悪女役・内田理央におびえ、松井玲奈の体に異変が…!?──「嗤う淑女」インタビュー2024/07/24
内田理央さん主演の土ドラ「嗤う淑女」(わらうしゅくじょ)がフジテレビ系で7月27日からスタート。“どんでん返しの帝王”と呼ばれるベストセラー作家・中山七里さんのミステリー小説を実写化した本作は、人生にまつわる全てのコンサルタントを生業とする希代の悪女が、悩みや欲望を抱える人々を操り、次々と地獄へと陥れていく震撼(しんかん)のサイコサスペンスです。
美貌と天才的な話術で人々を破滅へと導く危険な主人公・蒲生美智留を演じるのは内田理央さん。そして、美智留のいとこで、自身も次第に美智留の支配から逃れられなくなっていく野々宮恭子を松井玲奈さんが熱演します。ここでは、内田さんと松井さんに本作の見どころや撮影エピソードをお伺いしました。プライベートでも親交のあるお二人の、作品とは真逆(!?)の温かい雰囲気の中で行われたインタビューをお届けします。
──本作は人気シリーズ小説の実写化です。オファーを受けた際の感想をお伺いできますでしょうか?
内田 「とてもうれしかったのですが、“美貌”というワードが全面に出ている役柄なのに、オファーをいただいた時に食べ過ぎて太っていたので、まずは『ダイエットしなきゃ』と危機感を感じました(笑)。もちろんプレッシャーもあったのですが、松井玲奈ちゃんと共演と聞いて『これは絶対に楽しくなる!』と、不安だった気持ちが楽しみに変わりました」
松井 「私も、理央ちゃんとお芝居ができるのが楽しみでした。以前共演した作品では、2人とも顔が見えない役柄だったので、目と目を見てしっかりと芝居ができる機会をいただけたことがうれしかったです」
──ご自身の役どころについて、どういった人物だと捉えられていますか? 共感できるポイントがあれば教えてください。
内田 「美智留は、美しく聡明でミステリアスな人物です。いろんな過去や秘密を抱えているのですが、とにかく謎だらけ。とても知的で、自分の言葉によって相手をコントロールすることを楽しむといった性質を持っています。人を陥れるようキャラクターなので、共感できるかは難しいところではあります。でも、人とのコミュニケーションが好きで、相手の気持ちを考えながら会話をすることは得意なタイプなので、人の気持ちをくみ取れる部分は共通点になるかもしれません」
松井 「恭子に共感できる部分は、内田理央ちゃん(美智留)のことがすごく好きで、憧れているところです(笑)。最初に監督から『恭子は、このドラマを楽しんでくださる視聴者の方と一番近いポジションにいるから、興味を引き付けるような芝居をしてほしい』と言われました。恭子自身も美智留との過去の葛藤を抱えながらも、目の前で起こる出来事を見守るような芝居を心掛けています」
──では、演じる上で大事にしていることはありますか?
内田 「『どこまでが美智留の計算された演技なのか?』と、視聴者の方がワクワクできるような演じ方を監督と相談しています。『これはどっちなんだろう?』と考察しつつ、楽しみながら見ていただきたいです」
松井 「意識していることは、目線の配り方です。美智留と恭子が対峙(たいじ)した時、恭子の目線で恐怖心の大きさを表現できるのではないかと思っていて。会話以外でも2人の関係性が分かるように、表情や目線にはとても気を付けて演じています」
──あらためて本作の魅力と、実写化するにあたって原作からヒントを得たことなどあれば教えてください。
内田 「原作は、とても面白くて一気読みしてしまいました。ドラマでは、オリジナルの設定やストーリーも混ぜられています。ドラマならではの、エンターテインメントな見せ方も意識しつつ、原作からもらったイメージやキャラクター像を大切にしながら演じています」
松井 「一人の人間の人生がガラッと変わってしまうほどの、美智留の言葉の使い方が本当に巧みで面白いと思いました。原作にある言葉の面白さは、そのままドラマの脚本にも落とし込まれています。美智留と恭子の物語が、ドラマではより濃く詳細に描かれているので、2人の過去の出来事を自分の体験として身をもって体現するために、何度も原作を読み返しました」
──お二人は3度目の共演とのこと。お互いの芝居を見てどんなことを感じますか?
内田 「実は、プライベートでも仲良くさせていただいています。今回は久々の共演なのですが、玲奈ちゃんのお芝居は、繊細だけどリアルで、自分の意思で動いているようなイメージがあって。恭子役でも、台本では『…』だけだったり、ト書きで『おびえている』としか書かれていないのに、いろんな感情が見えるので、毎回撮影現場で驚かされています」
松井 「1話の中の3分の2を美智留がしゃべっていると思うレベルで、本当にセリフ量が膨大なんです。理央ちゃんは適度な緊張感を持ちつつ、その感情を自分のエネルギーとして消化して芝居をされているのがすごいなと。美智留が人と対峙した時の、緊迫した空気の作り方が上手だなと思います。その隣で、私は一生懸命震えていようと思っています(笑)」
内田 「玲奈ちゃんは、おびえる演技で肩が凝ってしまって、今本当に大変な思いをしているんです!(笑)」
松井 「美智留と対峙している場面は、パワーバランスがはっきりと分かるシーンが多いので、基本的に私はずっと縮こまっています。でも、プライベートでも関わりがあるからこそ、芝居のプランなどを現場でスムーズにやり取りできているので、とてもありがたいです」
──内田さんは、美智留を演じることが決まってダイエットを決意したとおっしゃっていましたが、ビジュアルを作る上でほかにこだわっている部分はありますか?
内田 「各話に登場する相談者の方々が、美智留の美貌にうっとりするようなシーンがあるので、ちゃんと見合うビジュアルでいないとな…と思っています。具体的には、メークは濃すぎないけど、ちゃんとトレンドはおさえていたり、アクセサリーも衣装に合うものを毎回用意していただいています」
──表面的には、美智留の怖さが分からないということが怖いですね…。
内田 「美智留って、相談者の方からするととてもいい人なんですよね。いい人だけど、はたから見ると『なんかおかしいぞ?』という違和感を覚えると思うんです。分かりやすい怖さではなく、後からじわじわと気付く怖さを感じていただきたいです」
──お二人は、美智留に騙されてみたいという気持ちは湧きますか?
内田 「湧きます! 人はつらい時に誰かにすがりたくなる時があると思うのですが、美智留のような、奇麗で頭のいいすてきな方にアドバイスをされたら、私も普通に従ってしまうと思います。だまされたことも、最後まで気付かないような気がしますね」
松井 「作中に出てくる相談者の方で、だまされたという感覚がないままだまされているのを見ていると、日常生活の中にもこういうことって潜んでいるのではないかなと思うんです。周りから見るとだまされていると分かることも、当事者は全然気付かないことってよくある気がしていて。もしかしたら、私もすでに誰かにだまされているのではないかとハッとさせられました」
──美智留は悪女でありながら、魅力にあふれた女性だと思います。彼女のどのような部分にあこがれを持ちますか?
内田 「自信ですね。彼女の自信にあふれた姿というのが、相談者も安心して信じてしまう要素だと思うんです。こんなにも、人の自信は相手に伝わるものなのだと勉強になったので、自分も何か人に伝えたい時には、自信を持って気持ちを伝えたいです」
松井 「自信と似ているのですが、意志の強さです。誰に何を言われても揺らがない、私はこの道を歩いていく、というスタイルはすごくかっこいいなと思います」
──いよいよ初回放送が近付いてきましたが、お二人のお気に入りのシーンがあれば教えてください。
内田 「やっぱり、まずは第1話を見ていただきたいです。キャラクター設定や私たちの関係性もすごく分かりやすく描かれているので、第1話を見ると本作の雰囲気が伝わると思います」
松井 「私がレモンティーをこぼすシーンをぜひ見ていただきたいです」
内田 「そうだ!(笑)。玲奈ちゃんがレモンティーをこぼすのを一発で大成功した、すごいシーンがあるんです」
松井 「台本に、“おびえながら紅茶をこぼす”と書いてあったのですが、一発で奇麗に、ちゃんとおびえながらレモンティーをこぼすことができました(笑)」
内田 「現場で、レモンティーをこぼす天才って言われていました(笑)」
──最後に、視聴者の皆さんにメッセージをお願いします!
内田 「『これでもか!』というくらいの悪女を演じさせていただいています。過去に、美智留と恭子の間に何があったのかというのも含めて、一つずつ謎が明らかになるので、最後まで楽しんでいただきたいです」
松井 「ちょっと怖いけれど、引きつけられてしまう作品です。蒲生美智留という、悪女が主人公の物語がどこに向かっていくのか、ぜひ楽しみにしていてください」
【プロフィール】
内田理央(うちだ りお)
1991年9月27日生まれ。東京都出身。ドラマ「おっさんずラブ」シリーズ(テレビ朝日系)で主人公の幼馴染・ちず役で人気を博し、同作で第22回日刊スポーツ・ドラマグランプリ助演女優賞を受賞。その後、主演作ドラマ「来世ではちゃんとします」シリーズ(テレビ東京系)で話題となる。2024年は1月期テレビ朝日系ドラマ「おっさんずラブ-リターンズ-」、4月期テレビ東京×WOWOW共同製作ドラマ「ダブルチート 偽りの警官」、ドラマ「1122 いいふうふ」(Prime Video)などに出演。
松井玲奈(まつい れな)
1991年7月27日生まれ。愛知県出身。主な出演作に、映画「今日も嫌がらせ弁当」(19年)、NHK連続テレビ小説「エール」、NHK大河ドラマ「どうする家康」など。小説家としても活動しており、19年に「カモフラージュ」、21年に「累々」を発表するなど幅広く活躍中。
【番組情報】
「嗤う淑女」
7月27日スタート
フジテレビ系
土曜 午後11:40~深0:35
フジテレビ担当/Mi
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