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鈴木亮平「世界遺産が好きだからこそ魅力を伝えたい!」――「世界遺産」ナビゲーター就任インタビュー2024/04/06

鈴木亮平「世界遺産が好きだからこそ魅力を伝えたい!」――「世界遺産」ナビゲーター就任インタビュー

 TBS系で毎週日曜午後6:00から放送中の「世界遺産」が、約6年半ぶりにリニューアル! 4月7日放送より、鈴木亮平さんが9代目のナレーションを務めることが決定しました。世界遺産や歴史好きで、世界遺産検定1級を取得、さらには世界遺産を旅した気分になれるエッセー集を上梓するほど世界遺産に詳しいことでも知られています。

 今回は、従来のナレーターではなく、番組初となる世界遺産の案内役=ナビゲーターとして就任された鈴木さんにインタビュー。自らの思いも交えつつ、世界遺産の魅力について語っていただきました。

――まず、「世界遺産」のナビゲーターに抜てきされた時の率直なお気持ちをお聞かせください。

「昔からずっと見ていて、自分が世界遺産を好きになるきっかけにもなった番組なので、携わることができて非常に光栄です。ナレーションの仕事は何度かやらせていただいていますが、そのたびに『世界遺産』のナレーションをするとしたらどんなトーンでやるかなと空想をしたりしていたので、お話をいただけてうれしいです。それと同時に、今までの方々が積み上げてきたものを壊さずに、自分らしさをどう出していこうか考えています。せっかくナビゲーターという肩書をいただいた以上、世界遺産が好きだからこそできるオリジナリティーを出せたらいいなと思っています」

――2回目のナレーションを終えたということですが、特にオリジナリティーが出せた部分はございますか?

「本来ナレーションは淡々と説明していきますが、自分の場合はプレゼンをしている感覚に近かったです。『ここからがすごいんです!』や『皆さん、屋久島って縄文杉があるから世界遺産だと思っていますよね。でも実はこっちの照葉樹林もすごいんです!!』みたいに、どうしても熱が入ってしまい…。僕が一番盛り上がっては意味がないので、うまく抑えつつ、自分の情熱みたいなものを程よく乗せていきたいです」

――鈴木さんのプレゼンみたいなものが番組の中に忍び込まれている感じですね。また、意識していきたいことがあればお聞かせください。

「熱くなろうと思えばどこまででも熱いテンションでやってしまうので、落ち着いて挑みたいです。そして、とにかく笑顔で話すことを意識しています。“世界遺産は楽しい”ということを伝えたいので、シリアスな話題になることもありますが、基本的には笑顔でお届けしたいです」

――ナビゲーターとナレーションの違いをどう捉えていますか?

「リアクションを入れたり、語りかけるような口調、自分の言葉で話したりすることで親しみやすさが生まれて、今までとは違う見え方になるのかなと。大人から子どもまで、幅広い方々に興味を持っていただけたらうれしいです」

――本番組に携わる未来予想図は、自分の中でずっと描いていましたか?

「僕は正直、好きだからこそ関わってはいけないのではと思っていました。また、ファンとして見ていたかった部分も少しあり。その中でも、自分がナレーターだったらこう伝えるかなと考えたこともあったので裏腹な気持ちですが、好きが仕事につながって素直にうれしいです」

鈴木亮平「世界遺産が好きだからこそ魅力を伝えたい!」――「世界遺産」ナビゲーター就任インタビュー

人類の歴史が今大きく変わり始めている

――世界遺産が好きになったきっかけは本番組とおっしゃっていましたが、一番どこの世界遺産に興味を持ちましたか?

「一番は、スリランカにある“シーギリヤ”という世界遺産です。熱帯雨林の中に巨大な拳のような形の岩山があり、その上に昔の宮殿の跡が残っています。それをこの番組で見た時に、単純にすごい!と思ったところから世界遺産に興味を持ち始めました」

――今後、番組で深掘りしてほしい世界遺産はございますか?

「たくさんあります! 特にヨーロッパにある“シュトルーヴェの測地弧”という世界遺産は、記念碑が国をまたいでヨーロッパ中に点々とあります。世界遺産というと絶景や立派な建物のイメージがありますが、そうではなく、地球の長さを測った跡が登録されています。世界遺産は人類の宝を残していくものなので、まさに人類の成長の大きな一歩が形となっています。しかし、それは番組としては画にならなく…。僕はそういう魅力も『世界遺産』という番組で面白く伝えてみたいです」

――そのほか、日本でまだ世界遺産に認定されていない推薦したい場所はございますか?

「世界遺産の条件は厳しいので難しいですね。ただ好きという視点だけで言っていいなら、温泉が好きなので温泉街とか世界遺産になると面白いですよね(笑)。例えば、現在でも和歌山の熊野にある湯の峰温泉の“つぼ湯”は、参詣道の一部として世界遺産に登録されています。ほかにも、島根県の温泉津温泉は石見銀山の登録範囲に含まれていたりしますが、日本の温泉の文化だけが理由で選ばれたものはまだないはずなので、草津温泉とか地元・兵庫の有馬温泉とか世界遺産に選んでくれたら面白いなとは思います。まず難しいですが(笑)」

――日本以外で今後行ってみたい世界遺産もあればお聞かせください。

「トルコにある“ギョベクリテペ遺跡”は特に行ってみたいです。人類が定住していた遺跡で、それは地球上で最古の高度な文明であるといわれていたメソポタミア文明よりも古い文明の遺跡であることが判明しました。人類の歴史が今大きく変わり始めていて、そこはとても気になっています」

――教科書も変わってしまうレベルですね!

「そうですね。トルコは本当に面白い遺跡が多く、世界に類を見ない奇岩群が特徴的な“カッパドキア”や、文化・芸術の特異性を示す歴史的価値の高い遺跡として登録された“ネムルト山”というところがあったり。トルコはまだ行ったことがないので行ってみたいです」

鈴木亮平「世界遺産が好きだからこそ魅力を伝えたい!」――「世界遺産」ナビゲーター就任インタビュー
鈴木亮平「世界遺産が好きだからこそ魅力を伝えたい!」――「世界遺産」ナビゲーター就任インタビュー

映像を楽しむのはもちろん、裏の苦労も感じながら見ていただきたい

――今回、鹿児島・屋久島に実際行かれましたが、感想をお聞かせください。

「思っていた以上にすごかったです。知識はありましたが、実際に行ってみて分かることがその10倍もあって。一定範囲から別のところに一歩踏み入れると、別世界に行ってしまうような感覚に何度もなりました。それはスピリチュアルなことではなく、生命力みたいなものですね。コケから木が生えていて、その木から別の植物が生えて、それが巨大に絡み合っていたりと、とにかくすごい島でした。詳しくは放送をぜひ見てほしいです」

――高精細な映像も番組の見どころかと思いますが、映像に関してどう感じていますか?

「この番組の大ファンなので、映像に関しても思うところはあるわけですよ(笑)。屋久島では『カメラのアングルがここじゃなくて、同じフレームに山頂とその下に海を入れた方がいいと思います』と伝えると、プロがその通りに撮ってくれて。それも楽しかったです」

鈴木亮平「世界遺産が好きだからこそ魅力を伝えたい!」――「世界遺産」ナビゲーター就任インタビュー

――鈴木さん流の「世界遺産」の楽しみ方を教えてください。

「屋久島に行って、撮影チームのすごさに感激を受けました。屋久島の山頂はすごく高く、僕はヒーヒー言いながら登っていましたが、撮影チームは僕より年上の方が多いにもかかわらず、スタスタと進んで行っていました。先月はキリマンジャロに登っていたそうです。撮影してくださる方々がいるからこそ、あの素晴らしい映像が見られるのだなと。映像を楽しむのはもちろん、そういった裏の苦労も感じながら見ていただきたいです。それと同時にこの仕事が大好きなんだろうなとロマンも感じられて、放送の最後に撮影チームが一瞬映るので、そこも合わせてお楽しみください」

――世界遺産の魅力が知れて視聴者の方々も放送回がさらに楽しみになったかと思います! そんな皆さんにメッセージをお願いいたします。

「自分も世界遺産が好きだからこそ、まずは世界遺産の魅力を皆さんに伝えたいです。主役はあくまでも世界遺産なので、それをどう伝えるかと試行錯誤しながらやっていけたらいいなと思っています。番組のファンが日本中にたくさんいると思うので、皆さんの意見も取り入れながら、少しずつ一番いい形を探っていきたいです。世界遺産だけではないですが、旅をしなくても自分が行ったことがない場所を映像で見たり、知れたりすること自体、すごく豊かな体験になると思います。1週間に1回、ソファに横になりながら別世界を楽しんでいただけたらうれしいです」

鈴木亮平「世界遺産が好きだからこそ魅力を伝えたい!」――「世界遺産」ナビゲーター就任インタビュー
鈴木亮平「世界遺産が好きだからこそ魅力を伝えたい!」――「世界遺産」ナビゲーター就任インタビュー

 取材日が2回目の収録後となり、堤慶太プロデューサーは「『世界遺産』は特別な用語が多く、収録するのに最初のうちは時間がかかりますが、鈴木さんは2回目にしてものすごくスムーズに進めてくださって、もとから持っている知識などあらためて素晴らしいなと感じました」とおっしゃっていました。案内役として、鈴木さんが引き出す新しい“世界遺産”をぜひお楽しみに!

【プロフィール】

鈴木亮平(すずき りょうへい)
1983年3月29日生まれ。兵庫県出身。英検1級・世界遺産検定1級を所持。代表作として「TOKYO MER~ 走る緊急救命室~」や「下剋上球児」(ともにTBS系)などがある。映画「エゴイスト」(2023年)では、「第78回毎日映画コンクール」の男優主演賞をはじめ数々の賞を受賞するなど幅広い活躍をしている。4月25日よりNetflix映画「シティーハンター」が配信予定。

【番組情報】

「世界遺産」
TBS系
日曜 午後6:00~6:30

取材・文/N・E(TBS担当)



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