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岩田剛典「第1話の始まりと終わりはすべての物語の重要なシーン」――「アンチヒーロー」インタビュー2024/05/30

岩田剛典「第1話の始まりと終わりはすべての物語の重要なシーン」――「アンチヒーロー」インタビュー

 TBS系では長谷川博己が主演を務める日曜劇場「アンチヒーロー」が放送中。長谷川が演じるのは、「殺人犯をも無罪にしてしまう」“アンチ”な弁護士・明墨正樹。「弁護士ドラマ」という枠組みを超え、視聴者に“正義とは果たして何なのか?”“世の中の悪とされていることは、本当に悪いことなのか?”を問いかける、前代未聞の逆転パラドックスエンターテインメントだ。

 第7話までに、明墨が緋山啓太(岩田剛典)を無罪にした理由が見え始め、本来つながるはずのない“点と点”がつながってきた。第5話で突然緋山が再登場し、SNSでは「やはり関係してたのか」や「すべては第1話からつながっている?」などとこれからどう物語に関わっていくのか話題に。そこで今回は、緋山を演じる岩田さんに、これからの見どころや作品の魅力について伺った。

岩田剛典「第1話の始まりと終わりはすべての物語の重要なシーン」――「アンチヒーロー」インタビュー

――前半が終わりましたが、反響はいかがですか?

「殺人事件の犯人役で、実際に罪を犯しているのか犯していないのか、特に第2話のラストシーンはかなり考察が盛り上がっていた印象です。そんな作品のキーマンを演じられて、冥利(みょうり)に尽きるなとすごく感じています。この先も予想外なことが出てくると思うので、楽しみにしていただけたらうれしいです」

――今作に出演されて、挑戦だなと感じている部分はありますか?

「第1、2話でゲスト風に見せかけて後半でまた出てくるという役どころは、今まで演じたことがなかったので新鮮です」

――あらためて、緋山というキャラクターへの解釈と役作りについて教えてください。

「緋山にとって第8話が肝になってきますが、すべて過去に起きた出来事が影響しています。最初の段階で台本が後半までできていて、展開を理解した上で第1、2話を演じられたのは雲泥の差なので、自分としては終盤を計算しながらお芝居ができてよかったです。役作りでいうと、決して根が明るい青年ではなく、表情だけでストーリーをつなぐ役目でもあるので、たたずまいや目の奥の光のなさ、口調などは意識しながら演じています」

岩田剛典「第1話の始まりと終わりはすべての物語の重要なシーン」――「アンチヒーロー」インタビュー

この役柄を用意していたかのようなお芝居をされる

――長谷川さんと共演しての印象や刺激を受けたことはありますか?

「僕がコメントするのもおこがましいですが、明墨弁護士を演じるのは本当に大変なことだと思います。それをこのスケジュール感の中でやり切っていて、人間力の高さをそばで見ていてすごく感じます。この役柄を(以前から)用意していたかのようなお芝居をされるので、現場で本当に感服するばかりです」

――第2話の最後、赤峰柊斗(北村匠海)とのシーンも衝撃的でした。北村さんと共演していかがでしたか?

「北村くんとの雨のシーンは、まだ3月ぐらいだったのでとても寒く、クレーンなどを使った大掛かりの撮影だったのですごく記憶に残っています。北村くんがカップラーメンを持ってきてくれて、極寒の中、2人で仲良く食べてなんとかやり遂げられました。北村さんは優しい方ですね」

岩田剛典「第1話の始まりと終わりはすべての物語の重要なシーン」――「アンチヒーロー」インタビュー

――これまでで印象的だったシーンがあればお聞かせください。

「法廷のシーンはカット数も100近いこともあり、集中力をキープするのが非常に大変でした。スタッフ、キャスト含めチーム力が試される撮影が続いていますが、最後まで一丸となって乗り切りたいです」

――シリアスなシーンも多いですが、日曜劇場ならではの空気感などは実感されていますか?

「前室は割と和やかな雰囲気ですが、長回しも多い現場だったりするので、皆さん結構ぐったりしていますね。カメラが回る直前は、本番に向けて現場の集中力が山のように高まり、ピリッとした空気感になっていく感じは日曜劇場らしいなと思います」

岩田剛典「第1話の始まりと終わりはすべての物語の重要なシーン」――「アンチヒーロー」インタビュー

終盤に向けて見事にパズルがはまっていきます

――作品の全体としての魅力もお聞かせください。

「今作は、最後までご覧になっていただいた方にしか得られない満足感があり、その魅力はやはり脚本だと思います。脚本が面白いというのが作品の良しあしを決めるのに一番大きな要素になってくるので、そこが盤石であることが視聴者の皆さんの満足度につながっているのかなと感じています。あとは、視聴者の目線ですが、すごく撮り方が丁寧で、映像が映画っぽい質感になっているところも好きです」

――視聴者の方は考察をするために何度も見返すと思います。最後に、岩田さん的“アンチポイント”を教えていただきたいです!

「それは物語の理解度を高める上でとても重要で、何度もご覧になっていただくと気付けなかった部分も出てくると思います。第1話の始まりと終わりに緋山が出てきますが、実はすべての物語を通して重要なシーンになっています。特に第1話の冒頭は“ただの主人公のヒーローカットではございません”ということが分かる場面でもあるので、ぜひもう一度見てみてください。まだ視聴者の皆さんも全員の登場人物がなんとなくしか伝わっていなく、最後まで見ないと分からない部分がありますが、終盤に向けて見事にパズルがはまっていきますので、毎週楽しみにしていただけたらうれしいです」

岩田剛典「第1話の始まりと終わりはすべての物語の重要なシーン」――「アンチヒーロー」インタビュー

【プロフィール】

岩田剛典(いわた たかのり
1989年3月6日生まれ。愛知県出身。EXILE/三代目 J SOUL BROTHERSのメンバーであり、ダンサー、歌手、俳優として多岐にわたり活躍中。主な出演作に、NHK連続テレビ小説「虎に翼」、「一橋桐子の犯罪日記」(NHK総合)、「あなたがしてくれなくても」(フジテレビ系)、「プロミス・シンデレラ」(TBS系)、映画「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」「死刑にいたる病」「ウェディング・ハイ」などがある。

【番組情報】

「アンチヒーロー」
TBS系
日曜 午後9:00~9:54

取材・文/N・E(TBS担当)



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