はいいよ』って言ってあげられるような大人になりたいと思います。牧野も、いい先生だと思います。もちろん性格的には理解するのに時間がかかると思いますが、大人になった時に思い出す先生だと思います」

松下洸平「柔らかく光が差し込むような作品に」ドラマ「放課後カルテ」インタビュー①

――松下さんは悩んだ時に、その悩みをどうやって乗り越えられてきましたか。

「その先にある自分を想像してきました。自分にとって悩んでいる時、その渦中にいる時は苦しいかもしれないけれど、その先に待っている新しい自分を想像して乗り越えてきたような気がします。今までも、例えば悲しいことやつらいこと、思い通りにいかないことはありましたが、それを乗り越えて、また一つ大きくなった自分や、その先に待っている幸せなことを想像するようにしています」

――悩みは1人で解決するタイプですか?

「割とそうですね。でも、人に話すことはとても大切だと思います。最後の一歩を踏み出すのは自分なので、その勇気は自分自身で作っていかないといけないと思いますが、その過程で誰かに話したり相談することはとても重要だと思います。直接的な解決につながらなくても、それでちょっとスッキリしたり、見えなくなっていたものが見えたりするのって大切ですよね」

――最近、松下さんに起きた「あったかいエピソード」をお聞かせください。

「友達に子どもが生まれて、最近その子に会ってきました。まだ1歳くらいかな? 女の子なんですけど、すごくかわいくて。自分の子どもじゃないのに、食べちゃいたいくらいかわいいんです(笑)。かわいいなと思って、その子のお父さんに『あんなかわいい子がいて、よく食べずにいられるね』と聞いたら、『いや、もう食べてます!』と言っていて(笑)。あんなにかわいい子が家にいたら、それだけでも頑張れると思うし、何があってもその子のためにと思って生きていけるなと思って。そのお父さんの話にほっこりしました」

――最後に見どころを教えてください。

「今の時代にぴったりであったかい作品です。大切にします。本当に愛らしい子どもたちが主役のドラマで、大人も子どもも共感できる素晴らしい作品だと思います。楽しみにしていてください」

――ありがとうございました。TVガイドWebは、この先も松下さんを追いかけます!

【洸平’s カルテ #1】松下さーん、もう少し見どころを教えてください!!

松下洸平「柔らかく光が差し込むような作品に」ドラマ「放課後カルテ」インタビュー①

僕自身や子どもたちの芝居をぜひ楽しみにしていただきたいです。抱えている悩みや目に見えない病など、人知れずSOSを発している子がたくさん出てきますが、最後は彼らにあったかい光が差し込むような作品になっています。自分たちの今の暮らしを見つめ直すきっかけや、人との向き合い方を考えさせられる作品になると思うので、ぜひ、ご家族で見ていただきたいと思います!

【プロフィール】
松下洸平(まつした こうへい)
1987年3月6日生まれ。東京都出身。魚座。A型。趣味は料理。俳優、アーティストとしても活動中。

【番組情報】
「放課後カルテ」
日本テレビ系
10月12日スタート
毎週土曜 午後9:00~9:54

【プレゼント】

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【締切】2024年10月31日(木)正午

取材・文/Mayu.O(日本テレビ担当) 撮影/蓮尾美智子 ヘアメーク/増澤拓也(スタジオまむ) 衣装/加藤美紀



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