「しょせん他人事ですから」中島健人が明かす価値観――「思い切って今日やってみた方が良くない!?」2024/08/09
中島健人さん演じる新時代のニュータイプ弁護士・保田理が、現代にまん延するネット炎上や誹謗中傷問題を彼なりの信念のもと、スカッと爽快にダークに解決していくドラマ「しょせん他人事(ひとごと)ですから ~とある弁護士の本音の仕事~」(テレ東系)。
笑顔はかわいいけれど言動はまったくかわいくない変わり者の弁護士である保田(中島)が、訪れる相談者を「しょせんは他人事じゃん?」と突き放しながらも、身近なネットトラブル案件と対峙(たいじ)していくさまを描く本作。リーガルドラマでありながら、複雑な裁判手続などもCGを使い分かりやすく説明され、なんといっても中島さんのチャーミングで時にダークな緩急をつけた保田弁護士の演技は見ていて引き込まれます。
ということで今回は、主演の中島健人さんを直撃取材! 役や作品への熱い思いをはじめ、撮影の貴重な裏話や大切にしている考え方などを明かしてくれました。
――ソロ始動後初めての主演ドラマということですが、いかがですか?
「ソロ始動後1発目にふさわしい題材のドラマになったんじゃないかなと思っています。僕自身、いままでアイドルとしていろんな言葉を全身で受け止めてきた上でこのドラマをやらせていただけるということは、すごく深いメッセージを込めていけると思っています」
――ご自身の経験を生かしながら臨まれているんですね。
「そうですね。アイドルの中島健人、GEMNの中島健人、俳優の中島健人といういろんな自分として過ごしていますが、どれも賛否両論を受け止めながら歩まないといけない立場だと思っています。このドラマの脚本を読んでいる時に、『やっぱりそうだよね』と共感できる部分がたくさんありました。本作では、軽はずみに発信してしまった言葉が発端となって、悲しい終わり方をしてしまうという結末が多々描かれているんです。だから、視聴者の皆さんはそうならないように、ぜひSNSに対して優しい関わり方をしていただけたらいいなと心から思っています」
――中島さんご自身は、保田弁護士という役柄のどういったところに魅力を感じていますか?
「僕は物事に対して入れ込みすぎたり、考えすぎちゃう癖があるんです。そのために、ちょっと空回ったりしたり、思い悩んだりしてしまうタイプなんですけど、保田弁護士はどんなことにも『他人事じゃない?』とフラットに接するんですよね。考えすぎずに、“自分は自分で生きていく方が楽しい”ということを教えてくれる役柄だから、そういったところがすごく魅力的ですね。手のひらの中の社会に惑わされずに、自分の人生を生き抜くことの大切さを学んでいます。あと、僕にとっては、このタイミングで弁護士という役を演じられるということが俳優として転機だと思いましたし、保田弁護士のドライでポップな性格というのも、芸能界という世界を生き抜く上で必要なメンタルなのかもしれないなと感じていますね」
――ドライでありながらチャーミングな一面も印象的な保田弁護士ですが、演じる際に意識されていることはありますか?
「口調をすごく優しくしています。柔らかい口調できついことを言うので、視聴者の方からすると不思議な弁護士に見えるかもしれません(笑)。『こんな弁護士いるの!?』と感じられるかもしれないですけど、世界のどこかにいるんじゃないかと信じて、僕自身この保田弁護士を作りながら演じています。だから、この役をすごく気に入っているんですけど…本当にセリフの量が半端ないんですよ。僕が今まで出演させていただいたドラマの中で最もセリフ量が多い役柄なので、毎日ヒーヒー言っています(笑)」
――かなり大変そうですが、セリフはどのように覚えていらっしゃるのでしょうか?
「毎日膨大なセリフ量の撮影なので、帰ったらぐったりして台本を読めなくて。だから、実は撮影当日の朝に覚えています。この前は18ページぐらいの長ゼリフが続くシーンがあったので、それはさすがに前夜に、7時間ぐらいかけて覚えましたね。こんなにキツいんだって、リーガルドラマの洗礼を受けています。想像よりはるかに上をいっていて、さらに専門用語が多いから難しい!(笑)。でも、台本でSNSに関する内容を読み込んでいるので、友達とSNSの話をする時の知識が増えました。『それは情報開示請求の対象だね』とか。そういった必要な知識をたくさん勉強させていただいているので、今の僕はSNSに対して超強いです!(笑)」
――SNSに超強くなられた中島さんから、ぜひSNSとの付き合い方についてアドバイスをいただけますか?
「『限界が来たらもうSNSのアプリは消してください!』とお伝えしたいですね。無理して見るものではなく、自分を豊かにするものだと思うので。優しく扱えなくなるなと感じたら、1度消した方がいいんじゃないかなと。見たくなる気持ちってすごく分かるんですけど、自分にとってとても身近なものだからこそ、良い付き合いをしていった方がいいと思うんです。僕はこのドラマで、そういうことについてもあらためて学ばせてもらったので。“自分は自分、人は人”という基本的概念を持って、良識の範囲内で自分の感情を発信していってほしいなと思いますね」
――ありがとうございます! 転機となった本作や保田弁護士という役柄に出逢われて、中島さんご自身も楽しまれているのが伝わっていますが、あらためてファンの方々にどんな思いを伝えたいですか?
「皆さんから日々いただいているポジティブな言葉は、僕の中ですごく栄養になっていて、とても元気になれます。だから、その恩返しができたらいいなと。4月から新しい環境に身を置いて、驚いている方もいらっしゃると思うんですけど、常に新しいことにチャレンジしたいし、その先で切り開かれる新境地みたいなものに、「U:nity(ユニティー)」と呼ばせていただいているファンの皆さんと一緒に飛び込んでいけたらなと感じています。音楽面でもいろいろ走り出していますが、俳優面ではこのドラマが1発目で、痛快でポップで元気になる作品だと思うので、今年の夏はこのドラマと楽しみながら走り抜けていこうよ! というメッセージを伝えたいかな。皆さんからのSNSを通じての元気な言葉を本当にたくさん吸収させていただいているし、みんなで一致団結してそれをさらに大きなものにできたらいいなと思っています。そして『いい夏にしようぜ!』って」
――最後に、ドラマでは保田弁護士が「しょせん他人事」をモットーにSNSトラブル案件に向き合っていきますが、中島さんご自身のモットーがあれば教えてください!
「“思い立ったが吉日”です。僕自身、やりたいことがあっても『まだいいか!』と先延ばしにして5年後、10年後になることがあるんですよ。だから、それよりも『思い切って今日やってみた方が良くない!?』と、自分で自分を鼓舞しています。やるかやらないかを考えながら過ごすより、今やって失敗したとしても、それを成功につなげていく方がいいと思うんですよね。人生は1回しかないから、後悔のない日々を過ごしていきたいなと。そういう精神だから、すごく毎日が楽しいです!」
――積極的に行動されているんですね。
「もしうまくいかなかったとしても、ポジティブなストレスになるというか。一つずつチャレンジしていって、それが自分の力になっていくのが、すごくすがすがしく、充実しているように感じる…そういう時間を今過ごさせていただいています」
【プロフィール】
中島健人(なかじま けんと)
1994年3月13日生まれ。東京都出身。うお座。A型。ドラマ「黒崎くんの言いなりになんてならない」シリーズ、「未満警察 ミッドナイトランナー」(ともに日本テレビ系)、「彼女はキレイだった」、「リビングの松永さん」(ともにフジテレビ系)、映画「ニセコイ」、「桜のような僕の恋人」、「ラーゲリより愛を込めて」、「おまえの罪を自白しろ」、バラエティー番組「中島健人 映画の旅人」(WOWOW)などに出演し、多方面で活躍している。また、Huluにて海外ドラマ「Concordia」(仮題)が今年配信予定のほか、主演映画「知らないカノジョ」が2025年2月28日公開予定。
【番組情報】
ドラマ8「しょせん他人事ですから 〜とある弁護士の本音の仕事〜」
テレ東系
金曜 午後8:00~8:54
取材・文/鬼木優華(テレビ東京担当)
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