荒川静香、浅田真央、高橋大輔、宇野昌磨ら豪華スケーター共演の「フレンズオンアイス2024」開催2024/08/30

　今回で18回目となる荒川静香さんプロデュースのアイスショー「フレンズオンアイス2024」が、8月30日～9月1日に神奈川・KOSÉ新横浜スケートセンターで開催。8月29日に行われた公開リハーサルの模様をリポートします。

　出演者たちが勢ぞろいする華やかなオープニングからスタート。本編では、レジェンドプロスケーターから現役選手まで、世界トップスケーターたちがそれぞれの個性が詰まったソロ演技を次々と披露していきます。

　「フレンズオンアイス」初出演の三浦佳生選手は、’24-’25シーズンのショート「Conquest of Spaces」を。キレのあるジャンプやハイスピードなスケーティングなど、持ち味を存分に発揮しました。

　高橋大輔さんの演目は「Wake up, You’re Dreaming」。裾がたなびく美しい衣装に身を包み、幻惑的な演技で観客をプログラムの世界に引き込みました。

　プロスケーターとしては「フレンズオンアイス」初出演となる宇野昌磨さんは、ダンスミュージックに乗せた新プログラム「The Spectre」をお披露目。クライマックスのステップは圧巻です！

　トリを務めたのは、荒川さん。愛をテーマにしたという「Amethyst」では、熟練のスケーティングと美しい技の数々で観客を魅了しました。

　また、ここでしか見ることができない豪華コラボナンバーも。宇野さんは現役時代の恩師であるステファン・ランビエルとの共演で「Fall On Me」をしっとりと滑り、高橋さん、三浦選手は「Exogenesis: Symphony, Part3」でジェレミー・アボット、ジェイソン・ブラウン選手とコラボ。そして荒川さんは、和をテーマにした「Warriors」を浅田真央さん、村元哉中さん、アンドリュー・ポジェさんらと共に滑りました。

　リハーサル後に行われた記者会見の模様を紹介します。

――今回のテーマを教えてください。

荒川　「『フレンズオンアイス』の“それぞれのスケーターの等身大の今が輝くところを見てもらう”というコンセプトは根幹として変わらず、今年はそれをジュエリーに例えていて、“一人ひとりの輝きがリンクで一番発揮されるように”という願いがあります」

――それぞれご自身の演目について教えてください。

宇野　「プロになって初めて作ったプログラムになります。現役の時に比べるとすごくアップテンポで、ジャンプ以外の部分にかなりエネルギーを使います。滑りがいを持って滑っています」

浅田　「私はシーアの『Chandelier』という曲で、苦悩を表現しています。スケーターとして滑っている中で『楽しい』とか『幸せ』だけではなく、やはり大変だったりつらいこともあります。それを表現しつつ、でも『私は負けずに輝くんだ』という、そういった力強い滑りを皆さんに見ていただきたいなと思います」

荒川　「私はYOSHIKIさんの『Amethyst』に歌詞を付けたもので、歌手の方が歌われているライブバージョンなのでちょっとライブ感もあるんですけれども。愛をテーマにしていて、力強さ、切なさ、いろいろな強さを皆さんに見せられたらいいなと思って滑っています」

高橋　「（ショーの）テーマである“宝石”には、惑わされたりする部分があるかなと思って。今回は自分自身で振り付けをしたのですが、“不思議な世界に迷い込んで、その世界から抜け出せなくなってしまう”というのが自分なりのテーマで。曲調もすごくキレイな曲なのかなと思うと、ちょっとジャズっぽかったり、ブルースっぽかったり、そしてまたキレイに戻っていく…すごく解釈するのが難しい曲なので、そういったところでも不思議な雰囲気を出せるかなと思いました」

――浅田さんは「フレンズオンアイス」初出演ですね。

浅田　「今回初めて『フレンズオンアイス』に出演させていただいたのですけれど、これだけ一緒に滑ることやお話しすることがこれまでなかったので、とてもうれしいですし、すごく幸せな時間だなと思っています。静香さんに温かく迎えていただいて、本当にうれしいです」

――明日から始まる本公演について意気込みをお願いします。

宇野　「『フレンズオンアイス』はコラボナンバー、オープニング、フィナーレにかける熱量が僕の中ですごく大きいかなと思っています。今日はリハーサルということで、頭で考えて間違えないようにという段階で滑っていたので、明日はもっと自分の体になじませて。すばらしいコラボナンバーになっていますので、僕が1つのピースになれるように頑張っていきたいですし、またたくさんの方々が来てくださるので、自分のソロナンバーでも楽しませられたらなと思います」

浅田　「若手スケーターからレジェンドスケーターまで、本当にさまざまな時代で活躍したスケーターが世界中から集まってきていて、自分も滑っていてすごく感動的な時間になっています。ほかのショーでは見られないようなぜいたくなスケーターの皆さんが集まっていると思いますので、私も明日からまた楽しみですし、お客さまにも特別な宝石のような輝きのショーをぜひ楽しみに見ていただきたいと思います」

荒川　「1回目の公演に向けてしっかりと形にするということを目的にリハーサルをしてきましたが、私も袖から見ていて、やはりすごいプロフェッショナル集団だなと。（準備期間の）2日間でフォーメーションのスケートも見せられるところまで持っていけていて、熱量、技量の高さも改めてすごい人たちと仕事させていただいているんだなと感じました。コラボレーションナンバーのそれぞれの振りをスケーターが担当し、どのコラボレーションにも負けないほど良いものにしようと（していて）。1個1個の作品がそれぞれ熱量あるからこそ輝いていますし、それをやってきたキャリアのあるスケーターたちが多いので、そこは『フレンズオンアイス』が育ってきた部分だなと改めて感じました。1人でも多くの方にお楽しみいただけるように、精いっぱい心を込めてやっていきたいです」

高橋　「自分自身のソロについては少し緊張感が高いんですけど、明日からも精いっぱい、皆さんと楽しんで頑張っていきたいなと思います。リハーサルを見させていただいて、それぞれのソロナンバーもすごくすてきな世界観ですし、コラボナンバーも本当にすばらしいナンバーがたくさんありますので、絶対楽しんでいただけるなと思っています。楽しんでもらえるように、みんなで力を合わせてできたらいいなと」

　また「それぞれ、荒川さんとの一番の思い出を教えてください」という質問も。宇野さんは「（アイスショーで）衣装を忘れた時に荒川さんと順番を入れ替えてもらい間に合わせてもらったり、『フレンズオンアイス』で『トゥーランドット』を皆さんと一緒に滑ってどうしても滑れない状況になった時に、僕の代わりに滑ってくださったり。本当にお世話になっています」と感謝を伝えました。浅田さんは小学生の時に荒川さんを初めて見た時のことを挙げ、「子どもながらに、すごくキレイなスケートで軽やかにジャンプを跳んでいるお姉さんがいるなと思って」と回想。高橋さんは「シニアに上がりたての時に夜に2人でコンビニに行こうとしたら迷ってしまった」というエピソードを。「結構さまよって、ヒッチハイクで乗せてくれて、連れて行ってもらったんですけど、その方に『なんでこんなところ歩いてるの』と怒られました」と当時を振り返り、笑いを誘いました。

　「フレンズオンアイス2024」は、8月30日～9月1日に神奈川・KOSÉ新横浜スケートセンターで開催。当日券などの情報は公式HPをご確認ください。

写真／坂本清

【公演情報】

「フレンズオンアイス2024」
【日程】8月30日～9月1日　各日午後0:30～／午後5:00～
【会場】KOSÉ新横浜スケートセンター