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大河ドラマ「どうする家康」などで存在感をみせる超大型・逆輸入俳優 米本学仁「僕のアイデンティティーはプリウスみたいなもの」【インタビュー後編】2024/05/31

大河ドラマ「どうする家康」などで存在感をみせる超大型・逆輸入俳優 米本学仁「僕のアイデンティティーはプリウスみたいなもの」【インタビュー後編】

 32歳でハリウッド映画デビューし、現在国内外で活躍中の逆輸入俳優・米本学仁さんへのインタビュー後編をお届け! 前編では、「THEバディ」(日本テレビ系)出演の感想、ハリウッド俳優デビューのきっかけなどを話していただきましたが、後編では「鎌倉殿の13人」、「どうする家康」と2年連続出演したNHK大河ドラマのエピソードや、今後挑戦していきたいことについて伺いました。

大河ドラマ「どうする家康」などで存在感をみせる超大型・逆輸入俳優 米本学仁「僕のアイデンティティーはプリウスみたいなもの」【インタビュー後編】

――昨年、一昨年と大河ドラマでも活躍されていましたよね

「実は『家、ついてってイイですか?』(テレ東系)という番組に出演して、書き初めをしたんです。その時に書いたのが、“大河”。その数カ月後に『鎌倉殿の13人』のオファーを頂いて。僕は20歳ぐらいまでに両方の祖父母が亡くなっていたんですけど、2020年に結婚したらおばあちゃんができたんです。妻になった薫さんの福島のおばあちゃんがご存命で。そのおばあちゃんに見てもらえる作品はやっぱり大河ドラマと朝ドラなので、猛烈に大河に出たいと思いました。『鎌倉殿の13人』をおばあちゃんに見てもらったんですけど、『学仁くん、すぐ死んじゃったね』と言われてしまったんです(笑)。でも結婚しておばあちゃんができたことが、本当にうれしくて。見てもらえてよかったなと思っていたら、次の年もオファーを頂いて。そんな中、『どうする家康』放送の前におばあちゃんが亡くなったんです。もう見てもらえないのかと落ち込んでいたら、薫さんが『天国はテレビも見放題だから大丈夫だよ、NHKの受信料は分からないけど、見てもらえるよ』と言ってくれて」

――おばあさまは天国でなんて言ってくれていると思いますか。

「『次は朝ドラに出てね』って」

――おばあさま貪欲ですね(笑)。

「おばあちゃんにあやかって、僕が貪欲なだけなんですけど。でも、朝ドラ『おむすび』(NHK総合/2024年後期放送予定)出たいですね。おむすび大好きなので(笑)。あとお米、農業というテーマにもひかれます。その次の朝ドラ『あんぱん』の時代や物語にも。亡くなったけれど、おばあちゃんに見てもらいたいなと思いながら演じることは今でもあります」

大河ドラマ「どうする家康」などで存在感をみせる超大型・逆輸入俳優 米本学仁「僕のアイデンティティーはプリウスみたいなもの」【インタビュー後編】

――大人になってからも、どんどん環境が変化してすてきですね。

「変化し続けてますよね。変わらず変わり続けるということなのかなと思います」

――変わらず変わり続ける…。変わり続けることが当たり前という意味ですか。

「そう。ずっと変わり続けているということです。変わらなくなることなんて、ないんじゃないかな」

――今後挑戦してみたいことはありますか。 

「今日着ているTシャツに、僕のシルエットが入ってるんです。僕が着られる服というか、本当にいいなと思えるものの数が限られていて。かっこいい下着もあんまりないし…と思っていたら、友達が『学仁くんが本当に着たいものを一緒に作りませんか』と誘ってくれて、テストで作ってくれたのがこれなんです。要は、デブや太っちょ、肥満、プラスサイズやボディポジティブ、それって当たり前のサイズにいない人たちだと思うんですよね。だから好きな服がなかなか見つからないんです。でも、僕が自分のサイズのものを作って、『今日かっこいいの着ているんだ』と思ったら1日楽しいじゃないですか。僕が楽しかったら、会った人たちにも楽しさが伝染していくと思うんです。そんな服ができたらいいなと思ってチャレンジをしています。洋服ももちろんだし、薫さんと一緒に立てた事務所の『SUPER UNIVERSAL』でもそういうことをやっていこうと思っています。あとは、日本にいながらタイのキャスティングの人からのオファーで、インドのCMに出たり、インドネシアの映画を福島で撮ったり。状況もいろいろ変わっていきますが、今いる場所で一生懸命やっていたら、ちゃんと届くんだなと身に染みて感じることが最近増えました」 

大河ドラマ「どうする家康」などで存在感をみせる超大型・逆輸入俳優 米本学仁「僕のアイデンティティーはプリウスみたいなもの」【インタビュー後編】

――日本と海外の架け橋になっていただきたいです。

「なれるもんなら、なりたいですね。アメリカでUber(タクシー)に乗ってる時に、ドライバーさんが、哲学的な話をしてきて、僕もいろんなお話をして、その中で、『お前のアイデンティティーってどこにあるんだ。日本なのか、アメリカなのか』って言われて。僕は、『日本で生まれ育った時間は絶対にかけがえのないものだし、アメリカで過ごした10年っていうものも、自分の中で切り離せるものじゃない。どちらも大切な時間なんだ。トヨタのプリウスみたいなもんじゃないかな。日本の車だけど、海外でもたくさん走っていて、とにかくいいものを作りたい、届けたいというのが僕のアイデンティティーじゃないかな』と、その時話しました」

――哲学的な雑談もできるほど、もう英語ぺらぺらってことですもんね

「そうですね。英語を勉強するのは簡単じゃないけど、こういう話をしたいなとか、こういう人に自分で好きって伝えたいとか、目標があると、英語はどんどん自分の中に染み込んでいってくれると思います」

――英語の勉強に悩んでいる学生には、英語で話したいことを見つけてから勉強してというアドバイスを?

「勉強したくなければ別にする必要もないなと思うんですよ。ただコミュニケーションをしたいだけだったら、AIも使えるし。だけど、自分の言葉で話したい、自分の考えたワードのチョイスでやりたいと思うようになったら、それはもう自然にそうなっていくから、やりたきゃやりますよ。多分皆さん、こうやりなさいって言っても、必要のないことはやらないと思いますね」

――米本さんは幼少期から映画が大好きで、自分を作る過程でも映画が大きく影響を与えてくれたそうですが、特に転機になった映画はありますか?

「難しいな。いろんな時々で自分にとって大きいものがあるんですけど、子どもの時に好きになったのは『インディ・ジョーンズ』とか冒険もの。内向的で、遊びに行っても10分で帰ってきてレゴで遊んでいるような子どもだったんですけど、『映画が僕をどこにでも連れてってくれる』という感覚があって。高校生ぐらいの時には、ロビン・ウィリアムズの『いまを生きる』を見て、学校の先生になりたいなと思ったり。大学時代は月に50本ぐらい見ていて、その時には、監督で映画を見るようになって、世界中の映画にのめり込んでいきました」

――私も映画見ていたらもっと視野が広い人生になっていたかもしれないです…。

「映画って2、3時間集中して、自分が映画の世界の中に生きたり、その世界を深く感じることができる素晴らしさがあると思うんです。他を遮断して、それだけに集中する。お芝居もそうなんですけど。アメリカにいる時に、本当に忙しくてにっちもさっちもいかないぐらい大変だった時に、ミュージカルの『アニー』を友達と見に行ったんですね。始まる前にスマホの電源を切って、『これからアニーを見るだけの時間なんだ』と思ったら、それだけでツーっと涙がでてきて。そのためだけの時間というのが、映画や観劇の素晴らしさなんじゃないかなと僕は思います。2時間もじっとしていられないよって思う人もいるかもしれないですけど(笑)」

――スマホの電源を切って、映画館に行くところから始めてみます。

「本当に、他のことを何もせず、作品だけにずっと集中して、その世界の中を泳ぐように生きるのが僕の好きな時間ですね」

 ――ありがとうございました!

大河ドラマ「どうする家康」などで存在感をみせる超大型・逆輸入俳優 米本学仁「僕のアイデンティティーはプリウスみたいなもの」【インタビュー後編】

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【プロフィール】

米本学仁(よねもと たかと)
1979年、仙台市生まれ、大阪府育ち。2007年、プロデューサーを目指し、渡米。13年、映画「47RONIN」で俳優デビュー。日本での主な出演作は、Netflix「全裸監督」(19年)、映画「総理の夫」(21年)、Disney+「ガンニンバル」(22年)、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」「どうする家康」、ドラマ「ONE DAY〜聖夜のから騒ぎ〜」「トクメイ!警視庁特別会計係」(ともにフジテレビ系)など。

取材・文・撮影/Kizuka 衣装協力/noput



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