「新空港占拠」出演で話題の芸人・ぐんぴぃにインタビュー「櫻井さんに心つかまれました」2024/01/20
1月13日から放送が始まった櫻井翔さん主演のドラマ「新空港占拠」(日本テレビ系)。「ボイス 110緊急指令室」の制作チームが再び結集し、昨年1月期に放送された「大病院占拠」の続編となる今作は、刑事・武蔵三郎(櫻井)が“獣”十二支の面をかぶる武装集団によって占拠された新空港から人質を救出し、事件解決に奔走するタイムリミット・バトル・サスペンスだ。
「“獣”キャストは誰なのか?」「ジェシーさんと手塚とおるさんが演じる謎の人物は何者なのか?」といった予想合戦が繰り広げられる中、第1話ラストでは“蛇”の正体が、1年前の「大病院占拠」事件では共に捜査に当たっていた情報分析官・駿河紗季(宮本茉由)と判明! 前作以上に息つく暇もない怒濤(どとう)の展開に「1時間あっという間だった」「ドキドキした」という声が続出した。
TVガイドwebでは、前作に引き続き神奈川県警の指揮本部で情報分析官として捜査に当たる志摩蓮司として出演しているぐんぴぃさんにインタビュー! お笑いコンビ「春とヒコーキ」で活躍する一方、配信番組の街頭インタビューの発言から“バキ童”と呼ばれ、YouTuberとしても人気を集めているぐんぴぃさん。演技初挑戦となった前作「大病院占拠」と今作「新空港占拠」出演について、そして櫻井さんをはじめとする共演者の皆さんとのエピソードなどを聞いた。
――前作「大病院占拠」に引き続いての出演となりますが、主演の櫻井翔さんをはじめキャストの皆さんとはすっかり打ち解けられましたか?
「櫻井さんは本当にフランクに話してくださったり、僕がやっているYouTube(「バキ童チャンネル」)を見てくれていたり。僕のYouTubeって、基本的に櫻井さんが見ていいものじゃないんですけど(笑)、僕らが大好きな“うまトマチキン”という期間限定で発売しているすごくおいしいメニューがあって、その動画をあげたのを櫻井さんがご覧になって『いやぁ、あれ食べたいです』って言っていて。僕は『リップサービスかな』『天下の櫻井さんのお口には合いませんぜ!』って思っていたんですけど、その日のお昼ご飯のお弁当に手を付けないで『ちょっと行ってきます!』って本当に食べに行ったんです。帰ってきてからも満足そうな顔で『あれは名作でしたね~!』って。あれは心つかまれますよね。うれしかったです」
――ソニンさんとも再び共演されますが、ソニンさんはどんな方ですか?
「ソニンさんは僕の健康をずっと気遣ってくれる人です。前回ずっと『痩せなさい』って言われていて、『ドラマが終わったら痩せますわ』って言っていたんです。まさか続編があると思わないじゃないですか。『え、また会うの? 痩せてないんだけど…!』って思いながら少しダイエットやりまして、なんとか『ちょっと痩せましたよ』って伝えられました」
――続編の出演が決まってから、ソニンさんとの約束を守るためにダイエットされたんですね(笑)。
「そうですね。ソニンさんには本当にお世話になりましたし、不義理も働いてしまって…」
――不義理とは何を…?
「ソニンさんが出演する舞台があったんですけど、見に来ない?って誘ってくださって『うわぁ、絶対行きたい!』と思って『行きたいです』とお伝えしたんです。でも、その舞台の日に寝坊しちゃって、100分遅刻してしまって…」
――100分遅刻はもうほぼ終わってしまっているのでは?
「幸い全部で3時間超の長編の演劇だったので、急いで駆けつけて、残り80分くらいは見ることができたので『80分でもめちゃくちゃ面白かったです』って伝えたら、ちゃんと怒られまして。『何も分かってないでしょ!』って。でも、もう会うことはないだろうなと思っていたところに再会するに至りまして、それはやっぱり申し訳ないな、より頑張ろうと思いました」
――ソニンさんにお詫びする意味もかねて…ですね。
「ソニンさんには台本の覚え方や、取り組み方も全部参考にさせていただいています。ソニンさんって何かを暗記するために絶食して、集中力を高めて臨むらしいんです。僕からしたら絶食をして集中力が高まるとは思えないんですが、ソニンさんはそれができる方なんですよね。セリフの覚え方でいうと、自分の音声をスマホに吹き込んで、それを聞いて覚えるのがいいよって教えていただいて、本当に全部教わっています。…とこれを書いておいていただけたら、ソニンさんに怒られないかも(とソワソワ)」
――前作の時と比べて、クランクインの時の心境も違いましたか?
「前回は初ドラマ出演だったので、ミスしたり間違えたりしても皆さん許してくださるというか、『これは知らなくて当然だよね』という感じだったんです。今回は2回目になるので、ちょっとミスすると『何やってんだ』ってなってしまうので、弟ができたお兄ちゃんみたいな、もう甘えられない感じはありますね。知らない用語も前回は聞けたんですけど、今回は聞きづらくて…」
――ドラマ現場には専門用語がたくさんありますよね。
「『ぐんぴぃナメで撮りましょう』とか。『え、“舐め”?』と思ったら、『そういう意味じゃなくて肩越しに撮ることだよ』って教えていただきました(笑)。岩槻澪役の白石聖さんが『この現場ってこうやってます?』って僕にいろいろ聞いてくださったんですけど、僕は全然分からなくて。『たぶんそうじゃないかな』とだけ言ったら、全部違って、見限られまして(笑)。そういうところもちゃんとやろうと思いましたね」
――では、現場で分からないことはどなたに聞かれるのでしょう?
「それもソニンさんですね。あと、片桐仁さんにも『あれって何なんですか?』って聞きやすくなりました」
――今おっしゃったように、共演が多いところでは、今回新たに情報分析官役で白石聖さん、横浜署署長役で片桐仁さん、横浜署刑事役で瀧内公美さんが出演されます。
「片桐さんは本当にうれしかったですね! ラーメンズといえば、もうお笑い界のレジェンドじゃないですか。片桐さんはずっと前室(控室)でお話されていて、とにかく前室の中心にいらっしゃるんですよね。これが芸人の本来あるべき姿なのかって勉強になりました。僕は前回、『芸人がこんな場所に来ちゃってすみません』という思いもあったし、俳優の方たちがしゃべっているのを邪魔しちゃいけないと思って、ずっと押し黙っていたんです。みんなが話しかけてくれたら少ししゃべる。それでやっと仲良くなったんですけど、芸人なんだから前室の空気を良くするみたいなこともできた方がいいんだなと、すごく参考になりました。聞いた話ですけど、生瀬勝久さんが前室でバーってしゃべって盛り上げる人で、片桐さんもそれを見てしゃべるようにしているんだとおっしゃっていて。なるほどなと思いました」
――片桐さんはムードメーカーなんですね。
「そうですね。あと、どうしてもNGを出してしまうことってあるんですが、僕なんかは『すみません!』ってなっちゃうところを、片桐さんはちょっとふざけて笑いを取って、NGを1回なかったようにする。それを見て『そっか、そうすれば良かったんだ』って、本当にいろんなことを教わっています」
――前回は演じる志摩がフィーチャーされる場面も少なかったですし、初めてということもあって、志摩に“ぐんぴぃらしさ”を入れることも難しかったのではと思いますが、今回は期待してもいいでしょうか…?
「前より結構しゃべる機会が多いですし、確かにキャラがちゃんと出せるんじゃないかなという気はしますね。前は志摩が冗談を言うと、みんな厳しい顔をするかわいそうな感じだったんですけど、今回は岩槻が『そうなんですね。新人なので分からないですが頑張ります!』って慕おうとしてくれて。でも、だんだん『こいつが言っていることおかしいな?』って思うっていうグラデーションもあるはずなので、そういう感じも見ていただきたいです」
――確かに前作で一緒だった駿河には、冷たい対応をされている印象がありますね。
「そうですね。それが岩槻に代わって、ちょっとしたやりとりが増えるという。いや、お面外したら駿河だったっていうのは、初めて読んだ時にはビビりましたね。もうどうしてくれるんだ!って。僕は監督に『志摩という役は駿河を好きになっているから、その気持ちでやってくれ』って言われて、僕はすぐにできたんですよ。冗談を言ったりして、あの手この手で盛り上げるけどうまくいかない。でも頑張るっていうくらい駿河のことがすごく好きだったのに、敵になっていて…。もうショックでしたね」
――第1話の終わり方はものすごく衝撃的でしたよね。今回もスリリングな展開が待っていると思いますが、脚本を読んだ印象や魅力的に感じる部分を教えていただけますか?
「いやぁ、『うそだろ!』な展開は多いです。『うそだろ!』って僕も言いましたね。アクションも前回より過激ですし、敵が十二支の獣なんですけど、それが嫌なやつなんです。『こいつら鬼よりやばい』っていう志摩のセリフがあるんですけど、本当にそう思います。鬼より非道でやばいやつなので、そこに駿河がいるなんて何が起きたんだって。僕としては、何とか駿河と結ばれないものか!? でも、今は岩槻もいるし…っていう。それはぜひスピンオフで見たいですよね」
――スピンオフいいですね(笑)。ぜひ見たいです!
「はははは! 志摩のシーンも前作よりありますし、前作から見ている人はより驚けるシーンもあります。また空港という場所もやっぱりいいですよね。ずっと不穏なんですけど、これからどんどん謎が解けていくんじゃないかと。志摩はというと、全く前と変わず、あのままです。でも、次に何が起こるか分からないというあの緊迫感の中で、ずっとハラハラして見てもらえたらいいなと思いますね。前回は捜査本部も無事じゃなかったですけど、そういうのも見逃さないように見てもらえたら…って、僕も全く分からないまま話していますが(笑)」
――放送が楽しみです! 話が変わりますが、ぐんぴぃさんは「春とヒコーキ」として漫才やコントをされていますが、ドラマ出演が芸人の仕事に生きていると感じることはありますか?
「ありますね。ちょっとだけシリアスな演技ができるようになった気がします。逆に、僕はコントで冗談を言うキャラクターなので、どういうふうに言えばより面白くなく、よりむかつくかというところはこっち(ドラマ)でできているかなと。自分しか分からない冗談を平気で言うような、こういうおじさんいるよなっていう感じは出せているかなと思っています。これは芸人としてはもちろんできないですし、普段ももちろんできないけど、志摩蓮司を演じている限りはそれを合法にできるっていう気持ち良さはありますよね」
――芸人と俳優の仕事の相乗効果ですね。ちなみに、好きだったドラマやいつかやってみたい役などはありますか?
「『古畑任三郎』(フジテレビ系)や2時間ドラマのような刑事や探偵ものが好きです。もうすぐ退職みたいな枯れたじじいが事件を解決するみたいな役をいつかやれたらいいですね。あと、『古畑任三郎』だと助手の今泉くんが好きで、ああいうちょっと抜けている役もいいですね。でも、演じていた西村まさ彦さんってものすごく怖い役もできますし、その感じもいいなと思います」
――では、演じてみたいシチュエーションなどはありますか?
「(少し考えて)敵の組織の幹部で、しくじったやつは容赦なく始末するけど、子どもが車にひかれそうになったらちゃんと助けたり、子どもが持っていたアイスをズボンにつけられても『大丈夫だよ』ってお金を渡したり、そういう優しいところもある、過去があってストーリーがある悪役がいいですね。あと『半沢直樹』(TBS系)の悪役みたいなのもいいなってずっと思っていました。嫌なことも、ドラマだったら別にいくら言ってもいいじゃないですか(笑)」
クールで重厚感ある雰囲気での撮影に、キリッとした表情を作るも、すぐに破顔し恥ずかしそうな笑顔を見せていたぐんぴぃさん。緊迫感あふれる劇中では、どんな表情を見せてくれるのか? 「新空港占拠」での志摩の活躍からも目が離せない。
1月20日放送「新・交渉」
武蔵に銃口を向けた“蛇”が面を外すと、そこにいたのは1年前に共に事件を解決した駿河の姿が…。混乱する武蔵に、駿河は交渉人になることを指示。断れば人質の命がないという。一方その頃、武蔵の妻で心臓外科医の裕子(比嘉愛未)は、謎の男(ジェシー)に脅されて、言われるがまま車を走らせる。その行き先は、裕子の思いも寄らない場所で…。
【プロフィール】
ぐんぴぃ(春とヒコーキ)
1990年3月31日生まれ。福岡県出身。2017年に大学の先輩・土岡哲朗と共にお笑いコンビ「春とヒコーキ」を結成する。前作「大病院占拠」でドラマに初出演。25年春公開予定の映画「怪獣ヤロウ!」では、主人公・山田一郎を演じ初主演を果たす。自身のYouTubeチャンネル「バキ童チャンネル」のチャンネル登録者数は132万人を超える。
【番組情報】
「新空港占拠」
日本テレビ系
土曜 午後10:00~10:54
取材・文/K・T(日本テレビ担当) 撮影/尾崎篤志
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