Feature 特集

西島秀俊「最高の俳優たちが集まった」――最終回「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」インタビュー2024/03/16

西島秀俊「最高の俳優たちが集まった」――最終回「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」インタビュー

 TBS系では連続ドラマ「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」が放送中。本作は、天才指揮者だったが、ある事件で家族も音楽も失った父・夏目俊平(西島秀俊)と、そんな父を拒絶し音楽を嫌う娘・響(芦田愛菜)が地方オーケストラを通して失った情熱を取り戻し、親子の絆と人生を再生させていくとびっきり“アパッシオナート”=情熱的なヒューマンドラマです。

 5年前の事件以来すれ違っていた俊平と響が、互いの思いをぶつけ合い雪解けを迎える感動の展開が描かれた前回。SNSでは「この瞬間をどれだけ待っていたか」「2人が音楽をやめて確執があった理由がすごい納得がいった」「ここ数年のドラマでも1・2を争うくらい大号泣」の声が寄せられています。そして、明日3月17日に迎える最終回。解散を目前に控えて、コンペという新たな挑戦をする晴見フィルハーモニーと俊平が選ぶ未来とはいったい? これまでの撮影の裏側から最終回のヒントまで、主人公・俊平を演じる西島さんにお話を伺いました。

西島秀俊「最高の俳優たちが集まった」――最終回「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」インタビュー

――第9話のラスト、俊平と響が5年前の出来事を乗り越えて打ち解けたシーンが、多くの視聴者の感動を呼びました。

「あのシーンは2人のヤマ場のシーンだったので、とても緊張感がありました。俊平と響はギクシャクしながらも結構楽しいシーンも多くて。けんかをしているシーンも楽しんでやっていた部分がありましたが、あの日は特別でしたね。スタッフも全部の撮影が終わった後に『朝からものすごく緊張していた』と言っていました。僕自身は、ドキドキするというより、妙に静かな気持ちになりましたね」

――芦田さんとのシーンが多かったと思いますが、雰囲気はいかがでしょうか?

「皆さんのイメージと違って、意外と芦田さんってポンコツな人なんですよ(笑)。しょっちゅう物にぶつかったり、こけたりしていて。リハーサルで転んだシーンがそのまま採用になって放送されたりもしていましたし。俊平もポンコツな部分が多いので、台本上はポンコツの父親としっかり者の娘という描かれ方だったのが、どんどんただの似たもの親子がけんかしているようになっていて(笑)、それは現場で起こるケミストリーというか。人が演じるってこういうことなんだと思って、とても面白かったです」

西島秀俊「最高の俳優たちが集まった」――最終回「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」インタビュー
西島秀俊「最高の俳優たちが集まった」――最終回「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」インタビュー

――これまで俊平を演じてこられて、印象的なシーンはどこでしょうか。

「オーケストラのシーンはやっぱり毎回楽しく、みんな本当に喜びをもって盛り上がって演奏をしていたので、どの回も印象に残っています。あとはやっぱり第6、7話くらいから、だんだんみんなの感情が高まるシーンが増えていって。毎回最後までドラマが盛り上がるような感情のイベントがある感じで、それはやっぱり大変でした。本作は役者さんが本当に皆さん素晴らしいので『え、そんな感じなの?』と驚くくらい、撮影では皆さんの感情がこちらにうわっと向かって来るんですよ。だからそれを毎回受けて演技をしていくというのが、素晴らしい体験でした」

――これまで一緒に頑張ってきたキャスト、スタッフに伝えたいことはありますか?

「画もいい、音もいい、ロケーションもいい、美術も素晴らしいこのドラマに関われたことを本当に誇りに思っているので、それを用意してくださったプロデューサーの方々、それから監督たちはじめスタッフの皆さんには、本当にありがとうございましたと伝えたいです。そして、僕に指揮をご指導くださった東京音楽大学の先生方にも。先生方の愛情深いご指導のおかげで、どの演奏も毎回楽しく、正直大変でしたが、『もっとやりたい、もっと作りたい!』という気持ちになれました。実は毎回、このドラマを見た友達から連絡が来ていて。『うちの娘が感動して泣いていた』というのも聞きまして、世代を超えて、音楽という枠を越えて、“自分の好きなもので戦っている人たちの物語”として、本当にたくさんの人たちに届いたんだなと実感しています。共演者の皆さんも、最高の俳優たちが集まったと思っています。台本で読んでいるよりも本気の芝居が毎回くるので、どのシーンも本当に感動的で、全員素晴らしかった。またご一緒できるように精進して、もっともっと頑張って、いい俳優になろうと思います」

――「さよならマエストロ」というタイトルの通り、最終回は俊平がどんな未来を選ぶのかが大きな見どころかと思います。あらためて視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。

「タイトルが最終回に関わってくるのかというところですが、それは僕が今言ってしまうとアレなので…もしかしたら全然関係ないかもしれないですしね(笑)。とにかくたくさんの皆さんに応援していただいたおかげで、本当にすてきなドラマになりました。現場でもスタッフ・キャスト全員がいいドラマにしたいと思いながら、そのことをすごく楽しんで作品を作ることができて。最終回、今まで楽しんでくださった方にも納得していただける、本当に素晴らしい回になっていると思いますので、ぜひ最後まで楽しんで見てください」

西島秀俊「最高の俳優たちが集まった」――最終回「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」インタビュー
西島秀俊「最高の俳優たちが集まった」――最終回「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」インタビュー

【プロフィール】

西島秀俊(にしじま ひでとし)
1971年3月29日生まれ。東京都出身。おひつじ座。A型。近年はドラマ「ユニコーンに乗って」(TBS系)、「警視庁アウトサイダー」(テレビ朝日系)、映画「シン・ウルトラマン」(2022年)や「ドライブ・マイ・カー」(21年)などに出演。また、ドラマ「黄金の刻」(テレビ朝日系)が3月30日に放送予定。

【番組情報】

「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」
TBS系
日曜 午後9:00~9:54 ※3月17日は午後9:00~10:09

文/N・E(TBS担当)



この記事をシェアする


Copyright © TV Guide. All rights reserved.