二階堂ふみ「ヒョプさんのお芝居は想像を超えてくる」――最終回前「Eye Love You」インタビュー2024/03/26
TBS系では連続ドラマ「Eye Love You」が放送中。本作は、目を見ると相手の心の声が聞こえてしまう“テレパス”の能力を持つチョコレートショップ会社「Dolce&Chocolat」の社長・本宮侑里(二階堂ふみ)が、超ピュアな年下の韓国人留学生、ユン・テオ(チェ・ジョンヒョプ)と出会い、新たな恋に踏み出していくファンタジック・ラブストーリーです。
今回は、主人公・侑里を演じる二階堂さんに最終回目前にインタビュー。見どころはもちろん、本作の魅力や共演者とのエピソードについて語っていただきました。
――物語も終盤になりましたが、撮影を振り返っていかがですか?
「これ以上ないぐらい素晴らしいスタッフの方々の中でお芝居をさせていただいて、本当に良いチームに参加できたなと心から実感しています。各部署プロフェッショナルな方々が集まって、愛を持って皆で一つの作品を作る。本当に幸せな現場です」
――国内外問わず話題になっていますが、周りからの反響はどのように届いていますか?
「同じ業界でドラマ制作をしている方からは、すごく丁寧に作られているのが伝わると激励のメッセージをいただき、とてもうれしかったです」
――心の声が聞こえるという特殊な役どころですが、演じてみていかがでしたか?
「最初、ファンタジーな要素をいかに違和感がないようになじませるか難しいかもしれないと思っていましたが、監督と相談していくうちに自然と共通認識が生まれ、『こういう時は心の声が聞こえるよね』や、『こういうふうにしていればなんとなく心の声は今遮断している状態かな』と見えるようになってきました」
――あらためて、ご自身の中で侑里はどういうキャラクターだと感じていますか?
「侑里は小さな成長をし続けているキャラクターだなと、台本をいただくごとに感じています。劇的な変化があるわけではありませんが、それぞれのペースで進んでいけばいいんだということを教えてくれました。侑里から勇気をもらうことがたくさんあり、今の私にとって必要なキャラクターでしたね」
――侑里を演じる上で意識されたことはございますか?
「侑里は、トラウマや傷ついた過去があるからこそ人の痛みが分かるキャラクターで、それを抱えながらも、人との出会いや優しさを感じながら少しずつ侑里の変化をつけられるように意識しました」
――また、苦労されたところもあればお聞かせください。
「撮影をしていると、自分の中でこれは正解なのか、こういう演じ方でいいのかなと迷う瞬間がありましたが、現場にいくと、自然と外から侑里というキャラクターの形ができていて。例えば、侑里のおしゃれな家に最初入った時に、この人の世界観や1人で生きていこうとする決意や寂しさみたいなものを感じました。たくさんの方々が侑里というキャラクターを一緒に作ってくださり、1人じゃないんだなと気付かされました」
胸キュンシーンはやっている側は冷静という(笑)
――ジョンヒョプさんのアイデアで生まれたシーンもあると伺いましたが、ご一緒して驚いたことはございましたか?
「毎回フレッシュな空気を届けてくださる方で、台本を読んでいる時には想像もしていなかったことが起きたりサプライズがたくさんあって、都度驚かされました。こういう展開、動きがあるんだ!と、ご一緒させていただきながら勉強していました」
――具体的にどのシーンが印象的でしたか?
「第1話の『そこのキョロキョロしてるかわいい人~!』というシーンは、ジョンヒョプさんだからこそのアイデアだと思います。物理的に距離も離れているのに、すごい大きいエネルギーがバンッ!と飛んで来て。侑里がグッと止まろうとしても、止まることができない感情に持っていってくださるのが印象的でした。エモーショナルというよりかは、その場に止まってしまうような。そのパワーにグッとつかまれました」
――実際、照れてしまうことはございましたか?
「胸キュンシーンというのは不思議なもので、やっている側は冷静という(笑)。これは胸キュンになっているのかな?と研究しているみたいな感覚で楽しかったです。視聴者の方々は、自分たちが意図していなかったところに胸キュンしてくださるので、グッとくるポイントは十人十色でそれぞれ違うんだなと発見もありました」
――ジョンヒョプさんと共演して感じた魅力や、撮影中の裏話もお伺いできればと思います。
「ジョンヒョプさん、すごく足が速いんですよ。あまりの速さにびっくりしました(笑)。勢いがあって、エネルギーに満ちあふれた方だなと。それでいて繊細な部分も持ち合わせています。その繊細さがお芝居の機微に現れていて、どのシーンにおいても侑里に感情のフックを作ってくださるので、本当に感謝しています」
――ビジネスパートナーである花岡彰人を演じる中川大志さんとは共演してみていかがでしたか?
「中川くんとは以前1日だけご一緒したことがあり、今回ほぼ初めましての感覚に近い共演でしたが、長くキャリアを積まれているだけあって、現場でも安定感がありました。侑里との関係はすごく長いですが、ドラマの中でピンポイントとなって出てくる短いシーンは、説得力のあるお芝居をされていてすごいなと。また、そのシーンを撮るプロセスとして、いろいろなことを話し合いながら作ってくださる方だったので、とても頼りになりました」
――第7話では侑里と池本真尋(山下美月)の友情が見られて、2人のチーム感もすてきでしたが、山下さんとは共演してみていかがでしたか?
「山下さんは俳優部として一番心強い方でした。真尋と侑里のシーンは、どちらかというと真尋が主体となって動いていくシーンが多く、そのやりとりは信頼関係が確立していないと遠慮してしまったり、関係性が出やすいなと感じていたので、2人で本読みをしたり、話し合いを重ねながら撮影をしました。お芝居の中でも踏み込んで来てくださるので、すごく心強かったです。カラッとしている方だったのでご一緒して楽しかったですし、また1人いい俳優部の仲間を見つけられて、出会えて良かったです」
――いろいろな男性キャラクターが登場しますが、二階堂さんは誰派ですか?
「完全に(立川志らく演じる本宮)誠さんですね。優しくそっと見守ってくださるのがいいなと思います。コミュニケーションは言葉だけじゃないということを感じさせてくれます。第一声の『侑里』と名前を呼ぶシーンは、誠さんの優しさが感じられて、毎回すごく温かい気持ちになりました。そういうところから侑里の優しくありたいという気持ちが表れているんだろうなと。体や表情は動かしていないのに、言葉に乗っている感情がすさまじくて。志らくさんのお芝居にハッとさせられることがたくさんありました」
――今後、すべて外国語の作品に挑戦してみたいと思ったりしましたか?
「外国語のセリフは難しいですよね。知らない言語で一からセリフを覚えて、そこに感情を乗せてお芝居するということは、ジョンヒョプさんの隣にいて毎回すごいなと感じています。皆で一つの作品を作っていくことが好きなので、国内外問わずいろいろな方々と出会って作品を作っていけたらいいなと思っています」
――韓国料理もたくさん出てきますが、今ハマっている食べ物などございますか?
「キムブガクという揚げたのりに砂糖がかかったのり天のようなお菓子にハマっています。ジョンヒョプさんが韓国に少しお休みで帰られた時に『のり天はご存知ですか?』と聞かれ。これですかと答えると『そういうものだと思います』と(笑)。それをお土産に買って来てくださって、おいしくて止まらなかったです。ぜひ食べてほしいです!」
――最後に読者の方へのメッセージをお願いいたします!
「このドラマに参加できたことは、俳優業を続けてきて本当に良かったなと思います。そして、ワンカットワンカット、スタッフ、キャスト全員が一丸となって丁寧に作ってきたので、それがたくさんの方々に楽しんでいただけて、大事に作ったものは伝わるんだなとあらためて実感しています。また、皆さんからの応援コメントが力となり、ここまで無事に迎えることができました。皆の思いがこもった最終回をぜひ楽しみにしていただけたらうれしいです」
【プロフィール】
二階堂ふみ(にかいどう ふみ)
1994年9月21日生まれ。沖縄県出身。最近の出演作は、映画「月」「翔んで埼玉シリーズ」、ドラマ「VIVANT」「プロミス・シンデレラ」(ともにTBS系)、NHK連続テレビ小説「エール」など。報道特別番組ドラマ「JAPANプロジェクト」(テレビ東京系)が4月28日放送予定。
【番組情報】
「Eye Love You」
TBS系
火曜 午後10:00~午後10:57
取材・文/N・E(TBS担当) カメラマン/澤近勝利 ヘアメーク/渡嘉敷愛子 スタイリスト/髙山エリ
衣装/シャツ¥35,200(AURALEE)、シューズ¥159,500(TACHINO CHIE)【お問い合わせ先】AURALEE 03-6427-7141 TACHINO CHIE
この記事をシェアする