ファーストサマーウイカが清少納言らの魅力を語り尽くす!──大河ドラマ「光る君へ」2024/07/28
NHK総合ほかで放送中の大河ドラマ「光る君へ」。まひろ(吉高由里子)が藤原道長(柄本佑)との子を出産し、宣孝(佐々木蔵之介)と共に、わが子として育て始めたり、定子(高畑充希)が一条天皇(塩野瑛久)との3人目の子を出産し、世を去ることになったり…。思わぬ展開に息をのんだ方も多いのではないでしょうか。
7月28日放送の第29回「母として」では、ききょう/清少納言(ファーストサマーウイカ)が定子のために書き始めた「枕草子」を完成させ、定子の兄・伊周(三浦翔平)に、定子のキラキラしていた姿が多くの人の心にとどまるよう、宮中に広めてほしいと託します。定子の華やかな時も苦しい時も慕い続けた清少納言。なぜ、定子の“光の部分”だけを書き残したのか? 清少納言や定子の生き方についてどのように感じたのか? 大河ドラマ初出演でききょう/清少納言役のファーストサマーウイカさんに聞いてみました。
“清少納言の生まれ変わり”かもしれない
――ファーストサマーウイカさんにとっては初めての大河ドラマ出演ですね! どういった経緯でオファーを受けたのですか。
「“御三家”とお呼びしている、脚本の大石静先生と制作統括の内田ゆきさん、チーフ演出の中島由貴さんから『ちょっとお話を伺いたいんですけど』と声をかけていただき、面談に至りました。最終プレゼンテーションのような気持ちで挑みましたね。その後、正式にオファーを頂きました」
――“清少納言役”と聞いていかがでしたか?
「『え!? 紫式部が主役のドラマで清少納言役!?』と度肝を抜かれました。誰でも一度は名前を聞いたことのあるような人物で、本を書いたことも知っている人が多いと思いますし、歴史上で印象的な女性は数が少ない気がするので、演じられることにうれしい気持ちでいっぱいでした」
――清少納言にどんな印象を持っていましたか。
「実際どういう人物なのかは、あまり深くは知らなかったんですよね。役が決まってから、清少納言が書いた『枕草子』や、彼女に関わる本をたくさん読んでみたら、考え方や表現の仕方が非常に私と近い人物だと思いました。最近はSNSで“清少納言の生まれ変わり”と言っていただくこともあるんですけど、『いやいや、言い過ぎでしょう』とも思わないというか(笑)。『かもしれない』と思うぐらい、すごく親近感を持っているんです。脚本もそうですし、清少納言について残された本を読んでも、考え方が似ているなと思う部分が多々ありました」
――歴史上の有名な人物と自分自身がそっくりとは、驚きですね!
「大河ドラマでは珍しいことなんじゃないかと言われて。『徳川家康は自分と本当にそっくりなんですよ』と言う人はあまりいなかったと思うんですよね。ここまで感情移入できるというか、『そうそう、こういう時はそう言うよね。逆に、これ以外なら何て言うの?」と、本当に自分と重なり合うような瞬間がたくさんあります。だから、清少納言のことを知れば知るほど、不安が消えていきました。演じる前は、まひろのライバルで大丈夫かな、とプレッシャーがありましたけど、今は『清少納言はほぼ私だから』という気持ちです。感情表現で『全然気持ちが分からないよ!』と思うことは一度もないです」
――気持ちが手に取るように分かるとはこのことですね(笑)。清少納言は「私は私の志のために夫を捨てようと思いますの」のような心(しん)の強さを感じるセリフが印象的です。ウイカさんから見た清少納言の魅力はどんなところでしょうか?
「自尊心があり、自分の実力を把握していて、空気を読んであえてぶち壊すことを選択できる人だと解釈しています。『志のために夫を捨てる』は、清少納言の史実というより、『光る君へ』におけるききょうとしてのストーリーだと私は捉えていて。諸説あるかと思いますが、元夫とも交流が深くあったり、2人目の夫もいたり、意外と恋に奔放であったという説もあって(笑)。『光る君へ』で描かれているききょうは、自分の信念を曲げないというか、野心を優先するという選択をしました」
――とても大きな決断のように思います。
「『家庭も大切だが、己の可能性を広い世界で試したい。家族がそのかせになるのなら、私はそれを捨てる』という選択が、史実でも創作でもどちらであっても、『我が道に迷いなし』という強さに合点がいく、賛同できるなと。流れにただただ身を任せないというか、自分で人生を切り開いていくという姿勢は、平安時代の女性の中では異端であったような気がします。それでもききょうは周りの評価を気にせずに、宣言して実行しました。魅力的だし、まさにその強さにまひろは感化されたんだと思います」
――本当にかっこいい女性ですよね。
「まひろの物語なので、その中の一つのモデルケースとして、清少納言のようなキャラクターを置いたとも解釈できます。現代でも、キャリアを重視する女性が増えてきましたけど、私も好き勝手にやりたいように人生を歩んできたので、自分の力で人生を切り開いていく姿勢にはとても共感できます。『私もそうすると思う』と清少納言に言いたいですね」
――役に共感できると、それだけ愛情を持って演じられそうです。そんなウイカさんそっくりな清少納言ですが、演じる上で意識していることはありますか。
「1人で幅広い年齢層を演じますし、毎週出番があるわけではないので、年齢表現を重視しています。まひろや定子さまなど共演する人によって接し方や話し方も変えているんですよ。メークもメークさんと相談しながらキリッと見えるようにしたり、優しく見えるようにしたり、登場シーンによってわずかに変えていて。すっぴんに近いメークだからこそ、表情がより伝わるんですよね」
――自分とは違う年齢層を演じるのは難しそうです。
「今後、清少納言は、丸い部分と尖っている部分が明瞭に見えてきそうです。まひろはこれからどんどんキリッとしていくと思いますしね。年齢表現にも注目してみると、役者さんのすごさが見えてきますよ。個人的にも楽しみなポイントです」
――役者さんならではのおすすめポイントですね。平安時代の所作の習得はいかがでしたか?
「女房たちは雅な世界の中でゆったりと動いているので、名前を呼ばれて「何!?」と急に振り向くのではなく、「何でしょう」と、たおやかに振り向いてください、と習いました。でも何度考えても、清少納言はキビキビと行動することもあるのではないかなと思って。着物の裾さばきなどに意識的に取り入れました」
――確かに、キビキビしていそうです。
「自信は所作にも表れると思うので、ききょうに関しては動きのエッジに着目しました。ほかの皆さんも、それぞれのプランで演じられる細部の所作から、キャラクターを随所に感じられて楽しいですね」
――SNSではウイカさんの美文字も話題になりましたよね。
「書はかなり練習しました。下手なのはもちろん自分が許せないし、うまく書けたら書けたで「どうせプロの先生が書いたんでしょ」と言われると腹が立つなと思ったので、エビデンスを残してやろうと。何か言われる前に真っ先に自分で言おうと(笑)。役者としてのつつましさや奥ゆかしさは捨て、堂々と自慢できるくらいに仕上げようと(笑)。そのためにも一生懸命練習しました」
――(笑)。書についてアドバイスはあったのですか?
「書の先生が、清少納言は右上がりで勢いのある字と提案してくださって。実際に書いてみると、私の字も右に上がる癖があったんですよね。私の癖とききょうの文字がうまくマリアージュしたらいいなと思いながら練習していました」
――清少納言って、ウイカさんのための役のようですね(笑)。
「これは余談なんですけれども、漫画や挿絵とかイラストで描かれている清少納言は、みんな私のような顔をしていて(笑)。キッとした感じで描かれているんです。なので、清少納言に関わる資料に触れるたびに、他人とは思えなくて。顔と中身ってやはり連動するんでしょうかね(笑)」
“影の部分”は推しにとっては必要ない
――「枕草子」誕生のシーンはとても美しかったです。どんな思いで演じられたのですか。
「このシーンは『枕草子』の始まりと同時に、定子の家族の没落の始まりでもあるので、複雑な気持ちでした。ききょうはとにかく定子さまの気が紛れるものを書けたらいいなと『枕草子』を書き始めますが、清少納言の人生においては最大の使命、まさに命懸けで書き始めたものだと思うので、その緊張感はありました」
――強い覚悟があったんですね。
「清少納言はこの瞬間は覚悟しているわけじゃないんですよね。定子さまに何とか笑ってもらおう、定子さまの気が紛れるものを書けたらいいなという気持ちです。でも、これが千年後まで人々を魅了するものになるという、役者として私自身がプレッシャーを抱えての撮影でした」
――ウイカさんにとって責任重大なシーンだったということですね。でも、『枕草子』の「春はあけぼの…」を清少納言ではなく、定子が読んだのは意外でした。
「当初は清少納言が読む予定だったんですよね。原文と現代語訳の2パターンを用意していて。でも、編集がまもなく終わるタイミングで監督から『定子の読みでいきたいと思います』と連絡がありました。まひろに会いに行って、ペラペラと一方的にしゃべりかける快活な清少納言が一変、黙々と書を書いて定子さまにお渡しするシーンなので、清少納言の書いた書を読んでいる定子の心の声で表現した方が、より印象的に伝えられるのではないかという考えでした」
――確かに、清少納言の思いが定子に届いたことがより伝わってきました。
「監督からこうやって連絡いただく経験がなかったので、すごく感動して。全スタッフさんの試行錯誤の過程に、そしてたどり着いた答えの素晴らしさに震えました。シーンを想像しただけで、電話口で鳥肌が止まらなかったし、『最高です! それしか無いっす!』と高揚していました。原英輔監督は同い年というのもあって、あのすてきなシーンを一緒に作れた喜びがより一層感慨深かったです」
――皆さんの試行錯誤が詰まったシーンと思うと、余計に美しく感じます! 定子が亡くなった後、まひろに『枕草子』を見せるシーンで、「定子さまの華やかなお姿だけを人々の心に残したい」という言葉には、清少納言の意地を感じました。
「私が平安時代にいたとしても清少納言と同じように書いたと思います。まひろの言う“影の部分”も書いた方が面白いという意見も分かるんですよ。ドキュメンタリー性を持たせるなら分かるけども。でも、そもそも『枕草子』は、定子さまを“元気づけるために書いたもの”。守り抜いた気高さを知らしめるならともかく、定子さまがりんとして、誰にもお見せにならなかった裏側を見せる必要はない。“影まで書く”というのは、当初の趣旨からそれていると思うんですよね」
――なるほど。
「あと、(記者に向かって)書き手の皆さんなら分かると思うんですけど、SNSやブログなどを書く時に、どこかで少し格好つけるような部分があると思います。おしゃれに締めてみたいとか、普段使わない言葉を使ってみたいとか。文章を書く時は、本当の自分をさらけ出すのではなく、その人の作家性から1枚まとうこともあると思うんですよね」
――確かに、分かります(笑)。
「だから、清少納言は格好つけて真っ正面から書いていないところもたくさんあったんじゃないかと。私も演じるにあたって『枕草子』を何度か読み返す中で、他人のSNSを見るときと同じように、額面通りに全て受け止めず、『本当か?』と疑いながら読んでいました(笑)。多分、まひろはそこを見抜いていたから、同じ作家として、定子さまの“影の部分”も含めて、お人柄そのものを書いたら、と提案をしたのではないかと思います」
――すごい分析力ですね! とても深いです。
「定子さまは清少納言にとっての『推し』と解釈していますけれども、現代のアイドルも一緒で、裏側を見たくない人もいらっしゃいますよね。『お手洗いは行きません』みたいな。だから、“推し”にとって、“影の部分”は必要ないんです。『定子さまがどれだけ悲しい思いをして、どれだけ歯を食いしばってきたか、私は知っている。でも、定子さまは一条天皇や伊周などの前ではそんな姿を一度も見せなかったのに、私が書き残して世に広めるなんて…そんなことするわけないだろ!』という気持ちです。清少納言は定子さまの精神をそのまま受け継いだとも取れます。だから、“影の部分”を書き残すのは…何ていうんでしたっけ…?(笑)」
――………野暮(やぼ)ですか!?
「野暮! そうです、野暮です。ありがとうございます! 素晴らしいです(笑)。野暮ですね」
――ウイカさんの説得力あるお話の方が素晴らしいです(笑)。もともと清少納言は、定子のために書いたものを宮中に広めることを嫌がっていましたが、一変して、宮中に広めてほしいと伊周に託しました。定子の死もきっかけだと思うのですが、心の変化をどう捉えていますか?
「最初は『定子さまと2人だけの宝物にしたい』という気持ちがあったんだと思います。ところが、定子さまの家族が没落していく中で、定子さまの存在そのものも消えてしまったら、彼女があれだけ耐えた人生が無かったことになってしまう。清少納言にとっては一番納得がいかないことです。彼女があれだけ皇子を産めと言われて産んだのに、残された子どもたちが力を持てなくなりそう。最後に託された使命を誰が果たすかとなった時に、兄弟の伊周と隆家(竜星涼)では駄目だと、どこか思っていたんでしょうね。兄弟に任せられないのなら、一条天皇の心をずっと定子さまに引き止めておけば大丈夫だろうと考えたのだと思います」
――清少納言は本当に賢いですよね。
「だから、伊周の提案を利用するわけじゃないですけど、『言いましたよね? 宮中に広めようと言ってくれましたよね。やってください!』という気持ちだったと思います。それが清少納言にできる最後の仕事であり、使命を果たすことだと。かっこいいですよね。史実では、清少納言は定子さまが亡くなった後も『枕草子』を書いていますよね。定子さまと一条天皇をつなぐ鎖になればいいと思って書き始めたものが、いかに定子さまが素晴らしい人だったかを書き残すことに役割が変わっていったような気がします。それが千年も残っているんですよ。すごいです」
充希さんは定子さま以外の何者でもなかった
――定子に心からの忠誠を尽くした清少納言ですが、定子役の高畑さんはどのような印象ですか?
「定子さまと重なるエピソードが二つありまして。一つ目は靴下をプレセントした時のことです。充希さんの誕生日に靴下をプレゼントさせていただいたら、さりげなくリハーサルで履いてきてくださったので声をかけると『かわいいねって褒めてもらえるよ』と、第三者からの反応も教えてくれて。『うれしい、ありがとう』ではなくて、『褒めてもらえたよ』という情報を一つプラスした状態で喜びを届けてくれるところが『うまい! すてき! うれしい!』でした。充希さんは普段から愛くるしいんですけれどもさっぱりした方で、定子さまと重なるところがあります」
――かわいらしいエピソードですね。しかもうれしい表現!
「二つ目は揚げパンです。私が令和の清少納言で、『枕草子』を書くとしたら、“揚げパン”という章が入ることになるんですけれども(笑)。私がNHK内のカフェテリアで販売している揚げパンを食べたいけどいつも売り切れている、という話を充希さんにしていたんですね。でもある日買うことができて、マネージャーさんも気を利かせて買ってきてくれたので、2個あって。せっかくなので、充希さんにお裾分けしたんですよ。翌日、撮影中に楽屋に戻って来たら、揚げパンが置いてあって。私が食べたのはプレーン味だったんですけど、抹茶味が置いてあったんですよね。マネージャーさんに聞いたら、買ってないというので『もしや定子さま?』と思って充希さんに聞いてみたら、『ごめんね、2日も連続でいらないと思ったんだけど」って。こっそり楽屋に置く感じがおしゃれーーー! さりげない感じがドラマの中の定子さまと重なって。これはもう一生こすります(笑)」
――その時の様子がすごく伝わってきます(笑)。清少納言と定子は、初対面のシーンも印象的でした。一瞬で恋をしたような表情はどんなふうに気持ちを作ったのですか?
「芝居というより、一条天皇も定子さまも本当に美しいので、『皆さん、2人の前に座ってごらんなさいよ、ああなりますから」という感じです。定子さまが『定子である』と言った瞬間に、ふわって風が吹いてきたんですよ。一年前に京都にある定子さまのお墓を訪れた時にも風が吹いて。その時と同じ感覚でした。『わー、すてきー!』というより、体の中の水分が一気に出ていってしまうような、あまりの美しさに吸い込まれてしまうような。あの時はあの演技にしかならなかったです」
――定子の生き方についてはどう思いますか?
「とても位の高かった方なので、身近に感じることが不可能に近いというか、感覚的に難しいんですよね。だから、せめて近くにと思って、定子さまに関する本を読むようにしていました。すごくスタイリッシュというか、おしゃれというか、25歳でこの世を去ったとは思えないほど、本当に立派な方です。だから、もし私が定子役だったら、頭を抱えていたと思います。定子役を充希さんが演じる時点で、私はただただもらうだけ。『ここにこんなに素晴らしい人がいたら、そりゃこうなるよ』という感じです。本当に素直にただそばにいるだけでよかったので。1対1で見つめ合ってお芝居をさせていただくところは、もう定子さま以外の何者でもなかったです。すごいですよ(笑)。定子と充希さんが合わさって(『光る君へ』の)『定子さま』なのだと。ひしひしと感じました」
――ウイカさん自身も定子の大ファンのようですね。
「強めの定子ファンです(笑)。放送で定子さまを見て泣いて、泣いている清少納言を見ながら一緒に泣いて(笑)。視聴者の皆さんと同じテンションです。放送や台本を見てグッときつつ、現場に行くといういいサイクルができています(笑)」
まひろと清少納言は、お互いに無いものを持っているからこそ引き寄せ合った
――まひろ役の吉高さんはどのような印象ですか?
「私が吉高さんを語れるような立場ではないですけれども、やっぱり圧倒的ですね。吉高さんも充希さんも、ほぼ同年代で若い頃から大スター。2人の天才とサシでお芝居をさせていただける上に、一方的にしゃべる場面もあって、本当にありがたい経験です。『まひろさまってすごいことをお考えになるのね』というセリフがあるんですけど、本当にその通りで。常に目が覚めるようなお芝居をされていて、私もそれにガンガン乗っかって引っ張ってもらおうと。2人からもらってばかりです。だから、全力返したいなと。でも、吉高さんは『私、受けてるばかりだから』と、何も考えていないみたいに言うんですよ。それが天才ですよね。最高です。『飲みに行こうよ』と誘ってくれて、うれしくて。分け隔てないですし、本当に素晴らしい座長です」
――まひろとは近過ぎず遠過ぎずいい関係を築けている印象です。清少納言はまひろのどんなところに引かれたと思いますか?
「清少納言は、『この人たちに言っても分からない』と周りの人を見下していた部分もあると思うんですよ。でも、まひろのことは『この子はできる子』と認めた唯一の存在。だからこそ、勝手に『私たち友達よね』と、自分に釣り合う友達を見つけた感覚のような気がします。尊敬もしているからこそ、仲間でいてほしいから足しげく通って、一方的に喋って、を続けていたんじゃないですかね。まひろとは感性や物事の考え方が対極にあるからこそ、S極とN極のように引き寄せ合ったんだと思います。」
――まひろと清少納言がライバルではなく仲のいい友達で描かれていることが意外でした。
「まひろとききょうの物語の行方はまだ分かりませんが、紫式部と清少納言の関係性は、ある程度ネタバレされているわけですよね。『紫式部日記』の中に清少納言の悪口が書かれているわけですから。未来が分かっているからこそ、最初は仲のいい設定にすることでドラマチックな展開にしようという。最初からライバルだと、一年間バチバチするのは飽きるだろうし、マブダチからの衝突の方がハラハラする。すごいですよね。もう大石先生に脱帽です(笑)」
――ウイカさんの鋭い視点にも脱帽です(笑)。これから2人はどのように関わり合っていくのか楽しみですね。
「圧が強めの先輩(清少納言)と、基本的に苦笑いしながら話を聞いてくれる後輩(まひろ)の関係がどう変わっていくのか…? 実際のところ、私もまだ知らないんですよね。それにしても、ききょう目線から見ると、大体悪いのは道長ですよね。本当に許せないんですよ(笑)。道長のせいで大変な目に遭っていますから。でも、道長を介してまひろとのマブダチな関係が変化していくという流れは、本当にすごい。なんとか最終回まで生き残りたいと思っているので、まひろとはできるだけ長く仲良しでいたいです(笑)」
――お話ありがとうございました!
サービス精神たっぷりに、取材会を大いに盛り上げてくれたウイカさん。鋭くて深い洞察力の数々やウィットに富んだ会話がとても魅力的でした。清少納言が書いた「枕草子」はこれからどんな影響を及ぼすのか? まひろとの関係はどうなっていくのか? 今後の展開に目が離せません!
【プロフィール】
ファーストサマーウイカ
1990年6月4日生まれ。大阪府出身。2013年にアイドルグループ・BiSとしてデビューし、14年7月の解散まで活動。15年に BILLIE IDLE®を結成し、19年12月の解散まで活動。現在は、音楽活動と並行してバラエティー、ドラマ、ラジオ など多岐にわたって活躍中。NHK連続テレビ小説「おちょやん」(20~21年)、ドラマ「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」(21年)、ドラマ「ファーストペンギン!」(22年)、映画「禁じられた遊び」(23年)、ドラマ「シッコウ!!~犬と私と執行官~」(23年)などに出演。
【番組情報】
大河ドラマ「光る君へ」
NHK総合
日曜 午後8:00~8:45ほか
NHK BSプレミアム4K
日曜 午後0:15~1:00ほか
NHK BS・NHK BSプレミアム4K
日曜 午後6:00~6:45
NHK担当/Y
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