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精神科医を演じた中村倫也「分厚い本を10冊くらい読みました」2024/08/31

精神科医を演じた中村倫也「分厚い本を10冊くらい読みました」

 本日8月31日から3週にわたって放送する、原作・七海仁、漫画・月子の漫画を基にした「Shrink(シュリンク)―精神科医ヨワイ―」(NHK総合ほか)。のんびり屋だけれどめちゃくちゃ優秀な精神科開業医・弱井幸之助(中村倫也)と、一言多いけれど思いやりにあふれた看護師・雨宮有里(土屋太鳳)が、ひだまりのような笑顔で視聴者を包む「見るカウンセリング」ドラマ。

 今回は、主演を務めた中村さんにインタビュー! 役作りや撮影の裏話をお聞きしました。

――出来上がった第1話を見た感想を教えてください。

「(僕が)主演だけど、主演じゃないドラマなんです。主は病と病に向き合う人で、そのことを多くの人に知ってもらうための作品。原作を読んで、この漫画を多くの人に知ってもらうために、ドラマとして間口を広げて届けるのはすごく意義のあることなんじゃないかなと思いました。病がドラマの真ん中に来ているのはすごく新鮮でしたが、病にフォーカスしてほしかったのでうれしかったです」

――今回、精神科医を演じられましたが、このドラマに関わることで何かイメージは変わりましたか?

「僕、基本的に台本以外で活字をそんなに読まない人間なんですけど、今回は分厚い本を10冊ぐらい読みました。ネットで買って、リビングに積み上がっていました(笑)。今回ドラマで取り上げる三つの疾患だけじゃなく、いろんなことが関連しているので、リアリティーを言葉に乗せられるように勉強したんですけど、切りがなくて途中から三つに絞りました。今まで、『演じてみたい役はありますか?』という質問に『やったことがないので、医者ですかね』と答えていたんですけど、簡単に言っちゃ駄目だなと。責任が重大です。ドラマはフィクションですが、悩んでいる方も見てくれるかもしれないので、中途半端な準備はできないじゃないですか。医者側の大変さを少しだけ垣間見ることができました」

――また医者の役が来たらどうしますか? 断りますか?

「ものによります(笑)」

精神科医を演じた中村倫也「分厚い本を10冊くらい読みました」

――今回演じた弱井の印象と、どういうふうに演じていたかを教えてください。

「不思議な人だなと思っていました。今回のドラマでは、パーソナルな部分はあまり描かれていないんです。だからこそ、気になる部分も出てくるように作られているのかなと。演じる上では、患者にとって揺らがない医師、“定点”のような存在を目指していました。撮影に入る前に、監修の先生に『人間なので、患者さんに寄り添い過ぎてしまうことや、自分のコンディションでちょっと突き放してしまうことはあるんですか?』と聞いたんですが、『ないです。医師として、いつも同じ距離でいる』とおっしゃっていて、なるほどと思って。弱井が、友人の医師から『患者の問題に踏み込み過ぎなんだよ』と言われるシーンがあるのですが、弱井ほど患者に寄り添う精神科の先生は、実際にはあまりいないみたいなんです。リアリズムと、『こんな先生がいたらいいな』という理想と、精神医療で正解だとされているもののバランスを常に探していました」

精神科医を演じた中村倫也「分厚い本を10冊くらい読みました」

――中村さんご自身は、悩み事があったりとか、壁にぶつかったりとかした時はどのように解決していますか?

「一番苦手な質問ですね。ないんです。悩み事も壁も。この年になると、仕事における壁はうまいこと迂回できるようになるし、壁が見えるようになってきているので、見えた時点で、悩まず“やるだけ”です」

――答えを出す時に、自分で考えるタイプですか、それとも人に相談するタイプですか。

「人生で他人に相談したことは、あまりないです。家族に話を聞いてもらうことはありますけど、基本的には自分でジャッジしています。自分の行動の選択を自分でしないと、逃げ道ができるので。言い訳できちゃうじゃないですか。逃げられると思うと、いくらでもだらけてしまうので」

精神科医を演じた中村倫也「分厚い本を10冊くらい読みました」

――今作は、各回でいろんな俳優さんが患者役としてゲストで出演されていましたが、撮影の感想を教えてください。

「(第1話のゲストで、パニック症の雪村葵役を演じた)夏帆さんは共演するたびに、僕が彼女を助ける役が多くて不思議なんです。ものすごく信頼をしている俳優さんなので、ご一緒できてうれしかったです。第2話では、松浦慎一郎さんが双極症、第3話は白石聖さんが境界性パーソナリティー症の役で、演じる上ですごくカロリーを使うので、『無理しないでね』と思っていました。医者は患者と向き合いますけど、僕は医者を演じるので、患者を演じる彼ら彼女らと向き合って、探しながらやっていました。患者を演じてくれた3人も、患者の身内を演じてくれた方々も、すごく真摯(しんし)に演じてくださったので手応えがある作品になりました」

――弱井のセリフで、「ベイビーステップ、少しずつできることから」というセリフがありますが、中村さんが最近少しずつ、コツコツ取り組んだことを教えてください。

「舞台の稽古ですかね。今、本番中ですが、舞台は1カ月ぐらいかけて一つずつ積み上げていくので。やっているうちに、考えなくても勝手に動くようになって、アレンジを加えて…と、舞台は段階を経て、育っていくものなんです」

精神科医を演じた中村倫也「分厚い本を10冊くらい読みました」

――プライベートの中村さんは、コツコツ取り組むタイプですか。それともいきなり難しいところに挑戦するタイプですか?

「趣味は誰も損しない遊びなので、まずは頭の中で描いたようにやります。プラモデルや棚を作る時、料理をする時でも、正確なやり方を調べないです。ゴルフも、ちゃんと習ったりはしていないです。思いつきでやろうとして、できたりできなかったりしたときに、後から調べることが多いですね」 

精神科医を演じた中村倫也「分厚い本を10冊くらい読みました」
精神科医を演じた中村倫也「分厚い本を10冊くらい読みました」

――最後に視聴者に向けてメッセージをお願いいたします

「毎朝起きたらニュースをチェックするのが日課になっているんですが、悲しいニュースも多いじゃないですか。なんとも言えない気持ちになるようなことも多くて。今作は、精神医療というものを題材にしていて、今、作る意義のあるドラマだなと実感しています。たくさんの方に見てもらって、知ってもらうことが大事なのかなと思います」

――ありがとうございました。

【プロフィール】
中村倫也(なかむら ともや)
1986年生まれ。東京都出身。2005年に俳優デビュー。近年の主な出演作に、「ハヤブサ消防団」(23年、テレビ朝日系)、映画「ミッシング」(24年)など。2024年「劇団☆新感線44周年興行・夏秋公演いのうえ歌舞伎『バサラオ』」が公演中のほか、「No Activity」シーズン2(Amazon Prime Video)が9月13日より配信開始。

【番組情報】
土曜ドラマ「Shrink(シュリンク)―精神科医ヨワイ―」
2024年8月31日スタート(全3回)
NHK総合 土曜 午後10:00~10:49
NHK BS プレミアム4K 土曜 午前9:25~10:14

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撮影/為広麻里 取材・文/Kizuka



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