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芦田愛菜「西島さんと音楽みたいにかみ合った瞬間があった」――「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」インタビュー2024/03/09

芦田愛菜「西島さんと音楽みたいにかみ合った瞬間があった」――「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」インタビュー

 TBS系では連続ドラマ「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」が放送中。本作は、天才指揮者だったが、ある事件で家族も音楽も失った父・夏目俊平(西島秀俊)と、そんな父を拒絶し音楽を嫌う娘・響(芦田愛菜)が地方オーケストラを通して失った情熱を取り戻し、親子の絆と人生を再生させていくとびっきり“アパッシオナート”=情熱的なヒューマンドラマです。

 いよいよ最終回が目前に迫る中、ドイツのノイエシュタット交響楽団からのオファーを断り、晴見フィルハーモニーや響たちとのこれからを選んだ俊平。そして、そんな俊平に複雑な思いを抱いて葛藤する響……。SNSでは「響との関係はまだ一波乱ありそう…」「特にこの回は心にじんわりと来た」「次はいよいよ響との葛藤を描く回、ますます見逃せない!」の声が寄せられています。5年前の事件以来すれ違う親子にとって重要な回となる第9話を前に、芦田さんにお話をお聞きしました。

芦田愛菜「西島さんと音楽みたいにかみ合った瞬間があった」――「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」インタビュー

――いよいよ最終回も目前。これまで晴見フィルのことを気にかけているのに、素直に行動に移せなかった響の頑なだった心が、解けていっているのを感じます。

「そうですね。響は5年前までバイオリンのソリストとして1人で音楽と向き合ってきましたが、晴見フィルの皆さんと出会い、第7、8話で小村二朗さん(西田敏行)や谷崎天音ちゃん(當真あみ)の“技術”ではなく心から“楽しんでいる”演奏に触れて。音楽とは誰かに聴かせるということ以前に“大好きだ”という気持ちを表現するだけでいいんだと感じて、すごく心を打たれたんじゃないかと。自分もこんなふうに純粋に“音楽が好き”というだけでよかったんだと思えるようになってきた頃なのかなと思います」

――俊平との関係性も変化していっていますね。

「響は本当はお父さんのことが大好きだし、音楽のことも大好きだからこそ素直になれなくて。殻に閉じこもってしまう自分も嫌いだし、どうしても素直になれない部分があったと思うんです。でもそろそろ仲直りしたいと思い始めていて、一緒に暮らすうちに俊平さんの音楽を愛する気持ちに触れて、少しずつ解けていっているなと。きっと、自分も何かアクションを起こしていかなきゃいけないという気持ちになっていると思います」

――響を演じていて、印象的なシーンはどこでしょうか。

「やはり第3話でバイオリンを久しぶりに手に取るシーンですね。もちろん私自身バイオリンが初めてで、それが難しかったというのもありますが、楽しそうに音楽を演奏するみんなを見ていて、どうしても自分の中の『音楽がやりたい』『音楽が好き』という気持ちが勝ってしまう感じをうまく表現したいと思って演じていたので。あとは、第8話で天音ちゃんのバイオリンを聴いているシーンも印象的です。『音楽がすごく好きなんだ!』という気持ちを父親にぶつける天音ちゃんを見て、響もきっと、小さい頃にお父さんや先生に教わって、少しずつ弾けるようになった時のうれしかった気持ちや情熱を思い出したんだろうなと。私自身もお芝居をしていて、自然と涙があふれてきてしまいました」

芦田愛菜「西島さんと音楽みたいにかみ合った瞬間があった」――「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」インタビュー

――西島さんとの撮影が多いと思いますが、現場の雰囲気はいかがですか。

「西島さんはすごく気さくで優しい方です。共演者やスタッフの皆さんにもすごく距離が近くてフレンドリー。俊平さんも愛嬌(あいきょう)があってみんなに愛されるキャラクターだと思いますが、まさに西島さんもそういう方だなと思います。家での撮影が多いのですが、撮影現場はすごく和気あいあいとしていて。鏑木晃一さん(満島真之介)が家に来るシーンでは、鏑木さんのキャラクターがとてもすてきなので、彼のセリフがなんかこう…面白くなってきてしまって(笑)、笑いが止まらないこともありました。私も西島さんも結構ツボが浅いので、面白味のないセリフで、なぜか2人でツボってしまって(笑)。倉科瑠李さん(新木優子)と俊平さんがキスをしていると勘違いして響が怒るシーンがありましたが、そのシーンで振り向いた西島さんのお顔をテストで唐突に見た時にも面白くなってしまって、我慢できなくなったこともありました(笑)」

――コミカルなシーンもあれば、お二人のシーンは気持ちをぶつけ合う真剣なシーンも多いと思います。そういった場面はどのように作り上げていますか。

「そうですね、途中まではやはり、響が俊平さんに一方的に思いを伝えたりだとか、2人ががっちりかみ合うというより、どちらかがうまく5年前の事件について避けていたというか。衝突を避けながら会話をする感じがあったと思いますが、第9話で、2人が思いを伝え合うようなすごく大切なシーンがあって。その撮影の時は、西島さんもそういう雰囲気を作って引っ張ってくださっていましたね。特に事前に話し合って作り上げる感じではなく、まさに音楽みたいに、その雰囲気をお互いでかみ合うような感じでした。そのシーンは台本を読んだ時『気持ちのピークをここに持っていこう」といったことを決めていたんですが、ある場面でスイッチが押されたようにすごく気持ちがあふれ出てきてしまって。なんだかそこからすごく響の気持ちになりきれた1日でした」

――親子にとって大切な回となりそうな第9話、そして最終回へ向けて見どころをお願いします。

「響は5年前のある出来事によって、音楽が大好きで、指揮者として生きることがすべてだった俊平さんからそれを奪ってしまったことに引け目を感じているので、その思いと向き合って、これから俊平さんとどう接していくのか、そして俊平さんの夢を後押しすることができるのかというところが見どころになってくると思います。さらに『さよならマエストロ』という題名についても、その伏線がどのように回収されていくのかも注目かと思います。最終回、また音楽に向き合うことになる響が、どんなふうに晴見フィルの皆さんと、そして家族みんなで温かい結末を迎えられるのかを楽しみにしていただけたらうれしいです」

芦田愛菜「西島さんと音楽みたいにかみ合った瞬間があった」――「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」インタビュー
芦田愛菜「西島さんと音楽みたいにかみ合った瞬間があった」――「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」インタビュー

【プロフィール】

芦田愛菜(あしだ まな)
2004年6月23日生まれ。兵庫県出身。近年は、NHK連続テレビ小説「まんぷく」(語り)、「エンディングカット」(NHK総合)、「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」(日本テレビ系)、映画「星の子」「メタモルフォーゼの縁側」などに出演。

【番組情報】

「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」
TBS系
日曜 午後9:00~午後9:54

文/N・E(TBS担当)



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