朝ドラ出演中の岩田剛典、「花岡がなりたい理想像を体現していたのが寅子だったのかな」2024/04/24

　NHK総合ほかで放送中の連続テレビ小説「虎に翼」。本科と呼ばれる法学部に進学した猪爪寅子（伊藤沙莉）たちは、法改正が行われ、女性も正式に弁護士になるための試験を受けられるようになったことで、気合が入っていました。本科では花岡悟（岩田剛典）ら男子学生が待ち受けていましたが、意外にも寅子たちに好意的。親睦を深めようと皆でハイキングに行くことになりましたが、寅子と花岡は口論に。その後、花岡は崖で足を滑らせてしまい…。

　今回は、そんな花岡を演じた岩田さんにインタビュー！　役作りから今後の見どころまでたっぷり語っていただきました。

――出演が決まった際の心境と周りからの反響を教えてください！

「幼少期から朝ドラが生活の一部として育ったので、両親がすごく喜んでくれるだろうなと感じました。あとは、周りの友人やプロダクションの先輩、同期など、みんなから祝ってもらいました。ドラマの出演が決まっただけで『おめでとう』と言われることはなかなかないので、あらためて朝ドラの影響力の大きさを感じました」

――花岡の初登場の第一声は「ごきげんよう」と、すごくインパクトがありましたよね。どんなことを考えながら演じられたのでしょうか。

「ドラマとしてファーストインプレッションのインパクトを作りたかったシーンだと思うんですけど、僕もそこをくみ取って、本当にただただ元気に爽やかにやらせていただきました。二面性のある役でもあるので、爽やかであることがこの先のフリにもなると思っていて。今後いろいろ明らかになっていく時に、ギャップを感じていただけるように演じました」

――ファンの皆さんは岩田さんの学生服姿も楽しまれていると思いますが、制服を着た気分はいかがでしょうか。

「学生時代は学ランを着ていたので、懐かしい気持ちになりました。自分では『まだまだ全然いけるな』と（笑）。当時の時代背景もあって、大学生で学ランを着ているのもあり、意外と成立していると思います」

――役作りについて、花岡をどういう人物として捉えていますか？

「男尊女卑の時代という当時の背景を背負ってはいますが、女性に対して優しさを見せる一面もあって。女性の夢を追いかける姿を純粋に応援したいという本心もあるんですが、学校内でのヒエラルキーの中ではきっと上位で、自分の男としてのプライドや見えも守りながら女性たちと付き合っていかなければならないという思いもあったと想像しています。女性陣からみたら『花岡は本心でそれを語っているのか』『実際にはどんな人なんだろう』とミステリアスに捉えられたいなという思いで、役と向き合っていました」

――演じるに当たって大事にしていたことや、振る舞いで気を付けた部分も教えてください。

「花岡は、男性社会の中では自分の立場や振る舞いに対して自己満足しているのですが、寅子率いる“魔女ファイブ”は異質な存在として捉えていて、彼女たちから感化されて物事の捉え方が柔らかくなり、だんだん本音を話せるようになっていく面もあります。寅子に対しての思い、恋心なのか、応援したいという思いなのか…。両方ある気もしますが、そういった気持ちを抱えながらも多くは語らないし、自分の信念を曲げずに貫くんです。そんな花岡の人生になかなかの“武士”っぷりを感じていました」

――ご自身との共通点も教えてください！

「大学の法学部を卒業していることですね。僕は政治学科だったので法律の専門ではなかったんですけど、初の朝ドラで法を扱う作品に出演できることに縁を感じました」

――女性に人気な点も共通していますよね…？

「確かに、花岡は恋文をもらったり、そういった描写は多いです。僕は男子校だったし、恋文をもらうなんてことはなかったので、共感はなかったです。どちらかというと『うらやましいやつだな』と思いながら演じていました（笑）」

――特に注目してほしいシーンを教えてください！

「花岡が本心を吐露するシーンです。芯を食ったことを言っていますし、花岡の人物像を自分の中に入れてくれたシーンでもあったので見どころです」

――ヒロイン・寅子を演じている伊藤さんの印象を教えてください。

「どっしりとされていますよね。演技も堂々としているし、現場のムードメーカーでもありつつ、めちゃくちゃ安心感のある座長です。伊藤さんの振る舞いを見ていると、『この人のために自分も頑張りたい』という思いになりました。彼女自身のフランクな性格などが、作品の血として通っている部分が大きいと思います」

――花岡の寅子への思いに共感できるところはありましたか。

「物おじせず、何事にもしっかりと自分の意見を面と向かって言うというところに花岡は憧れていたんだと思います。寅子に対して恋心もあったと思いますが、自分のなりたい理想像を体現していたのが寅子だったのかなと感じましたね」

――戸塚純貴さん演じる轟太一と花岡の関係性もすてきですよね。

「表情や態度、表現の仕方は両者違ったと思うんですけど、基本的に女性が夢を追う姿に肯定的な2人で、同級生の中でもより近い存在でした」

――撮影の合間に戸塚さんとお話されましたか。

「たくさん話しましたが、彼もゴルフを最近始めたらしくて、僕は毎年ゴルフやるやる詐欺をしているので、『できるようになったら一緒に回りたいね』と話をしています。この現場は、毎回久しぶりというくらい撮影の間隔が空いていて、ずっと毎日一緒の連ドラとは違っていたんです。そういう意味でいうと、共演者の皆さんともう少しコミュニケーションが取れたらもっと楽しかったかもしれないです」

――明日（4月25日）の第19話からは、花岡の本心が少しずつ明らかになっていきますよね。

「『花岡の全部がここに集約されているな』というシーンで、丁寧に向き合って演じました。花岡にとっても僕にとっても重要なシーンだったので、撮影では僕の思いがあふれ過ぎてしまい、ちょっと審議がありました。結果的にそのまま使われることになって、撮影はスムーズに進みました」