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“ドラマDEEP”の真骨頂――「どうか私より不幸でいて下さい」吉谷彩子&浅川梨奈インタビュー2024/08/05

“ドラマDEEP”の真骨頂――「どうか私より不幸でいて下さい」吉谷彩子&浅川梨奈インタビュー

 日本テレビ系で放送中のドラマDEEP「どうか私より不幸でいて下さい」が話題を呼んでいる。本作は、誰もがうらやむような幸せな結婚生活を送る姉・景子(吉谷彩子)と、姉に嫉妬し、姉の夫(瀬戸利樹)や親友(村瀬紗英)までも利用して姉を不幸に陥れようとする妹・志保(浅川梨奈)のバトルを描く。不倫相手は親友ではなく実の妹だった! という、衝撃的な姉妹を演じる吉谷彩子さんと浅川梨奈さんに、今作に懸ける思いとドラマの見どころを伺った。

――オファーを受けた時の気持ちをお聞かせください。

吉谷 「原作を読ませていただき、すごく挑戦的で攻めた内容だと思いました。それに、面白くなるかどうかは演じる側によって変化するという緊張感もありました。(浅川)梨奈ちゃんとコミュニケーションをしっかり取りながら、やっていかなきゃいけないなと思いましたね」

浅川 「昔から不倫ものを演じたいという願望があったので、お話をいただけたという喜びと、原作や脚本を読んで“とんでもない”ことをやろうとしているのだなと思いました。さすが“ドラマDEEP”だと(笑)」

“ドラマDEEP”の真骨頂――「どうか私より不幸でいて下さい」吉谷彩子&浅川梨奈インタビュー
“ドラマDEEP”の真骨頂――「どうか私より不幸でいて下さい」吉谷彩子&浅川梨奈インタビュー

――ご自身が演じるキャラクターとは、どんなふうに向き合われましたか?

吉谷 「最初に自分と演じる景子との共通点を探しました。どの作品でもそうですが、自分に近いところを見つけて、そこから引き出しを開けて探っていくという感じです。景子は人を信じやすいのですが、そこは自分と似ています。その部分をどんなあんばいで演じようか、バランスを考えました」

浅川 「姉の旦那さんと不倫する志保はすごいですよね。一見、嫌な女性に見えるのですが、脚本を読んでいくと、なんでお姉ちゃんにこういうアプローチをするのだろうとか、こんなに執着しているのかなとか、知れば知るほど、だんだん志保が愛おしく思えるようになりました。監督をはじめ、志保はかわいらしく、愛らしく見えるようにという思いがあります。ただの嫌な女性には見せたくない! 衣装合わせの時にその意見の統一ができたので、嫌な女性だけど、どこか見ている人にとっては同情もできて、なおかつ見ていく中で、かわいらしいと思っていただければいいなと思います。志保と似ているところは一つもありませんが、愛おしい部分や、気持ちを理解してあげられる面はたくさんありました。そういう部分から、インスピレーションを浮かばせて、志保という気持ちを理解していきました。それでもお姉ちゃんへの執着は異常ですよね。物語が進む中で、志保がやっていることって、結構えげつないことが多くて。こんな妹がいたら嫌だと思いました(笑)」

“ドラマDEEP”の真骨頂――「どうか私より不幸でいて下さい」吉谷彩子&浅川梨奈インタビュー
“ドラマDEEP”の真骨頂――「どうか私より不幸でいて下さい」吉谷彩子&浅川梨奈インタビュー

――妹の“とんでもない”行動に景子が少しずつ気付いていくと思いますが、その変化をどう表現されましたか?

吉谷 「グラデーションのような感じで表現したいと思っています。少しずつ異変に気付いていくのを、お芝居の中で表現できるのは表情だと思っていて。その気付きの表情を、どんどん変化させていこうと意識しました。終盤はすごい顔になっていると思います(笑)」

――共演されてみて、お互いの印象についてはいかがですか?

吉谷 「梨奈ちゃんは会った瞬間から、すごく明るくて、天真らんまん。面白いなと思っていたら、そのまんまでした(笑)。梨奈ちゃんが現場にいるだけで、みんな笑顔になるし、明るくなるし。でも、シリアスなシーンではガラっと変わる。本当にすてきな俳優さんです。裏表のない感じで、私、とても好きになりました」

浅川 「そんなふうに言っていただいて悪い気はしないです(笑)。うれしいです。最初に吉谷さんとお会いした時、『クールな方なんだろうな』と思って。姉妹の距離をどうやって詰めていこうかなと思って臨んだ撮影初日に、『あ、クールじゃない』って思いました(笑)。お互いにペットを飼っているので、ペットの話題とかたわいもない話をしていたのですが、話をすればするほど、似ているところが多いなと思って。まず、メンタリティーが似ていて、マインドも似ているので、『あ、これは姉妹だな(笑)』と。とても丁寧な方だし、すごくおしとやかな部分もあるけれど、さっぱりもしていて、気持ちのいい方です。私はすごく好きだし、本当に『こういうお姉ちゃんいたらいいな』って思いました」

吉谷 「うれしい! なんだか思っていることが同じタイミングが多くて。撮影中にちょっとお腹が痛くなった時があったのですが、梨奈ちゃんも同じタイミングでお腹が痛くなって(笑)。前世でつながっていたのかと思うほど、『なんで、こんなタイミングまで一緒なの!』と思いました。笑いのツボや、性格は似ていないけれど、“根”の部分では一緒だなと感じています」

――実際に演じてみていかがでしたか?

浅川 「志保から景子に何か仕掛けることが多いので、吉谷さんは“受け”の芝居が多かったと思うんです。私、受けの芝居が、こんなにスムーズにナチュラルにできる人ってすごいなと思っていて。自然体に違和感なく受けて、それをナチュラルに返して下さるから、こっちが何か仕掛けなくても、漫画っぽくなり過ぎないというか。漫画原作ですが、吉谷さんのベースのお芝居があるからこそ、実際にいそうな姉妹になったなと思います。これまで私は“攻め”の芝居が多くて受けの芝居が苦手なんです。どうしたらいいのか分からなくなることもあるのですが、それを吉谷さんに背中で教えていただきました。吉谷さんとお芝居ができて光栄だったし、今後に生かせる勉強をさせていただいたと思っています」

吉谷 「うれしい(笑)! 梨奈ちゃんには私の芝居をしっかり受け止めていただきました。志保は梨奈ちゃんしかいないと思います。笑顔から急に無表情になったり、すごく感情が激しいシーンが多かったのですが、そういう切り替えの部分も、お芝居していて鳥肌が立つような演技をされていて。衣装合わせの時に『100で志保が悪くて、景子がかわいそうに見えるのは面白くないと思っている』と監督にご相談しました。景子はすごく優しくて純粋だけど、相手にとってはいら立たせることもある。見ている方が『志保って最悪!』だけで終わらない方が面白いかなと思って。そこはかなり意識して、全部がかわいそうにならないように演じました」

“ドラマDEEP”の真骨頂――「どうか私より不幸でいて下さい」吉谷彩子&浅川梨奈インタビュー
“ドラマDEEP”の真骨頂――「どうか私より不幸でいて下さい」吉谷彩子&浅川梨奈インタビュー

――話数が進む中で、演技を変えたところはありますか?

吉谷 「第1話の景子は周りがうらやむくらいに幸せですよね。とびきりの笑顔で『私は世界一幸せ』というイメージで演じました。そこからの落差がすごいと思うので、グラデーションのように落ちていく様(さま)を演じていかなければと思っています。志保は小さい頃から大切な妹だから、全く疑いの目を向けていないけど、ちょっとおかしいんじゃない? と思うところから、少しずつ表情の変化というか。『おかしいな。でも妹はそんなことするはずがないか…、おかしい、あれ、これは違う…!』と徐々に変化を意識して演じました」

浅川 「志保は最初、誰からも愛されかわいがられてきた妹。お手本のようなお姉ちゃんとお手本のような妹。そこから、実は裏の顔はお姉ちゃんの不幸が何よりもうれしくて、お姉ちゃんの幸せをつぶすために、少しずつ小さい頃からモノや人を壊していって。お姉ちゃんが幸せの頂点から下がっていく分、私が一番下から上がっていくことを意識しました。やっていることも、どんどんエスカレートしていきますよね。陰でこそこそとお姉ちゃんを不幸にしていたけど、第4話(8月6日放送)でお姉ちゃんに「不倫している」と言ったことで、今まであんなに天使みたいにかわいかった志保の性格の悪い部分、嫌な部分をこれから前面に出していきます。今までの志保とは差をつけて見せられるように気を付けました」

――吉谷さんはお兄さんがいらっしゃるとのことですが、実際のきょうだい仲はいかがですか?

吉谷 「兄が2人いるのですが、とても頭がよくて。私はそんなに勉強ができる方ではなかったので、からかわれて悔しい思いもしました(笑)。スポーツができる真ん中の兄がトロフィーをもらって帰ってくると、小学生くらいまでは『私だって! くそぉ!』と思ったこともありました。でも自分の好きなことを見つけたら、全く思わなくなりました」

浅川 「私は一人っ子ですが、昔から人と比べてもしょうがないと思っているタイプで。自分は自分じゃないですか。人と比べて、自分の自己肯定感を下げてしんどくなるのは悪循環だと思っています。小学生の時から『人は人、自分は自分』という感じでした。例えば、運動会でリレーの選手を選びますよね。私も割と足が速い方だったのですが、自分が選手に選ばれなくても『悔しい』と思うのではなくて、『そうだよね。どうしたら、そんなに足の回転速くなるの?』みたいな感じで(笑)。今も変わりませんが、そんなに人と比べて悔しいとか、そういうのを感じないんです。だから、みんなが私のような性格にだったら、生きやすいのになって思います(笑)。最近、若い子が自分の自信をどんどんなくしちゃうとかあるじゃないですか。『人と比べなければ、こんなに生きやすいよ!』って言いたいです(笑)。『比べたってしょうがないから、自分は自分だよ!』と思います」

――撮影中のリラックス方法はありますか?

吉谷 「梨奈ちゃんと話しているのが息抜きでした。メーク部屋で長年連れ添っている時の親友みたいな感じで…。お互い無言になりたい時は無言だし、話したい時はすごく話す。本当に自分の親友と話しているような感じで、すごく楽しかったです。あとは、1月に結婚したのですが、料理を作るのが好きなので、自分が早く帰った日は、作ります。でもそれは、主人も同じで。私が忙しい時は、向こうがご飯を作ってくれることもあるので、そこはお互いに協力してやっています」

浅川 「私も吉谷さんと話している時が楽しかったです。あと、定期的に現れる吉谷さんの天然な部分を観察しているもの面白かったです(笑)。ある時、遠くでスタンバイしている吉谷さんを見ていたらずっと揺れていて…。『揺れてるよ』って伝えたら『あ、本当だ(笑)』って。それが同じ日に3回くらいあったんです。私が結構、突っ込み体質なんで、吉谷さんのよく分からない行動をずっと突っ込んでいました(笑)。あとは、猫と遊んでいる時もリラックスしています」

“ドラマDEEP”の真骨頂――「どうか私より不幸でいて下さい」吉谷彩子&浅川梨奈インタビュー

――理想の夫婦像はありますか?

吉谷 「信頼し合うことが大事だと思います。信頼し合って、尊重し合うことが一番大切じゃないかなと思ってます」

浅川 「普通のことが幸せと思えるのっていいですよね。ジャージ姿でコンビニエンスストアに行けるとか、一緒にご飯を作って、ご飯を食べるとか。普通に会話をするとか。当たり前で普通の生活だけど、それは当り前じゃないんだよってお互いが思い合って、お互いがその瞬間、瞬間を幸せだなって思えたらいいと思います。何気ない日常で、ありがとうとごめんなさいが言える関係性、お互いに尊敬もし合えたらいいかな。そういう夫婦になりたいです」

――最後にお二人が思うこの暑い夏を乗り切るコツを教えてください!!

浅川 「電気代をけちらず、クーラーをかける。電気代を我慢したところで、熱中症になったら元も子もないじゃないですか。冬は毛布をかぶって、節約。その代わり夏は冷房代をけちらずにクーラーを効かせた部屋にいるか、涼しい場所に行くっていうのはいかがでしょう? うちは猫がいるので、5月くらいからずっと冷房をつけてます」

吉谷 「サウナ。暑い時こそ、サウナに入って、水風呂入ると、まあ気持ちいいので(笑)! 夏もサウナ、冬もサウナです! 私はサウナでセリフを暗記するくらい、サウナが大好きなので、良く行きます!」

――ありがとうございました!

【プロフィール】
吉谷彩子(よしたに あやこ)
1991年9月26日生まれ。千葉県出身。AB型。今冬に放送されるスペシャルドラマ「グランメゾン東京」(TBS系)と、映画「グランメゾン・パリ」に松井萌絵役で出演する。


浅川梨奈(あさかわ なな)
1999年4月3日生まれ。埼玉県出身。映画「おいハンサム!!」、ドラマプレミア23「95」(テレビ東京系)、映画「赤羽骨子のボディガード」などに出演。

【番組情報】
火曜プラチナイト ドラマDEEP「どうか私より不幸でいて下さい」
日本テレビ系
毎週火曜 深夜0:24~0:54
※TVer、Huluにて見逃し配信あり
原作:さいマサ/エブリスタ 竹野筍・ましき/comico 

取材・文/Mayu.O(日本テレビ担当)



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