木野花「華やかな表舞台とはひと味違う、スズ子の家庭生活の様子も楽しんでいただけたら」――「ブギウギ」インタビュー2024/02/23

　NHK総合ほかで放送中の連続テレビ小説「ブギウギ」。大正の終わりごろ、大阪の下町にある小さな銭湯の看板娘で、歌って踊るのが大好きな天真らんまんな女の子・花田鈴子が、小学校を卒業し歌劇団に入団。さまざまな困難に見舞われながらも大スター歌手への階段を駆け上がっていく物語だ。今回は、福来スズ子（趣里）のもとにやって来るベテラン家政婦・大野晶子役の木野花が、役柄への思いや作品の見どころを語った。

　本作への出演が決まった時の感想を問われると「まさか自分に話が来るとは予想もしていませんでしたから驚きました。『私でいいのかな』と思ったのですが、今回は青森ことばの役だというので、青森ことば対大阪ことばの会話は面白そうだとうれしくなりました」と明かした。

　自身が演じる大野を「台本には働き者で正直者という感じで書かれていて、気持ちが強くエネルギッシュで、今でいう『働く女』のはしりのような女性で、自立している人だなと思いました。青森の女性の強さというか、そういうものをしっかり持ちながら、正直に自分が思うことを真っすぐ言える人です。私も見習いたいところがある女性だなと思います」と語る木野は、「スズ子さんのところにやって来て、家族のように『それは違うと思いますよ』とスズ子さんにも助言ができる立ち位置で、これから一緒に家族のように助け合って暮らしていくことになります。今後、家族になっていくシーンが布石のように置かれていくので、そういったところを丁寧に、大事にしていこうという気持ちで演じています」と撮影を振り返った。

　スズ子を演じる趣里については「趣里さんの人生というか、趣里さんの人格の中からスズ子を導き出してきたなという感じがしています。笠置シヅ子さんに合わせるとか、シヅ子さん像をつくるということではなく、私は私のエネルギーを人生に注ぎ込んでいくというくらいに、今ちゃんとそのレールの上に立っているなと感じます。不自然さがないですよね。見た目は全然違うのに、説得力があるし、さすが趣里さんだなと思いました。以前から、演劇界で『すごい子が出てきたよ』といううわさがあって、それが趣里さんのことだったんですが、本当にすごくて、歌も歌えるし、踊れるし『これまでどこにいたの？』って（笑）。そう感じるインパクトがありますね」とべた褒め。

　最後に、視聴者に向けて「スズ子の人生にはいろいろな別れや事件がありますが、それをバネにしてその都度強くなっていくエネルギーをまず見てほしいです。そして、大野は家政婦として歌手のスズ子を支えますが、華やかな表舞台とはひと味違う、スズ子の家庭生活の様子も楽しんでいただけたらと思います」と呼び掛けた。